第16話 プライセス。さわれそうでさわれないものがある。

「とりあえず、昴君。

 今日は、もうあがっていいわよ」


 万桜さんが、そう言って笑う。


「え?いいの?」


「うん」


 亜金君が頷く。

 もしかして、帰り道デートとかあるのかな?

 そして、それを繰り返していくうちにキスとかそれ以上のこととかを……

 俺がそこまで思ったとき優心さんがクスッと笑った。


「男の子だね」


 あ、しまった。

 心を読まれているの忘れていた。


「えっとこれは……」


「でも、私とはそういうのないから気にしないほうがいいよー」


 え?そうなの……?

 ハーレムは何処にいけば落ちているのだろう……


「とりあえず、兵長が昴君を呼んでいるよ?」


 万桜さんが、咳払いをしたあとそう言った。


「あ、わかったよ……」


 もしかして、仕事できないからクビとか?


「それもないから心配しないでいいよー」


「そっか……

 バルドさんとは、奴隷市場の一件以来会ってないな……」


「兵長も忙しい人だからね。

 でも、時々仕事をサボって奴隷の解放運動や慈善活動をしているよ」


「そうなのか……」


「というわけで、兵長の元へ昴君をごあんななーい」


 そうして、俺は優心さんに案内され兵長の元へと向かった。



――喫茶バルド


「よう。

 昴、久しぶりだな」


「はい、お久しぶりです。

 バルドさん。

 ってか、バルドさん。

 喫茶店で働いているんですね……

 少しびっくりしました」


「ああ、このギルドは傭兵以外の仕事を最低1つは持っているんだ。

 手に職が、あればギルドが潰れても食べていけるだろう?」


 バルドさんが、そう言ってニッコリと笑った。


「そ、そうですね」


「でだ、お前を呼んだのは他でもない。

 傭兵としての仕事だ」


「え?」


 俺一瞬耳を疑った。


「傭兵の仕事だ」


「えっと……」


 どう答えたらいい?


「大丈夫。

 お前でも出来る仕事だ」


「なんですか?」


 とりあえず聞くだけでも聞いてみるか……


「玉藻と言う娘の護衛だ。

 と言ってもあの子は、一流の魔導師。

 とってーも強いんだ」


「俺は、とってーも弱いですよ?」


「知ってるさ」


 バルドさんが、そう言って笑う。


「えっと、護衛必要ですか?」


「問題ない」


 そう言ってメガネの女の子が現れた。

 なんというか、クールビューティ?

 冷たそうな表情だけどどこか綺麗。

 そして、胸はある……


「はぁ……」


 優心さんがため息をつく。

 そうだよね。

 おっぱいは、プライセス。

 さわれそうでさわれない価値がある。

 と言うか、触れば即逮捕だな。

 どうせなら、おっぱいを自由に触れる世界に転生したかった。

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