【声劇台本】台本本編

※配役検索に役立ててください。

☆:白石

△:岡田

▽:青木


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【Ⅰ】


☆白石(M):深夜2時15分。

        いつもなら、この時間帯はリスナーから

       メールやFAXが届いているころです。

       恋の悩み、仕事の愚痴ぐち、眠れない夜の想い。

       ――そんな何気なにげない日常の声であふれていたはずの時間。

       でも……今は、何もありません。3週間前から、何も。


☆白石(M):私の名前は、白石 あかり。

       この街の小さなFM局で、深夜番組『ミッドナイト・カフェ』の

       パーソナリティをしています……いえ、していました。

       今も続けているつもりですが、もう番組と呼べるものかどうか。


☆白石(M):3週間前、世界が突如とつじょとして終わり始めました。

       最初は単なる新型うつ病だと報道されていました。

       ――「感情が薄くなる」「希望を感じられなくなる」

       でも、違ったんです。

       それは病気なんてものじゃなかった。


☆白石(M):人工知能の研究施設で起きた事故。

       そこかられ出した何かが、電磁波に乗って広がった。

       『感情ウィルス』……後にそう名付けられましたが、

       もう名付けた人もいません。


☆白石(M):このウィルスは人間の脳の、感情をつかさどる部分を破壊します。

       最初は軽い憂鬱ゆううつ感から始まって、やがて喜び・愛・希望……

       すべてのせいの感情をうばっていく。

       最終的に残るのは〝絶望〟だけ。

       そして、人々は――


☆白石(M):――でも、まだ私はここにいます。

       まだ話している。まだ希望を信じている。

       誰か、どこかで聞いている人がいるかもしれない。

       それだけで、この放送を続ける理由になります。



【Ⅱ】


☆白石:こんばんは、深夜の皆さん! 今夜もお疲れ様です!!

    FM 79.5、『ミッドナイト・カフェ』の時間です。

    パーソナリティの白石 あかりです!

    今夜も……皆さんと一緒に、静かな夜を

    過ごしていきたいと思います。

    リクエストはいつでもお待ちしています。

    メール、FAX、お電話……どんな方法でも構いません。


☆白石:(※少し間を置いて)今夜の最初の一曲は……そうですね。

    ビートルスの『イエスタデイ』にしましょうか。

    昨日まで確かにあった世界への、小さな鎮魂歌ちんこんかとして。


△岡田:――白石。


☆白石:あっ、岡田さん。

    お疲れ様です。


△岡田:まだ、続けているのか?


☆白石:もちろんです。

    今日もどこかで誰かが聞いているかもしれませんから。


△岡田:誰も聞いていないよ。

    3週間も経過しているが、一度も反応がないだろう。


☆白石:それはわかりません。

    受信は出来ても、送信する手段がないだけかもしれませんから。


△岡田:……水を差すようで申し訳ないが、伝えなきゃいけないことがある。

    発電機の燃料を確認したところ、あと5日分しかない。


☆白石:……5日、ですか。


△岡田:あぁ……それがきたら、この放送局も終わる。


☆白石:……それでも続けます。

    最後の一秒まで、私は話し続ける。


△岡田:なぜ、そこまで……


☆白石:岡田さん……あなたにも大切なヒトがいましたよね、

    奥さんと、娘さん。


△岡田:……そうだな、いたよ。


☆白石:両親を早くに亡くした私にとって、このマイクの向こう

    にいるリスナーの皆さんは、そういう存在なんです。

    顔も知らない、名前も知らない。

    でも確かにそこにいて、私の声を聞いてくれいた人たち。


△岡田:だけど、その人たちだって、もう……


☆白石:皆さん、もういないかもしれない。

    でも、もしかしたら、まだどこかにいるかもしれない。

    その「もしかしたら」がある限り、私はあきらめられません。


△岡田:(※深い溜息を一度吐いた後に)白石……お前は、強いな。


☆白石:強いんじゃありません。

    ただ、これしかできないんです。

    私には、これしか残されていない。


△岡田(M):苦笑いを浮かべながらも、強い意志が込められた言葉を

      つむぐ彼女を見て、ふとつまを思い出した。

       最後の時まで家族を愛し続けようとしたアイツを。

       あの時の俺は、まだ希望を持っていた。

       『感情ウィルス』なんて、きっと治る方法があるって信じていた。


△岡田:俺の家族は……最初の週でった。


☆白石:岡田さん……


△岡田:つまは、娘の顔を見ても何も感じなくなったって言った。

    愛しているはずなのに、その気持ちが消えてしまったって。

    そして、娘も……「パパを見てもうれしくない」って……


☆白石:……つらかったですね。


△岡田:あぁ……でも、最期まで、人間らしくかせてやりたかった。

    だから俺は、最期までつまと娘に話しかけ続けた。

    反応がなんくても、表情が消えても。


☆白石:それは……


△岡田:結局はダメだった……けどさ、あいつ、遺書いしょを残していたんだよ。

    ――『愛してくれて、ありがとう』だってさ。


☆白石:…………。


△岡田:結果は悲しい事になったけど、奇跡きせきは起きた。

    だから……同じなのかもしれないな、白石がやっていることは。

   

☆白石(M):岡田さんは、私よりもずっと辛い想いをしてきた。

       でも、それでも私の我儘わがままに付き合ってくれている。

       きっと、彼も分かっているんです。

       この放送に意味があることを。


☆白石:――私たちは、最後の証人しょうにんなのかもしれませんね。


△岡田:証人しょうにん


☆白石:「人間がこの世界にいた」という証人しょうにん

    愛し合ったり、悲しんだり、希望を抱いたり

    ……そんな美しい生き物がいたんだということの。


△岡田:……随分ずいぶんと大きな事を言うんだな。

    自分自身たちを「美しい」と表現するのも驚きだ。


☆白石:ヒトによっては、あやまちをおかす人間を「みにくい」と言う人もいます。

    でも、感情があるからあやまちをおかすんです。

    感情があるから……自分以外を愛することが出来るんです。


△岡田:…………。


☆白石:だから、続けるんです。

    たとえ、誰も聞いていなくても、この声が宇宙うちゅうのどこかに

    届いて、いつか誰かが見つけてくれるかもしれない。

    ――人間という生き物は、最後まであきらめなかったんだって。


△岡田:白石……お前の言葉を聞いていると、まだ希望が

    あるような気がしてくるよ。


☆白石:それが、私の仕事ですから。


△岡田:――んっ?


☆白石:今の音……


△岡田:また何かの建物がくずれた感じか。

    メンテナンスする人間がいなくなって、インフラが次々と。


☆白石:でも、ここは動いている。

    岡田さんがいてくれるから。


△岡田:俺にも、仕事があるからな。

    ――白石あかりの声を、最後まで届けてやりたい。


☆白石:ありがとうございます。


△岡田:それじゃあ、機材のチェックに戻る。

    何かあったら呼んでくれ。


☆白石:はい!


△岡田(M):――白石は、俺が思っているよりもずっと一人で戦っている。

       でも、その戦いには意味がある。

       人間として最後まで尊厳そんげんを保つ戦いだ。

        今の俺に出来る事は、その戦いを、彼女を支える事だけだ。



(interval)



☆白石(M):岡田 慎太郎さんは技術者です。

       この放送局の設備をひとりで維持してくれている。

       家族を失った悲しみを抱えながらも、私の我儘わがまま

       付き合ってくれている。


☆白石(M):……きっと彼も分かっているんです。

       もう誰も聞いていないことを。

       それでも、私たちは続けている。


☆白石(M):なぜでしょう?

       たぶん、それが人間だからです。

       希望のない状況でも、最後まで希望を捨てない。

       それがおろかに見えても、それが美しいおろかさだと思うんです。



(interval)



☆白石:――さて、お時間が午前2時45分になりました。

    夜もけてまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

    今夜は……そうですね。少し私の話をさせてください。

    この番組を始めて、もう5年になります。

    最初の頃は緊張して、思うように話せませんでした。

    でも、皆さんからお便りに支えられて、少しずつ

    成長をさせていただきました。


☆白石:深夜という時間帯は特別です。

    昼間は言えない本音が、夜になると自然に口をついて出る。

    孤独感や不安、でも同時に希望や夢も。

    そんな皆さんの心の声を、一緒に分かち合える場所で

    ありたいと思ってきました。


☆白石:今思い出すのは、常連リスナーの皆さんのことです。

    失恋したばかりの大学生のタカシくん。

    夜勤明けでいつも聞いてくれていた看護師のミホさん。

    受験勉強の合間あいまに励ましを求めてくれた高校生のユウキちゃん。

    ……みんな、私の声に耳を傾けてくれました。

    時には、笑い、時には涙をして。

    そんな皆さんと過ごした時間が、今の私の宝物です。


☆白石:皆さん、今どこにいるのでしょうか。

    またどこかで、私の声が届くことを願っています。


☆白石:今夜、もしひとりでも私の声を聞いてくれる方がいたら

    ……どうか希望を捨てないでください。

    どんなに絶望的に見えても、まだ終わりじゃありません。

    私たちは、最後まで人間らしくいることが出来ます。

    愛することも、信じることも、誰かを想うことも。

    それは誰にも奪えない、私たちだけの宝物です。


☆白石:もう夜明けが近いんですね。

    鳥たちが鳴き始めました。

    彼らは変わらず、毎朝歌ってくれています。

    きっと、希望の歌を。


☆白石:それでは、夜明け前の一曲を送ります。

    坂本さかもと きゅうさんの『上を向いて歩こう』。

    涙がこぼれないように、上を向いて歩こう。

    そんな気持ちを込めて。


☆白石:明日の夜も、私はここにいます。

    どうか、安らかな朝をお迎えください。

    FM 79.5、ミッドナイト・カフェ。

    パーソナリティの白石 あかりでした。

    ――また明日、お会いしましょう。



【Ⅲ】


☆白石:2日目の夜です。

    昨夜の放送の後、少し眠りました。

    そして、夢を見ました。

    いつものように、スタジオに

    沢山たくさんのリスナーからのお便りが届いている夢を。

    起きた時、それが夢だったと気付いて……少し泣きました。

    ――でも、今夜もまた始めます。誰かがいるかもしれない。

    その可能性がゼロになるまで。


☆白石:こんばんは、深夜の皆さん。

    FM 79.5、ミッドナイト・カフェの時間です。

    今夜も白石あかりがお送りします。

    お時間は、午前1時半。

    皆さんはいかがお過ごしでしょうか。


☆白石:今夜は……そうですね。

    少し昔の話をしましょうか。

    私がこの仕事を始めたきっかけのお話を。


☆白石:実は私、昔はとても人見知りだったんです。

    人前で話すなんて、とんでもない。

    でも、ラジオという不思議なメディアに出会って、

    マイクの向こうにいる、顔の見えない誰かとなら

    話せることに気付いたんです。


☆白石:声だけの関係って、不思議ですよね。

    外見も、年齢も、社会的地位も関係ない。

    ただ心と心で繋がることが出来る。

    それが、ラジオの魔法まほうだと思っています。


☆白石:今夜、お送りする最初の一曲は……えっ?

    電話が……電話が鳴ってる……?


☆白石(M):予想もしなかった事が起こる。

       三週間も鳴らなかった電話が……

       私の心臓が早鐘はやがねを打つ。

       これは夢?

       でも、ベルの音は確実に鳴り続けている。


☆白石:で、電話が鳴っています……ま、まさか……

    ――もしもし……FM 79.5、ミッドナイト・カフェです。


▽青木:あ、あの……誰か、いらっしゃいますか?


☆白石:…………!


▽青木:やっぱり、いないのでしょ――


☆白石:は、はい! います!

    私、白石あかりです!

    あなたは……


▽青木:良かった……本当に、人がいるんですね。

    私、青木 さくらと言います。16歳です。


☆白石(M):この声は夢じゃない。

       本当に、生きている人の声。

       温かくて、若くて、希望に満ちた声。


☆白石:さくらちゃん……ありがとう、電話をくれて。

    本当に、ありがとう……


△岡田:――白石!

    電話の音が聞こえてきたが……まさか……


☆白石:岡田さん! リスナーよ!

    生きている人がいる!


△岡田:本当なのか……幻聴げんちょうじゃない、よな?


☆白石:さくらちゃん、聞こえていますか?


▽青木:はい……あの、あかりさん以外にも人がいるんですか?


☆白石:はい! スタッフの技術の岡田さんがいます。

    私たち3人です。

    さくらちゃん、あなたはどちらに?


▽青木:とある山中の家にいます。

    両親は……もういません。

    でも、私はまだ大丈夫です。

    ラジオを聞いていて、あかりさんの声が聞こえていて……


△岡田:青木さん、突然失礼します。

    俺は、岡田慎太郎と言います、よろしく。


▽青木:岡田さん……よろしくお願いします!


☆白石:さくらちゃん……私たち、もうひとりじゃないのね。


▽青木:はい……とても寂しくてつらかったです。

    でも、あかりさんの声を聞いていると、

    まだ世界に温かいものが残っているような気がして。


△岡田:――青木さん、そちらの状況じょうきょうはどうですか?

    電力とか、食料とか。


▽青木:電気はソーラーパネルがあるので大丈夫です。

    食料も、父が備蓄びちくしていたので、しばらくは……


☆白石:お父様とお母様は……


▽青木:2週間前に……最初にお母さんが、笑わなくなって……

    それからお父さんも……最後は……


☆白石:ありがとう、教えてくれて。

    辛かったでしょう、ひとりで……


▽青木:でも、お父さんが最後に言ってくれたんです。

    ――「さくら、お前だけでも生きてくれ」って。

    まだ感情があるうちに。


△岡田:…………立派なお父さんだ。


▽青木:はい。だから、私、頑張って生きています。

    そして、あかりさんの放送を聞いて……まだ希望があるんだって思えて。


☆白石:さくらちゃん……あなたがいてくれて、私、本当に嬉しい!


▽青木:私こそ……あかりさんたちがいてくれて……

    本当に、もうひとりじゃないんですね。


△岡田:あぁ、君はもうひとりじゃない。


▽青木:よかった……


☆白石:――さくらちゃん、もしよろしければ、

    今夜はそのまま番組に参加してもらえませんか?

    久しぶりのゲストです。


▽青木:本当ですか? でも、私なんて……


☆白石:何を言っているの。

    あなたは今、この世界で最も大切なゲストよ。


△岡田:そうだ。

    君の声を聞いているだけで、俺たちの心も温かくなる。


▽青木:(※照れた感じで)ありがとうございます。


☆白石:――皆さん、今、大変嬉しいことが起こりました。

    久しぶりのゲストを迎えることが出来たのです!

    これは、パーソナリティとしての、そして

    一人の人間としての喜び。

    きっと、私の心にをともしてくれるでしょう。

    ――それじゃあ、改めて!

    特別ゲストをご紹介させていただきます!

    青木 さくらちゃん、16歳の高校生です!


▽青木:は、はじめまして……青木 さくらです。

    よろしくお願いします。


☆白石:さくらちゃんは、現在、遠くにいますので電話での参加となります。

    それでは、早速……さくらちゃんに質問です。

    普段はどんなことをして過ごしているの?


▽青木:山の中なので……本を読んだり、お父さんが残してくれた

    無線機をいじったり……それで、あかりさんの放送が聞こえたんです。


△岡田:無線機? 詳しく教えてくれないか?


▽青木:お父さんがアマチュア無線をやっていて……

    でも今は、誰からも信号が来ません。

    あかりさんの放送だけが……


☆白石:そう……あなたのお父様のおかげで、私たちは出会えたのね。


▽青木:そうですね……きっと、お父さんが導いてくれたんだと思います。


☆白石:さくらちゃん、怖くない? ひとりで。


▽青木:……怖いです。でも、それはさっきまでの話です。

    あかりさんの声を聞いていると、勇気が出ます。

    毎晩、「明日も頑張ろう」って思えるんです。


☆白石(M):この子は、私が思っているよりもずっと強い。

       でも同時に、まだ16歳の少女だ。

       私たち、大人が、この子を必ず守らないと……!


☆白石:――ありがとう……そう言ってもらえると、私も頑張れます。


△岡田:青木さん、確か16歳と言っていたよね?

    高校2年生?


▽青木:はい、あともう少しで3年生になるので、

    早めの受験勉強をしていたんですけど……もう学校は……


☆白石:でも、あなたには時間がある。

    この状況が落ち着いたら、きっとまた勉強できる日が来る。


▽青木:本当に……そう思いますか?


☆白石:ええ、私は信じています。

    私たちが生きている限り、未来はある。希望はある。


△岡田:そうだ。

    君のような若い人がいる限り、人類の未来はある。


△岡田(M):――この子には未来がある。

       だからこそ俺たちは、この子を守らなければならない。


▽青木:私……頑張ります!

    あかりさんたちのように、最後まで諦めません。


☆白石:その言葉を聞けて、私たちはとても嬉しいよ。

    ――さて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

    お時間は午前2時半です。


▽青木:時間が経つのって、こんなに早かったんですね。

    ひとりでいると、とても長く感じていたのに。


△岡田:それは、楽しい時間だからだよ。


☆白石:さくらちゃん、今度はいつお電話をいただけますか?


▽青木:毎晩、お電話してもいいですか?

    迷惑じゃなければ……


☆白石:迷惑だなんて! むしろお願いします。

    あなたの声が、私たちの希望なんです。


△岡田:俺たちも、君の声を待っている。


▽青木:ありがとうございます!

    明日も、必ずお電話します。


☆白石:約束ね。


▽青木:はい、約束です!


☆白石:――それでは、今夜最後の一曲をお送りします。

    是非ぜひ、さくらちゃんのリクエストを聞きたいのですが。


▽青木:――あの……『翼をください』をお願いできますか?

    この状況でも、空を飛ぶように自由でいたいって思うんです。


☆白石:素敵なリクエストだね。

    では、赤い鳥の『翼をください』をお送りします。

    さくらちゃん、そして夜空のどこかで聞いてくださっている皆さんへ。


▽青木:あかりさん、岡田さん……今夜は本当にありがとうございました。


△岡田:こちらこそ、ありがとう。

    君がいてくれて、本当に良かった。


☆白石:明日の夜も、待っています。


▽青木:はい! 必ず!!


☆白石(M):奇跡が起きた、本当の奇跡。

       まだ、人間がいる。まだ、希望がある。

       岡田さんも、私も、そしてさくらちゃんも……

       私たちは一人じゃない。


△岡田:白石、本当に……本当に良かったな……!


☆白石:もう、岡田さん!

    放送が終わる前に泣かないでくださいよ~


△岡田:悪い……でも、嬉しかったんだ……

    久しぶりに感じたんだ、こんな温かくなる気持ちを。

    あの子の声が、俺の心に火を灯した感じがするんだ。


☆白石:そうですね……私も同じ気持ちです。

    ――FM 79.5、ミッドナイト・カフェ。

    今夜は特別な夜でした。新しい仲間と出会えた夜。希望を取り戻した夜。

    明日も、私たちはここにいます。

    そして、さくらちゃんも、山の向こうで私たちを待ってくれています。


☆白石:まだ終わりじゃない。

    まだ、始まったばかりかもしれません。

    どうか、安らかな夜をお過ごしください。

    FM 79.5、ミッドナイト・カフェ。

    パーソナリティの白石 あかりでした。

    ――また明日、お会いしましょう。



【Ⅳ】


☆白石(M):3日目の夜。

       さくらちゃんとの出会いから、毎晩が楽しみになりました。

       午前1時半になると、心がおどります。

       今夜はどんなお話をしてくるのかな。

       どんな笑顔で電話をかけてくれるのかな。

       ……こんな気持ちになったのは、いつぶりでしょう。

       〝希望〟って、こういうものなんですね。


☆白石:――こんばんは、深夜の皆さん!

    FM 79.5、ミッドナイト・カフェの時間です。

    今夜も白石 あかりがお送りします。

    お時間は午前1時半。

    今夜も、特別なゲストをお迎えする予定です。

    山の向こうから、元気な声を届けてくれる、青木 さくらちゃんです!


☆白石:――あっ、もうお電話を頂いているようですね。

    さくらちゃん、こんばんは!


▽青木:(※いつもより少し元気がない)こんばんは、あかりさん……


☆白石:さくらちゃん? 今夜は少し元気がないみたいですが、大丈夫?


▽青木:……ええ……大丈夫です。

    少し疲れているだけかもしれません。


△岡田:白石、さくらちゃんの様子はどうだ?


☆白石:…………。


△岡田:白石?


☆白石:岡田さん……さくらちゃん、少し元気がないみたいで……


△岡田:えっ……さくらちゃん、岡田だ。

    大丈夫かい? 調子はどうだ?


▽青木:岡田さん、こんばんは。

    ちょっと……最近、変なんです。


☆白石:変って、どんな風に?


▽青木:昨日まで楽しかったことが……あまり楽しく感じなくて……

    お父さんの本を読んでいても、集中できないんです。


△岡田(M):まさか……!

       い、いや……考えすぎかもしれない。

       でも、この症状しょうじょうは……


△岡田:――さくらちゃん、他に変わったことはないか?

    食欲しょくよくとか、眠りとか。


▽青木:……あんまり眠れません。

    でも、眠くないんです。

    それから……


☆白石:……それから?


▽青木:それから……お母さんのことを思い出しても、前ほど悲しくないんです。

    それが、おかしいってわかるのに……


☆白石(M):まさか……でも、さくらちゃんがいるのは山の中。

       『感情ウィルス』がそんなところまで……

       待って、無線機……いや、考えすぎだ。

       さくらちゃんは大丈夫……きっと大丈夫なはず……


☆白石:き、きっと疲れているだけだよ!

    最近、ひとりで頑張りすぎているんじゃないかな?


▽青木:そうかもしれません……でも、なんだか変で……


△岡田:さくらちゃん、そっちの周りで何か変わったことはないか?

    電波の状況とか、動物の様子とか。


△岡田(M):――俺の家族が見せた症状と同じだ。

       でも、まだ軽症の段階だ。

       もしかしたら、まだ間に合うかもしれない。

       いや……何が間に合うというんだ。

       治療法はないって学者たちが言ってたじゃないか……


▽青木:そういえば……最近、鳥があまり鳴かなくなりました。

    それから、無線機に雑音が多くて……


△岡田:白石……さくらちゃんは――


☆白石:さくらちゃん、今夜はゆっくりお話ししましょう?

    好きな音楽のことでも、読んでいる本のことでも。


▽青木:ありがとう……ございます。

    あの、最近……父の日記を見つけたんです。


☆白石:お父様の日記?


▽青木:はい……私が生まれた時のことが書いてありました。

    「この子に、美しい世界を見せてあげたい」って。


☆白石:素敵すてきなお父様だね。


▽青木:でも……何故か、その日記を読んでも……

    前ほど温かい気持ちになれないんです。

    頭では「素敵すてきな話だ」って分かるのに……


△岡田(M):――想像以上に、症状が進行している。

       感情の鈍化が起きている……俺は……

       俺は、この子にも同じ運命が待っているのを

       見なければいけないのか……!


△岡田:白石……彼女はもう……


☆白石:岡田さん!!


△岡田:さくらちゃん、すまない。

    少し席を外させてくれ。


▽青木:……あの、岡田さん、怒っていましたか?


☆白石:ううん! そんなことないよ!

    ……そう、ちょっと機材の調子を見に行っただけだから。


▽青木:そう、ですか……


☆白石:何でもないから、気にしなくて大丈夫だからね。


☆白石(M):――嘘。

       岡田さんは気付いてしまった。

       さくらちゃんの身に何が起こっているのか。

       でも、私は認めたくない。

       認めるわけにはいかない。


▽青木:あかりさん……私、変になっているんでしょうか?


☆白石:変じゃないよ!

    ただ、ちょっと疲れているだけ。

    山の中でひとりでいるんだもの、当然よ。


▽青木:でも……最近、笑うことが出来ないんです。

    面白いと思っても、笑顔が作れない。


☆白石:さくらちゃん……


▽青木:これって……おかしいですよね?



(interval)


☆白石(M):4日目。

       今夜のさくらちゃんの声は、昨日よりも……考えたくない。

       でも、向き合わなければ。

       最後まで、さくらちゃんと一緒にいなければ。


☆白石:――さくらちゃん、こんばんは!


▽青木:こんばんは、 白石 あかりさん。


☆白石:っつ!

    ……今夜の調子はどうかな?


▽青木:普通です。

    特に変わりはありません。


△岡田:白石……


☆白石:岡田さん……


△岡田:俺に話させてくれ。

    ――さくらちゃん、岡田です。

    今夜も話を聞かせてくれないか?


▽青木:岡田 慎太郎さんですね。

    はい、話します。

    私は、何を話したらいいのでしょうか?


△岡田(M):あぁ……くそ……この子は、もう感情の起伏きふくがない。

       質問されれば答えるが、自発的な感情表現がない。

       ――俺の娘も、最後の数日はこんな風だった。


☆白石:そ、そうだね!

    今日一日どんなことをしたか、聞かせてくれる?


▽青木:承知しました。

    朝起きて、食事をして、本を読みました。

    その後に昼食をとり、また本を読みました。

    夕食後、無線機を確認して、今、お話をしています。


☆白石:……どんな本を読んだの?


▽青木:亡くなった父親の蔵書です。

    小説でした。


☆白石:おもしろかった?


▽青木:……わかりません。 

    文字を追っていましたが、面白いかどうかわからなくなりました。


☆白石:(※涙声で)さくらちゃん……


▽青木:あかりさん、私、変ですか?


☆白石:(※必死に)変じゃないよ!

    ただ、疲れているのよ。きっと良くなるから!


▽青木:「良くなる」、という意味はどういうことなのでしょうか?


☆白石:えっ……


▽青木:言葉の意味がわからないのです。

    なにも……


△岡田:さくらちゃん……君は今でも、俺たちの声が聞こえているのか?


▽青木:はい、無線機を通して、お二人の声が聞こえてきます。


△岡田:くっ……俺たちと話すのは、どんな気持ちだ?


▽青木:「気持ち」……という言葉の意味が、よくわからなくなってきています。


☆白石:(※泣きながら)さくらちゃん……私たちのこと、覚えてる?


▽青木:記憶はあります。

    白石 あかりさんと、岡田 慎太郎さん。

    ラジオのヒトたち。


☆白石:私たちの事は……好き?


▽青木:「好き」……とはなんでしょうか?

    ですが、話すべき相手だという認識はあります。


△岡田(M):正直、これ以上の会話はつらい。

       今すぐでも彼女との無線を切りたい。

       ……だが、ここで逃げる訳にはいかない。

       俺たちがこの子の最後のつながりなんだ。

       最後まで付き合わなければ。


☆白石:岡田さん……


△岡田:白石、彼女はもう――


☆白石:まだよ! まだ諦めない!!


△岡田:現実を受け入れろ!!


☆白石:受け入れるものですか!

    さくらちゃんはまだここにいる!

    私たちと話している!

    ……生きているじゃない!!


△岡田:くっ……!


▽青木:あかりさん、泣いているんですか?


☆白石:えぇ……泣いているわ。


▽青木:何故ですか?


☆白石:あなたが……あなたが心配だから……


▽青木:「心配」……そういう感情があることは覚えています。

    ただ、今の私にはそれがどういったものなのか、わかりません。

    だから……あなたの感情を共有できないのです。


△岡田:さくらちゃん……無理をしなくていいんだ。


▽青木:無理は……していません。

    ただ、感じることが出来ないのです。


☆白石(M):これが〝絶望〟というものなのでしょうか?

       〝希望〟を見つけたと思ったら、それがゆっくりと、

       確実に奪われていく。

        ……でも、まだ諦めたくない。

       最後の瞬間まで、さくらちゃんと一緒にいる。


☆白石:――さくらちゃん、明日も電話してくれる?


▽青木:はい、それが「約束」というのを覚えています。


☆白石:約束……覚えていてくれるのね。


▽青木:記憶は残っています。

    ただ、約束を守ることの意味が――


☆白石:いいの、記憶があるだけで十分だから。


△岡田:……さくらちゃん、今夜はゆっくり休んでくれ。


▽青木:はい。では、失礼します。



(interval)



△岡田:白石……


☆白石:(※泣きながら)わかってます……わかってます……でも……


△岡田:やっぱり……わかっていても、つらいな……


☆白石:えぇ……とてもつらい。

    でも、さくらちゃんはもっとつらいはず。

    感じることが出来ないということが、どれほどつらい事か。


△岡田(M):今の彼女が抱く痛みは、俺の家族を失った痛みと同じだろう。

       でも今回は、真綿まわたで首をめるかのように、ゆっくりと。

       これは、一種の拷問ごうもんだ。


△岡田:……でも、俺たちは最後まで付き合う。

    それが、俺たちが出来る唯一の事だ。


☆白石:はい……最後まで……


☆白石(M):〝希望〟から〝絶望〟へ。

        でも、絶望の中でも人間らしさを保つことは出来る。

        さくらちゃんが教えてくれた。

       記憶は残る。約束は守られる。

       それだけでも、人間の美しさなのかもしれません。


☆白石:――リスナーの皆さん……今夜は、少し悲しい夜です。

    でも、それでも私たちは続けます。

    最後まで……人間であるために。


☆白石:明日の夜も、私たちはここにいます。

    そして、大切な友達も、山の向こうから声を届けてくれます。

    ……どうか、安らかな夜を。

    FM 79.5、ミッドナイト・カフェ。

    パーソナリティの白石 あかりでした。

    ――また明日、お会いしましょう。



【Ⅴ】


☆白石(M):5日目の夜。

       ここに来て、もう何日が経過したのだろう?

       時間の感覚が曖昧になってきました。

       さくらちゃんは昨夜、ほとんど何も感じないと言っていた。

       でも、約束は覚えていた。

       だから、今夜もきっと彼女からの電話が来るはず。

       ……これが、私たちにとって最後の約束になるかもしれない。

       それでも、最後まで一緒にいます。


△岡田(M):……発電機の調子が悪い。燃料も残り僅かだ。

       この建物も、俺たちも、すべてが終わりに近づいている。

       でも不思議と、怖くはない。

       やるべきことをやりげる覚悟かくごが出来ている。



(interval)



△岡田:白石……発電機があと数時間で止まる。


☆白石:わかりました。

    岡田さん……


△岡田:んっ? どうした?


☆白石:自分勝手なお願いであることは承知です。

    ――最後まで一緒いっしょに付き合ってくれませんか?


△岡田:今更いまさら何を言っているんだ。

    もうここまで来てしまったんだ。

    俺は、降りるつもりはないよ。


☆白石:……ありがとうございます。


△岡田:さあ、放送開始の時間だ。


☆白石:はい……こんばんは、深夜の皆さん。

    FM 79.5、ミッドナイト・カフェの時間です。

    今夜も白石 あかりがお送りします。


☆白石:――今夜は、特別な夜になりそうです。

    私たちの大切な友達、青木 さくらちゃんからのお電話を待っています。

    あっ! さっそくウワサをすれば……さくらちゃん、こんばんは!


▽青木:こんばんは。白石 あかりさん。


☆白石:……今夜の調子はどう?


▽青木:調子という概念が理解できません。

    身体機能は正常です。


△岡田:さくらちゃん、俺だ。岡田だ。


▽青木:岡田 慎太郎さん。確認しました。


△岡田(M):――もう、人間らしい反応がない。

       完全に感情の機能が停止してしまっている。

       でも、まだ会話は出来ている。

       まだ、存在している。


☆白石:(※震えた声で)さくらちゃん……私たちのころ、覚えている?


▽青木:記録はあります。

    白石 あかり、ラジオパーソナリティ。

    岡田 慎太郎、技術者。

    過去四日間、定期的に通信を行った相手。


☆白石:(※泣きそうになりながら)記録……そう、記録ね。


△岡田:さくらちゃん……君は今、何を感じている?


▽青木:…………「感じる」、という言葉の意味が分からなくなりました。

    動詞の一種であることでしか、わかりません。


☆白石:…………。


△岡田:…………。


▽青木:…………。


☆白石(M):これが最後。さくらちゃんとお話しできる最後の夜。

       もう……あの温かなさくらちゃんはいない。

       でも、まだここにいる。

       それだけで――


☆白石:――青木 さくらさん、あなたはとても素敵な女の子でした。

    優しくて、強くて、希望に満ちていた。


▽青木:過去形で話すのは、何故ですか?


☆白石:(※涙声で)あなたは今でも素敵よ。

    今でも……私たちの大切な友達。


▽青木:〝友達〟という関係性の記録はあります。


☆白石;(※嗚咽しながら)ええ……友達よ、ずっと友達。


△岡田:さくらちゃん……いや、青木さん。

    君のお父さんは、君を最後まで愛していた。

    お父さんだけじゃない、お母さんもだ。


▽青木:記録によると、そのようです。


△岡田:……そして、俺たちも、君を……大切に思っている。


▽青木:…………「大切」、という感情の記憶は残っています。

    理解は出来ませんが。


☆白石:さくらちゃん、最後に……ひとつだけ……

    ひとつだけお願いがあります。


▽青木:なんでしょうか?


☆白石:「ありがとう」って言ってもらえませんか?

    意味が分からなくても、ただの音として。


▽青木:――「ありがとう」(※少し人間っぽく)


☆白石:(※涙声で)ありがとう、さくらちゃん……本当に、ありがとう。


▽青木:他に必要なことはありますか?


△岡田:(※涙声で)いや……もう十分だ。

    君は最後まで、約束を守ってくれた。


▽青木:「約束は守るもの」という記録があります。


☆白石:そうね……約束は守るもの。

    あなたは最後まで、人間だった。


▽青木:……では、通信を終了します。


☆白石:待って! さくらちゃん!!


▽青木:はい。


☆白石:――あなたは、ひとりじゃなかった!

    最後まで、私たちがいました! 覚えていて!


▽青木:(※ここは人間らしい響きで)……ありがとう、あかりさん。


☆白石(M):気のせいと言われるかもしれない。

       一瞬、ほんの一瞬。

       無機質で機械的な冷たい声じゃなくて。

       血が通った、意志ある温かい声が聞こえた。


☆白石(M);これで、本当におしまい。

       さくらちゃんとの、最後のお別れ。

       でも、最後に「ありがとう」って言ってくれた。

       あの響きは、まだ人間だった。


△岡田:(※静かに泣いている)


☆白石:岡田さん……


△岡田:(※涙声)辛い中……よく頑張ったな……


☆白石:最後まで、一緒にいられることが出来たから……


△岡田:そうだな……最後まで――


☆白石:あっ……電気が……


△岡田:中央の発電機が止まったか……

    非常用のバッテリー電源に切り替わるだろう……


☆白石:つまり……


△岡田:あぁ、とうとう終わりだ。

    ――と言いたいところだが、非常用のバッテリーが残っている。

    お前には、まだやるべきことがあるだろ?

    放送はまだ続いている。


☆白石:――リスナーの皆さん……もし、まだ誰か聞いてくださっている

    方がいらしたら……私たちは、今夜で最後の放送となります。

    電力が尽きようとしています。

    でも、お伝えしたいことがあります。


△岡田:リスナーの皆さん、突然ですいません。

    白石さん……俺からも、話をさせてもらってもいいですか?


☆白石:えぇ、どうぞ。


△岡田:俺、岡田 慎太郎と言います。この放送局で技術者をしていました。

    妻と娘を『感情ウィルス』で失いました。

    でも、最後の五日間……白石 あかりさんと、青木 さくらさんと

    過ごした時間は、俺にとって〝救い〟でした。

    ――人間は最後まで、愛することが出来る。

    希望を持つことが出来る。それを教えてもらいました。


☆白石:……ありがとうございます。

    私も、お二人がいてくれて……


△岡田:いや、こちらこそだ。

    君と出会えて、良かった。


☆白石(M):……私にも、症状が出始めてきた。

       昨日から、「嬉しい」という感覚が薄くなってきた。

       岡田さんも……でも、最後まで人間らしくいたい。


☆白石:――最後にお伝えします。

    人間は……美しい生き物でした。

    愛し合い、支え合い、希望を分かち合う、美しい生き物でした。

    『感情ウィルス』は、私たちから〝感情〟を奪いました。

    でも、最後の瞬間まで、私たちは人間でした。


△岡田(M):白石の力強い声が聞こえてくる。

       あぁ……俺の意識も曖昧あいまいになってきている……


☆白石:もし……いつか誰かがこの記録を聞いてくださったら……

    どうか覚えていてください。

    ここに、人間がいたことを。

    愛があったことを。

    希望があったことを。


△岡田(M):不思議と平安な気分だ、恐怖はない。

       やるべきことを、やり遂げた。

       彼女と一緒に、最後まで戦えた。


☆白石:(※最後の力を振り絞って)

    FM 79.5、ミッドナイト・カフェ。

    白石 あかりと岡田 慎太郎が、最後までお送りしました。

    さくらちゃん、ありがとう。

    岡田さん、ありがとう。

    そして、聞いてくださった皆さん、ありがとうございました!


☆白石(M):人間でいられて、良かった。

       愛することができて、良かった。

       最後まで希望を持てて、良かった。


☆白石:――それでは……おやすみなさい……私たちが愛した世界。



(END)

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