第222話 エピローグ 02
◆
「あーあ、何やっているんですか……」
とある開けた地。
元は魔王、クロードの生家があった場所。
先程まで煙幕が撒き散らされ視界も不良であった場所。
――クロードを追い詰めていた場所。
そこでコンテニューは苦笑いを浮かべながら、目の前の機械兵器に苦言を呈していた。
獣型のジャスティス。
クロードを弾き飛ばした、緑色のジャスティス。
今はその前足の片方が崩壊していた。
「魔王を逃がす手伝いをした挙句、接近戦を仕掛けて前足を破壊されて、しっかりと追撃されないようにされているじゃないですか。まったく……クロードクロードと魔王の名前を恨みを込めながら叫んでいた割に、魔王は『五メートル以内のモノを変化させる能力』を持っているって知らなかったんですか?」
『……そんなの、よく知っているわよ、私が一番。だから悪かったとは思っているわ。ごめんなさいね』
獣型のジャスティスから応答がある。
しかしその声はどこか不遜で、全く殊勝な態度は見られなかった。
コンテニューは肩を竦めて小さき息を吐く。
「全然謝罪している態度には見えませんね。恋心に目が曇りましたか?」
『復讐心よ。恨みが強すぎて殺す以外のことを全く考えていなかったわ。あんな地獄を味合わせておきながら未だに想っていたのならば、それはよっぽど心の強い人間ね』
「……あんな地獄を味合わせた?」
『あんたがやったのよ。この私に。忘れたの?』
その言葉の後、突然にコクピット席が開き、獣型ジャスティスからパイロットが姿を見せてきた。
「だからまた裏で繋がっていた――なんて思われるのは心底心外だわね」
彼女は特徴ある髪色――銀髪を風に靡かせながらそう答える。
「……やはり貴方でしたか」
その人物の姿を見て、コンテニューは小さく息を吐く。
「アリエッタ元陸軍元帥」
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