応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • 文芸部へのご参加、ありがとうございます。

    優しく包み込むようなファンタジーの空気感の中に、どこか懐かしく切ない謎が溶け込んだ、とても静謐で美しい物語を拝読いたしました。

    ■ 全体を読んでの感想

    かつて見たはずの、しかしどこにも記録が残っていない幻のドラマ「FULL MEMORY」を追うシヴィの姿に、読んでいるこちらもいつしか同じノスタルジーを抱いて引き込まれていきました。言葉の端々に漂う上品なファンタジーの香りと、師であるダミアン先生との間に流れる静かで確かな信頼関係が非常に魅力的で、まるで美しい記憶の欠片を集めているような、贅沢で温かい読書体験でした。

    ■ お題「視点の移動(カメラワーク)」の活用について

    本作では、お題である「視点の移動」が、夢の中の神秘的な風景や、登場人物たちの細やかな心の繋がりを表現するための、非常に美しいカメラワークとして描かれていました。

    ・夢の洋館におけるフォーカスの絞り込み
    シヴィが見る夢の中で、見知らぬ紳士の後ろ姿から、その肩越しにいる白い生き物の紫水晶の瞳へとカメラのピントがぐっと寄っていく演出が鮮烈でした。紳士の顔をあえてはっきりと映さず、フォーカスを一部分に絞ることで、物語が持つ神秘的な雰囲気がよりいっそう深まっていると感じます。

    ・時空間を軽やかに越えるカットの切り替え
    夢の中で、汽車の中の紳士、橋の奥に佇む紳士、そして晴れの中に座る紳士へと、場面がパッパッと瞬時に切り替わっていく時間のスライドが見事でした。映画のモンタージュのように景色を重ねることで、失われた記憶の断片を象徴的に見せる素晴らしい視点の動かし方でした。

    ・心を通わせる二つの並行したカメラ
    結末において、夢から覚めたダミアン先生の部屋の視点から、別の部屋で穏やかな寝顔を見せるシヴィの視点へと、静かにカメラがスライドしていく演出がとても印象的でした。離れた二人の現在を重ね合わせるようなカメラワークが、この契約の奥にある温かな結びつきを優しく物語っていたと思います。

    ■ 最後に

    洗練された視点の切り替えを通じて、夢と現実、そして記憶の奥底に眠る温かな真実を見せてくださり、ありがとうございました。

    これからもご自身のペースで、言葉の表現を静かに楽しんでいただければ幸いです。また部室にて、あなたの紡ぐ美しい物語に出会えるのを心よりお待ちしております。

    作者からの返信

    とても丁寧なご感想をありがとうございます。

    視点の移動や場面の切り替えは、映像を思い浮かべながら意識して書いていた部分でしたので、細かなところまで拾っていただけて、とても嬉しかったです。

    また、「美しい記憶の欠片を集めているような」というお言葉も、この物語で描きたかった感触に近く、印象に残りました。

    素敵な企画に参加させていただき、ありがとうございました。
    また機会がありましたら、ぜひ参加させていただければと思います。