第29話 新たな宝珠

[59日] 夕刻前に火の国に戻り、皆で夕食を食べ終えるとカズが言った。ツミト・カズ[リアラの事で解った事がある、皆んな悪いが少し付き合ってくれ]皆で屋上に行くとカズが話し始める。カ[解った事は、、]リアラの家族は本国の貴族だった事、奴隷制度の廃止、提案者、ソウルから第2都市へ家族事、移動を命じられ、その途中に賊に襲われ父は死亡、リアラは捕まり、母と妹は崖から飛び降り生死不明、死んだであろうとの事、そしてリアラは第2都市の奴隷場で貴族の娘だと高額で売られ買った奴がカズが殺した男と説明した。カ[と言う事だ、俺は加護者じゃなかったから復興に手伝える事が少なかった、悪いと思ったがシンの名を使って調べて貰い軍を動かし本国から第2都市まで潜伏している賊を捕らえ話を聞いたんだ、すまんシン]頭を下げる。ミヤト・シン[いや、むしろ感謝だカズ、謝らなくていい] ラシヨ・ヒロ[そっか、、リアラの家族いないんだね、ごめんねカズ、手伝えなくて]ヒロは悲しそうな顔をする、リアラの事を思い出すと悲しくなるから国の復興に注力していたのだった。シ[まだ政治的な問題、水源の発見、開墾に家畜の育成など色々ある、すまないがもう少しだけ手伝ってくれ] カ[あぁ] ヒ[えぇ] ノエウ・ユリ[うん]黙って頷くキン。シ[ありがとう、、本当に]シンは心を込めて礼を言うのだった、、[8日] それから日々が流れ火の国の革命も落ち着いた、カズは賊征伐、キンとユリは水源や開墾、ヒロは商業等の手伝いをした。シ[皆、、感謝する新たな火の国に成って一段落が着いた、各隊長達、そして政治部の人達、今日は存分に宴を楽しんでくれ、特別に100年に1度の米で作ったカレーを仕入れて来た、味わって食べてくれ] 皆[いただきます]この食べる前の挨拶も浸透してきた、隊長達から兵へ、兵から家族へ、家族から近所や友達に広まっていった、隊長達から驚きの声が上がる。隊長[な、、何だ、この米は、、] 隊[美味すぎる] 政治部[まさに100年に1度の味、、一生に1回しか食べれんとは残念だ]大絶賛の声、それを聞いてヒロはユリに労う。ヒ[大変だったね、お疲れ様ユリ、皆、喜んでるよ] ユ[ううん、前の時より楽だったから平気だよ] ヒ[そっか、、前は2000人分だったもんね]今日の宴は親衛隊5名、隊長50名、カズ達5人、政治部の30人だった。カ[ユリ、お疲れさん] シ[やっぱ、うめぇ~なユリの加護米]シンを小突く。キアータ・キン[こら、ばれる様な事を言うな] シ[あぁわりぃ]カズ達は少し離れた所で食べている。シ[カズ、、待たせたな、すまない] カ[いや、火の国が落ち着いて俺も安心だ] キ[まだ今日を入れて8日だ、まだ約束の日まで猶予はある] ユ[明日、出発するの?カズちゃん] カ[あぁ、朝から出ようと思う] ユ[うん、わかったよ] カ[ヒロ、案内、頼んだ] ヒ[えぇ、まさかカズが最後なんて、、ふふっ]食事は楽しく、終わりの刻がくる。シ[皆、宴は楽しんでくれたか]シンの声に皆、歓声で応える。シ[そうか、それは良かった、でわ、最後はあれで締めて終わろう]そう言うとシンは手を合わせる、そして皆も手を合わせる。シ[ご馳走様でした] 皆[ご馳走様でした]全員、一礼する。シ[でわ、解散、すまないマグニ、トール、センカは少し残ってくれ]使用人が片付ける中、シン達は屋上へ移動する。シ[カズ、俺達の事この3人に話していいか?] カ[ん?あぁ、、あ〜センカさんには話してしまったんだが、、]少し焦るカズ。ヒ[聞いてないわよカズ] ユ[カズちゃん、、ど〜いう事] カ[ちょっ、ちょっと待てヒロ、ユリ何か顔が恐い] キ[カズ、素直に話せ正直に]ユリが悲しそうな顔をして気にしてるのでキンが割って入る、キンの顔も恐かった。カ[2人で居る時、話しただけだ、別に何もしてね〜って、ねぇセンカさん] ユ[2人きり?]ユリが驚く。スレイ・センカ[えぇ、残念でしたが断られました]笑顔で言う。カ[ヒロ、ユリ俺を見ろ、嘘を言ってる顔に見えるか] ヒ[あんた、嘘だらけじゃん] ユ[ううん、見えないよ] カ[ユリ、わかってくれたか、あほは、ほっといてシン話してくれ] ヒ[あ、ほ、は、あんたでしょうが]カズの両頬をつねる。キ[ヒロ、もう止めろ話が進まん]キンが少し怒った顔でヒロを止める。ヒ[怒られたでしょうが] カ[あ〜、いってぇ~怒られてやんの、あほめ]かちんっときたヒロ。ヒ[私、、あほにあほって言われるの我慢出来ないの知らなかった?]にっこりと微笑みカズを見る、顔は笑っているが目が笑っていなかった、にじり寄るヒロ。シ[ヒロ、カズいい加減にしろ、話が出来ん]シンも怒っている。カ[あぁわりぃ] ヒ[ごめんなさい、皆さん]マグニ達に頭を下げる。チュード・マグニ[いやいや、若いって良いですな] マイン・トール[ははっ全くです]ようやく話を始めるシンだった、、、マ[なるほど、、シン王、我らに話した意図は、、もしや国を出る、いや、暫く留守にするですかな] シ[あぁ、明日からカズの目的が終わるまでの間、もし万が一、俺が死ぬ事があれば、、このままの政策で進んで欲しいんだ、マグニを中心に治めて貰いたい]シンはマグニ達を見る。マ[王命とあらば、、でわ明日より30日間、帰りをお待ちしております、その後は王命を果たします] ト[そうですな、、差し詰め他国への外交、交渉再開と言う形で王の不在を隠しましょう] シ[おっ、それ良いね]シンが、ぽんっと手を叩く。セ[1つ、問題があるのですが、、10日後メリカン国の外交船に前王の次女レッカ様が帰国なされるのですが、、]皆がセンカに注目する。ト[今年でしたか、、4年、早いものですね]シンがマグニを見る。マ[グレン・レッカ様はメリカン国で政治、法律など、あちらの色々な文化を学んでおります、16でメリカン国へ渡り4年で帰ってソウル様の補佐をする話でした]シンが驚く。シ[、、じゃあ、そのレッカの父と兄2人を殺し国を奪った俺は、、相当、恨まれてるよな] マ[国が変わってから初来航ですので、まだ知らないかと]カズとキンがシンの肩に手を置く。カ[やべぇな、、] キ[覚悟を決めろ] ユ[頑張ってシンちゃん]応援するユリ、いつもの調子で言ったカズ達、昔のシンなら、こう言うと思っていた。[わぁ〜どうしよ〜]カズ達に助けを求めると思っていたが今回は違っていた。シ[わかった、旅が終え再び帰って来た時、俺が説明しよう、これは俺がしなくてはいけない事だ]カズ達は驚いた、シンは王として少し成長していた。ヒ[へぇ~シン成長してるね、今の立派だったよ、どっかのあほとは違うわ] キ[あぁ] カ[(俺も、もっと頑張らね〜と)]今のシンは格好良かった。シ[話は終わりだ、明日の見送りはしなくていい、適当に誤魔化してくれ] ト[了解です] セ[皆様、ご武運を祈っております] マ[無事に会える日をお待ちしております] ヒ[皆さん、ありがとうございます、無事に帰って来ますね]明るく応えるヒロ、明日も良い天気になりそうだった。[7日] 朝飯を食べ終え再集合にヒロが遅れてきた。ヒ[ごめんね、皆んな]手には黄色い花、それと種らしき小さな袋を持っていた。カ[よしっ行くか、その前に寄りたい所がある少し付き合ってくれ] シ[あぁ俺も1つ、付き合って、、いや多分、同じだろ]微笑むシン。キ[(リアラの所か)] ヒ[で、寄りたい所って] カ[あぁ、、リアラに報告をして行きたいんだ、火の国が変わった事、そしてこの旅も、もうすぐ終わる事も]落ち着いた表情をしているカズ。ユ[(カズちゃん、、)] ヒ[じゃあ行くよ、近いから皆んな運ぶね]皆で飛行してリアラの所へ、緩やかに着地する。シ[そ〜いや、リアラの所、来るの遅くなってしまったな] ヒ[皆、忙しかったからね、、リアラは笑顔で待ってくれてるよ]墓石に花を添え周りにヒロは指で穴を開けながら種を植えている。キ[花の種か、、] ヒ[うん、カズ絶対に寄ると思ってたから、、キンちゃん、言ってたよね、この木は寒い冬の季節に黄色い花が咲くって、、だからね、この種は春、夏、秋に黄色い花が咲くの、、そうすれば、ずっとこの辺りに黄色い花が咲く] シ[ヒロのあほ、、泣かすなよ]シンは涙目になっている、カズも唇を噛み耐えている。ヒ[良いよカズ、挨拶して]植え終えたヒロが言う。カ[あぁ]一歩前に立ち、リアラの墓石に語り掛ける。カ[リアラ、、遅くなってすまない、、君が願った奴隷解放が終わったよ、君の優しさ、、人を助けたいと思う心が、、多くの人を笑顔にした、、命を救ったんだ、、きみ、の、、おかげで、、本当、、に、、くっ]言葉が詰まる目から涙が止まらない。カ[すま、ん、、少し1人に、、してくれ]何とか言葉に出すとキン達は一斉に加護化して散開する、カズはもう我慢出来ず大声で泣いた。カ[うわぁぁぁぁ~〜]カズの泣き声の後、右の方に巨大な竜巻が発生し、左の方では大きな火柱が立った、この竜巻と火柱も悲しんで泣いている様だった。[キン、ユリ]加護化して後方に下がったキンとユリ、竜巻と火柱が発生した時、ユリがキンに問う。ユ[キンちゃん、、正直に答えて] キ[あぁ] ユ[キンちゃんは、ここに寄る事、わかってた?] キ[シンの言葉で気付いた] ユ[そっか、、私、わからなかった、、私だけ]キンはユリを、ユリはカズを1番に優先して考える、リアラの事は悲しいと思っているが涙が出る事はなかった。ユ[ヒロは、、わかってたんだ、、悔しいな]そう呟くユリにキンは何も言えなかった[終] 半刻が過ぎた頃、皆、カズの所に戻って来た。キ[落ち着いたか?] カ[あぁ報告も終わったよ] ヒ[じゃあ、行きましょうか、リアラまた来るね]リアラの墓石に言う。カ[待てヒロ、キンお前、植物とか成長、出来るんだったな]キンは何も言わず地面に手を当て加護の力を送る、すると辺りを一面、可愛らしい小さな黄色い花が咲き出した、リアラが笑ってくれてる、喜んでくれてる、そんな気がする、カズ達に優しい風が吹き抜ける。カ[じゃあ頼むヒロ] ヒ[えぇ]ヒロは元気良く返事して皆を運ぶのだった、飛行中、カズがヒロに話し掛ける。カ[ヒロのあほ、リアラに報告する前に泣かす様な事するから皆の前で報告、出来なかったじゃね〜か] ヒ[あんた、あの後、泣いたでしょ、、私もシンも大泣きしたわ、、けど、すっきりした、カズとシンもそうだと思う] カ[あぁ、、そうだな、、うん、すっきりしたな、、ヒロ、花の事ありがとな、俺じゃ気付けなかった]少し恥ずかしそうに言うカズ。ヒ[ううん、、カズ、貴方なら2、3回で絶対に気付くと思うわ]優しい目でカズを見る、カズはもう何も言わなかった、、、飛行を続けて1刻半くらいで目的地に着いた、此処は火、水、地の国に隣接する巨大な山の頂上だった。キ[確かに気配を感じるな] シ[頂上だが景色が綺麗なだけで宝珠がないぜ] ユ[何処か横穴があるんじゃ入れる所とか] ヒ[そうね、、中腹から手分けして探しましょうか、見つけたら私に声を送って、それとカズは此処で待っててね] カ[わかった、、皆、頼む]加護化して散開するヒロ達、カズは精神統一して待つ。半刻半でヒロが迎えに来た。ヒ[カズ、お待たせ、ユリが見つけたわ、ちゃんと礼を言ってあげてね] カ[あぁ]ヒロと共に向かうと皆んな居た、そこには人が通れる様な穴があった。カ[ユリ、ありがとな見つけてくれて] ユ[うん]嬉しそうに返事する。シ[中に宝珠がある、、カズ頑張れよ] カ[もう調べてくれたのか] キ[あぁ直ぐ近くだ、大きな空洞の真ん中にある、昔に誰かが祀っていた形跡があった] カ[そうか、、]少し緊張する、皆んなで入って行く、直ぐ近くだが空洞の中までは陽光が届かないのでヒロが松明を置いていた、カズが言う。カ[これが、、]台座の真ん中に置かれている宝珠は黄色く輝いていた。キ[何の加護かわからん、気を付けて行けよ] ユ[私も色んな本を読んだけど出てくるのは火、水、風、地だった] ヒ[闇も本や伝承には無かった] カ[皆が知らない加護か、、面白くなってきたな] シ[楽しみにしてるぜ、カズ]背中を叩くシン。カ[へっ、任せろ、え〜、、ん~とユリが4日、ヒロが3日、キンが3日、シンが4日、、ふふふっんじゃ俺は2日だな]キンの拳骨がカズの頭を叩く。キ[あほ、命懸けなんだぞ真面目にしろ] ヒ[そうよ、キンちゃんの言う通り真面目になさい]ユリが、そっとカズの服の裾を掴む。ユ[カズちゃん無事で帰って来てね、待ってるから] カ[あぁ心配すんなって、んじゃ行ってくる]ユリは手を離しカズの背を見送る、カズは大きく息を吐くと宝珠に手を当て言った。カ[俺は加護の力を求む者]今までと同じ様に辺りが光に包まれていく、光が収まるとカズの姿は無かった。キ[ようやくか、、] シ[だな] ユ[心配だよ] ヒ[カズなら大丈夫だって、、多分]皆、カズの事が心配になる、皆は知っている、カズは大事な所で、おちゃらけて失敗する事があるという事を。シ[やっぱ心配だな、、] キ[あぁ] ヒ[悪い癖が出ないといいけど] ユ[うぅ、、]もう待つしか出来ないキン達だった。[5日] カズは2日だなっと言っていたので皆は修業して待っていた、しかしカズは戻らなかった。[4日] ヒロ、キンが帰って来た3日目でも戻って来ず。[3日] ユリ、シンが帰って来た、日数でも戻って来なかった。[2日] 黒衣の剣士との期限が迫っている。キ[あのあほ、、何をやっているんだ]淡く黄色に輝く宝珠を見ながら呟くキン、昨日からユリは寝ずにカズの帰りを待っていた、そんなユリを心配するキン達は何も言えなかった。[1日] 遂に約束の日が明日になった、そしてキン達が絶望と悲しみに落ちる、その日の昼過ぎ淡く黄色に輝いていた宝珠が元の色に戻ってしまった、今まで寝ずに待っていたユリはカズの名を呟くと気を失ってしまう、皆、言葉も無い、暫し呆然と立ち尽くす、ヒロの目から涙が落ちるのだった。何刻、立ち尽くしただろうか、外は夕暮れが終わろうとしていた。シ[カズのあほ、、何が2日だ、、]拳を握り呟く、その言葉にヒロとキンも、ようやく言葉を出す。キ[信じられんが、、あいつが諦めるなんて、、] ヒ[そうね、、あの馬鹿]伏し目で呟く。キ[いや、内容は言えんが相性が不利だったのかもしれん、断言は出来ないが地の試練はカズ、シン、ヒロお前達なら死んでいただろう] ヒ[そっか、、この黄色の宝珠、何だったんだろうね、、それでも、、それでもカズなら大丈夫って思ってた]俯きながら言う、地面には涙が落ちている。キ[これからの事を決めたい話がある、ユリを起こそう、、危険かもしれん、備えておいてくれ]キンがユリに近付き肩を叩きながら名を呼ぶ。キ[ユリ、、ユリ起きてくれ、、ユリ]5回ほど肩を叩くと薄っすらと目を開ける、キン達は加護化していた。ユ[、、、ふふっ何、加護化してるの、私が自暴自棄になって暴れると思った?]キン達を見て上半身を起こす。ユ[夢なら、、良かったのに、、カズちゃん]ユリの目から涙が溢れる。キ[ユリ、、落ち着いたらでいい、話があるから声を掛けてくれ]そう言うとキンは立ち上がり離れようとしたがユリは言う。ユ[いいよ、話って]涙を拭いて答えるとキンは言った。キ[これからの事だ]キンは目で合図するとシンとヒロが来る。キ[明日は黒衣の剣士との約束の日だ、俺はカズの変わりに奴を倒す、まだ今晩ある、、カズは、、居ないんだ、どうするか明日の昼までに答えを決めてくれ、出来ればユリとヒロは街に帰って欲しいんだ]シンは即答する。シ[俺は行く、カズの為に] キ[お前はもう国の王だ、よく考えろ] シ[あほ、俺が居なくても国が続く様に何の為にお前達に手伝って貰ったんだと思ってるんだ、国の事は気にすんな、何と言われようと俺は絶対、行くぜ]覚悟の決まった目でキンを見る、キンはもう何も言わなかった。ヒ[私も絶対に行く、、カズの目的を叶えてあげたい、、(コエスさんに救われた、カズは一生物の嬉しさをくれた)手を血に染めようとも私の命に変えても黒衣の剣士を討つわ]ヒロも覚悟の決まった目でキンを見る。ユ[、、私は考えてみるわ、そろそろ晩ご飯の用意もしないとね]力無く立つと食材を用意する。ヒ[私もやるよ]暫くして晩ご飯も出来、皆んなで食べるが会話も無く終わる、後片付けを終えキンとシンは空洞の外へ出ると早々と寝袋の中に入り寝るのだった。深夜、キンは頂上で夜空を見ていた、そこへヒロが降り立つと何も言わずキンの隣に座る、暫く黙って夜空を見る2人、ヒロがキンに聞いてみる。ヒ[ねぇキンちゃん、カズが居なくなって、どう思ってるの?] キ[ふっ嬉しさ半分、喜び半分っと言ったところか]笑顔で答える。ヒ[そうだよね、、キンちゃんにとってカズは、そ〜いう存在だもんね、、教えて、キンちゃんは何故カズの目的を叶えようとするの]キンは正直に答える。キ[ユリの為だ、カズが出来なかった事をやり遂げ奴を越える、ユリにその事を見てもらい俺の方が強いって事をわかってもらう] ヒ[ユリは幸せ者だね〜最強の男に、こんなにも想って貰えるなんて]微笑むヒロにキンが言う。キ[あいつが居ないから言うんだが本気のカズに勝った事は無い] ヒ[えっ、、嘘]驚くヒロ。キ[嘘を言ってどうする、本試合、練習試合、俺が勝ち越してるが、あいつが本気で戦った時は全て負けている、、あのあほ、あほだから本気を出す時がわからん、俺はあいつが嫌いだ、ユリに想われてる事も俺より強い事も]キンは自分でも気付いていないのか楽しそうに話している。キ[この前の剣闘大会の決勝、あいつ凄く油断してただろう] ヒ[ふふっぼろぼろのキンちゃん見て勝ちを確信してたわね]微笑むヒロ。キ[あぁ、、本気を出させない為に考えた案だ、それにしてもグレン王は強い、、本気のカズに勝っているからな]微笑むキン。ヒ[ありがとね、本音を話してくれて、、明日で旅も終わるね、、本当に色々あった] キ[ヒロは少ししか悲しまなかったな、、その、、なんだ、、カ、カズの事、好いてたんじゃなかったのか?]恥ずかしそうに言うキン。ヒ[ふふっそうだね、、けどカズは生きてると思う、、何でか解らないけど、、明日には、ひょっこり来るんじゃないかなって信じてるの]現実には宝珠の輝きは消えた、皆の前で、それでもヒロは直感を信じる事にする。ヒ[それじゃ先に戻るね、お休みなさい、キンちゃん]加護化して戻って行く、キンはもう暫く夜空を見ているのだった。[0日] 遂に約束の日になった、昼飯を終えキンが改めて皆に聞く。キ[今から不死山に向かう、ヒロ、シン、ユリ答えを言ってくれ] シ[行くに決まっている] ヒ[覚悟は出来てるよ] ユ[私も行くよ、、]行くと言ったが言葉に力が無い。キ[ユリ、、いくら加護者とはいえ迷いを持ったままだと危険だ、3人も居れば充分だ、ユリは街へ帰った方がいい]ユリはキンを睨むと言う。ユ[カズちゃんが成し遂げたかった事を果たしたい安心、出来るように、、だから私も行く] キ[わかった]キンは頷く。シ[(うへぇ〜カズが居ない時のユリって恐えぇ〜)] ヒ[じゃあ、荷物をまとめて行きましょう、万全で戦える様に目的地まで休みながら] キ[そうだな] シ[あぁ]片付け荷物をまとめ用意を終えるとヒロは1枚の紙に文字を書く。キ[ん?、、何を書いたんだ] ヒ[あのあほが戻って来た時、先に行ってるぞって書いておこうと思って] シ[ついでに俺達が終わらせたら豪華晩飯10日分、奢らせるからなって書いといてくれ] ヒ[ふふっわかったわ]書き終えると宝珠の近くに置いて飛ばない様に小さな石を置く。ヒ[さぁ行きましょう]ヒロ達は不死山に向かうのだった。 

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