ディスティニー・アンダーグラウンド
羽村びおら
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時計が0時をまわった。
「俺達の魔法がとけちゃったね…」
麻也(まや)がそう言うと、諒(りょう)は答えに困ったようだったが、
シャンパンのグラスをガラスのテーブルの上に置くと、
「ああ、まあね。」
と彼らしくもない歯切れの悪い返事をした。
イギリス系の血も流れている、研ぎ出されたような美貌と眼力がずば抜けた、カリスマボーカリストの諒。
そしてその横に立ち、彼の恋人としてステージもプライベートも助け合ってきた中性的な美貌のギタリストの麻也…
今夜はグラマラスな二人のロックバンド「ディスティニー・アンダーグラウンド」の東京ドームでの解散コンサートの夜だった。
一次会だけの打ち上げもすませ、2人は今、すっかり疲れてしまって、スーツ姿のまま、ドームホテルのスイートルームのソファの上で脱力していた。
麻也はぼんやりと諒の茶色の短い髪を眺め、諒は麻也の肩までかかるふわふわの黒髪を見ていた。
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