スマホと依存についての考察
みんながスマートフォンを自分で見るときの目とスマートフォンの間の距離は、大抵20~30㎝程度だろう。それ以上長い人は、多分目が良いのだろう。この長さは、人と人との親密度を測る距離と深く関係がある。
パーソナルスペースという概念が存在し、二人の人間間の距離が近いほど、親密度が高いことがわかっている。
また、親しくない間柄だった場合、片方が相手の許す範囲を超えてパーソナルゾーンに踏み込んだ場合、相手は無意識に後ろに下がってしまいます。これを自己防衛的後退と言いますが、これは、本能的に中身の知れない相手に対して、距離をとって身を保全するために無意識に行っています。
果たして、スマートフォンがこの距離より外にある状態で、その機械の魅力を最大限に発揮できるでしょうか?
結果から言うと無理ですね。人間の平均的な上腕と前腕の長さを足すと、だいたい50~70㎝と言われており、この上腕前腕をピンと伸ばした距離で観るのは、日本人の平均的な視力では難しいと言われています。
となると、腕を曲げないとスマートフォンの表示した内容を把握できない。ということは、50~70㎝よりも距離が短くなる。というわけです。
さて、ここでパーソナルスペースについてみて見ましょう。
公衆距離である360㎝以上は、面識のない人同士の距離。
社会距離である120~360㎝は、同僚や取引先との距離。
個体距離である45~120㎝は、親しい友人や同僚との距離。
親密距離である45㎝以下は、親子や恋人などの親しい間柄の距離。
さて、すなわちです。もうスマートフォンは、生まれたときから、親や恋人よりも近い距離にいるのです。
となると、次はこの距離で何が起こるのか、心理学的に分析してみましょう。
たとえば、猫ちゃんがマタタビにメロメロになったり、我々が甘い食べ物に夢中になたりするとき、「白目剥いてる」とか『目が寄ってるで』とか言います。(とりあえずここんところは言うと言うことにしてください。)
これは、対象に対して、影響を受ける側の生体で、ドーパミン作用が働くから、白目を剥いたり、目が寄ったりするのです。
では、話は変わりますが、『辛い時ほど笑え。』と言いますよね。これは、脳はその時その時の表情を感知して、その時の感情を理解しているから、脳に楽しいのだと思い込ませる必要があるときに言われるライフハックです。
さて、何故そんな話をするかというと、僕たちは、スマートフォンとの距離が近すぎて、遠いものを見る時よりも、無意識に、自然と、目が寄っていると思います。
だから、脳は、『あ、コイツ今ドーパミン出てるはずの快感を得ている状況だな。』と理解し、面白くもない動画を見ているのにも関わらず、それが止められない、依存状態を作っているという説です。
長々とした説明になりましたが、僕の見解は以上です。
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