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    文芸部へのご参加、ありがとうございます。
    ミサの後の静かな空間で交わされる、青年と司祭の対話。重厚な石造りの建物を想像させるような落ち着いた空気感の中で、「美しさ」を巡る哲学的な問いが、最後には甘やかで少し危うい「独白」へと着地する構成に、心地よい衝撃を覚えました。

    ■ 全体を読んでの感想
    「美しいことが罪ならば……」という冒頭の問いかけが、読者の心を一気に物語の核心へと誘いますね。司祭ライラーさんの銀色の髪や澄んだ瞳の描写が非常に清らかだからこそ、結びの一文で明かされる「心を奪われている」という主人公の独白が、よりいっそう人間臭く、情熱的に響きました。
    理屈では「嫉妬が罪だ」と分かっていても、美しさに抗えず心を囚われてしまう。それ自体がある種の「罰」のようでもあり、愛の喜びのようでもある。そんなアンビバレントな余韻が素晴らしい読書体験でした。

    ■ お題「反復法」の活用について
    本作では、お題である「反復法」が、主人公の脳内で繰り返される「拭い去れない思考」を表現するために効果的に使われています。

    ・問いかけのリフレイン【美しいことが罪ならば】
    冒頭の二行で繰り返される「美しいことが罪ならば……」というフレーズ。これを反復させることで、主人公がどれほどこの問いに執着し、深く悩み続けていたのかが、言葉の「重なり」となって伝わってきました。

    ・存在を肯定する反復【美しい】
    ライラーさんを形容する際や、彼女との会話の中で「美しい」という言葉が何度も現れます。この反復によって、理屈(嫉妬という罪)を超えた圧倒的な「美」の説得力が、読者の目にも焼き付けられるような効果を生んでいました。

    ・確信へのリフレイン【罪かもしれない】
    冒頭で否定していたはずの「罪」という言葉が、最後の一文で再び、しかし全く別の意味(心を奪う罪)を帯びて繰り返される。この「言葉の回帰」によって、物語が綺麗な円を描きながらも、一段深い場所へと潜り込んだような、反復法ならではの収束の美しさを感じました。

    ■ 最後に
    「ああ、でも、やっぱり美しいことは罪かもしれない。だって、僕の心は彼女に奪われているのだから。」
    反復法という技法を、揺れ動く心の「振り子」として、そして抗えない真実を突きつける「決定打」として使いこなされた素晴らしい作品をありがとうございました。
    また部室にて、あなたの紡ぐ、静かで情熱的な言葉たちに出会えるのを楽しみにしております。