閑話 地球での小ネタ
今日は小話です。
地球に来てからそれぞれのキャラクター達にやらせたかったけれど、本編に織りこめなかったという小話を書いて行こうと思います。
主に、飛ばした数日間の間なにをやっていたかみたいな感じです。
(小話といってもボリュームはいつもと変わりません)
それでは、どうぞ。
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◆アイドル (翔・リル)◆
「ショー! ショー!」
俺の部屋にリルが何かワクワクした様子で駆け込んできた。手にはスマホを持っている。
「おう、どうしたんだリル」
「ジャパニーズアイドルって可愛いよね!」
「あ、ああ。そうだな」
唐突にどうしたと言うんだろうか。
「こう、振り付けが…こんな感じかな。さっきまで見てた動画のアイドルの真似をするよ!」
なるほど、そのアイドルが可愛かったから真似してみたくなったんだな。
よおし、付き合ってやろうじゃないか。
「おう、じゃあ見せてくれ」
「うん」
リルはスマホをそこらに放っておき、ピシリとポーズを決めると、人差し指を立てたまま腕をこちらに伸ばしてきた。
「リルはまだ、16だからぁー! センチメートルジェーニー」
「………ん?」
可愛かった。確かに可愛かったが…それはいつのアイドルだというのだろうか。
「わふ? わかんない?」
「いまいちピンとこないな」
「そっかぁ…可愛いんだけどなぁ」
リルはスマホを手に取り、『ほら!』と見せてくれたが、映像が古く何年前かまではわからない。
「ごめんな」
「ううん、いいんだよ! 今のを見せたかっただけだから」
「そっか、可愛かったぞ」
「そう? えへへ」
◆普段 (叶・桜)◆
「さくらー」
「な、なによ」
唐突に声をかけられた桜は勢いよく叶の方を振り向いた。
「よんでみただけ」
「なによそれ…」
「用がなきゃ呼んじゃダメだった?」
「ううん、そんなことないけど」
桜は読んでいた本の方に顔を向き直す。
「さくらーひまー」
「私は暇じゃないよ」
「いや…桜がそれ読んでもわからなくない? 六法全書だよ? 俺が小遣い貯めて買ったやつ」
「うん、知ってるよ。でも面白いの」
そう言いながら桜は六法全書のページをパラパラとめくる。
「ふーん…。まあ借りたかった借りてっていいよ。もう全部読んであらかた覚えたし、当分貸してあげる」
「えっ!? え…あ、うん。やめとく…きゃっ」
桜は六法全書を叶の部屋の棚に戻そうとしたが足をもつらせてしまい転びそうになった。
しかし、すんでのところ手間叶が受け止める。
「危ないよ」
「あ、ありがと」
叶は桜の持っていた分厚い本を棚に戻し、自分がさっきまで座っていた場所に座りなおした。
桜も同様に座りなおす。
「暇になっちゃったじゃない」
「まあ、いいじゃない。なんかして遊ぼ」
「うん!」
◆こちらの普段 (有夢・美花)◆
「みかー! きたよー!」
「いらっしゃい!」
俺は美花が着替え終わったであろうタイミングを見計らって部屋に侵入した。美花はそのまま迎えてくれる。
「今日も女の子っぽいね」
「これも美花が選んでくれたんじゃない」
「まあね」
そんな他愛もない会話をしながら美花の部屋の床に座る。その隣に美花もかなり近く座ってきたの。
「へへへー。どうしよう、なにもすることないよ?」
「えー、有夢はゲームがあるでしょ」
「今はいいの」
そう言いながら美花の頭を撫でてみる。
サラサラでなにもダメージを受けたことがないような綺麗すぎる黒髪。ちょっと手ですいたりしてみたり。
「んー、なにしよっかぁ」
そんなふうに呟いてみたりすると、大抵は美花が提案してくれる。
「き、きすっ!」
「毎日してるしなぁ…いいよ」
美花の唇に俺の唇を合わせた。
こんなこともう毎日やってるけど、よくお互いに飽きないなぁーって思う。
まあ飽きなんてこないんだけども。
「ん…。えへへ、何回しても嬉しいなぁ」
「そうだね。……で、なにする?」
「んーと、ギュってする?」
「それも毎日してるしねぇ…いいよ」
ギューーっと、お互いに前から抱きつき合うの。
まあこれも毎日してることなんだけどね。
決まって美花は強く抱きしめてくる。
「ふふふ。私はスタイルいいから…ってこれも毎日いつ待てるわね。私のこと飽きたりしない?」
少し残念そうな顔をしながら美花は自分からハグを離れた。俺の無い胸から有る胸の感覚が消える。
「そんなことないよ。ずっと抱きついててもいいくらい」
「ほんとー?」
「ほんとー」
「じゃあやってみよっか!」
美花は再び抱きついてきた。
無い胸に有る胸の感覚が蘇る。
いい匂いもするし、可愛いし最高だと思うんだ。
考えた方がちょっと危ないかもしれないけども本人公認だから問題なし。
「ふぅ、満足した!」
「そっかそっか、良かったね」
「うん、じゃあハグの次はキスを長くしようね」
「え、あ…うん、そうしようね!」
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以上で小ネタは終わりです。
ネタ切れした時にまたやります(´・ω・`)
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