第14話 『埋葬許可証』への応援コメント
ネッコの下僕様、コメント失礼いたします。
『遺言ノート』、全14話を一気に拝読しました。
三十年ぶりに父の死を知らせたものが、誰かからの電話でも手紙でもなく、固定資産税の通知だったこと。
そのあまりにも事務的な始まりから、主人公とともに、遺された書類とノートをめくる手が止まりませんでした。
私が最も心を揺さぶられたのは、父の知られざる過去や後悔を明らかにしながらも、それによって主人公へ「許すこと」を強いなかった点です。
父は、由香里さんにとっては、自分を人間として扱い、守ってくれた恩人だった。
病院の方や小畠さんにとっては、最期まで感謝を忘れなかった紳士だった。
けれど、主人公と母親にとっては、消えない恐怖と傷を刻んだ加害者です。
相反するすべてが、同じ一人の人間の中に存在している。だからこそ、父がどれほど壮絶な環境で育ち、深く後悔していたとしても、主人公が「許さない」と言い切ることに、私は強く納得しました。
そして、その凍りついた心を初めて動かしたものが、謝罪の言葉でも、遺された金額でもなかったことが、本当に見事でした。
自分の死後、息子が銀行を回り、煩雑な相続手続きに苦労しないようにする――。
そんな、あまりにも些細で事務的な配慮だからこそ、そこには懺悔の言葉だけでは伝わらなかった、不器用で泥臭い「父親としての仕事」が確かにあったのだと感じます。
そして最後の、
「安い寺でも探してやるか」
という言葉。
愛したとも、許したとも言わない。立派な遺族を演じることもしない。
それでも、遺骨を冷たい古民家から連れ出し、線香の一本くらいは供えてやろうとする。
それは父との美しい和解ではなく、三十年間、暴力と憎悪に囚われてきた主人公が、自分自身を過去から解放するために選んだ、静かで不器用な決着だったのですね。
ご自身のご家庭をもとに、簡単には言葉にできない記憶を、このような物語として届けてくださったことにも深い敬意を覚えました。
父の罪を美談で塗り替えず、傷つけられた側の心を最後まで置き去りにしなかったからこそ、この結末は静かでありながら、長く胸に残ります。
この作品を書き、読ませてくださったことに、心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。
作者からの返信
ご感想ありがとうございます!
真実は小説より奇なり、とはよくいったもので、にわかには信じていただけないかもなのですが、全てがノンフィクションです。
暴力に怯える幼少期を過ごしたためか、常に人の顔色をうかがう人間になってしまいました。
表情筋の微細な変化だけで、相手の心情の機微が読めるようになっており、そんなちょっとした特殊能力までいつの間にか身についている次第です。
このお話を深く読んでいただき感謝しております。
正直、当初は脚色して和解のような結末も一瞬頭を過ったのですが、やはり自分の心に嘘をつくことはできず、この結末となりました。
素敵なレビューも書いていただきまして、本当にありがとうございました!
妖狐キキも最終回を投稿いたしますので、読んでいただけると幸いです。
本当にありがとうございました!
第14話 『埋葬許可証』への応援コメント
コメント失礼いたします。
言葉の奥に、現実の重さと積み重ねられた感情が確かに息づいていると感じました。
このような物語を読ませていただけたことに、静かに感謝しております。
作者からの返信
お読みいただき、誠にありがとうございました🙇
にわかには信じられないと思いますが、本当にノンフィクションです。
正直ラストだけは脚色し、和解のような形で綺麗に〆ようかとも考えたのですが
物語だとしてもやっぱり「許せん!」ってなっちゃって
何より今まで真実に沿って書いてきたのが全て嘘になっちゃうと思い、あの結末となりました。
現実のその後は、お経だけあげてもらい、合祀墓という複数の遺骨がまとめて納骨されている墓に納めました。
土地と建物も何とか売却できております。
ちょっと笑っちゃうのが、ノートに「死後、〇〇寺に納骨してほしい」って書いてあったので、その寺に納骨したのですが、納骨した後に
「あっ、書いてあるこの寺、大阪の同名の寺のことじゃん!」ってなって
同じ名称の本人の希望ではない市内の寺に納めてしまいました!
長文失礼致しました🙇