第2章 第7話 絶望
カンダタ「どうしても俺と戦うというのか、面白い。ならば望み通り相手をしてやろう。かかってこい」
カンダタはそういうと腰を低くおろし、構えた。
清川「はぁ~」
清川はカンダタに向かって突進すると力を込めた右手の拳で顔に向けてパンチした。
カンダタはそれを左手で受け止めると力強く拳を握りしめた。
清川も負けじと拳に力を入れた。
だが長年大盗賊として生きてきたカンダタと、鍛えたとはいえ元はただの女子高生の清川の力が敵うはずもなかった。
清川は右手の拳の力を抜き、今度は左手で同じようにパンチした。
カンダタはそれを右手で受け止めた。
清川は両手の自由を奪われカンダタとの力比べのような感じになった。
カンダタ「どうした、その程度か」
カンダタは余裕の表情で(とは言ってもマスクで顔を隠していた為表情はわからないのだが)清川を見つめた。
そんな時だった。
片桐「望、離れて~」
後方から片桐の声が聞こえた清川は両手を離し咄嗟にその場から離れた。
その瞬間片桐の放った巨大な氷の塊が頭上からカンダタを襲った。
カンダタ「ふ~ん」
カンダタは右手の拳に力を入れると飛び上がりなんと巨大な氷の塊を破壊したのである。その為辺りに破壊された氷の破片が降り注いだのである。
だがそこへ剣を振りかざした詩織がカンダタを切りつけようとした。
カンダタは詩織の攻撃を間一髪でかわしその場から離れた。
かわしたとはいえ詩織の一撃はカンダタの服の一部を切り裂いていたのである。
カンダタ「やるじゃ~ないか、見事な連携技だ」
カンダタはそういうと今度は自分の方から清川、片桐、詩織の3人に向かっていった。
清川は咄嗟に詩織と片桐を背にすると自分からも向かっていった。
カンダタは清川に向けて連続でパンチを繰り出すと、清川もまた同じように連続でパンチを繰り出しカンダタの攻撃を受け流そうとした。
だが経験の差かだんだんと押し返されていった。
そしてカンダタの強烈な一撃が清川を捉えた。
清川「ぐはっ」
清川は呻き声をあげると吹き飛ばされた。
詩織「清川さ~ん」
片桐「望~」
虹野は慌てて清川の元に立ち寄り回復呪文をかけた。
虹野「大丈夫清川さん?しっかりして」
清川「私は大丈夫だよ。ありがとう」
清川は攻撃を受けた腹を押さえた。
その間カンダタは詩織や片桐とはげしい攻防を繰り広げていた。
片桐は必死で詩織を援護していた。
清川は再び片桐と詩織の元に走っていった。
カンダタ「おまえ達ここまでよくやった。だがお遊びはここまでだ」
カンダタはそういうと全身に力をいれた。
その時虹野はとても不吉な気配を感じた。
詩織達は何か大きな攻撃がくると感じ防御の体制に入った。
片桐は咄嗟に自分達にスクルトの呪文をかけた。
この呪文によって片桐達の守備力が上がった
虹野「いけない。みんな離れて~」
虹野はそう叫んだ。
片桐達が虹野の方を振り向くとカンダタは
カンダタ「これでも喰らえ、真空波~」
カンダタは全身から大きな真空の刃を放ったのである。
詩織・片桐・清川「きゃあ~」
詩織達は真空波の刃の嵐によって全身を激しく切り刻まれ吹き飛ばされた。
虹野「みんな~」
スクルトをかけたとはいえ、詩織達は瀕死の重傷を追わされ立ち上がる事ができなかった。
虹野「どうしよう、このままだとみんなが、みんなが~」
虹野は絶叫した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます