第59話 風に乗って届いておくれ

たまに思う。


風が吹く先に、声を届けたい人がいる。


その風に言葉を乗せて、届いてくれやしないか。


百人一首みたいな事を考える。


きっと、スマホもない時代の人たちも、そんなことを考えていたのだろう。




まるで昨日のことのように、ふと思い出すことがあります。


たぶん、言葉には不思議な力があって、


かわした何気ない会話ほど、あとになって残るものです。


たくさん話す必要なんてなくて、


りくつのない話でもいい。


まじめな話も、くだらない話も、


しばらく時間が空いたとしても、


よい言葉が浮かんだその時に、


うまく言えなくても、また言葉を交わせたら。

【了】

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