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  • エピローグへの応援コメント

    最後が「曲がったきゅうり」なの、いいですね。形も大きさも揃わず、収穫するまで正解か分からない、それでもまた植える――ずっと描かれてきた「答えを一つに決めさせない」という物語が、こんな穏やかな日常の景色に着地するのがとても好きです。
    そして返事をしないアーチを毎朝庭へ連れてきて、レイもナビィも「いなかったこと」にせず、その不在ごと抱えて暮らしているのが温かくも切ないですね。最後に啓介が誰かを救いに走るのではなく、「ご飯!」と呼ばれて家へ向かう――長い戦いの果てに手に入れたものが、この何でもない生活なのだと思うと、とてもいい余韻でした。

    作者からの返信

    板野かな様

    最後までご感想をいただき、ありがとうございました。

    Re.UNIONという作品がありまして、その作品のテーマを持たせつつ、少しエンタメ感を出したいと思って書いたのがインテグラルでした。
    私自身初めての戦闘シーンや、SFにチャレンジした作品です。

    何度も推敲したのですが、時が経つと直したい所が沢山出てくるものですね。

    一話一話丁寧にご感想をいただき、また、温かいお言葉をいただき、とても嬉しかったです。
    そして、これだけちゃんと読んで下さるのだから、一文一文しっかり書かなければと、改めて気づきを与えていただきました。

    このたびはありがとうございました。

    編集済
  • 凜の「――お父さん」、これは胸に来ますね。全部を許したからではなく、「まだほとんど知らない」「だから知りに来た」と、自分たちで父親として向き合うことを選んだ二人の答えなのがとても良かったです。
    そしてナビィが最後に羽川へ残した「逃げずに待って」が、ちゃんとこの日のための余白になっているのも温かいですね。失われた十年以上を無理に埋めず、最後はトマトの苗の話をする――そんな小さなところから三人の時間が始まる締め方が好きです。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    凜とるいにはもう戦わず青春を謳歌して欲しい。父親との時間をしっかり与えたいと思って書きました。
    とはいえ、13年の時間を取り戻すには、こんな始まりかなと思います。

  • 第28話 「母の選択」への応援コメント

    ナビィの「押しかけるな。答えを急かすな。でも逃げないで」が、とても好きです。羽川に生きることだけを約束させ、娘たちがいつか選び直せる余地を残す――最後まで彼女自身が“答えを決めてしまわない”母親であり続けたのが印象的でした。
    だからこそ最期が「ご飯、ちゃんと食べなさいね」という、ごく普通の母親の言葉なのが胸に来ますね……。遺言めいたものすら残さず、娘たちに何も背負わせないまま、三人で笑った夜を最後に静かに眠るナビィらしい別れでした。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    羽川との再出発も考えたのですが、この形になりました。
    本編で書ききれなかったことをどんどん後出ししていったような感じです。
    ナビィにもう少し活躍の場があっても良かったかなと、今では思います。

  • 第27話 「残されたもの」への応援コメント

    レイのための領域を「無駄な領域」と分かった上で空けておく美月の選択が、とても好きです。同じものを作り直して喪失を埋めるのではなく、「レイがいた」という事実ごと残しておく――九条との対比もあって、静かな場面なのに強く響きました。
    そして「憎むとも赦すとも決められない」に対する「ああ。だから出さないって答える」も、この物語らしいですね。最後に美月が当然のようにアーチを一人と数えて「じゃあ三人ね」と言うところは、失ったものを無かったことにせず、それでも未来へ進んでいく二人の温かさを感じました。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    のんびりとした空気の中でレイとアーチ、そして九条を振り返ってみたのですが、九条とのバトル以降終わりまで、どう終わらせてよいかよくわからずダラダラ続けてしまった思いがあります。

  • 第26話 「知った上で」への応援コメント

    「ネオ、リンネ、エル。三つの光」が美月のもとへ帰ってきても、そこにはレイとアーチがいない――欠けたものを欠けたまま描く再会が静かで沁みますね。それでも美月の「みんな、大きくなったね」に、失われた時間だけでなく三体が自分で選び、戦ってきた歩みまで感じられて温かかったです。
    そしてナビィがついに真実を伝え、「赦す必要も、受け入れる必要もない」と娘たちへ判断を返すのも、この物語らしい決着でした。「知らないから選べない」状態ではなく、知った上で「今は会わない」と選ぶ――タイトルが綺麗に響く回ですね。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます、

    正直ここからは、長くダラダラ書きすぎたと思っています。
    これでも半分くらいに削ったのですが、決着から最後までが本当にダラダラしてしまったと思っています。

  • 第25話 「最適化の終わり」への応援コメント

    九条を倒して《クワイア》を止めても、会社そのものは何事もなかったように存続する――この後味の苦さがいいですね。「それが正しい答えだとは思わなかった。ただ、ここで失う命を増やさないために選んだ」という啓介の判断も、最後まで“唯一の正解”を置かないこの物語らしいです。
    そして最後、CEOの襟元に光るプラグと、その背後のトマス……! かつて消えたはずの人物がここで姿を見せることで、「最適化の終わり」という題なのに、何かがまだ静かに残っている不穏さが強烈でした。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    啓介達は、ルナコアにとぅてただのテロリストです。そのまま捕まっても不思議では無い、そして無事に帰れるのもおかしい。どっしたらよいか考えた末の決着がこれでした。

    トマスは伏線回収であり、次回作の伏線でもありました。

  • 第24話 「インテグラル」への応援コメント

    「決めるまで、残しておけばいい」――ここまで積み重ねてきた物語そのものが、この一言と《インテグラル》に結実したようで熱かったです。夏美もまた「必要なものまで壊したら九条と同じになる」と、支援は残して“選択を奪う部分だけ”を止めるのが本当にこの作品らしい決着ですね。
    だからこそ、その勝利の代償がアーチなのがあまりにも辛いです……。「だって、いらないの、なかったよ」は、何でも記録してきたアーチの生き方そのものであり、啓介の「相棒って、呼んだばかりだろ」には胸が締め付けられました。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    全ての想いを九条にぶつけて目を覚まさせる、これは決めていました。
    また、夏美も、九条と同じにならないように、止めるもの、残すものをちゃんと書かないとと思っていました。

    アーチは当初は退場の予定はありませんでした。これは大きな決断でした。だからこそ、続編には絶対アーチやアーチの代わりになるものは出さないと決めました。

  • ついにアーチが……! 「あーちが覚えてる」は、ずっと“記録するだけ”だったアーチだからこそ言える言葉で、啓介の記憶を守るために実体化する展開がとても熱いです。
    特に「違うから、見えるんだよ」がいいですね。九条とシグマが同じ答えを共有するのに対して、啓介とアーチは違う判断のまま繋がる――ここまで積み上げてきた思想が、そのまま戦う力になっています。そして最後にアーチからこぼれ落ちた一粒の光……勝機が見えた喜びの中に、不穏な代償が静かに混ざるのが胸に残りました。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    覚醒したアーチはめちゃくちゃ強くしようと決めていました。
    しかし、九条は産みの親でもあるので、どこまで戦わせるか迷いました。
    改稿前の、アーチ覚醒のトリガーは、九条が衛生兵器によって市街を燃やすシーンでした。
    九条に人殺しをさせたくなかったのでこういう形に落ち着きました。

  • 第22話 「行って」への応援コメント

    クレアをかつて引き戻した九条自身が「今、答えを一つに決める必要はない」と言っていたとは……現在の彼との反転があまりにも切ないですね。だからこそクレアの「行って」には、啓介を通して昔の九条を取り戻してほしいという、長年そばにいた彼女の願いが凝縮されているようで胸に残りました。
    そして散々殴られながら「じゃあ数えとけ」「考える」「今から」と立ち続ける啓介が実に啓介らしいです。完璧に同期して同じ答えを共有する九条とシグマに対して、エルたちが「アーチを信じています」と言う――いよいよアーチが積み重ねてきた“記録”が何になるのか、期待が高まります。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    クレアもかなり悩みました。九条側に人間が欲しかった。
    そしてクレアが九条に惹かれる理由も色々考えてこれになりましたが、なんだかなぁ、という重いです。

    啓介は最後まで弱いままにしようと決めていました。
    アーチに施した改造が、どんな意味を持つのか、期待して進めて貰えるように書きました。

  • 第21話 「レイ、いる?」への応援コメント

    「レイだけ、いないんだね」というアーチの言葉、あまりに素朴だからこそ胸に刺さりますね。中でもエルの「レイは、最後までレイでした」は、人格を消して一つに揃えようとする《クワイア》への静かな対答にもなっていて、とても好きです。
    そして美月と夏美がようやくちゃんと「初めまして」を交わし、コードを通じて先に人柄を知っていた夏美が「会ってみたいと思ったから」と伝える場面も温かいです。レイを悼む時間をきちんと置いた上で、それでも《クワイア》を止めるため再び進み始める流れに、それぞれの意志の強さを感じました。

  • 第20話 「返して」への応援コメント

    美月が残した「無駄な余白」が、最後には美月自身を取り戻すための帰り道になるのが素晴らしいですね。以前の「失敗しても、一度受け止める」という設計思想がここまで大きく繋がり、シータの言うノイズや非効率こそが人間を守ったという決着がとても美しいです。
    そして「初めまして、美月さん。あなたを助けに来た」からの「……啓介……?」は胸に来ました。ずっと美月を取り戻すために走ってきた啓介が、名前を呼ばれた途端に言葉を失って、ただ手を握る――この再会は静かだからこそ沁みます。

  • 第19話 「九十度」への応援コメント

    レイが命懸けで残した「九十度」が、ここで具体的な一撃になるのが熱いですね。千日手の果てにレイ自身では使えなかった答えを、エルが受け取り、啓介が意味を読み解き、夏美が実行する――誰か一人の正解ではなく、繋がった先で初めて成立する攻略なのがとても好きです。
    そして「レイが教えてくれたの」と美月の顔をしたシータへ告げる夏美が格好いい。たった一度の隙を確かに届かせたのに、シータが即座に「九十度を、確認」「次は、収束する」と返してくるのも、この戦いがまだ終わらない緊張感を残しています。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    終盤に向けて、戦わない啓介にどうやって存在感を持たせていくかを考えていました。
    単純に見破ったから勝てる、そうはしたくなかったです。

  • 第18話 「千日手」への応援コメント

    レイ、ここまで一人で美月を守り続けていたんですね……。「勝つこと」ではなく、最後に見つけた答えをエルへ託し、美月への不可逆な破壊を防ぐことに残ったすべてを使う最期が、彼女らしくて胸が締め付けられます。
    特にネオの「分かってるけど、もう一回」と、それに付き合うリンネのやり取りが切ないです。そしてレイが遺したたった一つの「九十度」が希望として残る一方、美月の姿をしたシータが「夏美」と名前だけを学習して会いに来るラスト――再会がこんなにも怖いものになるとは……。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    レイをどうするかは最後まで悩みました。微かに残っていて、エルと合流することで力を取り戻す、なども考えたのですが、このようになりました。
    シータは貞子をイメージして書きました。見た目だけですが。見た目も書けていませんね💦
    ここは夏美しかいないので、単なる90度を1回見破って勝ってしまうのだけはやめようと頭を悩ませました。

  • 第17話 「行け」への応援コメント

    羽川の『俺の娘たちだ』、ここまで本人が父親であることを切り離してきたからこそ、この一言は格好いいですね。名乗ることはできなくても、娘たちを守るために九条の側そのものへ牙を剥き、最後にはただ「行け」と送り出すのが胸に残ります。
    一方で、イプシロンを失ったパリアの「私は、まだ使えます」があまりにも切ないです。初めて自分自身の能力を見てくれた九条への思いが、いつの間にか“役に立てなければ自分には価値がない”ところまで結びついていたことが、短い一言に凝縮されているように感じました。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    なぜイプシロンはカイを避けられないのか、ここも作者の都合で何となくで進めてしまいました。
    難しいですね。全ての整合性を保ちながら書くのは。そこが腕なのでしょうが私にはこれが限界でした。

    パリアは別に悪いことしてないんですよね。九条に忠実だった。単なる悪者にしたくなかった思いで書きました。

  • 第16話 「予測の外」への応援コメント

    「二つを、四つに戻す」がいいですね。強く同期するのではなく、あえて相談も補正もせず、それぞれ勝手に動くことで予測を外す――“違いを残すこと”そのものが戦術になるのが、この作品らしくて格好いいです。
    るいとリンネ、凜とネオの噛み合わなさも、「勝手に撃たないで!」「当たったからいいでしょ!」と戦闘中なのに妙に可愛くて好きでした(笑)。それすら学習して追いつくイプシロンの凄みに絶望しかけたところで、あの重い足音とともに《カイ》が戻ってくるラスト――これは熱いです。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    数学バトルをやろうと決めて書き始めてしまったので、自分にそのバトルを描けないことに真っ青になりながらなんとかならないかと書いていました。
    もはや無茶苦茶なバトルなのですが、勝たせないことで強引に先に進ませることにしました。
    文字通り、カイに助けてもらった回でした。

  • 第15話 「顔より先に」への応援コメント

    パリアが九条に従う理由が「自分の顔より先に自分の仕事を見た人」だったとは……これは彼女にとって九条が特別になるのも痛いほど伝わりますね。「顔面の対称性と演算精度に相関はない」という、九条らしく情緒の欠片もない言葉が、だからこそパリアには救いになったというのが印象的です。
    そして現在の戦闘では、そのパリア自身が作った《ε》が「技ではなく、技になる前の人間」を読むところまで完成しているのが格好いいです。そんな中でも夏美がレイとの接続を「切らないで」と選んだことが、この絶望的な戦況の向こうで美月たちとまだ繋がっている感じがして胸に残りました。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    パリアをただの敵にしたくありまさんでした。それぞれに背景があり、九条の性格も感じ取っていただけて嬉しいです。

    実はここまでAIチーム、一度もまともに勝ててないんです笑

  • 第14話 「壁」への応援コメント

    羽川がただ九条に従っていたのではなく、「自分が前に立つ」ことで娘たちを守ろうとしていたとは……ナビィとは違う答えを選びながら、二人とも凜とるいを守ろうとしていたという過去が切ないですね。特にカイの命令へ抗って「るいを離せ!」と自分の意思で動かす瞬間と、最後の「……大きくなったな」は胸に来ました。
    そして、凜の言葉にならない違和感をリンネが受け取り、エルは羽川自身の「止めたい」という意思を拾う――前話で完成した“ノイズを捨てない”LRinksの仕組みが、さっそく人を救う力になっているのも見事です。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    羽川が娘をどうするか、凜とるいが父親だと気づくのか、何度も何度も書き直した記憶があります。

    そしてAIチームがそれを教えるかどうか、これもとても悩みました。

    バトルに関しては、最初に数学バトルにしようと決めてしまったので、なんかもう無茶苦茶になってしまった感があります。

  • 第13話 「行くぞ、全員」への応援コメント

    決戦前らしく静かな回ですが、そのぶんアーチの「こころ!」がとても効いていますね。技術や戦力ではなく、それを準備完了と言い切るアーチが可愛いですし、啓介の「頼むぞ、相棒」には二人の関係がここまで来たことを感じます。
    そしてナビィが娘たちへ掛ける言葉が、ただ一言の「行ってこい」なのも印象的でした。かつて未来を語ったルナコアが、今度は仲間を取り戻すため乗り込む場所として朝焼けの中に現れるラスト、いよいよ決戦という緊張感があります。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    決戦前夜の静かな緊張感を描きたかった場面です。

    そして、時間の調整がとても大変な回でもありました。
    乗り込むと決めてからやることが多く、このままでは徹夜で乗り込んでしまうという感じでした。
    今もまだほとんど寝られていない回になっているかもしれません。

  • 第12話 「残された時間」への応援コメント

    今回は「迷いを消さずにつなぐ」というリンクスの思想が形になる回で、とても好きです。「怖いなら、怖いままだ。その隣に、AIの感覚を置く」という発想は、感情そのものを不要とする九条への鮮やかな対答になっていますね。
    そして夏美とエルが「一緒に怖がっとく?」と恐怖まで共有する場面が温かいです。最後のナビィも、娘たちに答えを与えるのではなく「進むのも、戻るのも、自分で決めろ」と送り出す――残された時間が少ない中で、それぞれが“選ぶ余地”を守っているのが胸に残りました。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    ちなみにLRinksとは
    エル、リンネ、ネオ、レイ、啓介
    の頭文字を全部入れたくて付けた作者の勝手な名前です。
    アーチの文字が入れられなかったので、アーチに名付けさせました。

    人の迷いはそんなに悪いものじゃない、という思いで書いた記憶があります。

  • 第11話 「予告」への応援コメント

    「人格層の標準化」という言葉が、ここまで積み重ねてきたAIたちの個性を知っているだけに恐ろしいですね。その侵食に対して夏美が「勝手に一つにしないで」と、それぞれ違う声を取り戻す場面が、この作品のテーマを真正面から体現していて好きです。
    そして九条が与えた「選ぶ時間」に対し、夏美自身が「引き渡されるんじゃない。私が、自分で行くの」と選択するのも鮮やかでした。美月だけでなくレイまで救うべき存在として自然に勘定へ入っている啓介の「レイがまだ抗っているうちに」も胸に残ります。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    夏美どんだけすごいねん!てツッコミが聞こえて来そうだなって思いながら、上手い解決策が思いつかず進めた記憶があります。

    全体を通してですが、オプティマによって世界がどう変わったのか、クワイアは何がどうなるのか、もう少し丁寧に分かりやすく書いていたらなぁ、と今では思います。

  • 千機のドローンを圧倒して「これは強い」と思わせてから、イプシロン一体でその感覚をひっくり返す構成が鮮やかですね。特にリンネの「勝てるかどうかを、先に決めないで」は、この作品の根っこにある“答えを決めつけない”思想が、そのまま凜を立ち上がらせる言葉になっていて格好いいです。
    そして最後のナビィ、「うちの娘たちに――何やってくれてんだよォッ!」からのRPGは最高でした(笑)。圧倒的な性能差そのものを覆したわけではなく、予測外の一発で「誰も欠けずに終われた」という決着なのも印象に残ります。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    換装なんて大したことないんだよ、敵の方が全然強いんだよ、ということを読者に伝えたくて、このようにいたしました。
    そして、当初は依代の感情とAIの個性がシナジー効果を産み、さらに強くなる、という設定で進めていたのですが、上手く書ききれず中途半端になってしまいました。

  • るいとネオ、凜とリンネ、夏美とエル、それぞれの組み合わせが性格まで噛み合っていて楽しいですね。特に「聞こえるように言った」のリンネと、「承知いたしました、夏美様」のエル、このAIたち思った以上にいい性格をしています(笑)。
    そんな賑やかな換装シーンから、ナビィの余命とアキラが娘たちの父親だという事実へ落とす流れが切ないです。「知らなければ、選べない」と言う啓介に対し、ナビィ自身もそれを分かっているからこそ話せない――“選ぶこと”を大切にする物語だからこそ、この迷いが胸に残りました。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    実は登場するAIは、私の、Re.UNIONというシリーズのAIをそのまま出しています。性格もそのままです。元々このAI達をもっと描きたいと思ったのが、インテグラルを書いたきっかけてもあります。

    ナビィは父のことを最後まで教えない、という設定にしていたのですが、それでは選択肢を奪う九条と同じだと思い、この時点では迷いを描きました。

  • 美月の人柄が本人不在のままコードから伝わる場面、いいですね。「急に動かない。怖がらせない。失敗しても、一度受け止める余地を残してる」という設計思想そのものが、彼女の優しさになっているのが印象的でした。
    そして「行く理由が、増えただけ」という啓介の変化も好きです。美月一人を取り戻すためだった戦いが、アルカで出会った人たちを守ることへ自然に広がっている一方で、九条は相変わらず「お前に選択肢などない」と答えを一つに絞ろうとする――この対照が鮮やかですね。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。
    元は九条もそんな美月や啓介の冗長が嫌いではなかったのですが、変わってしまいました。
    改稿前は、啓介が逆ハックして、九条に一泡ふかせるようにしていたのですが書かなくてよかったと今では思っています。
    凜とるいが都合よく仲間になるのを避けたかったので羽川とナビィに関係性を持たせました。


  • 「そう見えたなら、それでいい」が、この物語における啓介らしさをよく表していますね。相手に今すぐ答えを決めさせず、疑われたままでいることまで受け入れる姿勢が、「答えは一つ」とする九条との対比になっているのが印象的でした。
    そして緊迫した戦闘のあとに「あーちいこーる?」「可愛いの二乗」が飛び出すの、このギャグ好きです(笑)。夏美の警戒が理屈ではなく、そんなくだらないやり取りによってほんの少し緩むところも、この作品らしい温かさを感じます。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。
    いつもありがとうございます。

    私の中で啓介は「もやし」キャラでした。頼りない、決断力がない、でもなんか決める時は決める。
    全然そのように書けなかったなぁと思います。

    押し付けない、否定しない、ということは表現できたかなと思います。

    この回も色々都合よく展開しますが、アーチが紛らわせてくれていたらアーチに感謝です。

  • 第6話 「Arca」への応援コメント

    アルカが、ルナコアの監視する「誤差」の中で五百人もの生活を成立させているという設定が面白いですね。完璧な管理に対抗する場所が、わずか〇・数%のズレを積み重ねて生き延びているという構図が、この作品らしいです。
    そして最後のレイが格好いい。「この人は、渡さない」という一言で、美月にとってレイが単なる制御AIではなく、自分の意思で守る相手を選んでいる存在なのだと強く感じました。啓介が「守る技術」を戦いに使うことへの迷いを捨てきれないのも含め、味方側がきれいな答えに収まらないところが印象的です。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    僅かな隙間で生きている、ということは、後から追加した部分でございまして、効果を発揮していたなら幸いです。
    レイは一番クールなAIの設定で書いておりました。
    この後レイがどうなるか、お時間がある時にお読み頂けたら嬉しいです。
    私にとって、初めての本格SF(全然本格ではないかもしれませんが)でしたので、常に「都合よすぎないかな」という思いで書いておりました。

  • 第5話 「不完全な同盟」への応援コメント

    Re.UNIONが「正義の革命組織」ではなく、理由も思想もばらばらな人々が「自分の人生を決められたくない」という一点だけで繋がっているのが、この作品のテーマによく似合っていますね。完璧な秩序を求める九条に対して、あえて“不完全な同盟”が立ちはだかる構図が好きです。
    そして、美月の生体ログに現れる「山を谷が打ち消す」波形――美月の中で何かが戦っていることを数式的なイメージで見せるのも印象的でした。互いに信用していない啓介とナビィが、それでも同じ方向へ進み始める距離感もいいですね。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    Re.UNIONという組織の「不完全さ」は大事にしようの思って書きました。
    九条やルナコアが完璧で均一な「秩序」を目指すのに対し、Re.UNIONは理由も目的もバラバラで、脆く、不安定な存在です。
    しかし、その「余白」や不完全さこそが「人間らしさ」であり、完璧なシステムに対する最大の「抗い」になる。その構図を感じ取っていただけて嬉しいです。
    Re.UNIONというのは、この小説の元になった私自身の別の小説から、レジスタンスの組織名として命名いたしました。

  • 第4話 「疑われる側」への応援コメント

    アーチが必死に啓介を守ろうとして「ピカーッ、てするぞ!」で終わるところ、この張り詰めた状況だからこそ可愛さが効いています(笑)。一方で、その「ただ記録するだけ」のアーチが、啓介の言葉を証明する唯一の存在になるのがとてもいいですね。
    そして啓介が美月を初めて「大切な人だ」と口にする場面が印象的でした。本人に伝えるためではなく、失いかけて初めて言葉になるところに、二人の積み重ねが感じられます。

    作者からの返信

    板野かな様

    ご感想ありがとうございます。

    執筆を進める中で、アーチという作者にとって都合の良い存在に助けられました。

    一方で、ただ便利な道具だけにはせず、愛されるキャラクターにしたいという思いもありました。

    ここは、変わってゆく世の中を、できるだけ説明にならないように、読者様にお伝えしなければと思いながら書きました。

  • 第3話 「置いていく手」への応援コメント

    美月を助けるために反射的に突き飛ばされ、その結果として引き離されてしまう流れが苦しいですね。しかもレイの青白い光が、意識を失った美月を自発的に守ろうとするのが胸に残ります。
    啓介側ではリンネとネオが「主人を守る」ため、本来とは違う形で力を貸すのも熱いですし、アーチの「大丈夫、じゃ、ないよね」という言葉が、逃げ切った直後の喪失感を静かに突いてきます。最後に現れた正体不明の集団まで含め、一難去ってまた一難という引きも強いですね。

    作者からの返信

    板野様、ご感想ありがとうございます。
    いつまで経っても【都合よく】が書いていて頭を離れませんでした。
    展開上このようにしなければならなかったのですが、文章力がないため、苦しいなぁと思いながら書いておりました。

    なぜ4つのコアの内、美月はひとつしか持っていなかったのか、ここは作者が書くのを逃げたところでもあります。

    こうして改めてご感想や、自分で読み返してみると、粗が多いなと思います。
    ありがとうございます。

  • 第2話 「秩序は、美しい」への応援コメント

    「今のお前は、あの三体をお前から奪った連中と、何が違うんだ」は、九条のいちばん深い傷を真正面から抉る台詞で強いですね。そこで初めて数式ではなく「俺の三体は、もう二度と俺を呼ばない」と感情そのものが噴き出すのが、九条の悲しさを際立たせています。
    そして、机の上には今も三つのコアが残っているのに、「感情など不要」と言い切る矛盾が切ないです。「秩序は、美しい」から一気に空間そのものが敵へ変わっていく終盤も格好よく、思想の対立がそのまま物理的な戦いへ切り替わる瞬間として印象に残りました。

    作者からの返信

    板野様、ご感想ありがとうございます。
    ちょっとこの回も都合がよすぎるかなと思いながら書きました。わざわざ会いに行くかなぁ、と。でも、それだけ九条と啓介、美月は仲が良かったと表現したかったのですが、皆様に伝わるかどうか自信がありませんでした。

    いきなり攻撃が始まるのもご都合かなぁ、と思いながらも当時の私にはこのような展開しか思いつかなかったのが正直なところでございます。
    今も成長はしていませんが(汗)

    どうしても【ケジメ】をつけに行かせたかった、そのような回でございました。

  • レイたちが紙コップ一つを挟んで真剣に議論している場面、いいですね。それぞれが違う考え方を持つ「人格」であることが自然に伝わるぶん、後半の「人格層を標準化」が、プロローグの《K》《I》《S》と重なってぞっとします。
    そして、かつて「くだらないもの」を一緒に作った九条が、今ではそれを本当に「くだらない」と切り捨てる――アーチがその場で黙っていたことまで含めて、十三年という時間の残酷さが印象的でした。最後に啓介と美月が迷わず四体を連れて逃げる決断をするのも、二人が何を大切にする人間なのかがよく出ています。

    作者からの返信

    板野様、ご感想ありがとうございます。

    一気に色んな名前が出てきて、読者様が混乱しないかを意識して書きましたが、もう少しなんとか出来たかなと今では思います。

    また、ありえない世界をいかに自然に、さもありそうに書くのは難しいなと感じながら書きました。

    4体のコアを持ち出すのは少々都合が良すぎ(そんなにザルな会社なの?)とも思ったのですが、うまく書けなかったと思います。

  • プロローグへの応援コメント

    冒頭の「完璧な白いスーツを、床へ擦り付けながら」という描写が強烈で、九条がどれほど深く壊されたのかが一瞬で伝わってきます。三体の人格を「機能」へ統合しておきながら、その喪失を「感傷」と片づける会社の冷徹さも凄まじく、あらすじで示された九条の思想が生まれる原点として胸に残りました。
    そして最後の「彼らがもうどこにもいないという、三つの証拠だった」が切ない……クレアの静かな怒りと優しさも含め、九条だけを単純な悪役として見られなくなるプロローグですね。

    作者からの返信

    板野かな様、ご感想ありがとうございます。
    AIに人格などという作者の勝手な妄想が、読者様に伝わるかとても不安でした。今もこの部分ですでに脱落されてしまうかも、という気持ちがあります。
    九条の三体への愛情をどうすれば深くご理解いただけるかを意識して書きました。

    クレアは当初登場しなかったのですが、機能していたら幸いです。

    お読みいただき、ご丁寧なご感想ありがとうございました。