第614話 再びサーカスへ

 申し訳ありません、7/24(月)、26(水)、27(金)は投稿をお休みさせて頂きますm(_ _)m


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 月曜日、俺とミカは早速サーカスへと向かった。無論、例の生涯パスを持ってね。やはり平日だからか人が土日ほどいないよ。



「こんな短期間で2回もくることになるなんてね」

「仕方ないよ。光夫さんに会うにはこれが一番手っ取り早いし」

「そうね」



 しばらく並んで、チケットを提示するところまで来た。

 俺とミカは例のあのパスを受付の団員さんに見せる。



「これ使えますよね?」

「えっ…ああ、はいっ! 使えます使えます! ささ、どうぞこちらへ」



 どうやら列を外れて別の場所に連れていかれるみたいだ。受付の裏まで回されて、そこで受付のお姉さんから別の団員さんに引き渡された。



「貴方方が団長の言っていた特別なお客様ですか。どうぞいらっしゃいました。あいにく、団長は今、舞台に出てまして……」

「あー、そうなんですか」

「私達、今日は愛長光夫さんとお話があって来たんですけど」



 そう告げるとその団員さんは丁寧に受け答えしてくれる。



「それならば次の公演が終わった後に訪ねてください。団長には私から伝えておきます。…並んできたということはサーカスも観ますよね? vip席で」

「ええ、観たいです!」

「お話はそれからということですね」

「はい」



 どうやらこの団員さんが話をつけてくれるみたいだ。よかったよかった。たくさん聞きたいことあるからね。

 ……ショーとショーの間に3~40分くらいしか休みがないからあんまり話さないかも知れないけれど、要点を訊くには十分だよね。


 次の公演が始まるまでの間の、お客さんの入退出の最中に俺とミカは前のvip席に通された。そしてメニュー表とかも渡される。

 とりあえずアイスクリームの乗ったメロンソーダを二つ頼んだの。



「サーカスねぇ…ね、やっぱり桜と叶君も連れてきた方が良かったかな?」

「うーん、でも今回は俺たちが握った新情報を確証するためのものだからね、巻き込んだら可哀想だし、叶なんかは深く首を突っ込んできそうだし。となるのそれに桜ちゃんは付き合うでしょ」

「それもそうね」



 うんうん、叶は頭がコンピュータ以上だしなんでも頼れるけれど頑張りすぎちゃうからね! そしたらフリーズしやすくなっちゃうもん。

 あれ、なんか叶が機械みたいになっちゃったね。あの子は人間だよ。俺の弟だからねっ。



「あ、はじまた! 最近またばかりだけどそれでも気持ちがウキウキするね」

「ねっ!」



 運ばれてきたドリンクを持ち、メニュー表の中からフライドポテトとかも頼みながら俺とミカはまたサーカスに見入った。ま、内容はおんなじなんだけどね。



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「はー、面白かった!」

「ねー」



 おんなじものだけどやっぱり楽しかったや。今回はvip扱いにちょっと慣れたから注文を多くしちゃったけど印象悪いお客さんになったりしてないかな。

 


「はーい、二人とも! また来てくれたんデスネ! 団長の部屋に移動しますカ?」



 あの時、俺に光夫さんがいる場所を教えてくれた団員さんがやって来た。

 


「はい、お願いします!」

「じゃあついてきてクーダサーイ!」



 言われた通りについて行く。

 そしてそのうち、前も行った通りの道順で団長のお部屋とやらにたどり着いたの。



「じゃ、わたしはコレーデ」

「ありがとうございました。よく来てくれましたね、二人とも。今日は弟さんと妹さんとお友達はいないのですか?」

「はい。二人だけです」

「そうですか。なにか用事があるんでしたねぇ。どうかしましたか?」



 光夫さん、何もやましいことなんてないから当たり前だけど、でも不自然に感じるほど慌てていないというか。

 まあいいや、話を続けようね。



「いや、アナズムで少し気になる話を聞きまして」

「ほう?」

「その、百年前に光夫さんがブフーラ王国で導者になったって話なんですけど。その記録が向こうの国に残ってたみたいで」



 光夫さんが若干首をかしげた。



「百年前…ですか。そのことを確認しにきたのですかね? お二人は」

「はい」

「あーその、非常に申し上げにくいのですが、実は生き返ってから悪魔たちを統率し始めたくらいのことまでしか覚えてないんですよ……」

「そうですか…」



 そこからしか覚えてないのか…まー、百年なら仕方ないとは思うけれど。

 しょんぼりとしたのがバレたのか、光夫さんはやっと慌ててこう続けた。



「し、しかしわたしのステータスにおかしなものがあったのは確かです! ええ。ですからおそらくレベルが上である貴方にあんなに楽に俺のスキルが効いたのではないでしょうか?」

「たしかにそう考えると自然ですね……」



 そういえばあの時点で俺もかなりレベルが高かったからね。あまりにもすんなり強制契約が効いたのもおかしいと思ってたんだよ。



「俺が知っている自分のことはここまでですかね。すいません、あまり思い出せなくて」

「いえいえ、百年ですからね、仕方ないですよ! ……あともう一つ聞きたいことあるんですが、時間は大丈夫ですか?」



 光夫さんは時計をみると、頷いて『どうぞ』と言ってくれた。



「それじゃあ…あの、インドラの金剛杵ってしってますか?」

「金剛杵……?」

「ええ、導者側の魔神封印武器らしいんですけど…」

「へえ、そうなんですか。いえ、知りませんでした」



 俺とミカは顔を見合わせた。どうやら特別しってることはないみたいだ。

 


「ありがとうございました。唐突に尋ねて変なことを聞いてしまい」

「いえいえ、こちらこそあまりに力になれずに、申し訳ありません」

「では、今日は俺たちはこれで」

「はい、この街にいる間はお好きにいらして下さい」



 俺とミカは光夫さんに頭を下げながら団長室から外に出た。団長室からは光夫さんが立ち上がる音と何かを取り出す音が聞こえた。



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