第21話 繋がる神隠しと、図書館の調査への応援コメント
今回、前話で出てきた「柊さんの悪夢」「公園で見つかった遺体」「アンブラ」が、図書館での調査を通して少しずつ一本の線になっていく感じが面白かったです。
まず冒頭の香菜ちゃん視点が良かったですね。
陽毬ちゃんと服の色を合わせたり、中学の修学旅行で買ったお揃いのチャームを付けたりと、かなり穏やかで可愛らしい始まりなのに、その中で何度も香菜ちゃんが「まだ何かを抱えている」ことが匂わされている。
特に、
「わたしも、迷わず前に出られる勇気を持ちたい」
という気持ちが印象に残りました。
陽毬ちゃんのようになりたいと思っている一方で、まだ何かを言えずにいる。前話の最後から続いている香菜ちゃんの違和感が、今回は本人視点まで使って強調されているので、「柊さんのこと以外にも何かあるのでは?」と気になってしまいます。
それから、図書館前で律くんと紬くんが普通に香菜ちゃんの異変に気付いているのも良かったです。
問い詰めるのではなく、
「今は香菜が話す気になるの待ちかな」
とする律くんと、陽毬ちゃんなら先に突っ込んでいきそうだと二人で苦笑するところに、四人それぞれの距離感が出ていますね。
長く一緒にいるからこそ、「気付いているけど、あえて待つ」という選択ができるのだと思いました。
調査が始まってからは、一気に物語の核心へ近づいてきましたね。
第一発見者が女子高生だったこと。
被害者が事件の前に行方不明になっていたこと。
そして、その人物が「神隠し」の被害者だった可能性があること。
一つだけなら偶然にも見える情報が、集めて並べた瞬間にかなり不気味な形になってくるのが良かったです。
特に、
「一度神隠しに遭って、その後に遺体として発見された」
という流れはかなり怖いですね。
前までは「神隠し」という言葉に、どこか昔話や都市伝説のような響きがありましたが、今回、公園の事件と結び付いたことで、一気に現実的な危険として感じられるようになりました。
さらにユウから明かされた「波長」という新情報も重要そうですね。
アンブラが無差別に人を襲っているわけではなく、波長の近い人間ほど影響を受けやすい。
これによって前回の陽毬ちゃんの件にも理由が生まれましたし、柊さんが悪夢を見るようになったことにも何らかの説明が付きそうです。
ただ、
「第一発見者として遺体に接触したから波長が近くなったのか」
「もともと柊さん自身がアンブラと波長の近い人間だったのか」
というところはまだ分からないので、この辺りも今後かなり重要になってきそうですね。
そして何気に怖かったのが、紬くんの
「僕や陽毬もこの被害者と同じことになっていたのかもしれないな」
という言葉でした。
今まで無事だったから忘れそうになりますが、アンブラに巻き込まれるということが、本来どれだけ危険なことなのかを改めて突きつけられた感じがします。
それに加えて、昔から伝わる神隠しの
「襲われた人は数日の内に死体として発見される」
という伝承。
天狗や鬼にさらわれたという昔話が、実はアンブラによる現象を当時の人なりに解釈したものだったのではないか……と考えると、一気に世界観の奥行きが広がりますね。
昔から存在していた怪異と、現代で彼らが遭遇しているアンブラが本当に同じものなのか。
ここはかなり気になります。
そして今回、一番引っかかったのはやっぱり最後です。
みんながかなり重要な情報を掴んで、「今日はここまで」と一区切り付いたところで、
「香菜がギュッと唇を噛み締めていたことに、誰も気付いていなかった」
で終わる。
前半では律くんも紬くんも香菜ちゃんの異変に気付いていたのに、この瞬間だけは誰も見ていないというのが不穏ですね。
柊さんについて、香菜ちゃんはまだ何か知っているのか。
それとも今回の調査結果から、香菜ちゃん自身が何かに気付いてしまったのか。
事件そのものの謎も大きくなってきましたが、それ以上に香菜ちゃんが何を隠しているのかが気になる終わり方でした。
日常的な四人のやり取りを残しながら、少しずつ「神隠し」の正体に迫っていく回で、次から本格的に不穏な部分へ踏み込んでいきそうですね。
作者からの返信
事件と神隠しとアンブラとが少しずつ、繋がり始める回となっていて、四人のやり取りや関係性についても余白を残しながら描いています。
この後の展開もお楽しみください
第20話 不穏な兆しと、悩める幼馴染への応援コメント
今回、日常の穏やかさの中にじわじわと不穏なものが入り込んでくる流れが印象的でした。
冒頭はいつもの四人らしい昼食風景で、陽毬と紬のやり取りや、唐揚げを巡る会話も微笑ましかっただけに、香菜が柊さんの話を始めてから空気が一気に変わるのが良かったです。
特に、「何人もの人の声」「光る何か」「遺体」という断片的な情報だけが提示されているので、まだ何が起きているのか分からないのに、確実に何かがおかしいという感覚だけが残りますね。以前のアンブラの侵食や、公園で見つかった遺体まで繋がってくることで、これまでの出来事が単発では終わっていないようにも感じられて、一気に緊張感が増しました。
そして香菜がまた一人で抱え込もうとしているところも、彼女らしいですね。友達を助けたい気持ちは強いのに、警察沙汰になるかもしれないとなると今度は仲間を巻き込みたくないと考えてしまう。その優しさが、そのまま抱え込みやすさにも繋がっているのが伝わってきました。
そんな中で、紬の「専守防衛に専念するべき」という発言には一瞬、本当に反対するのかと思わされました。そこから律の「俺たちが守らなきゃならないのは俺たちの日常」という考えに繋がるのが良いですね。
ただ危険に首を突っ込むのではなく、「香菜の友達も、自分たちの日常の一部だから守る」という理屈になっているので、前回までに決めた方針を否定せずに今回の行動へ繋げているところが自然でした。
それにしても紬、やっぱり不器用ですね(笑)
覚悟を試していたと分かれば納得はできるものの、香菜が「ほっとしたような、傷ついたような」表情になるのも分かります。本人に悪気がないぶん、こういうところで誤解されやすい人物なんだろうなと感じました。
最後も、四人で図書館へ行くことが決まって少し安心できる雰囲気になったところで、香菜がまだ何かを飲み込んでいるように見えるのが気になります。
柊さんの悪夢と公園の遺体、そしてアンブラ。この三つが本当に繋がっているのか。
ゴールデンウィークという明るい時期に、かなり不穏な出来事が動き始めそうで、続きが気になる回でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
前話で語られた柊さんの状態を香菜から伝えられた、律たちの今後の行動に関わる、導入回になっています。
香菜の抱えているものも含めて、続きを読んでいただければと思います
第3話 世界のバグと、灰色の朝への応援コメント
朝食の風景や身だしなみなど、ともすれば端折りがちな場面もきちんと書かれていてとても好感が持てました。
作者様のこだわりがある作品って良いですよね🎶
素敵な作品の続きを楽しみに追わせて頂きます!
作者からの返信
コメントありがとうございます。
日常の何気ないシーンにも心情描写を入れたいと思って、最初の4話は特に力を入れて書きましたので、そう言っていただけるととても嬉しいです
第2話 侵食する異世界と、崩れた死線への応援コメント
こんにちは。
これが処女作ですか!?
ものすごく完成度の高い作品ですね!?
事件の始まりから遺体の発見まで実に丁寧に日常を挟みながらの描写は圧巻でした。
やはり書ける人に歴は関係ないのですね。
御作に触れて、改めてそう感じました(^^)
面白かったです🎶
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
とても嬉しいお言葉をありがとうございます。
励みになります。
現在、第三章の執筆にも取りかかっておりますので、もしよろしければ続きも読んでいただけると嬉しいです。
第3話 世界のバグと、灰色の朝への応援コメント
ボキャブラリーがすごくて、めちゃめちゃそのシーンがすぐ思い浮かぶので読みやすいです!
それと、朝陽の文字であっ!となりました!笑
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
シーンを思い浮かべながら読んでもらえたのであればとても嬉しいです。
第19話 友達の異変と、季節の移ろいへの応援コメント
季節の移り変わりという穏やかな日常描写から始まるのに、少しずつ違和感が混ざっていく流れがとても印象的でした。
新緑や制服の変化、教室の空気感など、春から初夏へ向かう何気ない描写が丁寧だからこそ、そこに現れる柊さんの異変がより際立って感じられました。
特に小鳥遊さんの視点になったことで、柊さんの様子が「知っている情報」ではなく、「友達を見ていて感じる違和感」として伝わってくるのが良かったです。
普段は真面目で、周囲を支える側にいるような委員長の柊さんが、今回は明らかに何かを抱えていて、それでも周りに心配をかけまいとしている姿が切なかったです。
暑さを感じる季節なのに冬服のブレザーを着ているという小さな違和感から始まり、青白い顔、焦点の合わない視線、眠れていない様子へと少しずつ異常が積み重なっていく描写が、派手な演出ではなく現実の延長線上にある怖さとして描かれていました。
また、柊さんが語った「何人もの人の声」「光る何かに追われる夢」という部分が、これまで描かれてきたアンブラや異界の存在と繋がっているのが分かり、物語の世界がさらに広がったように感じます。
それ以上に印象に残ったのは、柊さんがただ怪異に巻き込まれる存在ではなく、「あの時見てしまったもの」を抱えて日常を過ごしていたことですね。
大きな事件が終わった後でも、当事者の心の中では終わっていない。その苦しみを、友達である小鳥遊さんが最初に気付いて声をかける展開が優しくて、キャラクター同士の繋がりを感じました。
小鳥遊さんの「話を聞かせてもらえないかな」という言葉も、問題を解決しようとする前に、まず相手の気持ちに寄り添おうとしているところが彼女らしくて素敵でした。
ここあさんの異変が律くんたちの知るアンブラとどう結びついていくのか。そして、これまで守られる側だった日常の人物たちが、どのように物語へ関わっていくのか、とても気になる展開です。
静かな日常の中に少しずつ不穏な影が入り込んでくる構成がとても上手く、読み終わった後に「次は何が起こるのだろう」と自然に続きを待ちたくなる回でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
香菜とここあのやり取りで、日常に不穏な影が入る第二章の導入として、律の視点ではなく描いています
続きもお楽しみいただければと思います
第18話 侵食の兆候と、眠れぬ夜への応援コメント
ここあさんの心情描写がとても丁寧で、読んでいて胸が締め付けられるようでした。
大きな事件に巻き込まれた後、周囲から見れば「日常に戻った」ように見えても、本人の中では決して終わっていない。そのズレがリアルに描かれていて、単なる怪異や事件の恐怖だけではなく、「あの日を経験してしまった人が抱えるもの」が伝わってきました。
特に、委員長として普段は誰かを支える側だったここあさんが、今は自分自身を支えることで精一杯になっているという部分が印象的でした。几帳面に整えられた机や、いつもの生活を守ろうとする姿が、逆に彼女の心の揺らぎを強調しているように感じます。
そして、そんなここあさんをただ静かに寄り添って見守るココの存在がすごく良いですね。言葉を話せないからこそ、指先を舐めたり、枕元で丸くなったりする小さな行動が、ここあさんにとってどれだけ大きな支えになっているのかが伝わってきました。
また、前話までの異世界やアンブラに関する流れから、今回は「戦い」ではなく、見えないところで少しずつ侵食が始まっている不気味さが描かれていて、物語の空気が一気に変わったように感じます。
特にスマホの光や、日常の中に入り込んでくる異変の描写が印象的でした。現代の生活に欠かせないものだからこそ、それが異界への入り口になるという設定には独特の怖さがありますね。
ここあさんが見たものと、律たちが知っている世界の異変がどう繋がっていくのか。そして、彼女がこれからどんな形で物語に関わっていくのか、とても気になる展開でした。
静かな日常描写から始まり、少しずつ不穏な影が差し込んでくる流れがとても上手く、次に何が起こるのか期待しながら読ませていただきました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
第二章の始まりとして、新キャラ登場です。
この後の彼女と律たちとの展開をお楽しみいただければと思います。
第17話 影の暗躍と、思い出とこれからの日常への応援コメント
第17話、とても好きな回でした。
前話で異界やアンブラ、アルタ、アクタスという大きな謎が提示されたあと、今回は一度戦いの熱量を落として、キャラクターたちの心の部分を丁寧に描いているのが印象的でした。
特に律くんと紬くんが帰り道で話す場面が心に残りました。
ユウという存在について、単純に「異世界から来た力」や「能力の源」として扱うのではなく、律くんが二年前に失った大切な思い出や、心の奥に残り続けていたものと結び付けて描いているところが本当に良かったです。
「中身は違うとしても、記憶や思い出は繋がっている」
この部分が、今回の話の大きなテーマのように感じました。
大切な存在を失った時、人はその時間をなかったことにはできない。でも、そこで積み重ねた記憶や感情は、その後の自分を支える力になる。
ユウがキャットタワーのいつもの場所で丸くなる場面は、派手な戦闘シーンとは違う意味で胸に響きました。
律くんにとってユウは、ただ能力を与えてくれる存在ではなく、過去と現在を繋いでくれる存在なんですね。
また、紬くんの立ち位置もすごく良いと思いました。
冷静に分析する役割でありながら、決して感情から離れているわけではなく、律くんの心の傷に寄り添っているところが伝わってきます。
「情報を集める」という行動も、単なる謎解きではなく、律くんを守るためにできることを探しているように感じられて、二人の信頼関係がさらに深まった回でした。
陽毬さんや香菜さんも、それぞれの方法で支えようとしているのが温かいですね。
四人が同じ目的に向かっていても、役割や考え方が違うからこそ、チームとしての魅力が出ていると思います。
そして最後の黒い影の登場……。
ここまでの優しい日常描写から一転して、再び不穏な空気へ切り替わる演出がとても印象的でした。
あれほど苦戦した数式の巨人を、まるで何でもないように消滅させる存在の登場で、律くんたちが向き合う相手の大きさを改めて感じました。
特にスマートフォンの画面に映る律くんとユウを見ている描写から、単なる敵ではなく、何か目的や因縁を持っている存在なのではないかと想像が膨らみます。
日常の温かさと、裏側で進む不穏な動き。
その対比があるからこそ、律くんたちが守ろうとしている「普通の日常」の大切さがより伝わってきました。
ユウとの新しい日々が始まったと思った矢先に現れた謎の影が、これから物語にどんな変化をもたらすのか、とても気になります。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ユウは猫のユウとは違う存在だけど、ちゃんと繋がっているという心の繋がりと、次章への繋がりとなる黒い影の存在が上手く感情の動きを感じていただけて良かったです。
第16話 神隠しの正体と、これからの決意への応援コメント
第16話、戦いの後だからこそ描かれる「次の一歩」がとても印象的でした。
前話までの異界での激しい戦闘が、単なる派手なバトルで終わらず、ここから物語の核心へ繋がっていく展開がすごく良かったです。
特に印象に残ったのは、律くんがユウの存在をみんなに打ち明ける場面でした。
普通なら「自分にしか見えない存在」「もう一人の自分」と聞いた時、周囲が疑ったり距離を置いたりする展開になりそうなところを、香菜さんや紬くん、陽毬さんがそれぞれの形で受け止めようとしているのが、この四人の関係性の深さを感じさせました。
特に香菜さんの反応が好きでした。
ただ驚くだけではなく、「だからあの時……」と過去の出来事と繋げて理解しようとするところに、律くんを信じている気持ちが伝わってきます。
そして紬くんの考察力が本当にすごいですね。
律くんの説明を聞いて、ただ「不思議な力」で片付けるのではなく、神隠し、異界、集合的無意識、もう一人の自分という要素を繋げて世界の構造を読み解いていく流れは、知的な面白さがありました。
「アンブラ」「アルタ」「アクタス」と名前が付けられていくことで、今まで未知だった現象が少しずつ輪郭を持っていく感じがして、世界観に深みが出ています。
個人的には、ユウの力がただの便利な能力ではなく、律くん自身の心や存在と深く結び付いているところが好きです。
二年前に失ったもの、もう二度と失いたくないという想い、それがユウという形になって現れているようにも感じられて、戦闘シーン以上にそこに込められた感情の部分が胸に残りました。
また、最後の律くんの「全部を守るなんて無理。でも手の届く範囲なら全力で守る」という決意が、この物語の主人公らしさを強く感じさせました。
完璧なヒーローではなく、自分の限界を理解した上で、それでも大切な人たちのために立ち上がる姿が魅力的ですね。
陽毬さんの真っ直ぐな応援、香菜さんの優しい覚悟、そして紬くんの静かな信頼。
四人がただの仲間ではなく、それぞれ違う形で律くんを支えている関係性がとても温かかったです。
異界の謎が明らかになり始めた一方で、まだまだ気になる部分も多く、これから「アンブラ」との関係がどう描かれていくのか楽しみです。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ユウの存在を三人がスムーズに受け入れて、紬による考察という流れで能力に輪郭を持たせる展開が上手く伝わってよかったです
第15話 戦いの余韻と、帰ってきた日常への応援コメント
激しい戦いが終わった後だからこそ感じられる「日常」の尊さが、とても丁寧に描かれている回でした。
前回までの異世界のような灰色の世界、数式の帯、巨人との死闘という非日常から一転して、朝の光や家での朝食、ブックカフェでの再会という穏やかな時間に戻る流れが印象的でした。
特に律とユウの朝の場面が好きです。
二年前から抱えていた喪失感が、ユウの存在によって少しずつ癒されているのが伝わってきました。
ただ「失った存在が戻ってきたから嬉しい」という単純なものではなく、律にとってユウが心の中に空いていた穴を埋める存在になっていることが、何気ない仕草や会話から感じられるのが良かったです。
ユウが自分を責めてしまうところも、ただの便利な能力の相棒ではなく、ちゃんと感情を持った存在として描かれているのが伝わりました。
「守れなかったかもしれない」という不安を抱えるユウと、「一緒に戦ってくれた」という感謝を持つ律。
お互いがお互いを支えている関係になっているのが、とても温かいですね。
そして四人が再び集まるブックカフェの場面も、戦闘回との対比が素晴らしかったです。
昨日まで命を懸けて戦っていたメンバーが、今日は服装や食事の話をしながら笑っている。
でも、ただ元の日常に戻っただけではなく、昨日の出来事を経たことで、それぞれの距離感が少し変化しているように感じました。
特に香菜と陽毬の関係性が良かったです。
陽毬の明るさや行動力は相変わらずですが、昨日の出来事を経験したことで、その笑顔の裏側にある仲間への想いがより強く見えるようになりました。
香菜もまた、心配するだけの存在ではなく、律や陽毬を支える側として少しずつ強くなっている印象があります。
そして紬。
普段は感情を表に出さないタイプなのに、さりげなく個室を用意していたり、古い本を調べていたりするところに、彼女らしい優しさと責任感を感じました。
「気を遣いすぎるから」という理由で周囲と距離を取るような性格なのに、実際には誰よりも仲間のことを考えている。そのギャップが魅力的です。
また、食事の描写も良かったです。
戦闘の緊張感とは真逆の、カレーやおむすび、オムライスを囲んでいる時間が、まるで「本当に帰ってきたんだ」と実感させてくれるようでした。
昨日までなら当たり前だった食事や会話が、今はかけがえのないものに見える。
大きな事件の後に、こういう小さな幸せを丁寧に描いてくれるからこそ、キャラクターたちへの感情移入が深まるのだと思います。
最後に「昨日のことについて話したい」と切り出したところで終わるのも、穏やかな空気の中に再び物語が動き出す予感があって良い引きでした。
戦いを乗り越えた四人が、これからどんな答えを見つけていくのか。そしてユウや古い本に隠された謎がどう繋がっていくのか、続きが気になる回でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
実は、ここまで戦闘続きでしたので、日常の大切さを書いていたら、2ページ分位の文章量になってしまったので、分割したという背景があります。
ちゃんと日常との温度差が出せていたのなら嬉しいです
第14話 異変の終焉と、日常への帰還への応援コメント
ここまで続いた異常な世界での戦いが、ついにひとつの区切りを迎えた回でした。
正直、巨人との戦闘が終わった時点で「これで一安心かな」と思ったのですが、そこから紬を助け出す場面で、単なるバトルの勝利ではなく「本当に帰ることができるのか」という最後の緊張感を残してくる構成が印象的でした。
特に良かったのは、律くんの強さが単純な能力や力だけで描かれていないところですね。
巨人を倒す場面では、ユウの力を使った派手な攻防がありましたが、その根底にあるのはずっと「紬を助けたい」「みんなのいる場所へ帰りたい」という気持ちだったと思います。
圧倒的な敵を倒す力を手に入れても、最後に律くんを動かしているものは特別な能力ではなく、人との繋がりなんですよね。
そして個人的に一番心に残ったのは、紬が目を覚ました瞬間でした。
「また、助けてくれたんだな」という言葉は短いですが、そこに込められた信頼や、今まで二人が積み重ねてきた関係性が伝わってきました。
律くんは紬を助けたと思っているけれど、実際には紬が陽毬を守ったことや、その姿を見たからこそ律くん自身も限界を超えて動けたんですよね。
お互いが相手の背中を押している関係なのが、とても温かく感じました。
また、香菜と陽毬の反応もすごく良かったです。
ただ「主人公が帰ってきて安心した」ではなく、二人ともそれぞれ違う形で恐怖や不安を抱えていて、それでも最後には仲間の帰還を心から喜んでいる。
特に灰色だった世界に色が戻る描写は、単なる世界の変化ではなく、彼らの日常や絆が取り戻された瞬間の象徴のように感じました。
戦闘シーンでは極限まで緊張感を高めながら、最後は静かな夜道や家までの帰り道で締める流れも好きです。
大きな事件の後だからこそ、普通に歩いて帰る、家に帰る、誰かと「また明日」と言えることの尊さが強く伝わってきました。
そして最後のユウとの場面も、とても優しい余韻がありますね。
壮絶な戦いを終えた後に、肩に乗ったユウがいつもの場所で丸くなる。その何気ない光景が、律くんにとってどれだけ大切な「帰る場所」なのかが伝わってきました。
異世界的な要素や能力バトルがありながら、最後に描かれているのは結局、人と人との繋がりなんだなと思える回でした。
ここまでの戦いで深まった律、紬、香菜、陽毬それぞれの関係が、これからどう変化していくのか楽しみです。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
四人のかけがえのない絆を感じていただけていて、作者としてとても嬉しいです
第13話 巨人の最期と、帰る場所への一撃への応援コメント
第13話は、ここまで積み重ねられてきた律とユウの絆、そして「絶対に帰る」という強い意志が一つの大きな力になる回だったと感じました。
まず印象的だったのは、戦闘のスケール感です。
これまでの数式の帯との戦いでは、未知の存在に対する恐怖や不安が強く描かれていましたが、今回は完全に「理解した力同士のぶつかり合い」になっていて、戦いの熱量がさらに上がっていました。
灰色の世界の中で、蛍光色の数式と銀色の氷がぶつかり合う描写は非常に印象的です。
無機質で異質な世界だからこそ、そこに生まれる光の対比が鮮明に感じられました。
また、単純に強力な攻撃をぶつけ合うだけではなく、律とユウが状況に合わせて能力を応用しているところが良かったです。
特に、氷を作り続けたことでエネルギーが蓄積し、それが新たな危険になるという展開が面白かったです。
能力には必ず代償やリスクがある。
強い力を手に入れたから終わりではなく、その力をどう扱うか、どう制御するかが重要になることで、戦闘に緊張感が生まれていました。
そして、その問題を律が新たな発想で突破する流れが、彼らしいと思いました。
普通なら「危険だから使わない」という判断になるところを、律はその力そのものを敵にぶつける方法を考える。
ただ無茶をしているのではなく、これまでユウと一緒に能力の性質を理解してきたからこそ成立する作戦になっているところが良いですね。
特にユウとのやり取りが印象的でした。
「できるのか」ではなく「ユウならできる」と律が信じている。
そしてユウも、律を守るために全力で力を使う。
二人の関係が、単なる主人公とサポート役ではなく、互いに背中を預けられる相棒になっていることが伝わってきました。
また、今回の戦いでは律自身の成長も強く感じました。
以前の律は、目の前で大切な人が危険になっても動けない自分に苦しんでいました。
しかし今は違う。
痛みや恐怖があっても、一歩ずつ前へ進む。
勝つためではなく、「紬と一緒に帰るため」という目的があるから戦える。
そこが、この戦闘の一番大きな魅力だと思います。
特に、
「俺はお前とここでこいつを倒して、紬と一緒にみんなの待ってるところに帰る」
という言葉には、単なる決意以上の重みを感じました。
律にとって戦う理由は敵を倒すことではなく、失いたくない日常へ戻ることなのだと伝わってきます。
そして、最後の水蒸気爆発による決着も非常に迫力がありました。
氷と炎という相反する力を組み合わせ、さらにユウの能力で爆発の方向を制御する。
ここまで積み重ねてきた能力設定が一つに繋がる展開で、読んでいて大きなカタルシスがありました。
ただ強い技を出すのではなく、これまでの戦闘で得た知識、ユウとの連携、律自身の覚悟、そのすべてが一撃に込められているところが良かったです。
一方で、完全な勝利ではなく律自身も傷を負っているところも印象的でした。
大切な人を救うためには、何かを背負わなければならない。
その現実が描かれているからこそ、勝利の重みが増しているように感じます。
巨人との戦いを通して、律は「力を得た主人公」から「誰かを守る覚悟を持った主人公」へ変化しているように思いました。
紬を救うことができるのか。
この世界に隠された神隠しの真実とは何なのか。
そしてユウという存在が本当に何者なのか。
戦闘の決着と同時に、新たな謎も残されていて、次の展開への期待がさらに高まる回でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
律の心情をここまで深く読み解いていただき、感謝いたします。
この物語はただ、不思議なことが起きて、それに対して主人公達が能力に目覚めて暴れるのではなく、心を大事にしたいと思っているので、そういった感想がとても嬉しいです。
第12話 砕いた装甲と、二人の答えへの応援コメント
第12話は、単なる能力バトルではなく、「二人で答えを探す」という形で描かれているところが非常に印象的でした。
まず感じたのは、律とユウの関係性がここで一段深まったということです。
ユウは単純に律へ力を与える存在ではなく、律と一緒に考え、一緒に悩み、答えを導き出す相棒として描かれているのが良いですね。
特に、巨人の装甲を突破する場面が印象的でした。
最初は圧倒的な防御力を持つ相手に対して、正面から攻撃しても届かない。
しかし、そこで諦めるのではなく、相手の能力を分析し、自分たちの力の性質を理解することで突破口を見つける。
ただ強い力で押し切るのではなく、「なぜ攻撃が通らないのか」「相手の能力にはどんな仕組みがあるのか」を考えながら戦う展開になっているので、戦闘そのものに説得力がありました。
特に、巨人の装甲とユウの能力が同じ「力の流れ」に関係しているという発想が面白かったです。
敵と味方の能力がただぶつかり合うのではなく、似た性質を持つからこそ攻略法が生まれるという構造になっていて、戦いに知恵比べの要素が加わっていました。
そして、律の正拳突きで装甲を内側から破壊する場面は、とても気持ちの良い逆転でした。
これまで何度も「力が届かない」「守れない」という苦しい展開が続いていたからこそ、初めて敵に明確な一撃を与えた瞬間の爽快感が大きかったです。
また、ユウの能力の成長も気になります。
最初は衝撃を受け流すだけだった力が、律との連携によって「時間を留める」「運動量を操作する」という領域まで広がっていく。
ただ能力が強化されるのではなく、二人が理解を深めることで新しい可能性が生まれているところが魅力的でした。
特に「冷えた」という小さな違和感から、絶対零度という答えへ辿り着く流れが良かったです。
大きな力を突然発現するのではなく、戦いの中で得た小さな情報を繋ぎ合わせて答えを導き出す。
そこに律らしい考える主人公としての魅力が出ていると思います。
そして最後の氷の礫の場面は、能力の派手さだけではなく、律の覚悟が表れているところが印象的でした。
「誰も傷付けさせない」
この言葉は、ただ敵を倒すための決意ではなく、紬を失いかけた後悔や、陽毬や香菜を守れなかった悔しさ、そして今度こそ大切な人を守るという律自身の成長が込められているように感じました。
また、戦闘の裏側で紬の時間制限が迫っていることも、常に緊張感を維持していますね。
敵を倒せば終わりではなく、一秒でも早く救出しなければならない。その焦りがあるからこそ、律の判断やユウとの連携にも重みが出ています。
今回の話では、律が一人で強くなったのではなく、ユウと共に答えを見つけたことが一番大きなポイントだったと思います。
「力を持つ者が勝つ」のではなく、「信じ合う二人だからこそ不可能を可能にする」という展開になっていて、これまで描かれてきた幼馴染たちの絆とも繋がっているように感じました。
紬を救うための戦いもいよいよ佳境に入り、巨人との決着、そして神隠しの世界に隠された秘密がどう明かされていくのか、とても気になる回でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
律の傷つけさせないという決意と、ユウとのやり取りで敵に対抗していく展開に能力を得たから勝てるのではないように調整できたかなと思っています。
第11話 異形の巨人と、少女の祈りへの応援コメント
第11話は、救出劇としての緊張感だけではなく、「仲間を信じる」というテーマが強く描かれた回だと感じました。
まず印象的だったのは、律が紬を助けるために未知の世界へ踏み込む場面です。
これまでの話では、律は何度も「守りたい」という気持ちを抱えながらも、自分の無力さに苦しんできました。
目の前で紬が連れ去られた時も、最初は何もできなかった。その悔しさや後悔を抱えたまま、それでも今度は自分の意思で亀裂の向こう側へ進む姿に、彼の大きな変化を感じました。
特に良かったのは、ただ「新しい力を得たから戦えるようになった」という展開ではなく、紬との信頼関係が律を動かしているところです。
『必ず律が助けてくれるのだろう?』
この紬の言葉が、律にとってどれほど大きな意味を持っていたのかが伝わってきました。
普段は淡々としていて、少し不思議な雰囲気を持つ紬ですが、実は誰よりも律を信じていた。その信頼が、律自身の覚悟を引き出しているように感じます。
また、亀裂の先に広がる世界の描写も非常に印象的でした。
モノクロの空、崩壊した遺跡、そこに走る蛍光色の数式コード。
現実世界とは違う異質な空間なのに、どこか規則性や文明の痕跡を感じさせるところが興味深いです。
単なる怪異ではなく、そこには過去の存在や技術が残されているように思え、神隠しという現象の正体に少しずつ近づいている感覚がありました。
そして今回の敵である異形の巨人も迫力がありました。
これまでの数式の帯は「不可解で恐ろしい存在」という印象でしたが、今回はそこに明確な戦闘能力や防御能力が加わり、脅威としての存在感が一段階上がったと思います。
特に、ただ力で押し切るのではなく、攻撃を受け流すような特殊な装甲を持っている点が面白かったです。
律の正拳突きが通じない理由を考え、敵の能力を分析していく流れは、単純な力比べではなく、頭を使った戦いになる予感がありました。
ユウの能力も非常に興味深いですね。
攻撃力を高めるだけではなく、相手の攻撃を分析し、エネルギーを分散させる。
律とユウがただの主人公と相棒ではなく、互いに理解しながら成長していく関係になっているところが魅力的でした。
ユウという存在が、律に力を与えるだけの存在ではなく、律自身の心の一部として寄り添っているからこそ、このコンビに温かさがあります。
一方で、現実世界に残された香菜さんの場面も良かったです。
戦えない、助けに行けない。
それでも仲間を信じて待つ。
物語では戦闘できるキャラクターが目立ちやすいですが、香菜さんの「信じる」という行動もまた、仲間を支える大切な力だと感じました。
陽毬さんの隣で祈り続ける姿から、四人の絆の深さが伝わってきます。
今回の話では、律が紬を救うために戦う一方で、香菜は律と紬を信じるという形で支えている。
それぞれが違う役割で大切な人を想っているところが、とても丁寧に描かれていました。
異形の巨人との戦い、紬の消失までの時間制限、ユウの力の秘密。
まだ多くの不安要素が残る中で、律がどのように突破口を見つけるのか、そして紬を無事に連れ戻すことができるのか。
戦闘の迫力だけではなく、キャラクター同士の信頼や過去の感情が絡み合っているからこそ、次の展開への期待がより強くなる回でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
いきなりチート能力を手に入れる展開はカクヨムとしてはテンプレなのかもしれませんが、あえてテンプレを外して、相棒とともに戦う描写が描けてよかったです。
第10話 神隠しの本性と、二度と会えないはずの家族への応援コメント
第10話は、これまで描かれてきた「日常が壊れていく恐怖」と「大切な人を失いたくないという想い」が、一つの大きな転換点に到達した回だと感じました。
まず強く印象に残ったのは、陽毬さんの必死さです。
これまで明るく元気な幼馴染として描かれていた陽毬さんが、今回は完全に「大切な友達を取り戻すために戦う人」になっていました。
空手の技をすべて叩き込んでも届かない相手、それでも諦めずに立ち向かい続ける姿から、彼女にとって紬さんがどれだけ大切な存在なのかが伝わってきました。
力が通じないと分かった瞬間に諦めるのではなく、最後の最後まで抗う。その姿には、強さというよりも「絶対に失いたくない」という感情の重さを感じました。
そして、その後に描かれる香菜さんの行動も非常に胸に残りました。
陽毬さんが力で抗うなら、香菜さんは感情で抗う。
勝算があるわけでもなく、危険だと分かっていても紬さんを助けるために亀裂へ向かおうとする姿は、彼女の優しさと純粋な想いがそのまま表れているようでした。
普段は守られる側に見えるキャラクターたちが、それぞれ違う形で大切な人のために動く展開がとても良かったです。
そして今回、一番大きな変化を迎えたのは律だと思います。
これまで律は「助けたい」という気持ちはあっても、目の前で何もできない自分への無力感に苦しんでいました。
第9話では、その無力感が彼を追い詰めていましたが、第10話ではそこから一歩踏み出すきっかけが描かれていたように感じます。
ユウとの再会は、とても印象的でした。
ただ強大な力を手に入れる展開ではなく、律自身の中にある喪失感や後悔、そして「助けたい」という願いから生まれた存在という設定が良いですね。
ユウという存在が単なるパワーアップ要素ではなく、律が過去に抱えていた感情そのものと向き合うための存在になっているところが魅力的でした。
特に「もう一人のボク」という言葉には、単なる分身ではなく、律自身の心の一部という意味が込められているように感じます。
過去に失った存在との再会によって、律は新しい力だけではなく、自分自身をもう一度受け入れるきっかけを得たのではないかと思いました。
また、香菜さん視点に切り替わる構成も良かったです。
律が力を得たことで読者側には希望が見えた一方で、香菜さんから見ると「なぜ今まで使えなかったのか」という疑問や苦しみが残る。
この視点の違いによって、単純に主人公が強くなっただけではなく、仲間同士の感情のすれ違いが描かれているところが印象的でした。
「助けられなかった」という後悔を抱える陽毬さん。
「失いたくない」という衝動で動いた香菜さん。
「何もできない」という絶望から立ち上がった律。
そして、皆を守るために自分を犠牲にした紬さん。
四人それぞれの想いが交差していて、単なる怪異との戦いではなく、人間関係の物語としても大きく動いた回だと思います。
最後、律が紬さんを救うために亀裂へ向かう場面も、単なる主人公の決意ではなく、これまで積み重ねてきた幼馴染たちとの時間があるからこそ重みがあります。
神隠しの正体、古代文明の記憶、スマホに宿った力、そしてユウという存在。
謎が少しずつ明らかになる一方で、まだ多くの伏線が残されていて、世界の秘密とキャラクターたちの過去がどう繋がっていくのか、とても気になる展開でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
陽毬の代わりに紬が捕らえられてしまって陽毬が必死に足掻く展開や律がユウと出会って力を得るところなど、この回には感情を詰め込みまくりましたので、そういった点を褒めていただけるのはとても嬉しいです。
第8話 変貌する世界と、幼馴染の危機への応援コメント
この第8話は、前話で積み上げられた「日常が崩れていく恐怖」が、ついに現実の異変として形になった回だと感じました。
特に印象的だったのは、ただ異世界や別空間へ移動するのではなく、「いつもの場所が変貌してしまう」という演出です。
コンビニという誰もが知っている日常の象徴的な場所が、色を失い、音を失い、そこにいるはずの人間だけが取り残される。その違和感が非常に強く、不気味さを感じました。
完全に未知の場所へ行くよりも、「知っている場所なのに何かがおかしい」という状況のほうが、人間の本能的な恐怖を刺激するものがありますね。
また、灰色になった世界の中で主人公たちの身体だけが色を保っているという設定も興味深かったです。
ただの演出ではなく、「自分たちだけがこの異常な世界に取り込まれている」という孤立感が伝わってきました。
そして今回、主人公の律が見せた反応も良かったです。
普段は冷静に状況を分析しようとする人物なのに、幼馴染である陽毬さんが危険にさらされた瞬間、理屈より先に「守らなければ」という感情が出てくる。
動けないという絶望的な状況の中で、それでも諦めずに身体を動かそうとする姿から、彼の根底にある優しさや責任感が伝わってきました。
特に、
「俺が……俺がなんとかしないと……!」
という場面は、単なる主人公補正ではなく、これまで四人で過ごしてきた時間があるからこその感情だと思います。
普段のコンビニでの何気ない会話や、お菓子を分け合うような小さな日常が描かれていたからこそ、危機の場面で「失いたくない」という気持ちに説得力がありました。
一方で、紬の存在もさらに気になります。
前話では大量の声を誰よりも早く感じ取っていましたが、今回の異変でも何かを理解しているような雰囲気があります。
オカルト好きという表面的な部分だけではなく、この世界の異常と深く関係しているのではないかという予感があり、彼の過去や能力についても知りたくなりました。
そして最後の「数式の帯」の登場が非常に印象的でした。
普通の怪異ではなく、幾何学模様や数式という無機質な存在が襲ってくることで、単なる幽霊や妖怪とは違う恐怖があります。
人間の理解できる範囲から外れた何かが、意思を持って動いているような不気味さがありました。
特に、その存在が陽毬さんを標的にする展開は緊張感があります。
ただ怖い現象が起きるだけではなく、「なぜ陽毬なのか」「この現象の目的は何なのか」という謎が生まれ、物語の核心へ近づいている感じがしました。
第7話までの日常描写があったからこそ、第8話の異常事態がより重く感じられる構成になっていると思います。
四人の関係性、神隠しの噂、紬が感じ取った声、スマホに現れた数式、そして陽毬を狙う存在……それぞれの要素が少しずつ一本の線につながり始めていて、今後この世界の秘密がどう明かされていくのか、とても気になる展開でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ここから怪異に巻き込まれていく導入として、感覚過敏な紬にトリガーになってもらう展開は最初期に思いついた展開で、上手くできたのではと思っています。
第7話 響くノイズと、いつものコンビニへの応援コメント
拝読しました。
第7話、とても引き込まれる回でした。
冒頭のコンビニでの何気ないやり取りから、最後の異常現象までの流れがとても印象的でした。
特に良かったのは、前半の日常描写です。
いつものコンビニ。
あんまんを半分こするやり取り。
陽毬ちゃんの食いしん坊な一面。
それを自然に受け止める律や紬、香菜の関係性。
こういう何気ない会話があるからこそ、後半で起こる「普通ではない出来事」の怖さがより強く感じられました。
キャラクター同士の距離感も魅力的ですね。
陽毬ちゃんと香菜ちゃんのやり取りは、仲の良さだけではなく、お互いの性格の違いが自然に出ていて微笑ましかったです。
そして紬の存在感が今回さらに大きくなったと感じました。
普段はオカルトや都市伝説を調べている少し変わった人物として描かれていましたが、今回の「誰よりも先に異常を感じ取る」という展開によって、ただの知識担当ではなく、物語の核心に関わる人物なんだと伝わってきました。
特に、
「何千、何万の人の声が重なって聞こえてくる」
という場面は、文章だけでも異常な状況が伝わってきて、不気味さがありました。
周囲には聞こえないものを紬だけが感じ取っている。
その後、実際にスマホから異変が起こることで、「紬の感覚は間違っていなかった」と分かる流れが良かったです。
また、前半で出てきた神隠しの記事や、カフェで読んだ本の話がここにつながってくる構成も気になります。
一見すると何気ない会話だったものが、後から重要な伏線になるタイプの展開は読んでいてワクワクします。
そして最後の数式コードの描写。
日常だった世界が一瞬で別のものに変わる感じがあり、次に何が起こるのか非常に気になる引きでした。
キャラクター同士の温かな日常。
その裏にある街の異変。
少しずつ明らかになっていく謎。
この組み合わせがとても魅力的だと思います。
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
恋愛工作室、読ませていただいております。
普通のラブコメとは違う視点の物語で、とても好きなタイプの作品でした。
まだ読み始めたばかりなので、第二章の執筆が落ち着いたら、まとめて読ませていただこうと思います。
第6話 歪む夕闇と、放課後のカフェへの応援コメント
拝読しました!
今回も四人の幼馴染の関係性がとても魅力的でした。特に、紬くんのために「四人一緒で遊ぶこと」にこだわる陽毬ちゃんと香菜ちゃんの場面は、普段の軽いやり取りの中に、長い付き合いだからこその優しさが感じられて良かったです。
ブックカフェの雰囲気描写も素敵でした。古民家、本、珈琲という落ち着いた空間が、紬くんのキャラクターとぴったり合っていますね。四人の穏やかな放課後が丁寧に描かれているからこそ、後半の「百年周期の神隠し」という話がより不気味に響きました。
特に、楽しい時間の最後に「歪みガラス」やスマホのノイズなど、不穏な違和感を少しずつ混ぜてくる演出が印象的でした。日常の中に少しずつ異常が入り込んでくる感じが好きです。
青春の温かさとミステリー要素が同時に楽しめる作品で、これから四人がこの街の謎とどう関わっていくのか続きが気になります。
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
ブックカフェの案は思いついた勢いのまま、お店の設定やキャラとの相性を組合せて考えていました。
実際にはあまり無いコンセプトのお店なのかもしれませんが、この作品には合っているのではと思っています。
第5話 学校の戦場と、四人の昼ご飯への応援コメント
拝読しました!
四人の幼馴染だからこその距離感がとても心地良い回でした。購買部を「戦場」と表現する冒頭の勢いから、屋上での昼休みの穏やかな空気に切り替わる流れが面白かったです。
特に紬くんの合理主義と、陽毬ちゃんの真っ直ぐな優しさのぶつかり合いが良いですね。エナジーバーを食べる紬くんに唐揚げを押し込む場面は、二人が長い時間を一緒に過ごしてきたからこその自然なやり取りに感じました。
律くん、紬くん、陽毬ちゃん、香菜ちゃん、それぞれ役割や性格がはっきりしていて、四人でいる時のバランスが魅力的です。特に何気ない昼休みの会話の中に、前話の「神隠し」の話題が少し残っていることで、日常の裏側にある不穏さも気になりました。
青春の日常と謎が交差していく作品が好きなので、続きも楽しみにしています!
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
この回は日常に振り切ろうとも思ったのですが、少しだけ不穏なところも入れているので、バランスに気をつけた回でした。
第4話 四月の冷気と、三人の幼馴染への応援コメント
拝読しました!
幼馴染四人の距離感がとても自然で、それぞれの個性が会話の中から伝わってくるのが印象的でした。特に紬くんの「世界の構造」や「神隠し」に対する考察は、ただのキャラクター付けではなく、その人物がどう世界を見ているのかまで感じられて面白かったです。
明るい陽毬ちゃん、穏やかな香菜ちゃん、独特な視点を持つ紬くん、そしてそれを繋ぐ律くんという関係性も魅力的ですね。日常の青春感の中に、不穏な「神隠し」の謎が混ざっていく展開が気になります。
これから四人の幼馴染がこの事件とどう関わっていくのか、続きも楽しみにしています!
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
ここから律以外の登場人物が出てくるので、心情描写などを丁寧にできたらと考えながら書いていました。
お言葉が大変嬉しいです。
第3話 世界のバグと、灰色の朝への応援コメント
第3話、拝読しました。
朝の何気ない日常描写の中に、「神隠し」という不穏な事件や、律くんが抱えている過去の喪失感が自然に混ざっていて、静かなのにずっと続きが気になる雰囲気でした。
特にユウの写真を見る場面は、事件とは別のところで主人公の内面が伝わってきて、律くんがただ巻き込まれるだけの主人公ではなく、ちゃんと過去や感情を持った人物として描かれているのが印象的でした。
日常の裏側に少しずつ「世界の違和感」が見えてくるタイプのお話が好きなので、今後どう繋がっていくのか楽しみにしています。
作者からの返信
連続コメントとても嬉しいです。
執筆の励みになります。
ありがとうございます。
第2話 侵食する異世界と、崩れた死線への応援コメント
第2話まで読ませていただきました。
第1話で提示された「神隠し」という謎が、今回は警察側の視点からさらに現実味を増していく展開がとても印象的でした。
特に、外傷がないのに人体の構造だけが異常を起こしているという描写や、残されたスマートフォンが事件の鍵になっている部分に、単なる怪奇現象ではなく「この世界の裏側に何か別の法則が存在している」という怖さを感じました。
また、異常な事件の捜査が進む一方で、主人公はまだ普通の日常を送っているという対比も良いですね。読者だけが「これから何かが起こる」と分かっている状態で、主人公の平穏な時間を見る構成に引き込まれました。
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
王道だけど、カクヨムのトレンドではない作風なので、コメントのお言葉が大変嬉しいです。
引き続き、執筆を頑張りますので、よろしければ、お付き合いいただけると嬉しいです。
第1話 『神隠し』と、壊れていく日々への応援コメント
第1話、読ませていただきました。
冒頭のユウとの別れのシーンから、ただの怪異ではなく「失ったものを抱えた人間の物語」なんだと感じさせられました。そこから一転して始まる神隠し事件と、現実が少しずつ壊れていくような描写が印象的でした。
特にスマホから聞こえる異質な声や、世界そのものがバグを起こしたような数式コードの演出は、ホラーとSFが混ざり合った独特の怖さがありますね。原因不明の現象に巻き込まれていく展開に続きが気になりました。
お互いカクヨムで執筆頑張りましょう!
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
スロースタート型の作品なので、続きも楽しんでいただけると嬉しいです。
第3話 世界のバグと、灰色の朝への応援コメント
単なる猟奇殺人ではなく、世界の物理法則そのものがバグを起こした結果としての「異形の死」であることが警察の視点を通して丁寧に説明され、SFホラーとしての解像度をグッと高めており更に物語に引き込まれました。
作者からの返信
応援コメントありがとうございます。
初めて書いたものな上、勢い任せなところも多々ありますが、続きも楽しんでもらえると嬉しいです。
第22話 虚ろな瞳と、穏やかな午後への応援コメント
今回、前話までの重い調査パートから一転して、パン屋や公園での穏やかな時間がかなり長く描かれていたので、「少し息抜き回なのかな」と思いながら読んでいたのですが……最後の柊さんの登場で一気に空気が変わりましたね。
まず、昔ながらのパン屋さんの描写がすごく良かったです。
最近のおしゃれなベーカリーではなく、おじいちゃんとおばあちゃんが二人で営んでいる昔ながらのお店というだけでも温かみがありますし、陽毬ちゃんが常連なのも妙に納得しました。
しかも、ゴールデンウィーク限定の「揚げ物三種盛り」がとんでもない(笑)
トンカツ、メンチカツ、コロッケを全部一つのコッペパンに挟んで600円という豪快さが、いかにも陽毬ちゃんが好きそうですね。
そこにさらに焼きそばパンまで追加しているのも、期待を裏切らない食べっぷりでした。
一方で、それぞれが選んだパンにも性格が出ているように感じます。
律くんは昔ながらの卵パンとメロンパン。
紬くんは栄養まで考えた素朴な丸パンのアソート。
香菜ちゃんは見た目も綺麗なロールサンド。
陽毬ちゃんは言うまでもなくボリューム全振り(笑)
こういう本筋とは直接関係のない食事の場面でも、四人の性格が自然に見えてくるのが楽しかったです。
そして、今回かなり印象に残ったのが、前話まであれだけ不穏な話をしていた四人が、普通に中間テストや体育祭の話をしているところでした。
アンブラや神隠しについて調査している彼らも、普段は普通の高校生なんですよね。
「テストが嫌だ」
「勉強会をしよう」
「体育祭は何に出る?」
「応援合戦があったら一緒に出たかった」
そんな何でもない会話が続くことで、彼らが守ろうとしている「日常」がどういうものなのかが改めて伝わってきた気がします。
前話で律くんが、
「俺たちが守らなきゃならないのは俺たちの日常」
と言っていましたが、まさに今回描かれていたような時間こそ、その日常なんでしょうね。
だからこそ、その穏やかな時間の中へ異常が入り込んでくるラストが余計に怖かったです。
また、香菜ちゃんが何気なく、
「柊さんのノートってすごく見やすいんだよ」
と言っているところも少し引っかかりました。
普通に考えれば、友達として普段からノートを見せてもらっているというだけの会話なのですが、前話まで香菜ちゃんが何かを隠しているような描写が繰り返されていることもあって、こういう何気ない一言まで気になってしまいます。
香菜ちゃんは柊さんについて、今の四人が把握している以上のことを本当に知らないのか。
前話の最後では、誰にも見られていないところで唇を噛んでいましたし、今回も最初は普通に会話へ参加しているので、余計にその「言えていない何か」の存在を感じました。
体育祭についての会話も良かったですね。
紬くんが「最低限だけ参加する」と即答するのは予想通りでしたし、それに対して律くんが自然に「自分が少し多く出ればチャラになる」と考えているところにも、幼馴染としての関係性が出ています。
そして陽毬ちゃんはほぼ全種目に出る勢い(笑)
さらに本人に相談する前から、
「香菜と一緒に参加しようと思ってた」
と応援合戦への参加まで決めているのが陽毬ちゃんらしいです。
驚いている香菜ちゃんとの温度差も微笑ましかったです。
そんなふうに、本当にごく普通の休日らしい時間が流れていたところで――柊さんですよね。
ここはかなりゾッとしました。
公園という明るい場所。
子供たちの声が聞こえて、木漏れ日が差していて、四人もついさっきまで体育祭の話をして笑っていた。
その中を、
「幽鬼のようにフラフラと歩いている」
柊さんが現れる。
しかも、「焦点の合わない虚ろな瞳」という描写。
前回まで聞いていた「寝不足」や「悪夢」という段階から、明らかに状態が悪化しているように見えます。
単純に眠れていないから意識が朦朧としているだけなのか。
それとも、すでにアンブラから何らかの影響を受け始めているのか。
前話で明らかになった「波長」という設定を考えると、かなり嫌な想像をしてしまいます。
そして何より怖いのが、前話で調べた神隠しの伝承です。
神隠しに遭った者は、その後に遺体として発見される。
今回、その情報を得た直後に柊さんがこんな状態で現れたわけですから、「もしかして柊さん自身が次の対象になっているのでは……」と考えてしまいます。
しかも柊さんは、例の遺体の第一発見者である可能性が非常に高い。
もし第一発見者だったことが原因で何かに触れてしまったのなら、すでに彼女の中で何かが進行している可能性もありますよね。
今回のタイトルが「虚ろな瞳と、穏やかな午後」なのも上手いと思いました。
大部分は本当に穏やかな午後なんですよね。
美味しいパンを食べて、テストの話をして、体育祭の話をして、友達同士で笑っている。
だからこそ、その最後に現れる「虚ろな瞳」が異常なほど目立つ。
平穏と不穏を同じ一話の中で並べたことで、柊さんの異常さがさらに強調されていたように感じました。
前話では「神隠し」と事件が繋がり、今回はついに調査対象だった柊さん本人が四人の前へ現れました。
ここから声をかけても普通に反応してくれるのか。
そもそも柊さんは自分の意思でここまで歩いてきたのか。
そして、彼女が見ている「何か」は一体何なのか。
最後の数行で一気に状況が動き出したので、次回がかなり気になります。
作者からの返信
コメントありがとうございます
自分はこの作品で、日常がいかに大事で守るべきものなのかを描きたいと考えているため、日常回の比率が多めになっています。
その分、刺激を求めて離脱されてしまう読者も多いのは分かってはいるのですが……
そういった葛藤もありますが、書きたいものを書こうという気持ちで、執筆していこうと思っていますので、続きをお楽しみください