第二部あとがき
第二部「加速する闇」は、まさにタイトル通り、世界が「闇」に引き込まれていく過程を描きました。
東京の密室で下された決断、極寒のノルウェーで凍りついた命、満州の鉱山で無惨に消費される労働者たち、そしてベルリンや東京で揺れる科学者たちの心。
それぞれの場面は別の地点で起こっていながら、一つの点で収束しています。
それは――「原子の火を人類史上、誰が一番最初に解き放つか?」という一点です。
歴史的には、連合国が先んじて原爆を完成させ、戦争の帰趨を決しました。
しかしこの物語の世界では、歯車が一つ違うだけで、闇は別の方向へ加速していく。
科学の進歩が人間の幸福ではなく破滅を招くとき、国家の論理と個人の良心はどう対立するのか。
第二部は、そうした問いを突きつける章群となりました。
ここまでの物語で描かれたのは、まだ「準備段階」に過ぎません。
次の第三部「臨界点」では、加速した闇がついに火を噴き、人類が後戻りできない瞬間に踏み込むことになるでしょう。
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