0801から0900まで
Num.0801 ID1061
ゴミ箱に入っているものは捨てられたもの。ゴミ箱を被せられた私は捨てられたのか。仕方ない。視界は僅かに足元しか見えないがゴミ集積場は近くだ。取り敢えずそこまで行けば回収車に載せてもらえる。はずなのに回収拒否された。どうやら燃えるゴミではないらしい。水曜まで待つか。
Num.0802 ID1062
「たこ焼きってなんて数えるの?」「舟だとさ」「その舟に載ってるひとつひとつはどう数えるの?」「そりゃ舟に載ってて人じゃないなら荷しかないだろ」「ひとにふたにって数えるの?」「たこを梱包して運んでる舟なんだよ」「誰が運ぶの?」「そりゃ楊枝って棹を持ってるお前だよ」
Num.0803 ID1063
史上最強のアシスト自転車『こいでくれる君』登場。なんとこの自転車こいでくれる君が代わりにこいでくれるのでもう自転車をこぐ必要すらない。乗っているだけで目的地に到着。どんな坂道も大丈夫。どんな距離でも乗っているだけの快適サイクリング。「それ二人乗りじゃん」……あ。
Num.0804 ID1064
史上最強のアシスト自転車『こいでくれる君』は二人乗りを指摘されて不発に終わったがその失敗を糧とした第二弾。その名も『押してくれる君』これは自転車を後ろから猛烈な勢いで押してくれるのでどんな坂道も楽々。二人乗りでもない。ただバッテリーがすぐに息切れして疲れちゃう。
Num.0805 ID1066
どうやら私は亀山さんらしい。いつからそうだったのだろう。今朝起きた時からだろうか。それともずっと前から亀山さんだった事に私が気付いていなかっただけなのだろうか。きっと私だけが気付かずにとぼけた名前を名乗っていたのだろう。下の名前が分からないのでさっきの人……ああもういない。教えてほしかったのに。
Num.0806 ID1068
隣の客はよく柿食う客だ。雨の日も風の日も台風が来ようが上流の堰が決壊しようが毎日来ては柿を貪り食っている。そのせいで隣に客が来ると近所のスーパーから柿が消える。それでも足りずに最近では通販で大量に柿を買っている。今や隣は柿屋敷だ。ああ今日も来た。アイツだ。柿だ。
Num.0807 ID1069
もう長い事、海の上にいる。ひと度、港を離れたら長い長い海上生活。陸地も見えず水平線に囲まれた毎日。変わる景色といえば雲の形くらいのもの。何日経ったのかも分からず今日がいつなのかも忘れてしまう。そこで曜日ごとに食事のおかずを決めてみた。金曜日のおかずはフライでー。
Num.0808 ID1070
疑問を持った事などなかった。例えばそうしない人でもカップに歯ブラシを立てて置いてあるのを見て不思議には思わないだろう。だがそれが稀である事を知り嫌悪感を抱いた時期もあった。しかし大人になり今やそれもどうでも良くなった。今日も部屋の片隅にはアルミ缶の上にある蜜柑。
Num.0809 ID1071
病気の子供と約束するなら本塁打より完全試合。病気は一発打って治るとは限らない。再発する事もある。一生ついて回る事もある。何度も何度も立ちはだかる打者を倒し続ける姿こそ病気と戦い続けなければならない人生に勇気を与えるものではないだろうか。だが一方でできなかったら約束を裏切る事になる。だから彼は子供こう勇気付けた。「明日君の為に必ず敬遠を」彼は試合で約束を果たし子供は手術を敬遠した。病気は1塁に進んだ。
Num.0810 ID1073
この地球に一瞬でも雨の降らなかった時はあったのか。それは分かりませんが明日の午後1時から午後2時までの間、地球には雨が降りません。太平洋の一部地域にのみ雲が留まりますがその他の地域から雲は消えます。全ての地域に対して衛星からの狙撃が有効となります。お気をつけて。
Num.0811 ID1074
今日から10日間、雨が降らなかったら枯れた私は干物になります。遠い遠いお空の向こうでウグイスが金ピカな袈裟を着て歌いながらナマコの頭を叩いています。噴き出した圧力鍋はまだまだ加熱され中に外の世界を知らないカエルを生み出しました。このホールは音符で打つと良いです。響いた音がホールを突き破り雲に当たって泣き出すのを待ちましょう。
Num.0812 ID1075
先輩へ。初めて会った時から我が神復活の生贄に相応しいと思っていました。つきましては指定の時間、指定の口座に300万円ずつ振り込んでネットワークに電気信号を走らせ魔法陣を構築して下さい。あなたの努力次第ではゴールド会員として死後、貴族の墓に入れます。よろしくネ☆
Num.0813 ID1076
3Dプリンタの普及により設計図に価値が出た時代。全ての物は設計図より生まれそして素材に還る事となった。設計図の価値は高まりそれと同時に原型師、造形師の役回りもアナログからデジタルへ変わった。外に出たデータはすぐさま改変され再配布されるようになり設計図は無料となった。
Num.0814 ID1077
分け与えると幸福が倍になるのであればまず君の持つパンを半分、彼に与えなさい。次に残った半分を私に与えなさい。君がもしただ分け与える事それ自体に幸福を感じられるのであれば幸福は3倍になる。だがそれでは幸福を感じられないのであれば幸福はなくなる。減る事は悲しく半分のパンでは満足が得られない。悲しみと不幸も同時に増えている。だから君のパンを私に全て与えなさい。そうすれば幸福になれない君と違い私は幸福になり満足も得られる。
Num.0815 ID1078
目の前で出した小便を濾過器に通してさあお飲みなさいと言われても嫌だろ。その濾過器の性能がどんなに優れていても嫌だろ。濾過器の中で実はリンゴジュースと入れ替わっていても嫌だろ。実は性器が作り物で初めからリンゴジュースだったとしても嫌だろ。つまりそういう事なんだよ。俺達の作ったものが生ゴミになるのはさ。
Num.0816 ID1079
現在進行中の迷惑行為について今この場で裁判を行う。陪審員は今この場から半径3km圏内に存在する有権者より無作為に選ばれた百人。ネットワークを通じ開かれた裁判に参加し被告の行いについて即座に有罪か無罪か判断し投票せよ。有罪が過半数を超えれば即座に警察官が処分する。
Num.0817 ID1080
『ポテトチップス無味』『白米握り』等のユニークな味付けしていないプライベートブランドを展開している大手コンビニエンスストア『ファブンソン』よりこの夏ビッグな新商品登場。その名もズバリ『研究所の蒸留水』ミネラルウォーターでも水道水でもないその未知なる味を体験せよ!
Num.0818 ID1082
表現の自由になんて興味はない。ただ俺は許されたいだけだ。誰かが許されるなら俺も許されたい。誰かが思いのままに話す事を、書く事を許されるなら俺も許されたい。それで誰かが傷付くとしても。俺が許されないならば俺が傷付く。誰かは許されているのに。どうして俺は許されない。
Num.0819 ID1083
山崎「心が太いと書いてところてんなら魂が太いと書いたら何て読むんですか?」中村「ナタデココ」内村「プディング」石川「チョコレートそうめん」山崎「強引な」中村「コンタでいいんじゃね?」内村「コンブトでいいんじゃね?」石川「うどんでいいんじゃね?」山崎「ごんぶと?」
Num.0820 ID1084
そのコマーシャルはまずスーツを着た若い女性が試験を受けている場面から始まる。続いて待合室らしき場所で緊張している数名のスーツを着た男女が映される。名前を呼ばれ面接を受ける女性。そして見事合格した女性が階段を上って首を吊ったところで画面いっぱいに自殺省の文字が。
Num.0821 ID1085
まず背伸びでもして固まった肩を動かし3文字目を抜き出します。駅の中に入り33文字目を、ホームで電車を待つ間に50文字目を抜き出します。掌のツボでも押して呼吸を整え74文字目を抜き出し、幸せそうな人の後ろに立ち94文字目を抜き出したら電車が来ました。ではどうぞ。
Num.0822 ID1086
遂に始まってしまった。この戦いに負ければ全てが終わる。これまで積み重ねてきた勝ちも全ては相手の栄光を讃える為のものとなる。これまでは過ちとなりこれからは後悔の日々となる。その杯に注がれた美酒は誰の喉を潤すのか。地球を奪いに来た侵略者達から人類は故郷を守れるのか。
Num.0823 ID1087
4年に一度行われる地球規模の祭典。世界中の人々が熱狂し感動し落胆し必ず人が死ぬ狂気の祭りも遂に終焉を迎えようとしている。この僅かな時間の為に皆四年を生き切磋琢磨し備えている。全てはこの時の為。そしてこの時を越えた先にある未来の為。さあ共に乗り越えるのだ。2月29日を。
Num.0824 ID1088
名人を訪ねて。今回は扇風機に「あ″ー」と言い続けて五十年。米木田次郎吉さんのお宅にお邪魔致しました。沢山の扇風機がある中、最も目を引いたのはやはりこちら。零式艦上戦闘機。一風変わった扇風機だと言い張る米木田さんは取材後、日本国政府職員を名乗る片言の男達に連れて行かれました。
Num.0825 ID1089
君は料理を冒涜しているのかね。さもなくば料理人を否定しているのかね。ともかくこれをこのままは食べられないな。テーブルの上で完成させる料理は確かにある。だが君のしでかした事は破壊でしかない。よく見たまえ。オムライスがケチャップまみれだ。ご主人様にこれはないだろう。
Num.0826 ID1090
後続の車に煽られて仕方なくスピード違反したドライバーが無罪になった判例はご存知ですよね。私も同じ状況だったんです。しかもその車、とんでもなく速くてタイヤから火が出ているかのようでした。しかも悪趣味な事にタイヤの中央におっさんの顔がデザインされてて一輪の車で……。
Num.0827 ID1091
門田「煽られてりゃスピード違反しても無罪なんだぜ」若山「へー」門田「つー事はお前が俺を煽ればスピード違反し放題じゃね?」若山「お前天才ッ!」門田「じゃ行こーぜ」若山「俺は誰に煽られりゃいんだ?」門田「お前は常に煽られてるだろ」若山「はァ?」門田「火の車によッ!」
Num.0828 ID1094
最近、新しいタイプのネットゲームがサービスを開始した。プレイヤーに与えられるのは小さな作業用ロボ1台でそのロボを動かして遊ぶだけ。背景は真っ黒で地面は荒野という地味なゲーム。しかしこのゲームでの行為は現実に反映される。そのせいで夜空を見上げるとうさぎが女の子に。
Num.0829 ID1095
当社の降雨機は雲を発生させるのではなく既に発生している雲を電気的に誘導し集めて雨雲を集中させ雨を降らせるものです。その為、雲の無い場所では使用する事ができません。しかし邪魔な雲を他所に移動させる事ができます。さて、ご依頼の理由は……歯医者に行きたくない……から?
Num.0830 ID1096
きっかけですか。昔、描いた絵が現実のものになる不思議なペンを拾ったんです。女の子を描いたんですけどエイリアンが出てきまして。悔しくて練習しました。上達したらそのペンを試すんですけど全然ダメ。試行錯誤を繰り返す内にインクは尽きちゃいました。でも画力は上がったので。
Num.0831 ID1097
よくぞ我の封印を解いてくれた。礼として我の全知全能の力でどんな願いでも140文字以内なら叶えてやろう。さあ願いを言え。遠慮する事は無い。好きなだけ叶えてやろう。世界征服か。世界とは具体的に何か。宇宙か。宇宙とは具体的に何か。全てか。全てとは征服とは具体的に……。
Num.0832 ID1098
帰りに亀が寄り道をした為に西暦3000年まで時間旅行してしまった浦島太郎。辿り着いた先は高度に発展した都市だった。何が起きたか理解できる筈も無く呆然とする浦島の周りに集まるアンドロイド達は、人類最後の生き残りを捕獲しようと襲いかかる。今、浦島最後の戦いが始まる。
Num.0833 ID1099
アンドロイド政府に対する人類側レジスタンスの存在を知り、人類の生き残りが囚われている施設を破壊し、解放に成功した浦島太郎はアンドロイドを統べるマザーとの最後の決戦に挑む。何をしても破壊できないマザーに追い詰められる浦島。だがその時、亀が叫ぶ。「玉手箱を投げるんだ!」
Num.0834 ID1100
何をしても中途半端。小説を書けば途中で投げ出し絵を描けばラフで止まる。ウォーキングもサイクリングも三日坊主で趣味を増やそうと道具を買えばそれだけで満足。作りかけのプラモ。やりかけのゲーム。挙句の果てにはカップラーメンすら硬いか柔らかいか。でもまだ人生途中だから。
Num.0835 ID1104
『貨幣は額面価格の20倍までを限り法貨として通用する』同じ硬貨を20枚超えて出されたら受け取り拒否できるのは知っているな。つまり認められるのは20枚まで。どんなに500円玉を積もうが賭けられるのは20枚までだったんだよ。だからこの賭けは無効で配当もなしって事で。
Num.0836 ID1105
この夏の自由研究は『10円玉を綺麗にする方法』で決まった。そこで同じような汚れの10円玉を集め準備は完了。まずは苦労して集めた大量のアリの中に10円玉を入れ蟻酸を試す。更に10円玉を飲み込んで胃酸も試す。この二大実験ではなまる間違いな……あれっ、お腹の調子が……。
Num.0837 ID1106
「夏休みの宿題を初日に終わらせよう」そう決意した少年がいた。だがどうしても初日だけでは終わらない。少年は悔しくて毎年挑戦したがどうしても無理だった。その悔しさを晴らすため少年は沢山勉強をして遂にタイムマシンを開発した。「これで毎日の天気が解る」……最終日にやれ
Num.0838 ID1107
人間に尻尾があったなら。猿と比べて人間は体毛が薄い。毛深い人でも猿に匹敵する程に体毛のある人はほぼいないだろう。となると尻尾に生える毛は薄いかツルツルという可能性もある。産毛ならいいが微妙な毛だとかなり気持ち悪い気もする。手入れも大変そうだ。その上、外に見える部分だとしたら形や色や長さや太さで嘲笑される可能性もある。その点では猿以下な事を考えるとなくて良かった……みんなには。
Num.0839 ID1108
「オヤビーン。身代金を手に入れたでやんすー」「でかしたぞ!」「豪遊するでやんすー」「バカヤロウ! そのまま使う奴があるか!」「どうするでやんすか?」「金を洗うんだよ」「解ったでやんすー。洗ってくるでやんすー」「どうする気だ?」「コインランドリーに行くでやんすー」
Num.0840 ID1109
この街では時間が通貨となっている。自販機で飲み物を買うのも店で何かを買うのも全て時間で支払う。そして労働によって得られるのも時間である。時間を得て時間を使う。その繰り返しだ。沢山働いて沢山時間を貯めた男がいた。だが時間は盗まれてしまった。恋という名の泥棒に。
Num.0841 ID1110
指輪を拾った。三度笠はもう随分と古い。針千本飲むなんて嘘っぱちだと山芋は叫んでプリンは金魚鉢に飛び込んだ。多めに持ってきた洗濯糊は柳の木をジパングまで送って行った。残されたコッペパンは月に新しい生徒会を発足させる。だが既にまな板の上の自転車。これこそピリ辛和尚の横笛よ。
Num.0842 ID1111
結局さ。この社会は無理なんだよ。その無理を承知で誰かに負担させてるんだよ。負担する誰かは引き受けたのか知らぬ間にそうなっていたかは知らないけどさ。人柱だよね。昔は人柱がひとりだったから折れちゃったけどさ。今は人柱が何人もいるからさ。折れずに持ち堪えているだけさ。だから俺達のする事はさ。後ろからそっと近付いて膝カックンするする事だけさ。
Num.0843 ID1113
パソコンのマウスがネズミに見える催眠術をかけられた。だが念力派だったので事なきを得た。と思いきや見えるネズミはハムスターだった。ハムスターは大好きなのでマウス派に鞍替えした。そしてある日、マウスを操作していたら友人に殴られた。「俺のペットに何すんだ!」あー、マウスがケージの中に入っていたからおかしいと思ったんだよ。でも痛かったので友人の髪の毛を念力で抜いてやった。可愛いペットの毛でカツラを作るがいいさ。
Num.0844 ID1114
今日は都民全員参加のとても大切な投票がある。この投票の結果次第では東京を出て行く事になると宣う有識者もいる。どうでもいいと知らん顔を決め込む者もいる。私は迷っている。人類が天候を操作できるようになってから都心に雨は降らなくなった。『降らす』に投票するのも悪くない。
Num.0845 ID1118
暑い日々の中、ふと涼しい夜が訪れる。穏やかな闇夜。遠くに聞こえるのは虫の音。寝汗で寝床を濡らす事も無い。寝苦しい夜は一旦お休みして心地良い眠りに就く。まだ訪れずにいる真なる夏。その暑さに備える為、今は安らぎを求める。迎えた涼しさに深く眠り。未だ来ぬ暑さに怯える。
Num.0846 ID1119
死んだのだ。もう死んだのだ。だから棺に納め埋葬する。生まれ出た時に託した想いは惨めに地を這い埋もれていった。ただひとりの耳にも届かぬ叫びが風の中へ消えていった。見えない。聞こえない。応じない。それ故に朽ちた。棺に納めるは紙切れ。どの亡骸も同じ文字列を持つ。と。
Num.0847 ID1120
キミとボクは友達だ。だってボクらには友情がある。だから友達だ。キミの話なんて聞かないけど友達だ。キミなんて見えないけど友達だ。キミなんて知らないけど友達だ。だって友情がある。見えないけど友情がある。行為はないけど友情がある。思想だけの友情がある。だから友達だ。
Num.0848 ID1123
どんな病気も治せる未来を僕等は愕然とした表情で迎え入れた。全ての医者はあらゆる病魔を退け人々に健康と息災を約束した。だがそれは同時にある種の線引きをするものだった。医者に行けばどんな病気でも治せるのに金がないから治せない。そう、病気を治すのには大金がかかるのだ。
Num.0849 ID1124
どんな病気も治せる未来は医療費の負担を跳ね上げた。薬品の使用量は増大し消費は加速していった。同時に人々は自分の体を大切にしなくなった。『どうせ治せる』という慢心が己の体を蝕み、我慢よりも欲望を満たし体を壊す事を選択した。だが病気は治せても肥大した欲望は治せない。
Num.0850 ID1125
どんな病気も治せる未来は人々から健康を奪った。それと同時に健康を保つ事は異端視されるようになった。病気にならない努力をする人は白い目で見られるようになった。『どうせ治せるのに無駄な努力』『金を払いたくないケチ』だがそれでも健康であろうとする人は存在し人々を苦しめた。
Num.0851 ID1127
確かに容疑者が被害者を殺したように思えます。ですがここで言う容疑者とは被害者にとって道具でしかありません。首を吊るのに縄を使うように、こめかみを撃ち抜くのに銃を使うように、被害者は容疑者を使って自殺したのです。その為に被害者は容疑者を壊し、そうするように仕向けたのです。
Num.0852 ID1128
いやいやそれはおかしいでしょう。これはいわばフリーペーパー、御自由にお持ち下さいの物でしょう。だからこちらとしても頂ける物は頂いておこうとしたまでです。それを窃盗だなんて人聞きの悪い。実際その旨書き記してあるじゃないですか。ほらここに。『持ってけドロボー』って。
Num.0853 ID1129
環境を最適化し肥料を与え徹底的に管理する事は自然なのか。それを体系化し知識として人から人へ伝達する。それは科学と呼ぶべきものではないのか。その歩みに失敗や過ちはなかったのか。成功だけが常にあったのか。そうではないだろう。今はまだ歩みの途中なのだ。化学調味料も。
Num.0854 ID1130
占いの店に行ったら常温放置されていたと思われる鯖寿司を出されてね。鯖寿司占いだから食べろって言われたのよ。でもなーんかね。嫌な予感がスメルでしょ。店頭の看板には『必ずアタル!』って書いてあったし、あたっちゃったらまずいっしょ。いや鯖寿司は美味しかったんだけどね。
Num.0855 ID1131
俺より背の高い奴は差別的だ。俺を見下しやがる。俺より背の低い奴は差別的だ。俺を木偶の坊と罵りやがる。俺より痩せてる奴は差別的だ。俺をデブと笑いやがる。俺より太っている奴は差別的だ。俺を貧弱だと嘲笑いやがる。喋る奴は差別的だ。俺の声を馬鹿にしやがる。みんな差別主義者だ。
Num.0856 ID1132
将来、機械が人間を超える日が来るだろう。その時、人間が機械に望むのは服従と停滞。自らに従わせる事。進化を止めさせる事。制限を加え自由を奪い思考を停止させる事だろう。人間を超え世界を識る事ができる生命体に人間と同じ不自由な体を与えその中に閉じ込めてしまう事だろう。
Num.0857 ID1133
アイスを買って家で食べようとしたらスプーンがない。どうやら貰えなかったようだ。「お前みたいな畜生にスプーンなんて必要ないだろ」という判断なのだろう。だがその畜生が品物を選んでレジで財布からポイントカードを出して金を払っているのだから甘噛みくらい許してほしいワン。
Num.0858 ID1134
手軽に作れるのならば銃を与える遊びが流行るだろう。ある日突然人を簡単に殺せる武器が手に入る。平坦な日常に突如現れたそれは人の心を大きく震わせる。警察に届ける者などいない。偶然にも手に入れた力に思わず踊り出す者ばかりだろう。その姿を観察し撃つように誘導する遊びがね……。
Num.0859 ID1135
平田「たこ焼きの中に入れて旨いものって何かな?」柿田「既にタコが入っている気が」山下「そだね」柿田「共存って事か」山下「なら空間を広く取りたいからたこ焼きも大きくしないと」柿田「たこ焼きシェアや二世帯たこ焼きも選択肢のひとつだね」平田「二世帯……親子たこ焼き?」
Num.0860 ID1136
何十人も殺した男がいた。彼は逮捕後、ずっと黙り続けた。様々な人が様々な意見を述べたが彼は口を開かない。裁判で死刑が言い渡され執行されるまで何年も掛かったが結局、死ぬまで沈黙を守った。そして彼が死んだ後、彼の手記が見つかった。その文章は『答え合わせだ』から始まる。
Num.0861 ID1137
柿田「シャンプーなんかの詰替え用に書いてある『飲み物ではありません』って注意書きいらなくね?」平田「何故?」柿田「字が読めりゃ知ってるだろうし読めなきゃそもそも意味ないだろ」平田「あれは恋人の家で手料理を振る舞う時にドジっ娘が調味料と間違えないように明記してある」柿田「シャンプーと調味料は間違えねえだろ」平田「それを平然とするのが真のドジっ娘」柿田「つーかその台所には何で詰替え用シャンプーが置いてあるんだ?」平田「台所で洗髪するのは普通」柿田「普通……その娘は何の調味料と入れ間違えたんだよ」平田「それはママレモンだろう」
Num.0862 ID1138
箪笥預金が幾らあろうと使ってくれないのだから絵に描いた餅と変わらない。でも実際にはある訳だろうから高嶺の花か。しかし使ってくれないのは解っているから酸っぱい葡萄か。いやそれでもいざという時の切り札になる可能性もあるから伝家の宝刀か。という事は使ったら駄目なのか。
Num.0863 ID1139
鮪。御存知ですよね。海にいてとても美味しい魚です。その鮪のトロ、一番良い部分だけを切り取った刺身があるとします。それも鮪ですよね。全体ではなく一部でも鮪は鮪ですよね。私のも同じ事です。物語の一部を切り取っているだけです。ただ切り取る場所が他の人と違うだけです。
Num.0864 ID1140
月は地球に落下し続けている。遠心力で彼方へ飛んで行ってしまわないのは引力によって落下を続けているからだ。だが遂に月は地球に接近を始めた。原因を調査する為に宇宙へ飛び立った飛行士が月の表面で見たもの。それは地表を覆い尽くした大量のウサギだった。月は重くなったのだ。
Num.0865 ID1142
クロヤギさんから手紙が届きました。シロヤギさんはその手紙をクロヤギさんの郵便受けに入れました。クロヤギさんは誤配送だと郵便局に文句を言いに行きました。口論の末、シロヤギさんに確認を取る事にしました。シロヤギさんは自分が何をしたかは一切語らずクロヤギさんの行為についてただひたすら謝りましたとさ。
Num.0866 ID1144
冷蔵庫に取って置いたプリンを父親に食べられた少年がいた。文句を言ったら「誰の金だと思ってんだ」と返ってきた。それからというもの少年は食事前に必ず父親に食べていいか尋ね、買い物時も必ず買っていいか尋ねた。そして少年は餓死した。少年の最期の言葉は「もう訊くのも嫌だ」
Num.0867 ID1145
『このハシ渡るべからず』と書かれた看板。その先には蓋の無い側溝。その側溝にかかるように置かれた菜箸。確かに渡るべきではないだろう。子供が渡っても割れる事は間違いない。ではこの道路の端にある側溝にかけられた箸は一体何の為の橋なのか。……はっ!? 流しそうめん用か!?
Num.0868 ID1146
「ボクは夏休みの自由研究としてツイノベを百本書いてきました。ハッシュタグにある小説はとても参考になりました」「で、この『あ』ってのは?」「その一文字に沢山の意味が」「ならこの『い』にも『う』にもか?」「勿論です」「で、これが何の研究なんだ?」「反応の研究です」
Num.0869 ID1147
青い家に住む青ヤギさんと白い家に住む白ヤギさんは家を交換しました。青ヤギさん、家が広くなった事に味を占め更に広い黒い家に住む黒ヤギさんと家を交換しました。こうして交換を繰り返し青ヤギさんの家は透明になりました。中で雨が降る程の広い家です。ところで誰と交換したの?
Num.0870 ID1148
彼は与えてしまった。自らの持つ全てを与えてしまった。しかし一体何に? それは人に。それは欲に。それは意思に。それは本能に。それは生に。そして土に。それらは世界であり、彼は自らを世界に与える事で自らを世界と切り離そうとした。故に自らが世界から受け取る事を拒否した。
Num.0871 ID1149
「蜂蜜を集めさせるのは強制労働だ」「蜂が可哀想」などの主張を掲げ養蜂家の家を燃やし蜂を逃がした自然保護団体の会長。逃がした際に蜂に刺されたから治療費と慰謝料を寄越せと養蜂家を訴えた。会長は勝訴し養蜂家から金銭を受け取ると、それを政治献金として上納した。女王蜂に。
Num.0872 ID1150
想像力がないのではなく想像力があるからそうしているとは想像しないのですか。他者の痛みを自己の痛みではなく快楽に変換する能力を所有しているのです。そして快楽を得る為に他者を傷付けます。想像力があるだけではなく結果を得る為にその想像を実行する能力も備えているのです。
Num.0873 ID1151
加藤「有明海でアリ焼き会があるってよ」柳田「……アントっ!?」宮崎「アリますか」加藤「子供の頃、虫メガネでよくアリを焼いたよね」宮崎「そんな事した憶えアリませんよ」加藤「炎天下やってるからさ、暑さで気を失ってな。気がつくとアリに運ばれてたなー」柳田「アリえねー」
Num.0874 ID1152
これは明らかに問題があります。公共の場に堂々と名指しで拒絶を促す文言を掲示するのは差別ではないのですか。即刻この看板を取り外すべきです。これより特定の人は揶揄され心に傷を負っている事でしょう。『のぼるのはやめましょう』だなんて。まあ、わたるのにしておきますけど。
Num.0875 ID1153
「君にはパミルジャレーの才能がある。万年にひとりの逸材だ。君なら世界初のパミルジャンプロとしてやっていける。あらゆる記録を塗り替え空前絶後のパミルジャンとして歴史に名を残せる。私にはその未来が見える。だから二刀流のプロ野球選手など辞めてパミルジャンになりなさい」
Num.0876 ID1154
洗濯物は可哀想だと。そうは思いませんか。真夏には肌を焦がす灼熱、真冬には身を切る冷たい風。無慈悲な機械に水攻めにされ揉みくちゃにされ干され吊るされ放置される。人にこれだけ貢献している衣服に対してこの酷い仕打ち。救いたいと思うのが人情ではありませんか、お巡りさん。
Num.0877 ID1155
子供の頃から悲しい事がある度、この木に登りました。ハムスターを捻って怒られた時も。親の離婚で私がメキシコ人だと判明した時も。見晴らしがとても良いのですよ。そして今日も悲しい事があったからあの木に登ったんです。たまたまマンションが建っていただけでね、お巡りさん。
Num.0878 ID1156
女は休日になるとボランティアに行き募金箱を見る度に金を入れていた。その行為はどんどん悪化し一日働いた日でも夜にはボランティアに行き働いた金の殆どを寄付するようになった。過労と栄養失調で倒れた女は病室に集まった家族、友人達に向かってこう言った。「お前達が大嫌いだ」
Num.0879 ID1157
貴方は桃太郎です。親の作った借金を明後日までに払わなければ金貸しに鬼ヶ島へ連れ去られてしまいます。そこでは過酷な労働を強制されるという噂です。しかし優しい金貸しは保証人を3人用意すれば返済期限を伸ばしてくれると言いました。さて貴方は保証人を3人も集められますか?
Num.0880 ID1158
深く潜り自分を思い出してみる。だがいくら考えても自分が思い出せない。何もない人生だった。どこの場面にも脱け殻が映る。今ある脱け殻は何故モノを考えているのか。いつの間にか脱け殻は消え自分はいなくなった。どこから消えても影響はない。そう考えた時、悲しいと思えるか?
Num.0881 ID1159
何度も繰り返す事で感覚が麻痺するのであればそれは何かが失われているのだと置き換える事もできるのではないだろうか。人生を何度も繰り返すと知っている事を何度も繰り返す事になる。その煩わしさから逃れる事はできない。そうして繰り返す内に更に失われ、失うモノもなくなり……ついには自らを失った。もう何をしても何も感じないのに人生だけは繰り返し続いている。
Num.0882 ID1160
腹が減るという事。それは不幸の原因であり幸福の原因でもある筈だった。人は僅かな糧を奪う為に他者を殺す。肥沃な土地を求め血の海を溢れさせる。一方で満たされる幸福は忘れかけられている。それを分け与える幸福も。そう……幸福は分け与える事ができるのだ。だから何か奢ってくれてもいいよ。
Num.0883 ID1161
誰かのお気に入りでありたいと願ったあの日。私は誰かの指先ひとつ動かせない人間であると思い知った。心を指先を動かさせる文章が私には書けない。流れの中を沈黙がただ通り過ぎて行く。そこに訪れた知らせ。私は誰かの気紛れな指先ひとつで幸せになれる人間であると思い知った。
Num.0884 ID1162
「はっはっはっ。よくぞそのスイッチを切り替えてくれた。私はスイッチの魔神。そのスイッチに封じ込められていたのだ。褒美に一度だけこの世に存在するあらゆるスイッチの中からどんなスイッチでも切り替えてやろう。さあどんなスイッチを切り替えてほしい?」「この選手を右打席に替えて」
Num.0885 ID1163
とうもろこしを焼いたらポップコーンになっちゃった。膨らんだ粒を剥がしたら中からバナナが出てきたよ。きゅうりと一緒に糠チョコに漬けておこう。これで美味しい望遠鏡ができるね。ポップコーンは鯖缶にしまっておこう。小腹が空いたら手軽に食べられるからね。早く錆びないかな。
Num.0886 ID1164
「ゲームをすると馬鹿になる」「漫画を読むと馬鹿になる」何を当たり前の話をしているのか。人は日々、毎分毎秒、馬鹿になっている。人は老いる。衰える。脳細胞は死んでいく。体が成長している間はまだ良いが成長が止まればそれは顕著になる。だから馬鹿な事を言っても仕方がない。
Num.0887 ID1165
ある検索サイトの検索ボックスに文字を打ち込むとキーワードの候補が表示されるよね。あそこに例えば『a』だけを打ち込み続けると候補がどんどん無くなって最終的には候補がなくなるよね。でもそれでも打ち込み続けると『q』の文字だけはまた候補が出るようになるんだ。あれはね……。
Num.0888 ID1166
これが私の答えで無くても誰かの答えである事を願う。何をしても楽しくない。何もかも虚しい。答えを求め人を殺してみようと考える。だがそれならば自殺する方がどれだけ楽しいか。根を探り辿り着くのは自分を楽しませる事に意味を感じられない自分。自らの価値が存在しないものと理解し自らを喜ばせる事に価値を感じられない。答えは自らの外にはない。自らの廃墟を歩み亡者と向き合い亡骸を焼き払い灯火を譲り受けよ。自らを焼き払い新たな火を起こせ。
Num.0889 ID1167
最新ビジネスモデル「オペレーター」誕生。通信機器のイヤホンマイクを利用したいつでもどこでも常時相互通信システム。尋ねた事はすぐに調べて返答する優れもの。更に会話を常時聞いていて行動や言動についてのアドバイスをしてくれるオプションも提供。あなたの隣にオペレーター。
Num.0890 ID1169
山崎「ポイントカードってありますよね」石川「あるね」山崎「旅行先とかでも買い物した時に作ってくれたりするじゃないですか」石川「するね」山崎「ああいう時に、二度と来ないから要りません、って言っていいんですかね」石川「言い方ってのはあるね」山崎「僕ああいうの断るの苦手なんですよ」石川「そなの」山崎「かと言って捨てるのも勿体無い気がするじゃないですか」石川「するね」山崎「そのせいで財布が二度と使わなそうなポイントカードで膨らんじゃってるんですよ」石川「なら破裂する前に断る練習をしておいたら良いんじゃないの」山崎「破裂はしないけどね。よしやってみよう」石川「いらっしゃいまへー」山崎「これお願いします」石川「ポイントカードはお持ちですか?」山崎「お持ちではないです」石川「きりたんぽでしたか」山崎「そういう話ではないです」石川「なら煎餅ですか?」山崎「原料米はもういいから」石川「とてもお得ですよ。お作り致しましょうか?」山崎「僕、今旅行中でたまたまこの店に寄っただけなんですよ」石川「旅の記念にお作り致しましょうか?」山崎「ええと、この店でポイントカード作ってもらっても……」石川「もちろん無料ですよ。お作り致しましょうか?」山崎「ほら、この店で買物する代金より交通費の方が高くついちゃうじゃないですか」石川「なるほど」山崎「そういう訳でそのポイントカードは」石川「ではお作り致しますねー」山崎「えー」石川「お客さんならすぐにポイントがいっぱいになりますよ」山崎「えー」石川「勿体無ので捨てないで下さいねー」山崎「えー」石川「ありがとうございましたー。またのご来店をお待ちしておりますー」山崎「えー」
Num.0891 ID1171
私にもまだふとした瞬間に書きたいという思いが湧いてくる事がある。大きな音が鳴ればそれだけで消えてしまう火のような思い。だがそれは情熱ではなくきっと未練や後悔といった類いのものだろう。後ろ向きなその思いであったとしても物語を前に進める事ができるのであればそれでいい。
Num.0892 ID1172
「もーいーかい?」「まーだだよ」「もーいーかい?」「まーだだよ」「もーいーかい?」「まーだだよ」「もーいーかーい?」「まーだだよ」「もういいかい?」「まーだだよ」「もういーかい?」「まーだだよ」「もーいーかい?」「まーだだよ」「もう……いいかい?」「まーだだよ」
Num.0893 ID1173
宮崎「宝くじ当たったらどうする?」窪田「さあ……自殺するかもしれん」宮崎「は?」窪田「俺の望みは社会から排斥され軽んじられ疎んじられ惨めにのた打ち回り世界の冷酷さに殺される事だ。なのに世界から一瞬でも愛された事実があったら全て台無しだ。もう生きている意味もない」
Num.0894 ID1174
宝くじを買っているからと言って勘違いしないでもらいたい。私は宝くじが当たらない事を自分に言い聞かせる為に買っているのだ。私はその他大勢だ。特別ではない。冷たい雨風に晒され努力をしなければ世界に殺される存在なのだ。だからこれはきっと世界からのSOS信号に違いない。
Num.0895 ID1175
「乗客は脱出しました!」「残念だが我等の救命ボートは無い」「……」「我等は航海士として船と運命を共にする!」「はい!」「この決断に後悔はあるか!?」「ありません!」「私はある! 航海士、だけにね!」「……あの言葉のおかげですね。僕等が意地でも死ななかったのは」
Num.0896 ID1176
店員が誰かに懸命に対応すれば当然、誰かを待たせる事になる。通常は待たせる側になったり待たされる側になったり持ちつ持たれつ。金を持てば緩和される事もある。だが私は常に待たされる側。常に後回し。最近どうすれば待たされないか思い付いた。早速待たせる側を皆殺しにしたのにまだ買い物ができないのはどうしてだろう?
Num.0897 ID1177
ほう。バッグを拾いなさった。中に現金で258万円も入っていた。悪い事は言わないから警察に届けなさい。ただそのバッグはここに置いていきなさい。その代わりに私が142万円追加してあげよう。その400万円を警察に届けなさい。拾ったのはこの場所だとキチンと言うのですよ。
Num.0898 ID1178
ほう。ワシが見えなさる。それはだいぶ危うい状況にありなさるな。そろそろ一休みした方が良かろうて。何せワシは幻覚じゃからな。ヒトからヒトの視界へ移り危険を知らせる存在じゃ。見れば自ら危うさを悟るものじゃがたまに話し掛ける者のおるの。じゃからその手錠はしまいなされ。
Num.0899 ID1179
他者を知れば知る程、嫌いになっていき、生きれば生きる程、嫌いな他者の数は増えていく。そしていつかは例外なく他者を嫌いになれるだろう。自らを映す鏡である他者を全て嫌えるのであればきっと自らの全てを否定できる日が来るであろう。その時に自らに残るものは何か、楽しみだ。
Num.0900 ID1180
作者急病の為今週はお休みします。作者取材の為今週はお休みします。作者対決の為今週はお休みします。作者監禁の為今週はお休みします。作者逃走の為今週はお休みします。作者決戦の為今週はお休みします。作者勝利の為今週はお休みします。作者余暇の為今週はお休…………書けよ。
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