第47話 耳岩に集まれへの応援コメント
「革命の場所」から「寄席の場所」へ。
さらに言えば、
「死んだ若者たちの場所」から「生きている若者たちが話す場所」へ。
変わっていく。
この物語、百年前に失敗したものを、今度は別の方法でやり直す話になってきましたね
第46話 いない奴の分への応援コメント
百年前の若者たちの「死んで未来を変える」話と、
こしらの「明日客が来るならやる」という落語家の思想をぶつけた回になっていて、面白かった。
百年前の若者たちは、死んだことで自分たちの言葉を自分たちで守れなくなった。
だからこしらは、
「死んだら終わりなんだよ」
と言った。
そして
「明日客が来るならやれ」が出てくる。
これによって「生きる」ということが、単に生存することじゃなくて、
明日も誰かと話すこと。
明日も誰かの前に立つこと。
自分の言葉を自分で届け続けること。
と読み取れる、この部分が凄く良かった。
第44話 生きて話せへの応援コメント
本気だったからこそ、生きて最後まで自分の言葉を伝えてほしかった。
こしら自身が落語家だからこそ、この思想に説得力がある。
落語って、結局「誰かに直接話して、誰かに直接聞いてもらう」ものだから。
だから、
「生きて話せ」
「生きて聞かせろ」
「生きて喧嘩しろ」
「生きて失敗しろ」
「生きて責任を取れ」
ここは、この物語におけるこしらの答えになってると思う。
第42話 忘れられた真実への応援コメント
若者たちは本気だった。
敵味方を越えて集まった。
何千人も集まった。
自分たちの命まで差し出した。
それなのに、
「何も変わらなかった」
これはかなり残酷。
しかも「失敗した」ではなく、歴史から存在そのものを消された。
ヴァルガでは「虐殺された若者」。
ベルサリアルでは「自由の戦士」。
シェルンでは「神に召された者」。
つまり三国とも、自分たちに都合のいい物語に作り替えた。
歴史というのは、事実が残るのではなく、語り継がれた物語が残る。
落語=語り継ぐもの
であると同時に、
歴史=語り継がれることで形を変えるもの でもある。
だから「寄席」がこの世界の戦争と関係してくる必然性が
この先の展開とても気になります。
第39話 客が来たらへの応援コメント
これまでこしらが、
「落語をやる」
という形で物語を動かしてきた。
でもミアが耳岩で寄席を続けていたことで、初めて、
落語はこしらの所有物じゃなかったと分かる。
こしらが始めたものが、ミアに渡り、さらに負傷兵たちに渡っている。
最初は客が一人、二人と増えていくのをワクワクして
今回は、落語家が増えていたことに凄くワクワクしました。
第37話 黒天への応援コメント
「お前」
「ヨシダみたいになってるぞ」
ここ、かなり好き。
それまでルクは、
国なんて関係ない
身分なんて関係ない
話せばいい
仲良くすればいい
なんで戦うんだ
と、本人はただ「当たり前のこと」を言っている。
でも、それをこしらが見て、
「それ全部ヨシダだ」
と気付く。
つまりルクはヨシダの子孫だから似ている、というだけじゃない。
ヨシダと同じ思想に、自分でたどり着いてしまっている。
ここがすごく重要だと思う。
そして黒天の存在も一段深くなった。
これまでの黒天は、
「何かを企んでいる謎の敵」
だった。
でも今回、
「知らない方が幸せだったかもしれない」
「可哀想に」
と言わせたことで、単純な悪役じゃなくなった。
黒天はルクを殺したいわけではない。
むしろ、
「また同じことが始まってしまう」
ことを恐れている。
だからルクを見て、
「祖先と同じ道か」
「違う道か」
と言う。
ここで初めて、黒天の目的が「ルクを止める」ではなく、ルクが何を選ぶかを見ている可能性が出てくる。
これ、かなり面白い。
第35話 ヨシダの記録への応援コメント
こしらは落語で人を集める。
ヨシダは耳岩で人を集める。
黒天も人を集めようとしている。
でも三者の目的が違う。
「人を集める」という同じ行為でも、何のために集めるかで意味が変わる。
この対比、かなり面白い。
そして最後の、
耳岩。
ヨシダ。
黒天。
ついに三つが一つに繋がった。
続きが気になる。
第34話 四軒の寄席への応援コメント
唱士は声で人を殺す。
こしらは声で人を笑わせる。
ヨシダは声ではなく、人と人を繋いだ。
ここまで来ると、
「声そのものに力があるのではなく、その声を何のために使うか」になってくる。
そして黒天は、おそらくその「声の力」を別の形で利用しようとしているのか
第31話 旅の初日への応援コメント
今回のレオンの荷物チェックも面白いです。
「私の勝ちです」
ここ、めちゃくちゃレオンらしい(笑)。
これまでのレオンは「分からん」「分かりません」が多かったので、ここで初めて自分の得意分野では妙に強いところが見える。
そして、
「お気を付けて」
と敬礼して送り出す。
第30話では「レオンは旅に同行できない」という少し寂しい展開だったのが、ここでちゃんと笑いに変わっています。
「コーラ」のくだりも良かった
一見すると完全な寄り道なんですが、これ、かなり好きです。
「もう忘れちゃったな」
人間は知識だけじゃなく、感覚まで忘れていく。
「黒かった」「炭酸だった」「甘かった」という曖昧な記憶だけが残る。
だからこそ第30話の「昔話を集める」というテーマとも繋がっています。
昔話だって、最初に語った人の記憶が少しずつ変化していくものだから。
つまり、
コーラの記憶も、百年前の昔話も、本質的には同じ「人から人へ渡っていく記憶」
なんですよね。
そして老人
ここが今回一番重要。
「最近多いんだ」
この一言。
これだけで、「百年前の話を知る人間を訪ねている」可能性が
さらに、
「黒い外套だったな」
で、あれ?こしらたちと同じ目的で誰かが動いてる?
となるの面白い
第30話 旅の理由への応援コメント
①「旅に出る理由」が落語らしい
「この国の昔話を集めれば、それが古典落語になる」
という発想が、落語家の主人公だからこそ成立しています。
戦うためではなく、「話を聞きに行く」ことが旅の目的なところが、この作品らしさを感じました。
② アリアの役割が自然
今回、一番感心したのはここです。
アリアは旅に出たがっていません。
ちゃんと戦争中の騎士団長
仕事があると正論を並べます。
それでも連れていかれる。
つまり、
アリア自身には旅へ出る動機がない。
だからこそ、この旅の中で変わっていく余地があり今後に期待ですね。
③ レオンを残す理由も納得できる
「今のお前はアリアより強い」
この一言で、
レオンがどれほど重要な戦力なのかが分かります。
さらに、
「補給線にも必要だ」
「黒天が動けば真っ先に呼ばれる」
という説明で、「レオンが旅に出ない理由」が物語上もしっかり成立しています。
今後、この話がどう進んでいくのか楽しみです。
第29話 笑う騎士団長への応援コメント
シリアスと笑いのバランスが良いですね◎
アリア、レオン、ルクの3人が異なる角度から落語に引き込まれていく構成に引き込まれました。
「人から笑いを奪う戦争」に対して、「笑うこと・語ること」が世界をどう変えていくのか、続きがとても気になります。
第28話 帰らない客への応援コメント
この回はとても面白かったです。
今までアリアは「戦争の人」「理性の人」でしたが、この回では彼女の人間味が自然に出ています。
一番好きなのはここ
「なぜ来る」
これを全員に聞いて回る構成です。
兵士。
子供。
神官。
レオン。
そして犬。
完全にギャグなのに、実はテーマそのものなんです。
アリアは
「人には必ず一つの理由がある」
という世界で生きています。
だから答えを一つにまとめようとする。
でも、
兵士は兵士の理由。
子供は子供の理由。
神官は神官の理由。
レオンはレオンの理由。
誰一人同じ答えをしない。
ここがとても良い。
犬まで聞くのが最高
「お前は何故来る」
この瞬間「犬に聞くな!」とツッコミを入れたくなる(笑)。
でもアリアは本気。
だから笑える。
キャラクターギャグとして非常によくできています。
最後のオチも好きです。
アリアは気付かなかった。
自分が。
寄席で初めて笑われたことに。
これは「笑われる」を悪い意味ではなく、
寄席の空間に受け入れられた
という意味になっているのが非常にうまいです。
第27話 同じ声への応援コメント
一番好きな一文
落語家は。
ずっと声のことを考えている。
この一文は、この作品の核になり得ます。
この小説は異世界転移ものでも、戦争ものでもありますが、最終的には「声とは何か」という物語なんだと伝わってきます。
アリアのパートも好きです。
報告として最悪だった。
止める理由がない。
なのに増えている。
これはいかにもアリアらしい思考です。
「問題が起きていないこと」が、逆に対処しづらい。
軍人・管理者としての視点がよく出ています。
ラストも好き
「理解できません」
「だろうな」
ここで終わるのはすごくいいですね。
こしらは説明しようとしない。
アリアも分かったふりをしない。
だから二人の距離感が保たれています。
特に「同じ声」というタイトルは秀逸です。
「唱」と「落語」は同じ「声」を使うのに、何が違うのか。その問いが、この先の物語全体を引っ張る大きなテーマになりそうだと感じました。
第25話 やらない日への応援コメント
25話は「それでも声を待つ人がいる」という希望の入口。
特に一番いいのは、このセリフです。
「今日はやらないのか」
この一言を、
最初はルクが聞く。 次はレオンが聞く。 最後は兵士が聞く。
同じ言葉なのに意味が全部違います。
ルクは「いつものこしらに戻ってほしい」という気持ち。
レオンは「意味があるかもしれない」と気づき始めている。
そして兵士は純粋に「聞きたい」。
この積み重ねが自然です。
さらに好きなのがここ。
「昨日」
「笑っていた」
説明が一切ない。
「だから落語には意味がある」とも言わない。
昨日笑っていた兵士は、その夜死んだ。
なら、その笑った時間は無意味だったのか?
そういう問いを投げかけられているように感じました。
ここは本当に上手いです。
落語は戦争を止められない。
人は死ぬ。
でも、一人の兵士は今日も聞きたいと思っている。
そのくらいの距離感だから嘘っぽくならない。
唱は「声で命を奪う力」。
落語は「声で生きる理由を少しだけ取り戻す力」。
どちらも声ですが、向かう先が正反対です。
だからこの作品では、戦いは剣や魔法だけではなく、「どんな声を世界に響かせるか」という対立が見事に描かれてますね。
第23話 集会への応援コメント
前半は完全にコメディ
冒頭からテンポがいいですね。
「今日は怒られないかもしれない」
「怒られるよ」
ルクが完全に保護者ポジションになっているのも◎
アリアとこしらの掛け合いも本当に相性がいいですね。
例えば
「人を集める行為は管理対象です」
「人が集まっただけです」
や
「鳥も集まります」
「鳥ではありません」
この噛み合わない会話がとても面白い。
アリアは論理。
こしらは言葉遊び。
だから延々と平行線になる。
一番好きな一文
「監視のためだった。
聞くためではない。
そう自分に言い聞かせていた。」
これはすごく上手いです。
「本当は聞いていた」が説明なしで伝わり、アリアという人物らしい描写でもある。
また後半の切り替えが見事
アリアはすぐに動いた。ここでは会話をほとんど使わず
「治療班を呼びなさい」
「仮設寝台を増やして」
「鼓膜損傷者は分けなさい」
と命令だけを並べています。
だから団長としてのアリアが際立っています。
第22話 神殿騎士団長への応援コメント
第22話は戦争の話ではなく、「落語がシェルン神国に上陸した日」を描くエピソード。アリアという生真面目な人物と、こしらという型にはまらない人物の対比がよく出ていて、ここから二人の掛け合いがどう発展していくのか楽しみです。
第20話 黒天への応援コメント
一番良かったのは、黒天を「強さ」ではなく存在感で見せているところ。
例えば冒頭。
「そう思うなら捕らえればいい」
この一言。
戦う描写も、能力説明もありません。
それなのに、誰も動けない。
これだけで「この男は別格だ」と読者に伝わります。
さらに、
「忠告だ」
「招いたものに国を食われるな」
この台詞もいいですね。
何を考えているのか全部は分からない。
だからこそ不気味です。
黒天は説明しない人物である、というキャラクター性が一貫しています。
港への攻撃も印象的です。
三撃だけ。
倉庫
軍施設
輸送船
都市機能だけを潰している。
そして、
「このまま滅ぼしてもいいが」
「つまらん」
この一言。
ここで「街を壊せる」という説明は不要になります。
実際に全部壊さなかったことで、逆に底知れなさが増しています。
レオンの役割も良い
これまで「落語を理解できない少年」だったレオンが、
瓦礫を吹き飛ばし、
「立て!」
「走れ!」
と叫ぶ。
ここで初めて彼が"騎士"になります。
普段とのギャップがあるので、とても格好いい。
第18話 神国の騎士への応援コメント
第18話は、次の大きな物語への橋渡しといった感じですね。
アリアの
「才能が現れるたびに、戦争は長引きます」
この一言で、彼女が才能を喜べない理由が伝わります。
普通の軍人なら「優秀な若者が現れた」と喜ぶ場面です。
でもアリアは逆。
才能がある人間ほど最前線へ送られ、生き残るほど戦争が続くことを知っている。
たった二行で、この人の戦争観が表現されています。
レオンの初登場がとても自然
「好きにしなさい」
「好きにと言われても」
このやり取りだけで、真面目、自由時間が苦手、娯楽を知らない
という説明がないのに性格が分かるのは、とても読みやすいです。
一番好きだったのは最後です。
ルクが
「面白くなかった?」
と聞き、
レオンが
「分からん」
と答える。
普通なら
「面白かった」
「つまらなかった」
のどちらかです。
でもレオンは、
「面白いかどうかを判断する経験がない」
だから「分からん」。
この返答もレオンという人物を象徴しています。
この第18話は「レオン編」のプロローグとして非常にきれいです。
今後どんな関係に発展していくのか、期待大です。
第16話 世界で二人目への応援コメント
「落語を聞く人」だったルクが、「落語をやる人」になる
それをとても自然な流れで作れているのが良いですね。
「世界で二人目」このタイトル
最初は「二人目の客」かと思わせておいて、読み終わると意味が変わります。
世界で落語を知っているのは、
立川こしら
ルク
この二人だけ。
つまりルクは、
異世界で二人目の落語家になるかもしれない。
たったそれだけのことなのに、とてもワクワクしながら読んでしまいました。
特に、こしらの「ずるさ」が最高。本当に師匠っぽい。
例えば、
「皆さん! この子の落語、聞きたいですよね!」
この瞬間、
「あ、この人ルクを逃がさないな」
と分かる(笑)。
さらに、
「今ならルクの初高座が見られます!」
完全に客寄せです。
しかも、
「後で高くなります!」
には笑いました。
寄席の前説みたいな勢いがあります。
そして
「汚えな」
「何が」
「落語家」
「褒め言葉だ」
このやり取りが好きです。
こしらは本当に悪い(笑)。
でも悪意じゃない。
「一歩踏み出させるためのずるさ」です。
師匠から弟子へ受け継がれてきた空気を、こしらが今度はルクへ渡しているように見えました。
最後の締めも秀逸
後ろでは。
立川こしらが楽しそうに笑っていた。
ここがいい。
こしら自身もワクワクしているのが伝わります。
耳岩では居場所が生まれ、ベルサリアルでは商売としての落語を学び、そしてこの回で継承が始まる。
この「文化が一人から二人へ受け継がれる瞬間」を、説教ではなく笑いの中で描いているのが、この作品の魅力だと感じました。
第15話 客を集める方法への応援コメント
「客が増える理由」
耳岩では、ルクが子どもを連れてきてくれたことで自然に客が増えました。
でもベルサリアルでは、上手くいかない。
そこでバルカが言う、
「人は呼ばれて来るんじゃない」
「来る理由があるから来る」
この一言が、この章全体のテーマになっています。
これは落語だけでなく、商売、演劇、小説、YouTube、SNSまで通じる普遍的な考え方です。説教臭くなく、商人の言葉として自然に出てくるのがとても良いですね。
さらに最後の展開もきれいです。
昨日の途中まで聞いていた果物売りの女性が、
「昨日の続きは?」
と言って戻ってくる。
つまり彼女は「落語を見に来た」のではなく、「続きが気になったから来た」。
これがバルカの言っていた「理由」の答えになっています。
読者も「ああ、そういうことか」と腑に落ちる構成です。
客はまだ二人。
今後、客が増えていくのか?客が増えることで、どんな物語に発展していくのか楽しみですね。
第13話 灰冠計画への応援コメント
第13話は、「物語のスケールが一気に広がる回」
ここで初めて、戦争全体の構図を知ることになりました。
前半の戦争パートが効いている
これまで読者が知っていたのは、
ヴァルガ帝国
唱
黒天(名前だけ)
くらいでした。
この回で一気に
シェルン神国
灰冠計画
皇帝グラン
候補生レオン
ベルサリアル連邦
と、世界の全体像が見えてきます。
しかも説明口調ではなく、軍議を盗み聞きしている感覚なのがいいですね。
全部は理解できなくても
「何か大きな戦争が動いている」という空気だけ伝わってきます。
あと「戦争は才能が好きね」
これは皮肉としてよく効いています。
才能は本来、何かを生み出すものでもあるのに、
戦争では「人を倒す才能」が最も価値を持ってしまう。
アリアという人物の価値観が、この一文だけで見えます。
アリアも気になる人物
冷静です。
感情をあまり見せない。今後のアリアの動向気になりますね。
後半はいきなり市場。
この切り替えが上手い。
読者もこしらと一緒に
「すごいな」
と思えます。
一番好きなのはこの会話
「平和だな」
「平和じゃない」
「戦争で儲かってる町だ」
これ、すごく現実的です。
戦争をしていても、
誰かは商売をしている。
誰かは儲かっている。
だから戦争は終わらない。
説明を長々としないのがいいですね。
最後の締めも好き
「一人でもいれば十分なんだけどな」
これは第4話の
「たまに一人だけ笑うから」
とも繋がっています。
こしらは最初から変わっていない。
客が千人でも、
客が一人でも、
やることは同じ。
その芯がぶれていません。
だから最後に
「広場へ向かった。」
で終わるだけなのに、
「新しい寄席が始まる」
という期待が自然に湧いてきます。
第12話 国境への応援コメント
一番良かったのは「客です」
この一言は、本当に好きでした。
兵士は
「親か?」
「違います」
「親類か?」
「違います」
と、血縁や制度の言葉で関係を確認しようとする。
でも、こしらにはそのどれでもない。
そこで出てくるのが、
「客です」
これは落語家にしか言えない答えです。
普通なら「知り合いです」「一緒に旅をしています」と答えるところを、「客」と言う。
しかも、その言葉がこの12話まで積み重ねてきた耳岩の日々のおかげで、自然に納得できます。
そして、その後がさらに良い
「責任持てるのか」
ここで空気が変わります。
今までのこしらは、
流されていた。
耳岩でも、
ミアがいて、
ルクがいて、
何となく毎日が続いていた。
でも今回は違う。
自分で選ばなければならない。
だから、
「持ちます」
この一言は、この先の物語でも意味を持ちそうですね。
「耳岩みたい」
ここは少し切なくなりました。
市場は賑やか。
大道芸もある。
人もいる。
なのに、
「耳岩みたい」
というルクの一言で、
耳岩が「場所」ではなく「思い出」になったことが伝わってきます。
耳岩はもう、子どもたちにとって故郷なんですね。
そして最後の一文、
「久しぶりに。少しだけ喋りたくなった。」
これがとてもいい締めです。
落語家は場所ではなく、人がいるところで落語家になる。
その原点に戻るような終わり方で、第2部への期待が大きく膨らみました。
第11話 ミアのいない道への応援コメント
10話で別れた直後なので「もうミアは出てこないのかな」と思っていましたが、会話の中にミアが何度も現れ
「ミアがいないのに、ずっとミアがいるように感じさせる」
構成で
会話の中ではずっとミアと一緒に歩いている。
それだけに「ミアがいない道」このタイトルには少し切なさがあります。
この回は「移動回」なので、物語としては意図的に静かです。
ただ、その静けさが次の展開への助走になっている印象がありますね。戦争から逃げる道中をじっくり描くことで、「耳岩」という居場所を失った喪失感が伝わってきます。
ここまで11話読んで感じるのは、この作品のテーマは「異世界」でも「戦争」でもなく、人が安心して笑える場所はどう生まれ、どう失われるのかということなのだろう、ということです。
耳岩を離れた今、その「居場所」をもう一度作れるのか。その続きがとても気になります。
第10話 耳岩寄席への応援コメント
今回もミアというキャラクターがかなり良かった。
最初はコメディ担当かと思った。
でも10話で、
「探さなくなったら私じゃない」
この一言で印象が変わる。
エシンなんて本当は何か分からない。
でも探し続ける。
だからミアなんだ。
そして、
「これがエシン」 「私が決めた」
ここは笑えるのに、同時に少し切ない。
戦争で何もかも失った子だから、自分で意味を作って生きている。それが伝わってきました。
そして、一番好きな一文
「ただの岩。 ただの草地。 ただの空き地。 そのはずだった。」
このフレーズが何度も繰り返される。
最初は本当にただの場所。
でも読む側は知っている。
もうそこは「ただの場所」じゃない。
笑って、泣いて、兵士が休み、子供が集まった場所。
「異世界で寄席を作る話ではなく、戦争の中で『笑える居場所』が生まれていく物語」
そんな風に感じました。
第9話 総動員への応援コメント
第9話で一番印象に残ったのは
「明日いる?」のこの一文です。
今までは
「明日もやる?」
だった。
つまり、「落語会はある?」という問いだったんです。
でも今回は違う。
「明日いる?」
これは落語ではなく、
こしら自身への問いになっています。
たった一語変えただけで、意味が180度変わっています。
当たり前だった明日が、当たり前ではなくなる。
だから総動員令よりも、「明日いる?」のほうが恐ろしく感じますね。
今回、ミアがすごく良かったです。
「また草だらけになるな」
泣かせようとしていない。
でも泣けます。
耳岩は最初、
本当に草だらけの場所でした。
そこへ人が集まり、
笑い声が生まれ、
寄席になった。
それが全部なくなったら、
また草が生える。
この表現は、とても詩的でした。
「みんな死ぬかもしれない」と直接言わずに、その未来を感じさせています。
少しの言葉の違いや言葉に込められた想いで今後を想像させたりと、とても上手いですね。
第8話 空席への応援コメント
タイトルの「空席」が素晴らしいです。
「空席」と聞くと、最初は
お客さんが来ない席を想像します。
でも実際は違う。
「兵士が一人呼び戻される」
昨日まで座っていた兵士が、今日はいない席。
だから「空席」が、その人の存在を一番強く感じさせる言葉になっています。
タイトルを最後まで読んで初めて理解する構成が見事でした。
そして今回、一番印象に残った一文が
「怖いな」
初めて聞く声だった。
兵士なのに。
普通の人の声だった。
ここ、本当にいいです。
戦争では「兵士」という役割しか見えません。
でもルクの何気ない一言で、その鎧が一瞬だけ外れる。
「兵士」ではなく、「怖い」と言える一人の人間になる。
この変化はとても自然で、だからこそ胸に響きました。
馬が来る場面
ここは映画を見ているようでした。
風が吹き、
子どもが笑い、
兵士が座る。
穏やかな時間です。
そこへ、
馬が来た。
速かった。
土を蹴る。
風を裂く。
戦争が、一気に日常へ入り込んでくる。
説明しないのに緊張感がありました。
第8話は、静かな話なのに、読み終えたあとにずっと余韻が残る、とても印象深い一話でした。
第6話 四人への応援コメント
今回、一番心を動かされたのは
「帰る場所かな」
しかも、言ってから少し驚いた。
そんなふうに考えたことはなかった。
この部分が凄くいい。
もし最初から「師匠は帰る場所です」と言ったら、きれいすぎる台詞になります。
でも、この作品では、自分で口にして初めて気づく。
だから本音に聞こえます。
さらにその後、
帰りたい。
そのはずだった。
から、ルクの顔が浮かぶ。へ繋がる流れが本当に自然です。
「帰りたい」という気持ちに迷いが生まれ始めた瞬間ですね。
ルクの成長
第3話では、
何も喋らない少年。
第6話では、
「連れてきた」
と言えるようになっている。
さらに最後には、
「師匠だから」
と言う。
これは大きな変化です。
こしらは「先生」ではなく「師匠」と呼ばれている。
ルクがその言葉を自然に受け入れている感じが
こしらとの距離感が近くなり、そして信頼感の表れになっていていいですね。
そして、この空き地には、
少しずつ人が集まり始めていた。
この締め方もいいですね。
単なる人数の増加ではなく、
居場所ができ始めたという意味として読めます。
第4話 客一人への応援コメント
第4話の一番好きだった場面は
「たまに一人だけ笑うから」
ここです。
さらに続く、
「救われた顔する人」
この二行は、この作品全体を象徴する台詞になっていると思います。
普通なら、
「みんなを笑わせたい」
「人気者になりたい」
と言わせるところです。
でもこしらは違う。
"一人でいい"と言っている。この場面、好きです。
あと、今回はミアというキャラクターが立ってきた
盗みを肯定するのではなく、
「盗まなきゃ死ぬ」と言わせる。
しかも感情的ではなく、
当たり前のこととして話す。
この世界の価値観が分かります。
こしらも怒れない。
この一瞬で
現代日本の倫理と戦時下の倫理
の違いが描けています。
説明なしで。
主人公は世界を一気に変える英雄ではなく、目の前のたった一人に語りかける落語家。その積み重ねが、この「声の国」でどんな変化を生んでいくのか――その続きを読みたくなる、静かだけれど力のある第4話でした。
第2話 ワークマンへの応援コメント
第2話は「この世界で生きることの現実」
戦争や異世界という大きな設定ではなく、水、食料、寝床、靴といった身近なものに焦点を当てているので、一気に読者が主人公と同じ目線になります。
特に印象に残った点
「唱」の恐ろしさを説明ではなく描写で見せている
兵士が声だけで倒れていく場面。
耳から血。
見えない攻撃。
見えない武器。
ただ声だけ。
この数行だけで十分怖いです。
しかも敵兵を「悪人」として描かず、
どう見ても普通の若者だった。
としているので、戦争そのものへの虚しさが伝わります。
最後に
笑ったように見えた。
で締めるのもいいですね。
あえて何を言ったのか聞かせないことでの余韻がGood
今後の展開が気になります。
第1話 耳を澄ませばへの応援コメント
「読者に世界を説明する」のではなく、「主人公と一緒に世界を知る」という構成になっているので、自然に読み進められます。
冒頭の掴みが抜群
立川こしらは失踪した。
この一文だけで「どういうこと?」と思わせます。
その後も、
防犯カメラ
遺体なし
血痕なし
目撃者なし
と、短文を積み重ねることでテンポよく情報が入り、最後の
人は毎日消える。 世の中は忙しい。
この二行がすごく効いています。 社会の冷たさが伝わってきます。
異世界への入り方が自然
少女が財布を漁る。
死体だと思う。
突然起きる。
ここは完全にコメディなんですが、
笑わせながら情報を出しているので説明臭くありません。
特に
コンビニは?
何それ
ここは読者も「あ、この世界ヤバい」と理解できます。
「唱」の見せ方が上手い
多くの異世界作品なら
「この世界では魔法があります」
と説明してしまいます。
でもここでは
巨大な咆哮
↓
地面が揺れる
↓
戦争だ
↓
「唱だよ」
という順番なので、
読者は「唱って何?」と興味を持ったまま次話へ行けます。
情報を隠すタイミングが凄く上手い
「失踪ミステリー」で始まり、「異世界転移」の驚きを経て、最後に「声が武器になる世界」という作品の核を提示する。
連載のスタートとしてかなり魅力的な第一話だと感じました。
第6話 四人への応援コメント
師匠とは「帰る場所」。
なるほど、と胸を突かれた気持ちでした。
どこか寂しげな影と、世捨て人ぽいのに子供に優しい。
優しいと言っても優しげに振る舞う訳ではなく、ただそこに居ることを受け止めてくれてる空気感に皆が安心してゆくのかなと。
第1話 耳を澄ませばへの応援コメント
第二弾スタート!
待望の異世界転生モノでしょうか。
初っ端に出てくるゲストにニヤリ。
他の誰でもなく、あの方なのがまたイイですねー。
毎日の楽しみがまた増えました。更新を心待ちにしています!
第50話 もう一人の転生者への応援コメント
耳岩で始まった寄席が、100年かけて世界中に広がったのと同じように、思想も、記憶も、落語も、人から人へ渡っていく。
だから最後の
耳岩には。
まだ人の声が響いていた。
これはかなり良い締めだと思う。
あと、
「エシンって」「エンジンの事だ」
ずっと忘れていた。ここで種明かしになるなんて笑ってしまった。