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2025年11月22日 03:16 編集済
正直な所放射性降下物とその核兵器への影響を「過分に見積もりすぎ」ている気がします(啓蒙の意味でわざと酷く描写しているんでしょうけど)。米ソ冷戦中に両国が頻繁に原子爆弾より破壊力も放射性物質も多い(核融合のために原爆使っているし)水爆をパカパカ大気中で爆発させていましたが、ここまでの放射能被害は起きていません。ロシアなんぞはほぼ北極圏のノバヤゼムリャ島やカザフスタンのセミパラチンスク核実験場で世界の核実験の四分の一を実施していますがセミパラチンスクはともかく、北極圏の海流や風の流れを見てもここまでの被害は起きてません。日独両方に勝者を作りたくは無いんでしょうが、ここまでの被害は起き得ないと思います。広島だって終戦直後は原爆投下によって以後数十年は植物も生えないなんて言われてましたが現在の姿を見たらそんな事は無いと言えます。返信ありがとうございます。もっと言えばロンドンへの核兵器投下より沖縄の悲劇の描写の幾つかは「あり得んな」っていう部分が多々ありました(ロンドンのもツッコミどころ満載でした(空中投下なのにクレーターが出来たり)がそれはともかく)。これは戦艦への核兵器の戦術的運用を戦後戦艦「長門」に対して行った米軍の報告書でも明らかで、駆逐艦や軽巡洋艦クラスならともかく大戦期までに建造された超弩級戦艦ほどの厚みの金属だと原子爆弾程度の放射線の多くは直下でもない限りその分厚い装甲に阻まれてしまい艦内の兵員の多くは生き残るという報告が残っています(当実験に使用されたのは原爆より強力な水爆です)。>反戦小説としての側面を強調するための演出的な選択正直、反戦小説というより反核・反原発小説のように読み取れる程描写が極端だったように見受けられます。これは、沖縄での核兵器の使用程度では足りずもっと手前の段階で大出血を伴っていなければ米軍は止まらない可能性のほうが高いからです。それこそドイツならベルリンに押し寄せる前、「ラインの守り」作戦辺りで連合国軍に核攻撃を行わない限りスターリンはそのまま止まらず総統大本営を制圧してしまうかなと戦術的にも戦略的にも「あの男」ならやると思います。P.S その後の核汚染という意味ではチェルノブイリ原発事故による放射性物質の拡散の方が酷かったですね。原子力発電は言うなれば「不純物の多い」低濃縮ウランを燃やすため核のゴミが排出されやすく、特にチェルノブイリ原発事故を起こしたソ連型黒鉛減速原子炉は「蓋のない練炭を縦置きした」ような構造だったため爆発事故が起きると中身の様々な放射性核種が全部出てしまうとんでもない構造の原子炉でした。
作者からの返信
ご感想をいただき、ありがとうございます。作品を深く読み込んでいただいていることが伝わり、大変嬉しく思います。 ご指摘の通り、本作では核兵器の被害、特に放射性降下物の影響を意図的に過酷に描写しています。特に第13話と第14話における核攻撃の描写は、物語の構成上、より凄惨に、より生々しく書くことを意識しました。これは反戦小説としての側面を強調するための演出的な選択でもあります。 冷戦期の核実験の実例を挙げていただきましたが、まさにその通りで、実際の核実験による被害は作中の描写ほど壊滅的ではありませんでした。広島の復興も、当初の予測を大きく覆すものでした。 第四部ではなく第五部の話になってしまいますが、18話でエミリーがテラーやフェルミを引き合いに出して懸念を示した「水爆による北半球絶滅」については、実は当時真剣に議論されていた「核爆発による大気海洋発火説」(Atmospheric Ignition)という仮説に基づいています。1942年のマンハッタン計画初期、テラーが核融合反応が大気中の窒素を連鎖的に燃焼させる可能性を提起し、ベーテらによる計算で否定されるまで、科学者たちの間で真剣な懸念事項となっていました。 核の研究が進むにつれてこれらの懸念は杞憂であることが判明したわけですが、問題は当時、核兵器の影響を十分に理解しないまま開発だけが先行していったという歴史的事実です。この「わからないまま進む恐怖」こそが、メアリーの最終的な発言へと繋がっていくのですが、現状の物語ではその流れを上手く伝えきれていないかもしれません。 この辺りに関しては、いただいたご指摘も踏まえ、改稿をする事がありましたら、その時に再検討したいと思います。ありがとうございました。
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正直な所放射性降下物とその核兵器への影響を「過分に見積もりすぎ」ている気がします(啓蒙の意味でわざと酷く描写しているんでしょうけど)。
米ソ冷戦中に両国が頻繁に原子爆弾より破壊力も放射性物質も多い(核融合のために原爆使っているし)水爆をパカパカ大気中で爆発させていましたが、ここまでの放射能被害は起きていません。
ロシアなんぞはほぼ北極圏のノバヤゼムリャ島やカザフスタンのセミパラチンスク核実験場で世界の核実験の四分の一を実施していますがセミパラチンスクはともかく、北極圏の海流や風の流れを見てもここまでの被害は起きてません。
日独両方に勝者を作りたくは無いんでしょうが、ここまでの被害は起き得ないと思います。広島だって終戦直後は原爆投下によって以後数十年は植物も生えないなんて言われてましたが現在の姿を見たらそんな事は無いと言えます。
返信ありがとうございます。
もっと言えばロンドンへの核兵器投下より沖縄の悲劇の描写の幾つかは「あり得んな」っていう部分が多々ありました(ロンドンのもツッコミどころ満載でした(空中投下なのにクレーターが出来たり)がそれはともかく)。
これは戦艦への核兵器の戦術的運用を戦後戦艦「長門」に対して行った米軍の報告書でも明らかで、駆逐艦や軽巡洋艦クラスならともかく大戦期までに建造された超弩級戦艦ほどの厚みの金属だと原子爆弾程度の放射線の多くは直下でもない限りその分厚い装甲に阻まれてしまい艦内の兵員の多くは生き残るという報告が残っています(当実験に使用されたのは原爆より強力な水爆です)。
>反戦小説としての側面を強調するための演出的な選択
正直、反戦小説というより反核・反原発小説のように読み取れる程描写が極端だったように見受けられます。
これは、沖縄での核兵器の使用程度では足りずもっと手前の段階で大出血を伴っていなければ米軍は止まらない可能性のほうが高いからです。
それこそドイツならベルリンに押し寄せる前、「ラインの守り」作戦辺りで連合国軍に核攻撃を行わない限りスターリンはそのまま止まらず総統大本営を制圧してしまうかなと戦術的にも戦略的にも「あの男」ならやると思います。
P.S その後の核汚染という意味ではチェルノブイリ原発事故による放射性物質の拡散の方が酷かったですね。原子力発電は言うなれば「不純物の多い」低濃縮ウランを燃やすため核のゴミが排出されやすく、特にチェルノブイリ原発事故を起こしたソ連型黒鉛減速原子炉は「蓋のない練炭を縦置きした」ような構造だったため爆発事故が起きると中身の様々な放射性核種が全部出てしまうとんでもない構造の原子炉でした。
作者からの返信
ご感想をいただき、ありがとうございます。作品を深く読み込んでいただいていることが伝わり、大変嬉しく思います。
ご指摘の通り、本作では核兵器の被害、特に放射性降下物の影響を意図的に過酷に描写しています。特に第13話と第14話における核攻撃の描写は、物語の構成上、より凄惨に、より生々しく書くことを意識しました。これは反戦小説としての側面を強調するための演出的な選択でもあります。
冷戦期の核実験の実例を挙げていただきましたが、まさにその通りで、実際の核実験による被害は作中の描写ほど壊滅的ではありませんでした。広島の復興も、当初の予測を大きく覆すものでした。
第四部ではなく第五部の話になってしまいますが、18話でエミリーがテラーやフェルミを引き合いに出して懸念を示した「水爆による北半球絶滅」については、実は当時真剣に議論されていた「核爆発による大気海洋発火説」(Atmospheric Ignition)という仮説に基づいています。1942年のマンハッタン計画初期、テラーが核融合反応が大気中の窒素を連鎖的に燃焼させる可能性を提起し、ベーテらによる計算で否定されるまで、科学者たちの間で真剣な懸念事項となっていました。
核の研究が進むにつれてこれらの懸念は杞憂であることが判明したわけですが、問題は当時、核兵器の影響を十分に理解しないまま開発だけが先行していったという歴史的事実です。この「わからないまま進む恐怖」こそが、メアリーの最終的な発言へと繋がっていくのですが、現状の物語ではその流れを上手く伝えきれていないかもしれません。
この辺りに関しては、いただいたご指摘も踏まえ、改稿をする事がありましたら、その時に再検討したいと思います。ありがとうございました。