大蛇院稀音20歳
九十九里でのプロポーズを経て湖都と恋仲になった股之介は孤児院を出て、彼女の住むアパートで同棲生活を開始した。
未だアルバイト生活からは抜け出せていないので半ば性看護師である湖都のヒモ状態ではあるが、新たな目標もできて生き生きとした毎日を送る。
それから一ヶ月がすぎて8月の献精の日がやってきた。
湖都の体調的な問題もあり充分以上に精子を蓄えた股之介は吉原で次の相手を待つ。
湖都と結ばれたとはいえ湖都以外の血縁者は探したいとうう彼の願望もあり、指名はいつものように20歳の献精献卵児。
この日は珍しく吉原に該当者が訪れていた。
「初めまして。
「こちらこそ初めまして。幡随院股之介です。同じ国の子同士ですので、僕のことは股之介と気軽に呼んでください」
「ではわたくしのこともマレーネと」
この日の相手であるマレーネはいわゆる聖職者と言うやつで、修道服に身を包むシスターさんというやつだ。
しかもゆったりとした服の上からでもわかる豊満な胸と眼鏡をかけていて湖都とは真逆のえっち具合。
おっぱいを脇にどけても清楚さという点では志乃とも真逆であろう。
「早速ですが脱いで貰えますか? 汚れてしまいますよ」
股之介は清楚具合からマレーネは処女なのだろうなと、経験者として彼女をエスコートするつもりだ。
「ではそのように」(いくら法律といっても初対面の男性に肌を見せるのは恥ずかしい。これは試練ですか主よ)
「緊張しすぎですよマレーネさん。それとも献卵とはいえ僕とえっちするのは嫌ですか? 仮にもシスターさんですし」
「すみません股之介くん。えっちすること自体は構わないのですが、肌を見せるのは恥ずかしくて」
「では汚れてもいいから着たまましましょうか。その方が僕も興奮しますし」(普通は肌を見せるのは我慢できるけれどえっちは無理とかじゃないんだ。昔読んだ小説とは今は違うんだなあ)
「それでお願いします。股之介くんはわたくしに構わず服をお脱ぎください。その……脱がないとできないでしょうし」
「ではお言葉に甘えて」(最近湖都さんと出来なかったのもあって貯まっているし、すごくムラムラするよ)
マレーネは初めてだが、聖職者の嗜としてイメージトレーニングは充分な耳年増だ。
だから献卵による性交は恐れよりも好奇心が勝っているが、肌を見せるのは恥ずかしいという価値観になっていた。
そんな彼女が初めて異性のデリケートゾーンに触れている。
早速実物にドキドキして、マレーネは興奮が止まらない。
マレーネの住む大蛇院は元々古くから孤児院を経営するプロテスタント教会で国の子以外にも孤児を抱えている。
そこでは宗教家の道に進むかは個々の自由なのだが、しっかり者のお姉さんとして振る舞っていたマレーネは自然とシスターになっていた。
そんな彼女の楽しみは孤児仲間で少ないお小遣いやバイト代をかき集めて買っている漫画本の数々。
特に彼女はすけべな事に興味を抱くお年頃と言うこともあり、えっちな本に夢中だった。
院長を兼ねる牧師もえっちな本については「子供たちに正しい性知識を身に付けてもらうため」に黙認しており、その代わりに子供たちで淫らな欲望に身を任せることを禁じていた。
マレーネが20歳で献卵に志願したのも、教会の子供を誘惑するのはイケナイことだが献卵はその限りではないという牧師の基準に従ってのこと。
耳年増が初めての性交に挑むのだからはしゃぐのも仕方がないわけだ。
漫画の再現に勤しむマレーネの眼鏡は吐息で曇り、瞳の色を良い具合に隠していてベールも額に滲む汗で少し透ける。
そのまま本来ならば献精しなければならなかった股之介の精液は暴発してしまい、彼の都合で溜まっていなければ献卵者として大失態の行為だった。
この流れで緊張が解けたマレーネも衣服を脱いで献卵を続けるわけだが、流石に処女と結婚を控えた同棲生活者の差であろう。
主導権を取り返した股之介の献精にマレーネは完敗してされるがままだった。
行為後、二人はベッドの上で休憩していると規定の時間を迎える。
様子を見に来た正子もクスコで覗く必要もなく見てわかるほどの量に「さすがはまーくん。安心院さんも惚気っぱなしでご自慢の旦那様だ。うちの旦那にも少し見習って欲しいくらいだ」と無駄に自慢げだ。
マレーネに献卵ぱんつを渡してシャワールームに向かわせた正子は股之介と二人きりになると、彼に小声で世間話を振る。
「相変わらずの床上手ね」
「そんなことありませんよ。たしかに今は湖都さんに鍛えられたので多少の自信はつきましたけれど」
「それに凄い量。安心院さんもアレが酷いようだし、一週間くらいえっち出来なくてキミも貯まっていたようね」
「それは……その通りです」
「安心院さんったら仕事もお休みをとるくらいだしね。帰ったら私が心配してたって伝えて。あとこの時期はレモンとか酸っぱいものが良いときくから帰りに買ってあげなさいな。レシピを送っておくから」
正子が部屋から立ち去ったあと、シャワーを浴び終えたマレーネと連絡先を交換した股之介もシャワーを浴びて家路につく。
アドバイス通りにレモンとリンゴ酢を買って帰った彼を待つ我が家……正確には湖都が借りているアパートは、仕事を休んだ彼女が待っているので暖かい。
「ただいまこーちゃん」
「おかえりなさいまーくん」
股之介を出迎えた湖都はゆったりとした服で心なしか下腹が少し膨らんでいた。
これは幸せ太りなんていう訳では当然なく、逆算すると先月の九十九里での初めての子作りで妊娠した結果だ。
さすがにすぐにはわからないモノだが、そろそろ今月の献精に向かう為にえっちは控えようと言っていた矢先のことである。
一般よりも早く湖都につわりが起きたことで二人は妊娠のことを知った。
それから一週間ほど経って月末の期日ギリギリに献精に向かった股之介は湖都と出来ていないので貯まっていたわけだ。
「正子さんが休むくらいつわりが酷いことを心配していたよ。これはそのときのアドバイスで買ってきたレモンとリンゴ酢。ジュースにするから飲んでみてよ」
「ありがとうまーくん」
早速正子のレシピに従ってレモンとリンゴ酢のジュースを作った二人は一緒になって飲み干した。
酸味と甘さでキスの味を思い出した二人は頬を染めて見つめあうのはまだ若い証拠であろう。
内縁とは言え夫が他の女を堂々と抱きに行っても平然としているのは湖都が特殊という訳ではない。
献精献卵法が常識となったこの時代、献精という免罪符を得て夫が月に一度の性処理を行うことは、夫の性欲を高めて妻との性生活を円滑にするのに有効であると証明されていた。
この時代の妻にとって夫の愛が自分にあれば夫が他の女を抱くことを認めるのは女の甲斐性だという考えもある。
ちなみに逆は喜ばしくないのだが、既婚女性が献卵義務から外れることと、もし既婚者でありつつも夫以外の子種で孕むと不和の元になると考えれば、いかに男性にたいしての価値観が変わったとしても、さもありなんことだ。
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