これまでのあらすじ
無限に広がる大宇宙……その片隅で――
時に23世紀の初頭、人類は深宇宙より飛来し、地球を我が巣にせんとする謎の敵性異星体グォイドに対し、太陽系防衛艦隊SSDFを結成、太陽系を舞台に存亡を賭けた大宇宙戦の時代を迎えていた。
航宙艦エンジニアの少年ケイジは、木星近傍での激戦の末に漂流していたところを、適正をもつ少女でしか扱えない超高速情報処理システム【ANESYS】を用いることで、破格の戦闘力を得るVS艦隊の航宇宙戦闘艦〈じんりゅう〉に救助される。
しかし、〈じんりゅう〉もまた主機関が故障し、減速出来ずに小惑星帯メインベルトへと危険な速度で突入しようとしている最中であった。
ケイジは〈じんりゅう〉の臨時機関長として、個性豊かな少女クルー達と協力しあい小惑星帯への安全な突入をなんとか成し遂げる。
しかし、行く手にもまたグォイドの影が潜んでいた。
小惑星帯メインベルト内最大の天体・準惑星ケレスを新たな巣にすべく、グォイドの播種船シードピラー擁する艦隊が密かに侵入していたのだ。
先の戦闘により既に〈じんりゅう〉の船体が満身創痍であったことから、ユリノ艦長は一度はグォイドの進攻阻止を諦めかけるが、唯一異議を唱えたケイジの一言により【ANESYS】を利用して現状打破の策を模索してみることにする。
……その結果、彼女達は小惑星帯内じんりゅう近傍に、今は亡きユリノの姉レイカ艦長が残した先代の〈じんりゅう〉の主機関にして、人類の航宇宙艦がもつ全ての主機関の祖であり、未だ起源不明の大出力動力源”オリジナルUVD”を発見する。
ユリノは〈じんりゅう〉の主機関をこのオリジナルUVDに換装し、その強力無比な大出力をもってグォイド・ケレス進攻艦隊を阻止することを決意する。
ただちにケイジによって主機関換装作業が開始される〈じんりゅう〉。
だが、その換装作業が終了する間際、グォイドにより無防備な状態の〈じんりゅう〉が発見されてしまった。
絶体絶命の〈じんりゅう〉。
だがケイジの命を賭けた尽力により、辛くも〈じんりゅう〉はオリジナルUVDによる再起動に成功する。
その引き換えに臨時機関長を失う〈じんりゅう〉。
短い間とはいえ、共に苦労を乗り越えてきたケイジを亡くしたことに途方も無いショックを受けるユリノ艦長をはじめとした〈じんりゅう〉クルー達。
だが彼女達はケイジの思いに答えるべく、悲しみを怒りに変え【ANESYS】を起動。
ケレスに急行し、グォイド艦隊の進攻阻止に挑むのだった。
獅子奮迅の戦いにより、なんとかシードピラーのケレス到達は阻止し、さらにVS艦隊の増援が駆けつけてきてくれたことにより、〈じんりゅう〉は辛くもケレスを狙うグォイドの殲滅に成功する。
だがケイジを失った悲しみに、勝利の喜びになど〈じんりゅう〉のクルー達はひたれはしなかったのであった。
……しかし…………そんな彼女の元へ届く一つの救難信号があった……。
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