異世界生活始めました。
甲羅に籠る亀
第1話
「ここが異世界か〜……一面緑だ。」
青々とした草が生えている一面緑の草原に俺は居た。
「神様、俺をどこに転移させたんだ?街が近くにあるって言ってたけど……見えないぞ?」
ぐるりとその場を一周するも俺の視界に街と呼べる様な建物は一切見えない。
「とりあえず移動しよう。1日くらいは敵になる様な危険な存在に気が付かれないらしいし。」
何もない草原を移動する事にした俺は歩きながらも今の所持している物の確認を取った。
転移前に事前に神様が言っていた内部の時間の止まった収納袋。それも所有者固定で紛失しても俺の元に戻ってきて、壊れることがない特注品。
転移先であるこの世界のお金が金貨100枚、銀貨100枚、銅貨100枚と、現地のお金としてはかなりの大金を貰った。
他にも生活するのに必要な食料や水などの生活物質が収納袋の中にたくさん入っている。
街に到着することが出来れば当分は働かなくても暮らせるくらいには神様に優遇して貰った。
「それにしてもこの世界で生きているだけでいいなんて……まあ、魔王を倒せ。なんて言われなかっただけ、いいけど。」
この世界に俺がなんで転移する事になったのか。それは別の世界の魂を他の世界に送ることで世界間同士でエネルギーが循環するかららしい。
それに選ばれたのが俺以外に9人居て、合計で10人がこの世界に転移しているそうだ。
世界各地に分けて転移させているそうだから、他の転移者と遭遇する可能性はかなり低いと神様は言っていたが、異世界なのだから世界中を旅していれば遭遇する事もあるかもしれない。
「あー、そう言えばステータスを確認する様に言われていたな。確認しないと。確か念じる方法と声に出せばいいんだっけ?とりあえずステータスオープン!」
名前 ノザキ・ハル
レベル1
ジョブ
薬師レベル1
薬師知識:ランク3
「なるほど……俺は薬師なんだ。」
この世界のステータスに関する情報もステータスを開いたと同時に理解した。
神様が情報を理解させたのだろう。
理解した事はレベルは俺の肉体と魂の器のレベル。最大で100まであり、レベルを上げて器を広げて、広がった器を鍛える事で満たす事でこの世界では強くなるそうだ。
強くなる要素は他にもあり、それがジョブで、ジョブはたくさんあるが、どのジョブが選ばれるのかはランダムなそうで、25、50、75、100で追加で新しいジョブが得られるそうだ。
ジョブは最大で10レベルまであり、レベル毎にスキルを得られる。最初にレベル1で得られるスキル以外はレベル毎にランダムで決まるそうで、そのランダムで決まるスキルによっては色々と変わるらしい。
スキルに関してはランクがあるそうで1〜5までランクがあり、ランクが高い5ほどスキルの効果が高くなる。
このスキルのランクは基本的には上がらないそうで、何かしらのアイテムが必要になるらしい。この情報は曖昧な感じで教えられた感じだ。
そして肝心などうやったらレベルが上がるのかだ。
レベル自体はモンスターを倒す、ジョブにあった行動を取ることでレベルが上がる。
けれど、ある一定のレベルに達するとレベルが上がらなくなる。
そうなると教会に行って神様に試練を受ける必要があるそうだ。
どんな試練になるのかは人それぞれらしく、ある人はモンスターの討伐だったり、ある人は何かしらの物を作るらしい。
この試練に関してはジョブにも関係がある。
ジョブに関係する神様からの試練を受けることでジョブのレベルを上げられるのだ。
こんな感じの知識が先ほど情報として頭の中に記録された。
「薬師のスキルのお陰でどうやったら薬の調合が出来るのかは分かったけど、道具がないから薬は出来ないし、それに街に到着しないとどうにもならんな。」
早く街に到着したい。思いで俺は休むことなく一定のスピードで歩くこと3時間くらいの時間が経った頃、ようやく視界に石造りの壁に覆われた街を発見した。
「よ、ようやく街だ……。」
途中途中で休憩したりもしたが、ようやく街が見えてきた安堵した。
ここまでの道中で明らかにモンスターだろうと言う生命体と何度も遭遇し、その度にいつ襲われるんじゃないかとヒヤヒヤものだ。
神様が俺の存在をモンスターから隠蔽してくれたお陰でモンスターのすぐ近くを通っても気が付かれなかったのは本当に良かった。
「街まであと一息だ。頑張ろう。」
街が見えてきた。
それでけで軽くなった足取りで歩いて行くこと2時間くらい経った頃、ようやく人通りのある街道まで足を進めた。
街道にたどり着いてから1時間、人が行き来する門の前まで到着して見たら、この街は人の出入りがそこそこある街の様だ。
門の前で街の中に入る為の身分証明書の代わりになる為の物を収納袋の中から取り出しておく。
神様が用意してくれたのは各地の教会を回る巡礼の為の身分証明書で、神様が言っていたのは最初にこの身分証明書で街に入ってジョブに適したギルドに入ってギルドカードと言う身分証明書を作る様にとのことだ。
巡礼用の身分証明書で今回は街に入った俺はジョブの薬師に関係あるギルドを探すことにした。
その前にお腹が空いたから屋台で何か食べ物を買ってからにしよう。
美味しそうな肉が焼ける匂いがする。
あそこの屋台にしよう。
「1本ください。」
「1本ね。銅貨2枚だよ。」
串焼き屋台の店主のおじさんに言われた値段を財布から取り出して焼き立ての串焼きを1本貰って食べる。
「あふ、あふ……美味い!」
「秘伝のタレを使った野鶏の肉を使ってるからね。そりゃ、美味いさ。」
甘塩っぱい味が野生味ある鶏肉に合う。
噛む毎に肉汁が鶏肉から染み出してくる。
すぐにまた一口、また一口と続いてすぐに串焼きは無くなってしまった。
「おじさん、もう1本くれる?」
「おう!まだまだあるからな。金さえ払ってくれればまだまだ食わせてやるよ!」
それから俺は追加で3本も串焼きを食べてしまった。
「美味しかった。おじさん、聞きたいことがあるんだけどさ。いい?」
「ん?いいぞ。何が聞きたい?」
俺はそれからジョブが薬師なことを伝えて、薬師に関係のあるギルドに行きたいことを伝えたら、串焼き屋台のおじさんは場所を知っていて薬師ギルドの場所を教えてくれた。
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