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  • シェイマたちとのやり取りがコミカルで楽しい一方、正太郎の存在が少しずつ世界から消えているような不気味さが強まり、一気に読まされました。電話番号だけでなく、Facebookや過去の記事まで見つからない場面は、単なる遭難や誘拐では説明できない怖さがあります。シェイマの「アナタに興味があるみたい」という台詞が、前回とはまったく違う意味に変わるのも印象的でした。

    そして、ようやく日本大使館に着いて家へ帰れると思った直後、実の母親から「うちにはショウタロウという息子はいない」と言われる展開にはぞっとしました。家族の記憶や家の細部は一致しているのに、自分だけが存在しない。そのうえ、自分の代わりとなる「息子」がいるらしいという謎まで残され、続きが猛烈に気になります。「もうすでに俺のディアスポラは始まっていた」という締めも、タイトルの意味が深まる素晴らしい引きでした。

    作者からの返信

    3つもコメントありがとうございます。
    シェイマたちとのロードムービー的な要素もありつつ、ミステリー・SF的な部分も持ち合わせている、そんな独特な小説です。
    楽しんでもらえているようでしたら何よりです。

  • 正太郎がようやく「ここはモロッコだ」と知り、日本へ帰るための具体的な目的が見えてきた一方で、所持金もパスポートもないという現実が重くのしかかってくる回でした。ワルザザートからマラケシュへ向かう車窓や、ジャマ・エル・フナ広場の雑多な熱気がとても鮮やかで、本当に異国の街へ放り込まれたような感覚になります。

    バスで親しげに話しかけてきた女性を即座に「詐欺師だ」と警戒する正太郎に、前回の経験がしっかり生きていて少し笑ってしまいました。それでも結局リュックを奪われ、全力で追いかける流れは緊迫感がありましたし、何も盗るものがないと分かって返される展開も予想外でした。

    特に「I come from nowhere.」という言葉が印象的です。格好をつけた台詞でありながら、記憶も身分証も帰る手段も失った今の正太郎を、そのまま表しているように感じました。最後の「アリとクモを食べた」でシェイマの警戒が笑いに変わる場面も自然で、二人の出会いとしてとても魅力的です。詐欺師らしい彼女が、これから味方になるのか、それともさらに正太郎を振り回すのか、続きが気になります。

  • 目覚めた瞬間からの「ここは異世界なのか、それとも現実なのか」という揺らぎに、一気に引き込まれました。水も食料もない砂漠をさまよう場面はとても生々しく、読んでいるこちらまで喉が渇いてくるようです。ようやく街へたどり着いたと思ったら、現代文明の痕跡が見え始め、安心するどころか謎がさらに深まっていく展開も面白かったです。

    特に印象に残ったのは、正太郎を助けてくれた老夫婦でした。言葉も文化も通じない相手に食事と寝床を与え、最後には地図とお金まで持たせて送り出す。その優しさが、ここまでの過酷な描写の中でひときわ温かく感じられました。ラストの「神のご加護を」という言葉も胸に残ります。

    黒い傘を持つ人物と白い塔、失われた記憶、そして正太郎がなぜサハラに放り出されたのか。現実的なサバイバルと不可思議な謎がどう結びついていくのか、続きがとても気になります。

  • 大使館から一気に物語のジャンルが変わったような衝撃がありますね!

    作者からの返信

    この辺からこの物語はマジックリアリズム的な性格が強くなります

  • モロッコ・マラケシュの熱気が伝わってくる回で面白かったです!

    作者からの返信

    読んでくださってありがとうございます。実は行ったことがないので、モロッコについていろいろ調べて、あとモロッコ人の方にもお話を聞いて書きました。