終章2 それぞれの道

シンとキンはシンの屋敷に向かう。キアータ・キン[シンの親父さんに会うのも久々だな、、孤児院の援助の礼も言わねばなるまい]息子の親友と言う事で少し増額して貰っていた、それだけで充分8人の子供達が助かっている、父グランの部屋の扉を叩く。ミヤト・シン[父さん、キンを連れて来ました] ミヤト・グラン[うむ、入りなさい]一礼して入る。キ[お久しぶりです、グランさん] グ[久しぶりだね、キン君]グランはキンを見る。グ[うむ、精悍な顔付きになったな]にこやかに言う。キ[そうですか、グランさんにそう言ってもらえて嬉しいです、そして孤児院の援助、本当にありがとうございます]深く頭を下げる。グ[頭を上げなさい、キン君、、街の長として当然の責務だ] キ[話があるとシンから聞かされましたが] グ[うむ、、その事を今から話そう]グランの話はキンに街の長になってくれないかとの事だった、本当はシンに20になったら諸外国へ勉強に向かわせ30になったら継がそうと思っていた事、しかし火の加護を得て火の国の王になってしまい私に火の国の発展を手伝って欲しいと言われた事、そして悩んだ末に故郷の火の国へ戻り息子の手伝いをしたい事をキンに伝える。キ[なるほど、、しかし私は今年18になる若輩者、、それに学もありません、とても務まりませんし街の皆も納得しないでしょう] グ[キン君、君は11の頃から働き子供達の面倒を見、そして諸外国を旅をして色々な人と出会い学び経験をした筈だ、、更に地の加護まで、、もう充分、過ぎる程に経験を得ている、大事なのは学ではない経験だと私は思う、知識だけあっても体験して見ないと解らないだろう] キ[えぇ、、そうですね、、少し考えさせて下さい] グ[あぁ、無理にとは言わん、考えてくれ]グランはシンを見て退席を促す。シ[キン、1人になって考えたいだろう、外に行こうぜ] キ[あぁ]キンとシンは一礼して部屋を出る、廊下の途中シンが話す。シ[すまんなキン、、本当は俺が継ぐ筈だったんだ] キ[そう言ってたな] シ[卑怯な事を言う、出来ればお前が継いでくれれば父さん、母さんは安心して故郷に帰れる、断れば残って継げる者を育てるだろう、俺は早く父さん、母さんに故郷へ戻って欲しいんだ] キ[団長は無理なのか?人格、経験、申し分ないと思うが] シ[団長は本国の兵だ、任務期間が終われば戻る] キ[そうか、、晩に返事をしに来る] シ[あぁ、、父さんが言ってたが無理にとは言わん待ってるぜ]玄関で別れるとユリの屋敷に向かう、下からユリの部屋を見るがカーテンがしてあって解らなかった、加護者同士なら、どっちかが加護化すれば気配を感じるが今はしていないので解らないのだ、キンは周りを確認して加護化すると玄関からユリが出てきた。ユ[どうしたの、キンちゃん] キ[すまん、少し話がある]庭に移動してグランの事を話す。ユ[良いんじゃないかな、、悲しい事だけど私のお母様、家柄とか身分を気にする人なの、、そうゆう風に育てられたのだから仕方ないんだけどね]伏し目で言うユリ。キ[そうか、、休んでる時に、すまなかった] ユ[ううんエリと旅の話をしてただけだから] キ[じゃあ、また]キンはそう言って子供達の待ち合わせの場所に行くのだった。昼になりキンはシスター3人と子供達8人で市場を歩く。キ[欲しい物は2つまで、あまり高い物は駄目だぞ] 子供達[は〜い、ありがとキン兄ちゃん]子供達は元気良く返事する。キ[シスター達も何か買って下さい、お金は心配いりませんから]キンは袋に入った金貨を見せる、最初は遠慮していたシスター達も1つだけ買った、皆は満足気に買い物を済ませ食事をして孤児院に帰宅する。シスター[私達まで、ありがとねキンちゃん]年長のシスターが礼を言う。キ[いえ、、じゃあ皆は部屋で休みなさい] 子供達[は〜い]喜びながら部屋に戻る、今日、買って貰った物を各々見せ合うのだろう。キ[シスター少し話があります]キンはシスター3人にグランの件を話す、シスター達は驚きつつも喜んで賛成してくれた。キ[でわ、返事をしてきます、遅くなりますので鍵を閉め寝ていて下さい]そう言ってシンの屋敷に向かう、シンは庭で座禅をしていた。キ[シン、返事をしに来た、昨日のあの場所に行くぞ] シ[はぁ?ここじゃ無理なのか] キ[あぁ]シンはキンを見ると斧を持っていた、不思議に思いつつも昨日カズとキンが戦った場所に着く。シ[ふぅ~やっぱ加護化だと直ぐだな] キ[そうだな] シ[んで条件は?]この場所に着くとシンはキンが言いたい事が解った。キ[武器有り、加護有りだ、、俺から日が変わる前に1本、取れたら話を受けよう]斧を構える。シ[だから槍ね〜んだよ最初に言えよ] キ[あっ、、]言うの忘れてた見たいな顔をするキン、少し考え言う。キ[朝の炎の槍で来い] シ[あれか]シンは炎の槍を作って構える。シ[さっき、日が変わる前にって言ったな、、半刻ありゃ充分だ] キ[ふふっやってみろ、、あっ、青い炎は禁止で頼む]にやりとするシン。シ[わっ〜てるよ]そう言って突撃するのだった、、激しく打ち合うシンとキン、先の先のシン、後の先のキン。キ[ったく(カズと一緒だな、、速さと手数で押してくる)]シンの猛攻を斧と硬化した手で捌き防ぐ。シ[ちっ(昨日カズと戦ったばかりなのに疲れてね〜のかよ)]キンは硬化した手で槍を掴み引き寄せ、斧を離しシンの顔面に渾身の拳を叩き込む。シ[ぐがぁ]シンは大きく吹っ飛び倒れる、キンがシンに近付く。キ[ふむ、、やはりカズとお前を、思いっ切り殴ると気分がすっきりするな、、半刻は過ぎたぞシン]にやりと笑う。シ[ぐぅぅ~そうかよ、、なら今度は俺がお前の顔面を殴ってすっきりしてやるよ]立ち上がり炎の玉を作る。キ[待てシン、それは使うな、避けたら周りの木々に燃え移って火事になる] シ[そうだな]素直に納得すると炎の玉を消す。シ[んじゃ、力で押し切るしかね〜な]再び突撃するのだった、、更に半刻が過ぎ間合いを取るシン。シ[(くそ〜攻めきれん、、本当に硬いな、あの野郎)]1刻の間に2本、取られたシン、槍の掴みを警戒しながらの攻撃はやはり手数が減ってしまう。シ[(斧で、どつかれるし2本も取られてしまった、、2本?、、2本、これだ)]2本の槍を使う所を目を閉じ想像する。シ[(出来る、俺なら出来る)]想像を済ませ目を開く。キ[ん?(顔付きが変わった、、来る)]シンは素手のまま間合いを詰めると槍の間合いに入った途端に両手に炎の槍を出現させる、この2手に驚かされたキン、判断が遅れシンの2本の連撃を捌ききれず顔に炎の槍を突き付けられた。シ[1本だ] キ[あぁ]斧を下ろすとシンも炎の槍を消す。シ[はぁ~やっとかよ]その場に座る。キ[良くやったな、、お前は不利な状況でだ] シ[不利?] キ[何だ気付いていないのか、お前は剣技だけで1本、取ったんだ、炎の玉や青い炎無しでな] シ[いや、炎の玉は本当に山火事になるし青は危険だ試合じゃ使えん] キ[ふふっそうだな]手を差し出すキン、シンは掴み立ち上がる。キ[約束だ街の長、受けよう] シ[へへっありがとよ、んじゃ報告に行こうぜ]2人は加護化してグランの元へ向かうのだった、、グ[そうか、、キン君、ありがとう] キ[いえ、引き受けるからには頑張ります]胸を張って答えるキン。グ[2人共、何だか晴れ晴れとした顔をしているな]笑顔になるグラン。シ[えぇ先程1戦やりまして世界征服は厳しいと教えられたところです] キ[そうだな、俺とカズを倒せないと無理だな]笑顔で言う。グ[そうか厳しいか、、わっははは]笑い合う3人、そして話が進む。グ[シン、お前は明日、国に戻るのだったな] シ[はい] グ[でわ、私はキン君に仕事を教え終わったら行くとしよう] シ[いつ頃になりましょう] グ[引き継ぎや教える事、そして水の王にも伝えねばならんしな、30日もあれば終わる、火の国の本国に着くのは40日くらいだろう]そこでキンは言った。キ[明日はまだヒロが居ますので本国へ運んでもらいましょう、そして引き継ぎが終われば荷車になりますが俺が運びます、そうすれば早く火の国へ着く事が出来ます]シンがキンを小突く。シ[おいおい、父さんにあれさせる気か、、俺達でさえ、かなり日数が掛かったぞ] キ[あほ、イチさん達など半刻も掛かってない、グランさんなら平気だろう] グ[ん?あれとは何だ]シンが説明する。グ[ははっ、この年でまだ新たな体験が出来るとはな、、ヒロさんによろしく頼むと伝えてくれ] キ[わかりました、明日の昼頃に出発しましょう、シンお前はいつなんだ?] シ[朝には出る、見送りはいい]拳を差し出すシン、キンも拳を合わす。シ[父さんのこと頼む、、お前なら安心だ] キ[あぁ任せてくれ]話は終わりキンはヒロに報告して帰るのだった、、朝、シンは荷造りを済ませ玄関に立つ。シ[でわ、父さん、母さん先に本国でお待ちしております] グ[うむ] シル[えぇシンも気を付けて]2人に見送られ加護化すると走って行く、3刻程、走ると本国フレイムに着いた、城門前に親衛隊2人とマグニ、トール、センカが5人が待っていた。シ[どうした何かあったのか?] チュード・マグニ[おかえりなさいませ、シン王、いえ昨晩ヒロさんより昼前に着くと知らせがありまして待機しておりました]親衛隊とマグニ達が頭を下げる。シ[そうか出迎えありがとう、早速だが昼食を食べ終わった1刻後、政治部門と各隊長達を本国に居る人だけでいい、軍議室に集まるように頼む] マ[御意] スレイ・センカ[シン様、、グレン・レッカ様の対応は如何致しましょう] シ[あ〜、、そうだったな、、センカ、今から案内してくれるか] セ[はっ] シ[でわ、後は頼むマグニ、トール] マイン・トール[はっ]シンは親衛隊1人を連れセンカと共に前王グレンの次女グレン・レッカの部屋へと向かう、扉を叩くが反応が無い、しかし中に人の気配があるのは3人、解っていた、もう一度、叩き反応を待つ、親衛が頷きセンカが扉を開ける。セ[失礼、開けますよ、グレン・レッカ様]扉を開け親衛が先に入り中を見渡す、手で大丈夫の合図を送り続いてセンカが入り最後にシンが入る、中には後ろ向きに立つ朱色の髪をした女性が居た。セ[レッカ様、どうなされたのですか]声を掛けるが返事が無い、シンが近付き声を掛けるが、それでも反応が無い、肩に手を置こうとした瞬間シンの心臓目掛けて短剣が疾走る、それを上回る速度で親衛の剣が防いだ、返す剣でレッカの首元に剣を当てる。グレン・レッカ[、、、何故、斬らぬ王殺しは死罪ぞ]顔色を変えず冷静に言う。セ[レッカ様、何故この様な事を、、] レ[何故?お前達こそ何をしている、目の前に居るのは、グレン・バニング、、我が父にして王の仇ではないか]センカと親衛は返す言葉も無かった。レ[特に隊長格と親衛は父、自ら鍛錬し共に鍛えた仲、それを忘れ新たな王に忠義を尽くすなど言語道断]シンを睨み付けるレッカ。シ[そうだ、、俺がお前の父と兄を殺し新たな王だ] レ[くっ、、もうよい、さぁ斬れ、、この様な国に未練も何も無いわ]親衛は剣を当てたまま言った。親衛[シン王、、申し訳ありません、王殺しの罪、自分が被りますゆえ、どうかレッカ様をお許し下さい]レッカに当てた剣で自らの首を斬ろうとするが加護化したシンが剣を掴む。シ[ふぅ~危ねぇ、、自害は許さん、王殺しなど起きていない良いな]親衛を睨み言う。親衛[はっ]剣を納め下がる、シンもセンカに下がれと合図を送り、シンとレッカ2人が対峙する、レッカが優しく微笑むと言う。レ[茶がありますの用意しますわ] シ[頂こう]シンがそう言うとレッカが手際良く茶を淹れ差し出す。レ[毒入りですが、どうぞ] セ[シン王]センカが声を上げ剣に手を伸ばす、それをシンは手で待てと制すとセンカは歯を食いしばり待機する、親衛は悔いていた、あの瞬間、首を刎ねておけば良かったと、シンは毒入りの茶を一気に飲み干すと少しして口元から血が垂れる、そして顔は青ざめ手が震えている。シ[この毒は、、効くな、、あらよっと]加護化すると一瞬で毒が消える。シ[教えておこう、加護者を殺すのは心臓か頭を破壊する、それか首を刎ねる事だ、毒や生半可な傷など治癒してしまう] レ[えぇそうでしたの、今後の参考にさせて頂きますわ]悪びれもなく言う。シ[さてグレン殿、これからどうするのですか、旅費がいるなら用意させますが] レ[そうですわね、、貴方と結婚します]センカと親衛は驚く。セ[(何を、、今さっきまで本気で殺そうとしてたのに)]少し考えシンが言う。シ[条件が2つある、俺を殺そうとするのは構わん、だが周りに迷惑を掛けるのは許さん、もう1つ、俺の両親の前では仲の良い夫婦を演じる事、それが出来ると約束するなら良いだろう] セ[シン王、お考え直しを]シンが寂しそうな目でセンカを見る。レ[えぇ約束します]微笑むレッカ。シ[(これが俺の背負う罪なのかもしれんな、、父、兄、国を奪った事への)]そう思ったシンだった、、、[レッカ] 16才の時、レッカはレッドの考えでメリカン国へ文化と政治を学びに4年間、留学していた、レッカはレッドの力になれる様に努力し学びに学んだ、、20になり国へ戻ると父は死に愛してたレッドさえも死んだと聞かされた、、気が狂いそうになった、そして復讐を考える、相手は伝説の加護者、不意打ちしかないと考える、レッドを殺したツミト・カズと言う男か、火の王ミヤト・シン、居場所の不明なツミトより確実に戻って来る火の王に決めた、火の国は父とレッドが血と汗と多くの犠牲によって大きくなった国だ、それを加護者だからと殺して奪うなど許せなかった、そして遂に明日、王が帰って来るとマグニから聞かされた、私の今後は王に決めてもらうと告げられた、その時しかないと思い何とか部屋まで来るように考える、前王の娘だ此処で待てば必ず来ると確信する、後は待つだけ、それまでに何度も何度も振り向き刺す練習をするのだった。[終] ラシヨ・ヒロ[それじゃ行ってきます]荷物を背負い家族に挨拶する。ラシヨ・ハロ[えぇ頑張ってらっしゃい] ラシヨ・グラス[無理はするんじゃないぞ] ラシヨ・ワンダ[元気でな]加護化して家族に見守られ出発する。ヒ[(さてと、ユリの屋敷に)]ユリの屋敷に向かう、旅に行く前に寄って欲しいと言われたからだ。グ[女性の1人旅は危険なものだが、、] ワ[ヒロなら心配の必要ないよ] ハ[本当に凄いわ、、あの子]ヒロの飛んで行った方向を3人は見送るのだった、ユリの屋敷の屋根の上に降り立つとユリが窓から出てきて屋根に上がる。ノエウ・ユリ[おはようヒロ、もう行くんだね] ヒ[おはようユリ]2人して屋根に座ると優しい風が吹く。ユ[髪、洗うの楽になったよ] ヒ[ふふっそうでしょう、、笑いながら言う事じゃなかったわね、ごめん]ユリはカズの為に髪を長く伸ばしていた。ユ[ううん、良いのよ、、ヒロも同じ気持ちだったのかなって考えてた] ヒ[ユリ、、] ユ[カズちゃんの事お願いね、ヒロ以外の女性を連れて来るの嫌だよ]ヒロを見つめるユリ。ヒ[あはは、、一応2つだけ宛はあるから] ユ[そうなんだ、、何処なの?] ヒ[1つはリアラの所ね、もう1つは、、、] ユ[ふふっカズちゃんらしいよね、そ〜いうところ]笑顔で言うユリ。ヒ[まだまだ日数があるから困ってる人を助けながら旅をするよ、ユリはどうするの?] ユ[私、、医学を学ぼうと思うの、、お父様と同じ様に人を助けられたらなって、加護もあるしね] ヒ[そっか、、大変だろうけど頑張ってね、まぁ試練を乗り越えたユリなら大丈夫か]優しい目でユリを見る。ユ[ふふっ努力するわ]2人、屋根に立つ。ユ[じゃあ、行ってらっしゃいヒロ]手を差し出す。ヒ[行ってきますユリ]握手して互いに微笑む。ヒ[じゃあ、またね]笑顔でヒロは飛び立つのだった、、、少し月日が流れ、グ[流石だなキン君、もう教える事は覚えたな] キ[ご指導ご鞭撻ありがとうございます]頭を下げる。グ[早くても20日は掛かると思っていたが15日で終わったな] キ[明日お送りしましょうか] グ[ふむ、、そうだな4ヵ国、会議まで日数も無い、お願いする] キ[わかりました、あまり大きな物は無理ですが持っていく物を玄関に出しといて下さい] グ[うむ、わかった] キ[でわ、遅くまで、ありがとうございました失礼します]キンは振り向き言う。キ[陽が出て4刻後に来ます] グ[うむ]一礼して扉を閉めると加護化して孤児院に戻る、静かに扉を開け自室に戻ろうとすると年長のシスターに声を掛けられる。シスター[毎日、頑張ってますね、、お疲れ様です] キ[体は丈夫ですから平気です]キンはこの15日間、早朝から夜遅くまでグランの仕事を覚えていた。キ[待っていたって事は何かあったのですか?] シ[ごめんなさいね、、子供達がキン兄ちゃん、帰って来たのに遊んでくれないと、毎日、遅くまで大変なら僕達も何か手伝うと]申し訳なさそうにシスターが言う。キ[ははっ、、そうでしたね、明日の昼過ぎには帰って来ます、そう言って下さい]キンがそう言うとシスターは笑顔になる。シ[本当に無理言ってごめんなさい、そう伝えますね] キ[えぇでわ、お休みなさい] シ[お休みなさい]そう返事してシスターも戻るのだった、、、朝、屋敷の玄関前にグランとシルビィが待っていた。キ[おはようございます、グランさんシルビィさん]荷車を押しながら言う。グ[おはようキン君] ミヤト・シルビィ[おはようございますキンさん] キ[これだけですか?]グランの足元にあるのは6つの中型の箱だった。グ[あぁ衣類と食器それに小物だけだ] キ[わかりました]荷物を積み紐で縛る、キン特製の座席付き荷車、長距離の移動も負担が少ない仕様になっている。グ[これは素晴らしい、、乗る人の事を考えた荷車だね] シ[えぇ素敵ですわ] キ[でわ、お乗り下さい]グランとシルビィが乗ると使用人と護衛の全員が見送りに来た。使用人[旦那様、奥様どうか向こうでも、お元気で] 護衛[旦那様と奥様の下で働けて光栄でした]皆、頭を下げる。グ[お前達も今まで良く働いてくれた礼を言う、今後は新たな長を支えてやってくれ] シ[よろしくお願いします]座席から立ち頭を下げる2人。皆[はい、ご安心を]敬礼をする。キ[でわ、出発します]頭巾を被り加護化すると歩き出す、使用人と護衛は驚いた。護衛[何て力だ、、今度の長には護衛は要らないんじゃないか]笑顔で言う。使用人[ふふっ頼もしいですね]キン達が見えなくなるまで見つめるのだった、、、休憩を挟みながら4刻で火の国の本国フレイムの城門に着いた。兵[貴方はキアータ様、今、門を開けます]火の国の軍関係者はキン達の素性を知っている。キ[ありがとう、通らせてもらう、後ろの人達は王の父と母だ] 兵[はっ]敬礼をする兵達、格関所もこんなふうに通ってきた、中に入るとシンとマグニと親衛隊の人が待っていた。シ[よぉお疲れさん、本国に入った時から気付いたぜ] キ[そうか]荷車から降りシンの前に行くグランとシルビィ。シ[父さん、母さん、キンの荷車は凄く疲れたでしょう、部屋を用意してあります、そちらでお休み下さい] グ[シン、キン君に失礼な事を言うんじゃない、彼は本当に良くやってくれた] シル[そうですよ、シン]グランとシルビィの背後でキンが手で合図を送る。シ[(何々、、あほ怒られてやんの)]にやりとするキン、それを見たシンは苦笑いをする。グ[キン君、ありがとう運んでくれて、気を付けて帰ってくれ] シル[キンさん、お疲れ様でした]2人はキンに一礼して侍女に案内される。シ[どうだ、礼に飯でも] キ[あぁ、すまん、、この後子供達と予定がある急ぎ戻るんだ] シ[そうか、、んじゃまたな] キ[俺達なら会おうと思えば会える] シ[そうか?1名あほが、ふらふらしてる奴がいるが] キ[ははっ本当に大事な時は会えるさ、あいつは]拳を出す。シ[そうだな]拳を合わす。キ[じゃあな] シ[おう]加護化して帰るキン、シンも国務に戻るのだった。 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る