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     誰しもいつかは自分の半生を振り返って思う時がくるのかもしれません。たぶん、私こそが今はそのタイミングで、だからこそこの物語がとても心に染みました。すゑの人生を追いかけながら、私は自身の辿ってきた道を思い出していました。
     世間に知られるような大きなことを成さなくても、人も羨む豊かな暮らしが手に入れられなくても、人生の終わりにはすゑのように幸も不幸も実りにかえて、満たされた静かな気持ちでありたいです。
    ━━こんなふうに読み手の心を揺らして、何かを考えるきっかけをくれるのも小説の持つ素晴らしい力のひとつだと思います。常盤乃さんの書かれる世界には、その力がいつもこもっていると感じています。