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  • 終幕:荷を下ろさない男への応援コメント

    完結まで拝読して、最後にマーサが正式に「右腕」になる着地がとても気持ちよかったです。「荷運び人」だったフィンドレーが、ずっと国や王家や周囲の人々の荷を一人で背負い続けてきて、最後にようやくマーサと荷を分け合える――終幕タイトルの「荷を下ろさない男」がここまでの人生そのものに重なりますね。そして次の仕事がリチャード捜索というのも、この二人の物語が終わったというより、男爵と新人侍女の物語が終わり、男爵と秘書の物語が始まったような余韻があって好きです。第一幕では「最悪」だった二人が、最後には「倒れない程度に支えながら踏みます」と笑い合っているのも、本当にいい締めでした。

  • 「私の人生を決めるのは、私です」と言い切って、守られる側ではなく自分の意思と野心でフィンドレーの隣を選ぶマーサが格好いいですね。フィンドレーが家族を持たなかった理由も胸に残りますし、「必要なら君を見捨てる」という冷たい言葉の裏で寝具を白くなるほど握っている左手が、彼の本音を何より雄弁に語っています。そして覚悟を問われてなお「切られるだけの役立たずではないことを証明いたします」と返すマーサ――第一幕の「最悪」から、本当に素敵な関係になりましたね。

  • 第三十幕:失った右腕への応援コメント

    「私を、フィンドレー様の右腕にしてください」が、物理的に失われつつある右腕と、これまでマーサが担ってきた相棒としての役割を重ねていて、とても強い台詞ですね。特にフィンドレーにとって美しい筆跡が「男爵として立つための鎧」だったという描写によって、腕を失うことが単なる身体的な喪失ではなく、彼が努力して築いた社会的な自己まで揺るがすものになっているのが胸に残ります。それでもフィンドレー自身はマーサを自分の代替物にしようとはせず、「踏み台にして、私たちが届かなかったところまで行くものだ」と返す――この人が彼女に望んでいる未来がよく表れています。


  • 編集済

    やはり「無実の証明」と「事件の解決」は別物でしたね。「美しすぎるんだよ、マーサ」と、エドマンドの自白そのものを新たな“綺麗な筋書き”として見抜くところは、第一章から積み上げてきたフィンドレーの推理が鮮やかに戻ってきた感じがします。そして真犯人を追ってすぐ動くのではなく、あえて「忘れたふり」をして安心させるのも元詐欺師らしい駆け引きで面白いです。そんな頭脳は完全復活しているのに、身体は寝台から起きることさえ危うい――最後のマーサの制止まで、二人らしいですね。

  • 第二十八幕:無実の証明への応援コメント

    「あなたの無実は、証明されました」で安堵するところなのに、フィンドレーが即座に「マーサ。君はどう思う?」と返すのが実に彼らしいですね。エドマンドの自白とヌガリスの症状が綺麗に噛み合っているからこそ、これまで何度も語られてきた「美しすぎる筋書き」を思い出さずにはいられません。そして、無実が証明され爵位も名誉も戻る一方で、右腕は以前のようには戻らないかもしれない――失ったものをきちんと残したまま物語が次の謎へ進むのも胸に残りました。

  • 間に合った……! 軍用ドラゴンの上からギャレスが「刑を止めよ!」と王命を叩きつける登場は、ここまで追い詰められた展開だからこそ本当に格好いいですね。それでも「助かった」のではなく「首が落ちるのを、かろうじて止められただけ」とするのが印象的で、最後まで背筋を伸ばしていたフィンドレーが処刑台を降り切った瞬間に崩れるところには、張り詰めていたものが一気に切れたような痛ましさがありました。マーサがようやく目にできた「生きているフィンドレー」が、軽口すら言えず倒れている姿なのも胸が締め付けられます。

  • ついに序幕の処刑台へ辿り着いてしまいましたね……。「嘘だと言えよ」「違うなら違うって言え」と叫ぶ人々がいることで、群衆が単純な悪意の塊ではなく、フィンドレーを知りながら声を上げきれない人々まで呑み込んだ「群れ」なのだと見えてくるのが印象的でした。石を受けて血を流しても、かえって背筋を伸ばすフィンドレーの姿も格好よく、それをマーサが「生きて戻るために整えた顔」として見ているのが切ないです。そして最後の「齢四十五!」――序幕と同じ場所、同じ瞬間へ物語が完全に繋がった感覚があります。

  • 第二十五幕:小さな杖への応援コメント

    小さな杖をいつの間にか返していたところ、いかにもフィンドレーですね。自分があと数時間で死ぬかもしれない状況でも、最後までマーサとアンナに「反逆人を逃がした」という傷を残さないことを優先するのが、この人らしくて胸が締め付けられます。そして「私の人生で、いちばん嘘が少なかった」という三か月への言葉がとてもいいですね。「嘘つき」の彼が、疑いながらそばにいてくれたマーサだからこそ本当のことを言いたくなった、という関係性が美しいです。

  • 第二十四幕:最期の身支度への応援コメント

    処刑前の「身支度」が、罪人を見世物として整えるためのものから、マーサの手によってフィンドレー本人の顔を取り戻す時間へ変わっていくのが、とても印象的でした。とりわけ剃刀を持つマーサに無防備な喉を預け、目さえ開けない場面は、ここまで積み重ねてきた二人の信頼が静かに凝縮されていますね。「痛い」と初めて素直に答えるフィンドレーや、「強くなったな」「今、褒めないでください。泣きます」というやり取りも胸に迫ります。そして最後の「うなじも整えてくれるか?」――この状況でその頼みが何を意味するのか、はっとさせられる引きです。

  • 今回はギャレスが格好いいですね。「だからこそ、あの男の首を落とすなら、正しい手続きで落とす」という姿勢が、フィンドレーへの好悪とはまったく別のところで法と王国を守ろうとする彼の人物像を鮮やかにしています。侍医長の「王命」という言葉を記録させ、その矛盾だけで扉をこじ開けていく流れも見事で、フィンドレーとは違うやり方の駆け引きとして痺れました。そしてガトンの死まで重なる中、最後の「閉ざされていた扉は、確かに開いた」に、マーサたちがようやく反撃の一歩を踏み出した感触があります。

  • ここで「足元を見るな。行き先を見なさい」が帰ってくるのが素晴らしいですね。楽しい初恋の舞台で教わった踊りの言葉が、今度はマーサ自身を絶望から立ち上がらせる言葉になるとは……あの夜の温かさまで含めて胸に響きます。そして「あの方の目となり、足となり、口となります」と決意したマーサが、すぐに洗濯女として得た視点から「陛下の寝具」へ辿り着くのも格好いい。フィンドレーから答えを受け取るのではなく、彼に教わったものを使って自分で次の一手を見つけた瞬間だと感じました。

  • これはつらいですね……。「白いシャツ」というごく日常的なものだけで、地下牢でフィンドレーに何が起きているのかをマーサへ伝えるのが胸に迫ります。しかも以前の「ご自分を粗末になさることまで、見過ごすよう命じられた覚えはございません」という叱責をここで思い出すことで、第十九幕の「君に叱られるために戻ってくる予定なんだ」がさらに切なく響きました。そして、まだ生きている人の部屋も服も「遺品」のように扱われていく描写に、第二章の題である「正義という名の群れ」の怖さがよく表れていると思います。

  • 第二十"断"幕:酒の匂いへの応援コメント

    ここで初めてフィンドレーの一人称に入るのが強烈ですね。序幕で描かれた「酒臭く、笑っている嘘つき男」の姿が、本人の堕落ではなく、裁きのために意図的に作られた「絵」だったと明かされるのが胸に刺さります。そして極限状態でもエリオットの生死を自分以上に恐れ、マーサには自分の続きを背負わせるのではなく「逃げろ。生きろ」と願う――最後の「これから見せられる私を疑え」は、嘘つきという呼び名そのものが反転するような台詞でした。

    作者からの返信

    ありがとうございます。
    この形式は、ドン・ウィンズロウの「失踪者」という小説から強い影響を受けたシーンです。
    ざっくりとした内容は、誘拐された5歳少女ヘイリーを、デッカー元刑事が捜索するという話です。
    ベースは主人公:デッカー元刑事の一人称ですが、たびたび、ヘイリーの一人称も入り、最後は2人が交差するという形式でした。
    なので今回のこのシーンは、書くにあたって強く意識しました。

  • まさか、あの夕暮れの書状がここで効いてくるとは……! フィンドレーが自分自身ではなく、マーサやアンナたちが巻き込まれる事態を先回りして備えていたことが分かり、あの穏やかな馬車の場面が一気に切なくなりました。「私は男爵を庇っているのではない。法を守っている」と言い切るガトン、それに「法を守るための剣だ」と続くギャレスも格好いいですね。そして最後の「私は君に叱られるために戻ってくる予定なんだ」は、マーサへの約束をフィンドレーらしい軽口に包んでいて、胸に残ります。

    作者からの返信

    ありがとうございます。
    伏線回収――という体になっているかどうかは分かりませんが――をさせていただきました。
    最初、馬車のシーンはなかったのです。ですが、そうしないとあまりにもこのシーンが唐突で御都合主義になってしまうと思ったので、後から慌てて差し込んだシーンになります。

  • これは序幕へ向かって、一気に足元が崩れ始めましたね……。何より胸に刺さったのは、フィンドレーがマーサを怒鳴って黙らせ、自分の言葉だけを意図的に「罪を認めた」と受け取れる形にして彼女を庇うところでした。「嘘つき」と呼ばれる男が、嘘をつかず、言葉の意味だけを巧みに操って責任を引き受けるのが実に彼らしいです。そしてマーサやアンナまで拘束対象となり、第一章で築かれた仲間たちが「正義という名の群れ」に呑み込まれていく第二章の幕開けとして強烈でした。

    作者からの返信

    ありがとうございます。
    個人的にはトッシュも出してもう少し捻ったシーンにしたかったのですが、1ヶ月以内に書き上げなければならない事情があったため、理由をシンプルにしました。
    でも、これはこれで、味が出たのではないかなと思っています。

  • 第十七幕:男爵宛ての私物への応援コメント

    マーサが自分で「王位継承」まで思考を進めつつ、安易に誰かを犯人と決めつけないところに、フィンドレーから受け継ぎつつある捜査の姿勢が感じられていいですね。そして、証拠が次々と焼かれる中でも「消しきれなかったもの」を拾うフィンドレーたちの粘り強さが頼もしいです。何より最後、フィンドレーの部屋に突然現れた乳白色の粉――序幕の「国王を毒殺した男」という結末を知っているだけに、あまりにも嫌な形で歯車が噛み合い始めました。

    作者からの返信

    ありがとうございます。
    私は結末とクライマックスありきで書き始めるタイプなので、そこに向かってプロットを立てていました。
    ようやく追いつき繋がった時に、一種の安堵を感じました。

  • コメント失礼します。

     権力の亡者どもの陰謀は、深く静かに進行しているのにマーサやアンナ王女の必死の抵抗がいじらしいですね。決着がどうなるか楽しみです。

     ところで、レビューを頂いた

    〝ケンメリ! 謎のおっさんと美少女魔術師、GTRで新世界爆走!〟

     更新して9/7までには最後まで読めるようになります。

     ご興味がおありでしたらご覧ください、宜しくお願い致します。

    作者からの返信

    ありがとうございます。
    イベントに間に合わせるために大急ぎで組んだプロットですが、そう言っていただけて嬉しいです。

    ぜひ続きを読みにいかせていただきます。

  • コメント失礼します。

     おっと、遠山金四郎は誰がやるのですかな?

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。
    強いていうならば、全員が金さんになりそうです!

  • 第十六幕:空鞍の伝令への応援コメント

    「ずいぶん賢い火だな」が実にフィンドレーらしく、洞窟で掴んだ糸を狙い澄ましたように焼かれる展開に、一気に緊迫感が増しました。空鞍のドラゴンにそのまま乗って王都へ飛ぶ姿も格好いいですが、一方で行きにドラゴンを使わなかった理由が「村人への威圧になるから」というのがいいですね。酒場で自然に人々の懐へ入れた彼の捜査術が、単なる人好きではなく、きちんと考え抜かれたものだったと分かる場面でした。

    作者からの返信

    ありがとうございます。
    この世界ではドラゴンは便利ですが、同時に不便でもあるんです。
    自分より遥かな大きな生物が、空から降りてきたら、そりゃ怖いだろうな。と。
    見慣れていない一般市民には、恐怖の対象でしかありません。
    その描写を何とか差し込むことができました。

  • 第十五幕:子供のドラゴンへの応援コメント

    ついに「帳簿に載らないドラゴン」の正体が現れましたが、その姿があまりにも痛ましく、真相へ近づいた興奮より先に胸が締め付けられました。とりわけ「一度も、空を飛べなかったんですね」というマーサの言葉が、この子たちから奪われたものを端的に示していて強く残ります。そしてフィンドレーの「死んだものは返らない。だが、生きている者まで道連れにする理由はない」という言葉には、悲しみに沈まず、今救えるものへ手を伸ばす彼らしさがよく出ていました。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    このシーンをもう少し臭いや状態を、詳細に描写しても良かったのですが、そうするとホラー寄りになってしまうので、ここまでの表現に抑えました。
    また腐った水路に関しても、周辺住民にとっては死活問題です。「フィンドレーならこうするだろうな」と、対策を考えたシーンでもあります。

  • 第十四幕:洞窟の扉への応援コメント

    いよいよ洞窟へ踏み込む緊張感が高まってきましたね。「嘘をつく相手なら私の後ろへ、噛みつく相手ならトッシュの後ろへ」という分類が、フィンドレーらしくてこのギャグ好きです(笑)。また、鍵を力任せに壊さず、昔覚えた技術と最小限の魔法で静かに開ける場面には、彼の元詐欺師としての過去が実用的な強みに変わっている面白さがありました。最後、闇の奥で巨大な影が動くところは、ここまで積み上げてきた「帳簿に載らないドラゴン」の存在を強烈に予感させます。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    フィンドレーはキザなキャラなので、キザっぽい、そしてちょっとギャグっぽい事を言わせて作者が楽しんでいます笑

    “魔法が使える世界”では、「魔法があるのならば、鍵は関係なくなるのではないのか」という議論が度々起こっています。
    その問題や矛盾を潰すシーンを、今回たまたま入れる事ができました。

  • 第十三幕:初恋の舞台への応援コメント

    フィンドレーが自分でマーサに踊りを教えたあと、きちんと若い青年へ舞台を譲る流れがとても綺麗でした。「足元を見るな。行き先を見なさい」という言葉が、単なる踊りの助言以上に、マーサのこれからにも重なるようで印象に残ります。嫉妬ではなく、少し離れた場所から杯を掲げて見守るフィンドレーの姿にも、二人の「恋愛未満」という距離感ならではの温かさがありました。

    作者からの返信

    板野かもさん

    男女バディものの作品はそんなに多くなく、ほとんどの場合は恋愛に発展してしまいます。
    そして歳の差があるとさらに限られてしまいます。
    それをこの作品ではなるべく封じたいがために、最後は青年に託すフィンドレーを書きたいと思っていました。

  • 《荷運び人の九拍子》をきっかけに、フィンドレーが「男爵」ではなく昔の荷運び人として酒場の人々と笑い合う場面がとても温かいですね。「俺たちみんなの歌だ!」という言葉には、彼が今もこの人々の側にいるのだという実感がありました。そして、青年に誘われて真っ赤になるマーサと、その一部始終を見ているフィンドレー――この締め、なんとも絶妙です。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    「貴族からは嫌われ、王族と市民からは好かれる男爵」を書きたいと思っていたので、市民パートは救われる形にしました。
    マーサには年相応の青年を。と思い、このラストにしました、

  • 第十一幕:井戸の呻き声への応援コメント

    フィンドレーが酒場で自然に土地の人々へ溶け込み、雑談の中から情報を引き出していく姿に、元詐欺師らしい人心掌握の巧さが出ていますね。それ以上に印象的だったのが、「信用してるから止めてるんだよ」「いねえよ!」という人々の言葉でした。王宮では悪評ばかりの男が、こういう場所では確かに愛され、必要とされている――その対比がとても胸に残ります。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    人間は誰しも、場面に応じていくつかの仮面を使い分けており、フィンドレーはそれが極端な人物です。
    そういう一面を書きたいと思いました。
    マーサはこの時何を思い、感じたのか?
    ここはもう少し書ければよかったのかな?と今少し後悔しています。

  • 第十幕:噂通りの男への応援コメント

    フィンドレーが侍女や従者、馬を優先し、自分を最後に回す姿がとても印象的でした。修道女の言う「噂通り」が、悪評ではなく彼の人柄を指していたのも温かいですね。そして、その優しさを知るほど目を離せなくなるマーサが、夜の修道院で彼を追いかける流れに、二人の関係の深まりがよく表れていました。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    「フィンドレー・バロウマン」という人物は、どういう人物なのか?
    「マーサ」というカメラ(視点)を通して進む物語なので、このシーンは彼のもう一面を強く意識して書いていました。

  • 第九幕:夕暮れの書状への応援コメント

    夕暮れの馬車で、事件の緊張の合間に二人の距離がそっと縮まる描写がとても良かったです。マーサがフィンドレーの穏やかな笑みに胸を痛め、「消えてしまうこと」を恐れる場面には、まだ恋と呼ばない感情の芽生えが丁寧に滲んでいました。そして最後の「西に、帳簿には載らない声がある」という一言が、これまでの洞窟の呻き声へ繋がり、推理と伏線が一本になる感覚が実に鮮やかです。

    作者からの返信

    板野かもさん

    いつもお忙しい中ありがとうございます。
    近すぎず、かと言って遠すぎない距離感を演出するのに結構頭を悩ませたシーンでもあります。
    親子ほど歳が離れた男性が、年下の女性を支配下にも保護下にも置かず、1人の人間として尊重したいと思っていました。

  • 第八幕:夜明け前の推理への応援コメント

    マーサ自身の疑問から推理が動き出し、フィンドレーがそれを丁寧に導いていく流れが心地よいですね。「分かりやすい嘘で、本命の嘘を隠す」という元詐欺師ならではの視点が、彼の経歴と事件解明を鮮やかに結びつけています。そして最後の「では、一緒に食べよう」が、張り詰めた推理のあとに二人の距離の近さを感じさせて、なんとも温かく印象に残りました。

    作者からの返信

    板野かもさん

    舞台がファンタジーなので、説明過多にならないように気を付けて書いたシーンでした。
    主人公をフィンドレーではなくマーサにしたのも、それが理由でした。
    「一緒に食べよう」は私もお気に入りのセリフです。

  • 第七幕:王家の記録への応援コメント

    帳簿ではなく症状そのものを見るアンナ王女が頼もしく、医学を学んできた彼女だからこそ辿り着ける真相なのがいいですね。そして、ヌガリスによる毒害の前例が先代女王エリラへ繋がるとは……四十八年前の事件が現在の王毒事件に重なる瞬間に、物語の奥行きが一気に増しました。記録を見つめるフィンドレーに、マーサの知らない幼さと寂しさが滲む描写も胸に残ります。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    元々は18歳のエリラ女王を主人公にしたファンタジー長編小説のプロットがあり、その世界観をベースに構築したのが「フィンドレー・バロウマン男爵」でした。
    エリラ女王の過去を引っ張り出すために、医学知識がある王族としてアンナ王女を設定しました。

  • 第六幕:最初の命令への応援コメント

    フィンドレーの最初の命令が、権力を誇示するものではなく、王族と証拠を守るための徹底した備えなのが格好いいですね。侮辱を受けても感情で押し返さず、「あなたの力が要る」とギャレスへ正面から頭を下げる姿に、彼が王から信任された理由がよく表れていました。一方で、ギャレスの「処刑台への道も」という言葉が序幕を思わせ、二人の緊張感ある関係に重い影を落としているのも印象的です。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    この会話シーンは、攻殻機動隊S.A.Cシリーズの、荒巻大輔をかなりモデル(イメージ)にして書きました。
    こういうことを言われた時、荒巻大輔ならどう返したか。それをフィンドレーに落とし込むならどういう感じになるか。
    これもなかなか楽しかったです。

  • 第五幕:美しすぎる筋書きへの応援コメント

    今回は「事件の始まり」から「本格的なミステリー」へ一段階ギアが上がった印象でした。毒味役が犯人であるかのように証拠が揃っていく流れに対して、フィンドレーが「美しすぎる筋書きほど、裏に醜い手があります」と言い切る場面は実に痺れます。さらに、その直後に国王があらかじめ彼へ捜査権限を託していたことが明かされる構成も見事で、前話まで積み重ねてきたエリオット王の絶大な信頼が、ここで説得力を伴って効いてくるのがとても気持ちよかったです。

    作者からの返信

    板野かもさん

    いつもありがとうございます。
    実際の歴史では、男爵は貴族の中でも比較的低い身分であり、他の重鎮を差し置いて、国王から重要な役目を任されることはほぼありません。

    ミステリを名乗る以上、そこをご都合主義で済ませたくはありませんでした。

    そこで本編には直接書かないものの、フィンドレーとエリオット王の過去を設定し、私的な晩餐の場面を挟むことで、彼が任されるまでの整合性を取っています。

  • 第四幕:毒を飲んだ王への応援コメント

    混乱の中でフィンドレーが即座にアンナ王女を医師として立たせ、自分は迷わずその指示に従う場面が格好いいですね。とりわけマーサへ「見るんだ! 悲鳴は後で上げろ!」と言い切る冷徹さには、命を救いながら同時に真相も逃さない彼の覚悟が表れていました。最後に、その顔へ怒りと悲しみが滲むことで、国王が単なる主君ではなく、かけがえのない友なのだと改めて伝わってきます。

    作者からの返信

    ありがとうございます。

    苦しみ方をリアルに描きたくて、実在する毒物をモデルにし、それを摂取したと想定した場合の応急処置まで調べました。
    当初は、フィンドレーに毒味役を見捨てさせる予定でした。
    ですが完結後に読み返すと、「合理的にも感情的にも何か違う」と感じ、最低限の処置をする形に書き直しました。

  • 第三幕:王との晩餐への応援コメント

    温かな家族のような晩餐が、そのまま惨劇へ反転する流れが鮮烈でした。とりわけ、国王がフィンドレーへ寄せる二十七年分の信頼が丁寧に描かれた直後だからこそ、序幕で彼が「裏切り者」と呼ばれていた残酷さが胸に迫ります。王の異変を察した瞬間、フィンドレーの視線が盃や皿へ素早く走る描写も、彼の観察眼の鋭さがよく表れていて格好いいですね。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    丁寧に読んでくださって、背筋が伸びる思いです。
    このシーンは、関係性を描写するための演出でした。
    毒を使った犯罪は名探偵コ●ンを思い浮かべがちですが、思考と経験値は高校生(工藤新●)とは異なるはず。だと思いました。
    成熟した成人男性としてどう振る舞うかを強く意識したシーンでした。

  • 第二幕:嘘つきの証明への応援コメント

    この一話で、マーサとフィンドレーの掛け合いがぐっと板についてきましたね。マーサの遠慮のない正直さと、それを面白がりながら受け止めるフィンドレーの余裕が心地よく、二人の会話だけで場面が生き生きと動いています。終盤の「礼より行動を信じます」という一言は、マーサの人柄を端的に表す台詞として印象的でしたし、ラストで何気なく描かれたベインが、そのまま王毒事件へ繋がる予感を帯びていて、非常に巧みな締め方だと感じました。

    作者からの返信

    板野かもさん

    いつもいつも丁寧にありがとうございます。
    45歳男爵と18歳侍女。
    立場・年齢・性別が異なる2人がほぼ対等に、恋愛関係でも支配関係でもない、バディとして健全な関係を深めていくためには、どのようなやり取りをさせるべきかと悩んだ最初のシーンです。
    フィンドレーをあれ以上マーサを揶揄いすぎると、今度は庇護関係になってしまう。塩梅が難しいところです。
    毒を舐めるくだりは、「嘘つきのパラドックス」をそのまま転用しました。

  • フィンドレーとの最初の出会いが、想像以上に散らかった部屋から始まるのが面白いですね。飄々として掴みどころのない男爵と、本音がそのまま顔に出てしまうマーサの対比が、一連のやり取りだけで鮮やかに立ち上がっています。最後の「……最悪」の一言には思わず笑ってしまいましたし、この率直さこそがマーサという主人公の大きな魅力なのだと感じました。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    「鼻の強い従僕はいなかったのか?」というセリフを言わせたいがために、水タバコと散らかった部屋設定にしました。あまりにも変な匂いにしてしまうと、貴族としてのフィンドレーの品を落としかねないなと思ったので(今でも十分、落ちていますが)

  • 序幕:処刑台の嘘つき男への応援コメント

    処刑台から物語を始める構成がとても印象的でした。フィンドレーという人物が、死を目前にしてなお矜持を失わず、それでいて恐怖や未練を隠しきれない姿が、人間味にあふれていて胸を打ちます。とりわけ、マーサの「落ちた首を拾う作法など、侍女は教わっておりません!!」という脳裏の言葉には、二人の関係性がまだ描かれていないにもかかわらず、その絆の深さが鮮やかに伝わってきました。

    作者からの返信

    板野かもさん

    ありがとうございます。
    こちらから提案させていただいた身ではありますが、読んでいただけてたいへん嬉しく思っております。

    「落ちた首を〜」と言うセリフについて
    彼の首が落ちた時、彼女ならどうするか?と考えた結果、彼女なら拾いかねないと思って、何度も書き直したセリフです。

    編集済