応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • 『十夢十色』 第十五夜への応援コメント

    ネタバレありの感想なので、未読の方のために冒頭を伏せます。


















    _____________________________________


    私がこの小説の好きなところは「逆転していくこと」です。

    たとえば、主人公が死の部屋で本を読んでいたら、鼻が落ちた。
    「鼻がない私を彼が見たら⋯⋯」と心配する。
    しかし「最初に鼻を失ったなら、これからの腐敗臭を気にしなくていいじゃないか。」

    外見を気にする事に、私は共感します。私はアラフォーなので
    これからやってくるエイジングに心配しています。
    その心配事を別の視点で見せてくれる事に、少し安心しました。
    一つ目の逆転。

    主人公はシリーズ本の一冊目の本を読み終えたが、その部屋には
    続きの巻が無い。続きが読みたい…と思い、声に出して叫ぶ。
    「本が読みたいっ!」だと予想したのが違った。

    「彼と話したい!」そして、彼が現れた。
    一人の楽しい時間が、彼と話す二人の時間に変わった。
    二つ目の逆転。

    「早く会いたいけど、まだだいぶ寿命があるらしい」と彼は言う。
    彼が死んで会えるのは、だいぶ先なので、主人公は長い間彼に会えない。
    主人公は、彼が死ぬまで死の部屋で本を読んで待つことにした。

    死ぬことは怖い事だけど、彼と会えるのは楽しみだし死んでも楽しいことができることで
    死を穏やかなことに逆転させてくれた。
    三つ目の逆転。

    冷たい土の中が、橙色の光のもとで本を読みながら彼を待つ優しい場所に
    変わる。物語で起こる事は、心配事の逆転なのだ。

    一般的に「逆転」は勢いのある動きですが
    心配事を安心させてくれる逆転が、素敵だと思いました。


    補足
    感想文の最初に「私がこの小説を読んで【私が感じた】好きなところ」
    と書くか迷いました。今も迷っているので、この一文を書きます。

    著者が書いた意味と、読んだ人が感じた意味、この事に迷います。
    でも、フィクションは読んだ人の数だけ感想があってお互いの感想をお話しするのが
    読了後の楽しみだと思っています📚

    断定して言っていますが、感想です!

    作者からの返信

    素敵な感想をありがとうございます!