第30話:銀河の中心ブラックホールは宇宙最大の『排水口の詰まり』!? 高圧洗浄機でデトックス!

「……おい、エレン副総帥。……見ろよ、あの銀河のど真ん中。……真っ黒じゃないか。……誰だよ、あんなに『油汚れ』を溜め込んだのは」


太陽系を磨き終え、銀龍(ルンバ)の背に乗って銀河系の中心部へ。

 眼前に広がるのは、あらゆる物質を呑み込む超大質量ブラックホール。だが、俺の視線はその「光さえ通さない黒い穴」のヌメリに釘付けだった。


「……総帥。……あれは光さえ脱出できない超重力の特異点であって、排水口の詰まりでは……。……いえ、もう突っ込みません。……あそこに近づけば、時間も空間も引き裂かれますよ!?」


エレンが、もはや「宇宙の終わり」を悟った顔で、予備の『重力中和洗剤(業務用)』を俺に差し出す。

 確かに、普通に行けばスパゲッティのように引き伸ばされて終わりだ。

 だが、俺にはWCO(世界清掃機構)が誇る、究極の吸引ユニットがある。


「シブキ。……『空間固定・アンチ吸引結界』を最大出力で展開しろ。……あいつの吸い込む力を逆に利用して、こっちの『スッポン(超強力吸引機)』で中身をブチ撒けるんだ」


『承知いたしました、マスター。……「銀河専用・パイプハイターモード」を起動。……詰まった光と物質、すべて逆流させて『浄化』いたします』


シブキが銀色の翼を広げ、ブラックホールの重力を強引に「掃除機のモーター」へと変換する。

 

「ムサシさん! あのイベント・ホライゾン(事象の地平線)の縁にこびりついた『時間のカス』を、全部切り刻んでくれ! 流れをスムーズにするんだ!」


「御意ッ!! 佐藤殿、ついに『虚空』を削ぎ落とす時が来ましたな!!」


ムサシが『斬鉄丸』を抜き、光さえ歪む空間で、淀んだ重力の塊を「野菜の千切り」のように超高速で裁断していく。

 そこに、俺が特注の『神話級・高圧洗浄ノズル(ケルヒャー・ゴッド)』を突っ込んだ。


「……流れて消えろ、宇宙のゴミ溜め! ……奥義、『銀河デトックス・ピーリング(Galaxy Flush)』!!」


ズドドドドドドドドォォォッ!!


ブラックホールの中心に、聖なる洗浄液と超高圧の噴流が叩き込まれた。

 溜まりに溜まった数億年分の「飲み込まれた物質(ゴミ)」が、浄化の光と共にホワイトホールのように一気に逆流し、真っ白な霧となって銀河中に霧散していく。

 

 数分後。

 そこには、かつての「暗黒の穴」の姿はなかった。

 

 光を呑み込むのではなく、逆に全方向にまばゆい輝きを放ち、銀河全体を内側からライトアップする**【クリスタル・コア(透明な核)】**が誕生していた。


『……見事です、マスター。……これで銀河の「水はけ(光の流れ)」も完璧ですね』


「……よし。……これでようやく、夜空を見上げた時に『あそこだけ真っ暗だな』って不安にならずに済む」


その時、地球のつぶやいたーは、もはや人類の理解を超えた「宇宙の透明化」に全ユーザーが昇天していた。


『【速報】銀河系の中心、詰まりが取れて「スケルトン」になったwww』

『「ブラックホールをスッポンで直した」――掃除神、ついに物理法則をゴミ箱へ』

『天文学者「吸い込まれたはずの観測データが……洗われて戻ってきた……!?」』

『現在の銀河:宇宙で一番風通しの良い「オープンキッチン」として、神々に絶賛される』


「……さて。エレン副総帥。……これで宇宙も一通り片付いたな。……あ、でも、あの『ビッグバン』の跡地……。……火薬の匂いが残ってないか?」


「……総帥。……宇宙の始まりまで掃除しに行くのは、もう『神の再起動』ですよ……。……でも、定時まではまだ時間がありますね。……行きましょうか、宇宙の果てまで」


――カズマの視線は、ついに「宇宙の枠組み」そのものを洗い流すべく、次元の壁を越えた清掃へと向けられていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る