【設定辞書】のデータ解説 vol.4


 設定辞書(データブック) ―― 【勇者技能】


【モンスター図鑑】、【アイテム図鑑】、【キャラクター図鑑】、【ステータス閲覧】、【鑑定】、【観察眼】、etc.etc。

これら数々をたった一行に詰め込んだ超お役立ち能力。処女非処女から呪いの一品までエピソード込みで判別できる素敵な目。

ちなみに本体も非凡な魔力量の持ち主なので、決して戦闘では役立たずという事も無い。

目覚めたチートがどういうものであるかも、代々の【設定辞書】によって鑑定され、記録される。

それにしても当代【設定辞書】による日本のルーン文字と馴染み深い単語を併記したネーミングは特にセンスが光り、天才に相応しい見識の深さと知恵の神が宿っているのだろう。


       『自分のブーツがそんなにうまいか?』




 魔導二輪車(バイク) ―― 【装備品】


 装備品と言って良いのかはともかく、四世勇者筆頭に至急された後輪駆動二輪車。

機関部となるエンジンに魔法を、車体・インターフェイスに科学的機構を用いたいわゆる「模造科学」できた品の一つ。

最高速度は時速120km前後、アンフィナーゼ単独で【光刃貴剣(エンチャントノーヴル)】の使用を前提とするなら時速300kmほど。

「乗り物は事故を起こすもの」と相場が決まっているので、今のところ量産計画は無し。

科学技術由来のものが人を殺すのはなるべく避けたいんだよね、うち。




 人類圏 ―― 【地理・歴史】


魔人戦争以前に人の居住区であった地域。また、そう主張される部分。

戦争と言っても国家間の戦いでは無く、魔王と勇者という個人の戦いと〈飛空城(後の天空街)〉と呼ばれる超兵器の奪取によって終戦が決定したため、戦後の講話は比較的スムーズであった。

その背景には、勇者タダヒトが吸血鬼の娘を嫁の1人として迎えるという宣言を行ったこと、人類圏で最も勢力を持つ神聖帝国もまた勇者一味によって腐敗が粛清され混乱の最中で有ったこと、エルフなどの友好的種族の存在。

また真龍マスタードラゴンによって人も魔も元は同じ種であり、交配も問題なく行えることが明らかにされたことなどが大きかったと言えるだろう。


ではなぜ人と魔が別れたのか。それこそが邪神の陰謀であり、女神の嘆きの種でも有ったのだ――以下略。




 本家 ―― 【人物】


 勇者の血族の内、〈天空街〉内にいる人員達のこと。明確にどこかの血筋を指すわけではない。

残りの血族は何をしているのかというと、各地でボランティアに励んだり技術振興したりして地道に世間の好感度を稼いでいる。

本家に残るのは研究中の「魔導」家と会計・伝達・転送に携わる人員、または「知の倉庫」を本拠地とする機能系の能力者。

教育中の子供が居る家庭とその教育係、「半神」、「神官」のトップ数人と大婆様のみである。

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