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  • 文芸部へのご参加、ありがとうございます。

    土地を枯らす災厄を鎮めるため、水神の贄として静かな湖へと沈んでいくリューシャさん。その最後の朝に去来する、かつて愛した「あなた」への想いと、失われた銀の指輪のぬくもり。哀しくも気高く、どこまでも透き通った美しさを湛えた物語を、深く胸を打たれながら静かに読ませていただきました。

    ■ 全体を読んでの感想

    晴れ渡る空の下で、静かに水底を見つめるリューシャさんの凛とした横顔が、目の前に浮かんでくるようでした。

    冷たい水に浸した手からすでに失われてしまった、かつて返した銀の指輪という存在が、かつての幸福な時間と現在の孤独な運命をとても鮮やかに際立たせています。

    残していく悔悛や少しの不安を抱えながらも、自らの終わりが愛する人の故郷を守る力になるという事実に、確かな「誇り」を見出していく彼女の心の強さに、言葉にならない感動を覚えました。悲劇的な運命でありながら、まるで静かな祈りのように美しく、澄んだ読後感に包まれています。

    ■ お題「会話文(「」)の封印」と描写の活用について

    本作は、言葉を排することによって、リューシャさんの「内なる沈黙」と、物語に漂う厳かな空気感を極限まで高める見事なアプローチとして機能しています。

    ・セリフなき心の内なる語りかけ
    「あなた」への呼びかけや、自らの想いをセリフとして口にしないことで、かえって彼女の胸に秘められた愛の深さと、声にならない叫びが静かに、そして深く読者の心に染み渡ってきます。

    ・仕草と視線が紡ぐ「巨大な余白」
    背中に刺さる二種類の視線に対し、ただ振り返って微笑むという仕草。そして手元に残された指輪の痕跡。これらの「言葉を交わさない一瞬のやり取り」が、贄を見送る人々の複雑な葛藤や、かつて二人の間にあったであろう深い信頼関係を、地の文の丁寧な描写を通して何よりも雄弁に物語っています。

    ■ 最後に

    静かな水底へと沈みゆくリューシャさんの最後の日の記憶は、哀しくも、星のようにきらきらとした美しさをいつまでも心に残してくれました。

    お題の「会話文の封印」という引き算の魔法を、これほどまでに気高く、そして美しい幻想文芸として表現してくださり、本当にありがとうございました。

    また部室にて、あなたの紡ぐ、静謐で心洗われるような素晴らしい物語に出会えるのを心より楽しみにしております。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。
    今回は既存作品を「」禁止版として書き直して参加したので、描写を丁寧に読んでいただけて嬉しいです。
    また文芸部の企画でご一緒できれば幸いです。