第118話 ジャキの最後

「亜金。プレゲトンは、死んだらしいな?」


 ジルの問いに亜金君は、何も答えない。

 ただ、ジルを睨んでいる。

 俺はゆっくりとジャキの方を見た。


「ガキと一緒にお前を殺してやんよ!」


 ジャキが、楽しそうに笑う。

 俺は石ころをジャキに向けて投げる。

 石ころはジャキに命中し確実にダメージを与えている。

 でも、致命傷には至らない。

 ジルどころかジャキにさえダメージを与えれない。

 俺の力はやっぱり……

 ジャキの銃弾が俺の頭に命中する。


「痛ッ……」


「糞が、痛いですむところがムカつくぜ!」


 だが、俺の防御力も確実に上がっている。

 強くなっているはずなんだ。

 俺は、拳に力を入れる。


「サポートなら任せて」


 隼人君がそう言って銃を打つ。


「……鬱陶しいガキだな。

 お前から先に殺してやろうか?」


 ジャキが、隼人君の方を見る。


「私、皆が死なないように回復魔法を使うよ……」


 愛ちゃんがそう言うと歩ちゃんが気合を入れる。


「歩だって魔法頑張るよ!」


 歩ちゃんの杖から風の刃が現れジャキを襲う。

 ジャキは、その刃を避けると歩ちゃんに銃弾を放つ。

 それを元太君が剣で切り払う。


「糞……

 テメェら、無駄にコンビネーションいいな!」


「ふふふ……

 ジャキ、苦戦しているようだね」


 ベルがそう言って笑いながら現れる。

 ベルの存在を忘れていた。


「ベル。

 貴方は私が……」


 カイは、水の魔法をベルに放つ。


「やっぱりアンタは私と殺り合いたいようだね!」


 ベルが、そう言うとカイがすぐに言葉を放つ。


「私は、昴を護るためならなんでもする!

 貴方を殺しても後悔はしない!」


 それを聞いたベルは笑う。


「惚れた男のために……ってかい?

 あたしも惚れた男のためならなんだってできるんだよ!」


 ベルが、そう言って鞭に魔力を込める。


「私は、私の戦い方でベルを倒す!

 だから、昴!昴も昴のやり方でジャキを倒して……!」


 カイが、そう言うとなんとなく俺の中での重みが消えた気がする。


「わかった。

 俺のやり方でジャキを倒す!」


 俺は、小石を空高く投げる。


「なんの真似だ?」


「メテオシャワー……」


 今思いついた技の名前。

 小石が、地面に降り注ぐ。

 その石は流星のごとく降り注ぐ。

 その小石は確実にジャキの体にダメージを受けている。

 なので、俺はトドメに一撃に小石をぶつけた。

 俺のメテオシャワーは、小石のひとつひとつがメテオ並みの威力を持っている。

 流石にこれを喰らえばジャキでもダメージを受けるだろう。

 そう思っての行動だったが、思った以上にダメージを受けてくれたみたいだ。


「糞が……

 俺は、ここで終わるのか?

 俺って、アンラッキー??」


 ジャキは、そう言って姿を消した。

 たぶん、もう二度と現れないだろう。

 そんな気がした。

 これが、ジャキの最後だ。

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