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  • 夕暮れ色の忘れものへの応援コメント

    静かな物語なのに、読み終えた後もどこかしばらく頭に残る作品でした。
    夕暮れ色の路地裏という言葉が冒頭と終わりに戻ってくるのが自然に染み込んできて、時間が経っているはずなのに何かが変わらずそこにあった、という感覚がじわりと残ります。

    特に印象に残ったのは、「ずいぶんと時間がかかりましたね」という麦の一言。

    騙されたと思っていた相手が、ずっと待っていた——そのギャップが、派手な説明なしにたった一文で開かれる場面は、読んでいて感じ入りました。

    傘を靴箱にしまってしまうシーンもそうですが、感情の動きを説明せずに行動だけで置いていく書き方が、読む側にも余白をくれているような感じを受けました。

    女の子が「もう一度鈴を鳴らした」のに行けなかった理由が少し気になっていて、それがこの物語の謎として意図されているなら、続きや関連作品でまた違う形でその輪郭が見えてくるのかな、と思いながら読み終えました。

    作者からの返信

    温かく、また深く鋭いご感想をありがとうございます。

    感情を説明せずに行動に託す書き方に、これほど深い「余白」を感じて頂けたこと、作者としてはこの上ない喜びに震える思いです。

    実は、このお話は、自分の想像の中だけにあった物語の欠片の一部として、夕暮れ色の鬼灯をアメリカンフラワーや、静かに艶を纏う和傘という実際の形にして、誰かに届けたいと思い立ち、書き下ろした作品なんです。

    誰かと過ごした大切な思い出の日々や、ふと目にした時、なぜか元気になったあの感覚。
    小説の一節に勇気づけられたあの日のようにと願いを込めて作品にしました。

    大人になった彼女が、多くの苦労や時間の果てに、雨の中で22回目を響かせた時、支えてくれる何かがあった事を思い出した瞬間に開いた扉。

    彼女が積み重ねてきた長い時間が、あの約束と静かに共鳴したのだと、そんな風に捉えていただけたら、この物語は幸せです。

    文学を身に纏うように、物語から飛び出す品物が、誰かの心の支えになったらと願う実験的な取り組みです。自分のため、また人を思う気持ちを大事にして欲しくて。
    上手くいくかは分かりませんが…。

    心のこもった感想を頂けて、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。