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  • 編集済

    第六章 ノアの記録への応援コメント

    自主企画の参加ありがとうございました。
    最後まで読ませていただきました。

    【簡潔な感想】
    一言で言うなら「世界を巻き込んだ親子のすれ違い」、と。

    父親のエリアスは悪人というわけではなく、科学者としても優秀で戦争を望まなかった。
    子息のノアは戦の前線に立つ故に形は違えど、気持ちは同じだった。
    父親はノアを愛しており、平和な世界にはなったが、それは生前のノアが望む世界ではなかった。

    これほど悲しいすれ違いがあるだろうか?と読了後にやるせなさを感じました。

    一方でエリアスの理想だった、平和だが冷たい世界、ノアの理想だった人間味があっても戦が繰り広げられる世界。
    どちらが正しくてどちらが悪なのか?とは一言で断ずることが出来ないという点では社会問題じみたコンテンツだとも感じました。

    作者からの返信

    つばささん、コメントありがとうございます。

    互いに平和を望んだはずなのに、結果として平和になったはずなのに、その実態は正反対なものになってしまった。
    父親のエリアスの、息子のノアの死に対するやるせなさが、その結果を生んでしまったことは間違いないのですが、理不尽な死は時に人を極端な行動を取らせるものだと思っています。
    多分、最初にノアの意思を知ったとしても、何か別な理由をつけて、この計画を実行したのではないかと思います。
    それくらい、死別というのは、残されたものには重く、耐えられるものではないものだと考えています。

    私自身、勧善懲悪の二元論は苦手なのと、社会問題は結構関心が強いので、今作のように読んだ後に読者に何かを考えてもらうような作風は最近多くなっています。

    戦争というものは、互いに理不尽な死と痛みを残し、勝利国の一部の権力者層だけが利益を享受する世界は、今のままの仕組みでは変わらないと思います。
    なので、このような設定にしましたが、これは平和といっていいのかという結果で、本当にどうやったら戦争って止まるのでしょうね。

  • 第三章 限定運用と奇跡への応援コメント

    自主企画に参加いただきありがとうございます!

    面白かったです!

    一見すると「息子の死をきっかけに世界を変えようとする父親の物語」っていう、よくあるヒューマンドラマの皮を被ってるんだけど、全然違いましたね。
     
    「地獄への道は善意で舗装されている」っていうのを地で行く、非常に質の高いディストピアSFとして出来上がっているなと思います。

    まず一つ、「手帳」というガジェットの使い方が上手いなと思いました。
    第1章のノアの手帳。これね、「赤い毛布を嫌がる」……ここがいいですねぇ

    息子がいかに優しかったかをエピソードで書かず、「処置記録の合間に漏れ出たメモ」として書いたのがすごいチャレンジだと感じます。

    これで、ノアが「システムに収まりきらない個人の感情」を愛していたことが、説明なしに読者に突き刺さりますからね。

    そして、その対極にあるのが父・エリアスの「波形」と「平坦化」。

    「一人ひとりのケア」という気の遠くなるような作業を、父は「脳のスイッチ一つ」で解決しようとした。 この親子の「解像度の違い」が、そのまま物語の決定的な対立軸になってるという構成はなかなかできないじゃないかなと思います。

    次に、第3章の「奇跡」の描写。ここが一番ゾッとしました!

    「銃を撃つのをやめる」んじゃない。「なんとなく、どうでもよくなった」という脱力と、ミレナが「泣く力も弱まっている」と指摘するけど、エリアスは「それでも撃ち合いよりマシだ」と切り捨てる描写。

    これがホワイトカラーの傲慢さが出てて凄くいいですね(笑)。

    「平和」のために人間であることを去勢する。 このトレードオフの描き方が、非常に論理的でSFチックさを増していると感じました!

    ここからはまた失礼ですが、アドバイスのようなものになります。気分を害されるかもしれません。綺麗にスルーしていただければ幸いです。

    一つは、「生理的な不気味さ」の強化が必要だと感じました。

    「平坦化」された後の人々が、ただ大人しいだけじゃなくて、どこか「不自然」であることをもっと書いていいんじゃないかと。

    例えば、親を殺された子供が、涙も流さずに淡々と食事を摂っているとか。それを見た兵士が、罪悪感すら感じられなくなって「効率的に作業をこなす」ようになるとか。

    「平和になったはずなのに、人間が機械に見えてくる」というホラー演出がさらにディストピアとしての世界の裏付けになると思います。

    次に、ヨナスが単なる悪役じゃなくて、「これ、デモを鎮圧するのにも使えるよね?」「反対勢力の熱を奪うのに最高じゃない?」と、平和のためではなく「統治のため」にEireneを使い出す。
    その際の、エリアスが「そんなはずじゃなかった」と嘆くのか、それとも「平和が維持されるならそれもアリか」と妥協するのか。ここの葛藤を深掘りしてほしい。

    エリアス自身の「平坦化」、これが一番大事ですよ!

    エリアス自身が、自分の悲しみを制御するために自分にEireneをかけ始める、あるいは、あまりにロジカルに考えすぎて、彼自身の心がすでに「平坦化」されてしまっているという皮肉。

    息子を愛していたはずの男が、一番息子から遠い存在になっていく「バグ」がまたホラー感を増すのではないでしょうか?



    「戦争で100万人が死ぬ世界」と「誰も死なないが、誰も愛も怒りも感じない世界」。どっちがマシか?

    エリアスは後者を選んだ。でも、読者は「それは違う」と言いたくなる。でも、代案はない。
    この「逃げられなくするロジカルな追い詰め方」が非常に緊迫感があって、救いがなくて、素晴らしい小説だと思いました!

    お互い頑張りましょう!

    作者からの返信

    サカサギさん、こちらの想像以上のコメントありがとうございます。かなりびっくりしました。

    感情を失っていく様を描きたかったので、報告書という形にしました。行動を描写するのだと、物足りなくなるような感じがして。報告書であれば、そこに感情がこもっていたものが、徐々に記録だけになっていく恐ろしさが出てくるのではないかというものです。

    >例えば、親を殺された子供が、涙も流さずに淡々と食事を摂っているとか。それを見た兵士が、罪悪感すら感じられなくなって「効率的に作業をこなす」ようになるとか。
    確かに、ここまで描写を組み込めればいいのですが、ここは私の力不足ですね。
    連作ものには苦戦していて、この程度の話数のものでも、最後まで持っていくのにかなり苦労しました。なので、個人の異質さまでを描こうとすると、誰の視点でそれを見せるのか、見せた後にどうやって、エリアスにまでつなげていくのかなど考えることが多くて、まだまだ自分の手に余る状態なので、ここまでのレベルまで行くのには時間がかかりそうです。

    アドバイスありがとうございました。


  • 編集済

    記録が記録でなくなる瞬間
    しかも、速報かなにかでなく、ただの記録から身近な死を知る。
    そういや、自分にも似たようなことありましたわ
    時が止まります

    作者からの返信

    私はその経験はないのですが、ただこのプロローグを書いていて、大切な人の死を思い出して、かなり胃にドスンと来ました。

    無機質で何も感情が入っていないからこそ、色んな感情が頭の中で錯綜して自分の中の足場が崩れ落ちていくような感覚。こういうものはいくら書いても全然慣れないです。