最高傑作のミルク珈琲

君は小さな椅子に座って 待っている

僕が君の為に作る珈琲を


いつもしている事だけれど

君と他人は やっぱりちょっと違うんだ


君は僕を 観察するように

珍しそうな顔で見るから


いつもしている事だけれど

いつも以上に緊張してしまいます


『僕の最高傑作飲んでおくれ』

と冗談交じりで 僕は言う


僕の最高傑作は

香りや深みなんかじゃない


いつもの様なこだわりは

君には 通用しないのだ


僕の淹れた珈琲をいかに美味しく

ミルク珈琲に出来るかだ

君の好みに合わせられるかだ


そうやって人生自体も

歩んできたような

そんな気分にさせられる

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