第三十八話 ちいさな女の子

ごはんをごちそうになって、就寝の準備をした。

おいしかった。そういえば、あれは誰が作ったのだろう。

大魔法使いにそんな器用なことが出来るだろうか?

出来るとは思えない。


と思いつつ、今日の事を思い返している。

今日は本当に楽しかった。全力で魔法を使うことも出来たし

それを防がれるという経験も出来た。


これは人によって違うかもしれないけど

出来ないことがあると言うのは本当に楽しい。

これから、出来るようになることだからだ。


なんでもできるようになったら、やっぱり少し面白くない。

常に新しい発見を探している。

どんどん、賢くなりしたい、どんどんできることを増やしたい。


本を読むのも好きだし、どんどん学習していきたい。

小学校に言ってる時は、本を読むのなんて好きじゃなくなかったけど

大人になったら勉強することはどんどん面白いことになるのだ。


みんなお金を払って勉強していく。

子供の頃と違って、強制的にやらされるわけではなく

自分からやりたいというのがポイントだ。


やらされてると、なんだってつまらなくなるはずだ

誰かに言われて、ゲームのノルマを与えられてやっていたら、かなりつまらなくなっちゃうはずだ。

必ず今日中にレベル5まであげなさいとか


自分で問題を発見して、解決していくことが

楽しいことなのだ。

ここに辿り着けるのは大学院くらいからで

それまではひたすらツールの使い方を学ぶところなのだ


微分積分や三角関数がいつ役に立つんだよ!

ってみんないうけど、めちゃくちゃ役に立つ。

例えば、今もうなくてはならないCG技術とかめちゃくちゃ使われている。

複雑な形状の立体物の体積を出すのに積分は使われるし、CGのモーションなどの制御に三角関数は使われる。


けど、そこを結び付けられるようになるのは

大学院で、研究をするようになってから位なので

習っているときは、一体なんの役に立つのかわからない。


それはかなりもったいないな、と思う。

毎日楽しく触れてるゲームに、その技術がきちんと使われてることがわかれば、もっとモチベーションがあがるのにな

と思いつつ。寝た。


朝、起きて、自主トレーニングをしていたら、かわいい女の子がそこにいた。

「君はどこから来たの?こんな時間に、危ないから帰ったほうがいいよ?」

こんなところに、こんな小さな女の子が来れるのだろうか?

それより、いまは僕の魔法に巻き込まれることが心配だ。


「大丈夫!」

エッヘンという感じで、少女が言った。


「いや、大丈夫じゃないって、僕の魔法が当たっちゃう可能性があるから」


「飛んできても防げるから大丈夫だよ!それより、お兄ちゃんの魔法を見せて!今から打つから避けてね!」

「え?」


「ファイヤー」

少女が出した大出力の魔法に包まれた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る