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  • 〜魔除けのカルテット〜への応援コメント

     冒頭の「マグカップのヒビ」から始まる、静かに、でも確実に削られていく日常の描写がとてもリアルで、一気に物語に引き込まれました。
     現代を舞台にした作品というものは、私達と同じ世界感だけにイメージが浮かびますが、一人称による自然さが特にキッチンでのシーンが素晴らしいですね。
     アカシアのボードが鳴らす「トン、トン、トン」という乾いた音、新調した包丁の「残酷なまでの鋭さ」。それらが、単なる調理シーンではなく、主人公が自分の内面を整えようとする「儀式」のように感じられました。
     後半、お弁当の蓋を開けた瞬間に立ち上るハーブの香りが、オフィスの空気を塗り替える描写も非常に鮮やかで、一緒に深呼吸をしたくなるような心地よさがありました。
     日常を舞台にした作品。
     読み進めていくと、イヤリングから、主人公は女性なんだ。
     そう思いながら、読み進めて後輩が登場し、先輩後輩の会話劇から、私の中で電流が走りました。
     この二人は、『球技大会の真空』の先輩後輩だと。
     二人とも名前が書かれていないので、気が付きませんでしたが、これはあの二人だ。と確信。
     そして、この物語の最大の輝きは、後半の後輩社員とのやり取りにあると感じました。
     最初は少し図々しいくらいに明るい彼が、実は主人公の指の怪我や、ちょっとした元気のなさをちゃんと見ていて、自分なりのやり方で(スニッカーズと、あのヒーローの絆創膏で!)「おまじない」をかけ返す。
     「痛いの痛いの、飛んでけ」という、誰もが知っているはずなのに大人になると忘れてしまう魔法の言葉。
     これ、男でも、かなり可愛いと思いました。
     そして、主人公の強張っていた心が解けていく様子が手に取るように伝わりました。
     「魔除け」は一人で完結するものだと思っていた主人公が、他人の優しさによって本当の意味で浄化されていくラストシーンには、素敵です。
     最後の「魔除け、完了」という一言で、読者である私の心まで「よし、明日からまた頑張ろう」と前向きな気持ちにさせてもらえました。

    作者からの返信

    細部にまで目を止めて読んでくださったことを感じ、心と目頭がじんわりと温まる、そんな応援コメントをいただき胸がいっぱいです。ありがとうございます。
    そうですね。主人公の彼女は、自分ではどうしようもない、負の領域へ引っ張られていくような澱を感じていました。
    それを“自分の気の持ちよう”や“お気に入りを使う”ことで洗浄しようと試みました。
    きっと「自分の中でだけで解決する癖」があるのかもしれません。
    kouさんのコメントの
    【「魔除け」は一人で完結するものだと思っていた主人公が、他人の優しさによって本当の意味で浄化されていくラストシーン】
    とのコメントを読んで、
    「あぁこれは、自分だけで解決してきた彼女が、人の優しさを受け入れることができたお話だったんだ」と気づかせていただきました。目から鱗でした。

    そして。
    「はい!ご名答です! 皆さーん、kouさんへ拍手を👏👏」とスタンディングオベーションをしたくなりました。気づいてくださって嬉しいです🤭
    「球技大会の真空」とつながりで読んでいただけて、とても嬉しかったです。

    前作で後輩くんを軽い言葉遣いの人にしましたが、それはそれでどうだったのか…と少し考えていました。
    でも今回こちらを描いてみて、あの軽さがあったからこそ、主人公が「他人に救われる」経験ができたと思うので、よかったんだなと感じています。
    まだまだ手探りの中での創作ですが、お弁当の後半くらいからは、ふたりがどんどんおしゃべりをし出して、とても不思議でおもしろい経験をしました。
    『痛いの痛いの、飛んでけー♪』
    どこかで痛い思いをした時、呟いてみてください🤭
    コメントいただき、とてもとても励みになりました。ありがとうございました。