神様に話すこと

白音クロネ

序章

どうして、人は争いを止めないのだろう。

そんなことを考えた神様がいた。

生まれてすぐに自分が何を持たないかを知り、持つものから奪うことを選ぶ。

世界の全てが自分の為に存在すると、自分のものにならないならばそれは忌むべきものだと、己の都合であるがままの事象を歪め。

おろかで、幼い、矮小な[知的生命体]。


寂しさから気紛れに造り出した愛玩動物たちだったが、どんなに時間が過ぎても彼らが成熟する事はなく、膨れ上がった人間たちの欲が、青い惑星を限界まで蝕む度に、神は彼らを減らし、気に入った個体だけを新しく浄化した大地に放った。


何故自分は人を造り、何度失敗しても世界に人を放ち続けるのだろう。


そんな事を考えた時、神は気づいた。


とても、寂しい自分に。




気づいてしまった時、神は思った。

その寂しさから、解放されたい。


どうすればいいかは、簡単だった。



神は、人になった。

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