第2話 家慣らし
登場人物(と猫)
ユー(マンチカン)
気性が荒い子。手足も毛も長く、目が鷹のように鋭い。普段は素直だが、急に襲いかかることも…。
ノン(スコティッシュフォールド)
“可愛い”を追求して生きている子。どうしたら「可愛い」と言われるかを常に研究中。超絶あざとい女の子。
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第2話 家慣らし
そんなこんなで我が家にやってきたレッドタビーのノル。
もう、購入した瞬間から大変だった。
ペットショップでは持ち出し用の専用段ボールに入れられるのだが、うちの子はそれをガジガジ…。
会計時には段ボールに穴を開け、鼻を突き出す始末。
「わ~! 可愛い!!」
レジに並んでいた人が歓声を上げるほどだ。
※本来なら段ボール越しなので中身は見えない。が、破壊神ルイは顔を出してしまったのであった。
車に乗せて30分…。
段ボールの穴はさらに拡大し、家に着く頃にはすっかり顔が飛び出していた。
――ねぇ、これ本当に“ペット用の段ボール”だよね?
生後2か月で、むしろ体は弱いはずじゃなかった?
なにこの怪力子猫w
そんなやんちゃぶりを見て、名前はすぐに決まった。
その名は、ルイ。
* * *
さて、問題はここから。
先住猫がいる家に新しい猫を迎え入れるとき、飼い主はものすごく気を使わなければならない。
基本は「新入りは檻に入れて、まず家に慣らす」。
安全地帯を作ってストレスを減らし、さらに先住猫との衝突も防ぐためだ。
いきなり放せば、ルールを知らない新入りが先住猫の逆鱗に触れて喧嘩になる恐れがある。
……とはいえ猫は鼻が利く。
「知らない匂い」がすぐにバレてしまい、偵察に来る。
そこで私は、ルイを檻に入れた状態で、先住のボス猫ユーと、“可愛い至上主義”ノンを合わせてみた。
ところが意外にも――
ボスのユーはクンクンと匂いを嗅いでおだやかにご挨拶。
逆にノンが「シャーーーッ!」と大激怒!
---ここから飼い主の妄想タイム・猫語翻訳---
ユー
「お、新入りか? 俺はこの家のボスだ。言うことはちゃんと聞けよ?」
ルイ
「はーい! おやびん! よろしくお願いします!!」
ノン
「なによこの子! 可愛いじゃん!! ふざけないでよ!!」
ルイ
「何このおばさんw 怖すぎて草www」
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その後は慎重に、少しずつ慣らしていく日々。
ルイを部屋で自由に歩かせ、飼い主がいないときは檻に戻す。
ときどき先住猫たちと顔合わせし、険悪になりそうならすぐ解散。
そんな生活を1か月続け――ついにルイは完全フリーとなったのであった。
※これは“瀬田川家流”の新猫導入法です。良い子は真似しないでください。
本来は 1か月ほど新しい猫を完全に隔離して、まず家や環境に慣れさせてから、少しずつ先住猫と対面させる のが理想的な手順です。
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