第17話 坑道の奥で待つもの
暗い坑道をさらに進むと、空気が一気に重くなった。壁の鉱石がぼんやりと光を反射し、奥から低いうなり声が響いてくる。全員が無言になり、緊張で喉が張り付くようだった。
「……出るぞ」戦士が低くつぶやく。少女が矢をつがえ、青年が松明を高く掲げる。その炎に照らされ、影が大きく揺れた。
そして、暗闇の奥から現れたのは――巨大なトカゲのような魔物だった。うろこは鉱石のように硬く光り、赤い目がぎらりと光る。
「な、なんだよあれ!?」
――《解析完了。種別:坑道トカゲ。体長三メートル。推定戦闘力、マスターの約25倍》
「また倍率おかしいだろ!」
魔物が咆哮し、前脚で地面を叩く。振動で天井から砂と石がぱらぱらと降ってきた。
「行くぞ!」戦士が突撃。少女の矢が魔物の目を狙うが、鱗にはじかれて弾かれる。青年は素早く背後を回り込むが、尻尾の一撃で吹き飛ばされた。
「やばい、どうすんだよ俺!?」
――《提案:石を投げる》
「またそれかぁぁ!」
俺はやけくそで足元の石を掴み、全力で投げた。石は魔物の口に吸い込まれるように入り込み――「ぐぼっ」とむせて咳き込ませた。
「い、今だ!」
戦士が剣を振り下ろし、少女の矢が隙を突く。青年も立ち上がって短剣で脚を切りつけた。
魔物は苦しげにのたうち、ついに地面に倒れ込んだ。坑道が静まり返る。
「……か、勝った……?」俺は尻もちをつき、心臓がバクバク鳴るのを押さえた。
「すごい! 決定打は君だ!」少女が目を輝かせる。
「いやいや! 俺、ただ石投げただけで――」
――《訂正:英雄的投擲と記録します》
「修正すんな!」
こうして俺たちは、初めての大きな魔物戦をどうにか乗り越えたのだった。……俺の胃は、もう限界寸前だ。
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