デジタル・レリーフ

「お祖父ちゃん家の部屋みたいにしてほしい!」


息子に言われて驚いた。

まさか、親父のあの古い家をそこまで気に入るとはなぁ。


「よし! じゃあ、もう1回観に行くか!」

「うん!」


俺は息子と一緒にVRゴーグルを着け、電脳世界にダイブする。

その小さなVR空間に、もう解体された亡き父の家が、精巧なポリゴンとして再現されている。

――未来の技術? 気になったなら、「#実家デジタル保存プロジェクト」で検索してみなよ。


「わぁ……」


アバターの息子と手をつなぎ、並んで歩く。

ここに来ると俺自身、子供時代に帰った気がして懐かしい。


「なぁに、これ?」

「……おいおい、マジかよ」


前回は気づかなかった。柱に刻まれたいくつかの傷跡。……まさか、そんなところまで再現してるとは。


それは他でもない、俺の背の成長記録だった。

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