第6話
今日は雨が降っている。ヒートテックを着ていて、そろそろやめるべきか、迷う。日中は暑くて手汗が気になり始めた。明日からは普通の長袖にした方がよいだろうか。
「朝はひやっとするからついヒートテックを着ていくんだけど、日中暑すぎて手汗がだばだば出るんだよね。気温の変化についていけない」
そう私が言うと、繭子は「手汗が気になるなら、トイレで手を洗って体温下げるか、ウエットティッシュで手を拭けばいいよ。それでもだめなら、着ていく服を考えればいいんじゃない?」と提案してくれた。試せるものは試してみようかな、と私は思う。
お昼ご飯は、父と母と妹の繭子と一緒に食べにいった。鯛のかぶとあげを頼んだ。からっと揚がっていて美味しい。始めて食べたときからこれを気に入っている。
久しぶりにチャットアプリで返信をした。アプリを開くと、何通かメッセージが届いていた。いろんな人の言葉にぽちぽちと返事を打っていく。一か月か二か月まったく見ていなかったから結構たまっている。私が、小説のことや落ち込んだことなどを呟いたことに対して、誰かが反応して話しかけてくれている。「小説を投稿することにした」だったり「友達がほしい」だったりといったことだ。一か月ほど前に来たコメントに対して、いまさら返事をしたところで遅すぎる。送ったとしても、次の返事は返ってこないだろう。だけど、また呟いた言葉に誰かがコメントをくれたらそれでいいかと思う。
誰かが私のことを穏やかな目で見ていてくれる。いろんな人からの言葉に幸せな気持ちになった。
「ほんとはすぐに返信したいんだけどね、何か傷つくことが書かれてたらどうしようって怖いんだよね。だから見れない。逃げてばかりはいけないとわかっているし、もし逃げなかったら、友達ができたり恋人ができたりするのかな」
繭子に言うと、「私は逃げてばかりだけど、別にそんな自分でもいいと思ってるよ。逃げることで手にいれらないものもあるんだろうけど、そんなこと気にしだしたらきりがないし、私は私のペースで手に入れられるものを大事にしたいから。お姉ちゃんは?逃げるのを無理にでもやめようとしてる?それで幸せになれるの?」と言われる。私は、どうしたいんだろう。逃げることをやめて、誰かと向き合いたいと思ったなら、現実はその通りになるのだろうか?
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