鵺(ぬえ)への応援コメント
作品全体が、妖怪の姿や由来を三十一音の中へ説明するのではなく、音や気配まで戻してから短歌にするという方法をとっているのが印象的でした。
特に、この方法論の最たる例が鵺の首のように思えます。
妖怪となりますと、京極夏彦のことが真っ先に思い浮かびます。
彼の百鬼夜行シリーズで最も新しい長編『鵺の碑』では、怪異が明瞭な姿をとって現れるというより、平穏に見える世界の中で、それぞれの人物の認識が少しずつ混乱していきます。
この首もまた、鵺がどんな姿をしているのかをまったく教えてくれません。あるのは深夜に聞こえる低い音と、「我だけなるか」という疑念だけです。
僕は、この「我だけなるか」が特に好きでした。
音そのものよりも、それを聞いているのが自分だけかもしれない、という瞬間に怪異が生まれているように思います。鵺がいることより、自分の知覚が信用できなくなることのほうが怖い。妖怪を描かないことによって、かえって妖怪が存在できる余白を作っているように感じました。
三十一音という短さが情報量の制約ではなく、「見えなさ」を作るために働いているのが面白かったです。
作者からの返信
丁寧にお読みいただき、ありがとうございます。
鵺はとくに、わからないことはわからないままに詠んでみましたので、そこを汲み取っていただけたこと、とても嬉しかったです。
『鵺の碑』のお話も含め、ここまで深く読んでいただき、本当にありがとうございました。
鵺(ぬえ)への応援コメント
「悪霊島」のイメージですね
映画をちゃんと見てないですけど・・・。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
実は実写のホラーが苦手で、「悪霊島」も映画は観てはいないのです;
想像から詠んだのですが、そういうイメージにつながったのは面白いですね。