第2話 あなたに会いたかった
ブロックボタンを押して、俺はコーヒーのおかわりをしようとして、ちょっと混雑しているので、並んでいた。
ギャル女子高生が帰ろうとして、一人が俺のパソコンの画面を見て、何かに気づいた。
「恵理ー帰るよー!!」
「分かったー!ちょっと先行ってて、、、」
ギャル女子高生の一人が俺のパソコンをずっと見ていた。俺は並んでいて、見られているのに気づかない。
コーヒーをやっと受け取り、席に戻ろうとすると、ギャルの女子高生が一人泣いていた。
俺は、、、
「どうかした?」
と聞いた?
「あなたがこのパソコンを持っている人ですか?」
「そうだけど、、、」
泣きながら、ギャルが言った。
「私のアカウントブロックしてる画面が見えて、、、そして、このアカウント名、、、」
しまった!!と私は思った。ブロックボタンを押しただけで、画面はしっかりと彼女の名前にブロック画面の名前が記入されていて、私のアカウント名が端っこに載っていたのだ。
「私はお邪魔でしたか?」
と泣くのを堪えながら、ギャルが言う。
「いや、そういう訳ではなく、、、」
言い訳が見つからない、、、
そして、ギャルは
「私は先日、乳癌の切除が終わり退院しました。私は始め癌と聞いて、訳もわからず、入院しました。そして、ネット小説を紹介され、あなたの作品に出会いました。」
俺はうつ向いてた、、、
ただのネット小説の一人の投稿者と思っていたギャルが重い病気の中で、俺なんかの小説を読んでくれたなんて、、、
その先は言われなくても、大体口調で分かる。
俺の作品をあんなにも質問してくれたのだか ら、、、
きっと、俺のバカな小説でも、彼女には突き刺さる何かがあったのだろう。
少しの時間、沈黙した。
しかし、彼女は口を開いた。
「嘘でもいいから、あなたに会いたかったです。」
と言って、
「まさか、本当に出会えるなんて、、、神様からのプレゼントです。」
と両手で顔を覆った。
俺は何とか冷静を装って
「ごめん。俺はバカだね。こんなにも俺なんかの趣味でやっているネット小説にハマってくれる人が居てくれたなんて、、、」
俺はそれくらいしか彼女には言えなかった。
そして、ブロックを解除しようとしたが、ブロック解錠の暗証番号を忘れていた。
それを知った彼女は
「じゃあ、SINEだけ交換してもらっていいですか?」
(SINEはみんな使っている、〇INEの事。)
俺も、
「それくらいだったら、構わないよ。」
と交換して、
「恵理ぃぃ、どうかした?」
友人のギャルが呼びに来た。
「ううん、何でもない!帰ろう。」
恵理と呼ばれる俺のフォロワーは帰った。
まさか、フォロワーは女子高生ギャルだったとは、、、
こんなしがない会社の営業マンの趣味の小説の何が良いんだろ?
と思ったが、もう営業先に行く時間だ。
急いで支度して、コーヒーは、飲まずに片付けて、営業先に向かった。
そして、帰って、夜にSINEを見たら、
「お会いできて嬉しかったです。
私の名前は赤坂 恵理です。」
と丁寧に書かれた、SINEが来ていた。
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