第24話 リアラ

[100日] シンと左右に分かれたカズは地下拠点に向かっていると何と地下拠点の入口に兵が2人、立っていた、真正面から左の兵に突撃、一瞬の5連撃で兵を倒すと直ぐに右の兵に攻撃する、兵の横薙ぎを躱し顎に一撃入れる。兵[ぐっぅ]よろけながら倒れる、地下に居る何者かが様子を伺っているのだろうカズが言った。ツミト・カズ[さっさと上がって来い]すると4人の兵と隊長らしい男達がリアラを抱えて上がって来た。アムート・リアラ[カズお兄ちゃん、、]泣きそうな声でカズの名を呼ぶ、カズは、ふぅ~っと息を吐き落ち着くと言う。カ[その娘を離せ、、今なら見逃してやる]隊長らしき男が返答する。ソウル・レッド[それは出来ん、この娘は対加護者に必要だ、現にお前は動けない]レッドが目で合図すると兵の1人がリアラの首に剣を当てる。リ[あぅ、、]震えるリアラ。レ[さて少し質問して退散しよう] カ[俺が答えると思っているのか]レッドがカズに近付くと力一杯、殴りつけた、睨みつけるカズ。レ[私はお前達、加護者が憎い、お前達の出現で私の計画が狂い始めている]また殴る。レ[次、聞かれた事に答えなければ、あの娘の指を折っていくぞ]ぺっ、と血を地面に吐くカズ。カ[大事な人質だろ、、出来る筈がない、、ふふっ]薄ら笑いするカズにレッドは言う。レ[出来ないと思っているのか]カズはレッドと兵の目を見ると本気だと感じた。レ[何故、お前だけ此処に戻って来た] カ[(嘘は通じない、、キン達が戻って来るまで刻を待つ)大広間で兵に阻止され撤退してきた]その答えを聞いた途端、レッドは大笑いする。レ[はははっ加護者が3人いて撤退だと]カズの腹を蹴り上げる。カ[ぐうっ]その拍子に刀を離してしまう。レ[ほぅ東方の刀か、、嘘をつく奴は、、寝かせろ]刀を取るレッド。兵[はっ]カズは、うつ伏せにさせられると刀で右足の健を切られた。リ[カズお兄ちゃん、お願いします、もう止めて、お願いします]リアラが叫ぶ。レ[黙らせろ]兵がリアラの口に指を入れる。カ[3人?ふふっ大広間は地の加護者だけだ]苦笑いしながら言う。カ[大広間の兵達は本当に強かった、宝珠を守る為に戦っていた、しかし全員が強いって訳でもない様だ、、小さな娘を人質に取るなんてな、、ははっ]今度は左足の健を切られる、するとカズが倒した兵2人が立ち上がる。兵[申し訳ありません、ソウル様]敬礼し頭を下げる2人。レ[そろそろ引くか、その男は殺せ、刀は貰っていく]カズにやられた兵が申し出る。兵[是非、我ら2名にやらせて下さい] レ[良かろう]レッドが下がり兵2人が剣を抜いてカズに近付く、カズは立ち上がる事も出来ない。カ[(、、キンのあほ、後は頼んだ)] 兵[座らせろ首を飛ばす]カズは無理やり座らされる。リ[(駄目〜〜)]リアラは兵の指を噛むと兵は驚き離してしまった、一直線にカズを殺そうとする兵にしがみつく。リ[駄目〜〜止めて〜〜]兵は振り解こうとするが離れない。兵[ええぃうっとおしい]剣を持った手で力一杯、振り払うとその剣がリアラの右肩から心臓の近くまで斬り裂いた、リアラの口から血が垂れる、よろよろと後ろに倒れる。レ[この馬鹿者〜嫌な予感がする直ぐに帰還だ引け〜] 兵[はっ]レッド達は急いでその場を去る、カズに留めを刺すのも忘れていた。カ[リ、アラ、、]呼吸が苦しい、それでも這いずってリアラの元まで向かうと、そっと抱き起こす。カ[、、(まだ息がある)ヒロ〜〜ユリ〜〜キン〜〜早く来てくれ〜〜]空に向かって叫ぶ、雨が降り始める。リ[カ、、ズお兄ちゃ、ん、、ごめん、、ね、いた、、かった、よね]息も絶え絶えカズに話し掛ける。カ[痛くない大丈夫だから、、]抱きかかえた手が血で濡れる。リ[あ、、りがと、、たのし、、かった、よ]リアラが最後に見えるのはカズの泣き顔だった、消えかける意識の中、カズの頭に手を伸ばそうとする。リ[なか、、ないで、、なかな、、いで、いいこ、、]震えながら伸ばした手は届く事なく落ちる。カ[リ、アラ、、リアラ〜〜]雨が降る中、空に向かって叫ぶ。カ[うああぁぁぁ〜〜〜]そこでカズの意識も切れるのだった、、、風を切る音と共にヒロがカズの隣に着地する。ラシヨ・ヒロ[カズ、リアラ]ヒロは直ぐに2人を確認する、カズはリアラを抱いたまま気を失っているが息はある、リアラは死んでいた。ヒ[う、、そ、、そん、な]足が震える呼吸もままならないまま空中に飛び上がる、雨が降る中、集中する。ヒ[、、見つけた]もの凄い速度で向かうのだった。[レッド]兵達と早足で遠回りして城を目指す、でないと加護者達に会う可能性があるからだ、移動中、凄まじい速度で飛ぶ人影が見えた嫌な予感を感じたレッド達、リアラを斬った兵がレッドに進言する。兵[ソウル様、その刀とソウル様の外套を私めにお預け下さい]レッドは兵の目を見て、その言葉の意味が解った。レ[、、わかった]外套を外し刀と渡す、受け取った兵は残った5人に話す。兵1[私の失態にお前達を道づれにしてしまう事を本当にすまない]深く頭を下げると覚悟を決めた5人にレッドは言う。レ[お前達の事は英霊碑に刻んでおく、そして身内が居る者には補償をしておこう]兵達を見回し言う。兵2[火の国の世界統一お願いします] 兵3[家族の事を頼みます]それぞれレッドに別れの言葉を言う。兵4[さぁソウル様は暫しこの地中の中で、お隠れ下さい]兵達は急ぎ地面を掘るとレッドが土の中に隠れ空気穴から最後の言葉を言う。レ[さらばだ]兵達6人は敬礼をして、その場から早足で立ち去る、少しすると兵達6人の前に涙目の女が空中から降り立ち兵達を阻む、ヒロは兵達を見ると言う。ヒ[、、貴方達ね]兵達はカズの刀を持っていた、低く殺気の籠もった声で話す、いつものヒロの声とは思えぬ程だった。ヒ[どうして、、あんな小さい娘を殺したの、、、どうして〜〜]怒り悲しみの混じった声ヒロの体から黒いい風が吹き荒れる、兵達の体が黒い竜巻に呑まれると声を上げることなく竜巻の中で死に絶えた、空から赤い雨と鉄の破片が落ちてくる。ヒ[(こんな事しても、リアラは悲しむのに、、)]そこにカズの刀も落ちてきた、その刀を見てカズの悲しさと悔しさを思うとヒロはその場に泣き崩れるのだった。少し落ち着きカズの刀を拾う。ヒ[戻らないと、、]ふらふらと歩いてカズの所に飛んで戻るのだった、、半刻は土の中に居ただろうかレッドが這い出る。レ[やり過ごせたか、あの者達のお陰だな]土を落とし城に戻る途中、木々が倒れ鎧の残骸が散乱している場所に出た、レッドは無言で敬礼をして城へ急ぐのだった[終] ヒロが兵を追い掛け飛び去って間もなくキンとユリが到着した。ノエウ・ユリ[カズちゃん]ユリが驚きの声を上げると急ぎ駆け寄る、キンも驚いて声が出ないカズが抱いているリアラは死んでいたのだ。ユ[良かった、、カズちゃんは息してる、、けど、、]悲しそうな表情をするユリ、キンがカズの手から丁重にリアラを移動させカズを寝かせた、降りしきる雨の中、カズの体を観察する。キアータ・キン[不味いな、このままでは死んでしまう直ぐ加護の力を送ろう、俺は足からやっていく、ユリは体を頼む] ユ[わかったわ]ユリは先程から加護の力を使い続け疲労が見える、慣れぬ実戦で相当疲れている筈だ、火の国の親衛隊2人の連撃を凌いでいたのだから、キンとユリが同時に同じ方角を見ると黒い竜巻が空高く渦巻いていた、夜なのに黒いと見えるくらいだった。ユ[あれって、、ヒロなの、、]信じられないっという表情をするユリ。キ[ヒロ、、]キンも不安そうな顔になるが雨に濡れながらカズを治癒するのだった、暫くしてシンが戻って来た。ミヤト・シン[ふひ〜やっと着いたぜ(兵に追われるわ、濡れるわ散々な目に遭ったぜ)]キンとユリそして寝ているカズとリアラの姿を見ると一足飛びで近付く。シ[おい何だこれは、、、]リアラの姿を確認するシン。シ[何だって聞いてんだよ]大声で怒鳴るがキンが冷静に言う。キ[リアラは死んだ、カズも瀕死の状態だ、今、治している所だ] シ[嘘だろ、、カズお前、、何やってんだよ~]意識の無いカズに怒鳴る。キ[シン落ち着け] シ[やったのは火の兵か、、]再び城へ向かおうとするシン、そこへヒロが戻って来た。キ[ヒロ、シンを止めてくれ、また城に行こうとしている]ヒロが無言でシンの前に立ち塞がる。シ[どけ、ヒロ]睨むがヒロは目を見て言った。ヒ[城に行ってどうするのよ] シ[リアラの仇討ちだ、火の国の兵は皆殺しだ]ぶんっと槍を振るう、するとヒロはシンの頬を叩いた。ヒ[シン、あんた、リアラと一緒に居てわからないの?、そんな事してリアラが喜ぶと思うの?それで、あんたが死んだらリアラはずっと泣いたままだよ]雨の中だがヒロの目から涙が流れていた。シ[俺にはそれしか出来ね〜んだよ]叫ぶシン。ヒ[あるでしょリアラがしたかった事、奴隷解放と家族に会う事、あんたかカズが王に成れば出来るの、、だから無茶しないで、、]泣きながら言うヒロ、シンの目から涙が落ちる。シ[うっ、、うっ、、うわぁぁぁ〜〜]その場で膝を付き泣き崩れる、ヒロはシンから離れリアラの元へ行きカズの横に刀を置く。ヒ[、、埋葬してあげないと、、ね]リアラの傷口に加護の治癒を送るが元には戻らなかった。ヒ[せめて綺麗にしてあげないと、、]血を拭き土埃を落とす。ヒ[ユリ、キンちゃん、ごめんね、、そっち任せっきりで] キ[あぁ構わん] ユ[大丈夫だよ]シンが落ち着きを取り戻した頃、カズの意識が戻る。カ[、、、うっ、、ここは、、]ユリが顔を覗かせる。ユ[良かった、カズちゃん]起き上がろうとするカズ、しかしユリが制する。ユ[まだ横になってて、血が一杯出てたから] カ[皆んな、、すまない、本当にすまない]拳を握りながら皆に謝る、その拳は悲しさと悔しさで震えていた、ヒロがリアラを優しく抱きかかえる。ヒ[(軽い、、)]また涙が溢れる。ヒ[リアラを、、埋葬してくる、、何処か、、あそこが良い、、かな]辺りを見回し少し大きな木を見つける。カ[俺も行く]ふらつきながらも立ち上がる。カ[シン、、リアラを埋葬する] シ[、、あぁ、わかった]力無く槍を支えに立ち上がると木の前に集まるカズ達。ヒ[キンちゃん、お願い]キンは無言で木の根元に穴を開ける、そこにヒロがそっとリアラを寝かせた。ヒ[短い間だったけど、妹が出来たみたいで嬉しかったよ、楽しかったよ、お休みなさいリアラ]カズとシンは唇を噛んで堪えている。ユ[さようなら、、リアラ、私も楽しかった]ヒロが風の力で優しく土を被せていく、そこにキンが小さな墓石を持って戻って来た、石にはアムート・リアラと刻んであった、石を置き木を見る。キ[うむ、この木は寒い季節には黄色い花が咲く様だな、リアラに似合っている] カ[厳しい寒さでも咲く花か、、]いつの間にか雨は止んでいた。キ[全員、黙祷]キンの呼び掛けに皆が黙祷する、そして黙祷を終えるとキンが言った。キ[地下部屋に戻って今後の話と俺達と分かれた後の話をしよう] ヒ[えぇ、、そうね、、言う事があるわ]皆、地下部屋に向かうとヒロは振り返り少しリアラの墓を見るのだった、、中央の間に集まる。ヒ[まず私達、キンちゃん達と分かれた後、、、]ヒロは説明する、監視されていた事、メリカン国、望遠鏡、王の強さ。シ[メリカン国、、] キ[その望遠鏡と言う道具で、ここの位置を知られていたのか、、全てが合点がいった、俺達も宝珠の間で兵に待ち伏せをされていた、それも歴戦の兵達だった] カ[あぁ、キンの加護がなければ死んでいたな、、] ユ[その望遠鏡って道具、持ってるよ]ユリが荷物から取り出すと皆がユリに注目する。ヒ[あっあの時そのまま持って来たのね] ユ[返す余裕なかったから] キ[ユリ貸してくれ]キンに渡すと望遠鏡を覗いて見る。キ[、、、ん?何も見えんが、、] ヒ[キンちゃん、、それユリの顔の一部しか見えてないわよ]ユリの顔を見たのが、ばれてしまった、今のは笑う所だったリアラが居れば、、、シ[俺にも見せてくれ]キンから受け取り覗いて見る。シ[、、いつの間に離れたんだカズ] カ[俺は動いてないぞ]大きい方から見ると小さく見える道具だった。キ[これがヒロの警戒範囲から監視されていたのか]続いてカズが話す。キンと分かれた後、分かれ道でシンと二手に分かれた事、そして地下部屋に着くと兵が居た事、加護者達の出現で火の国の世界統一が狂い始めた事、俺達を抑えるためにリアラを人質にした事、そして殺されかけた俺を助ける為に兵に抱き着き振り払った剣がリアラを斬り裂いた事、、、ユ[、、火の国の世界統一、、私達が邪魔なんだね] キ[まぁそうだな、戦争になれば敵になる事だしな] カ[今思えば、あのままリアラが連れ去られていれば死ななかった、後からキン達で救い出せたかもしれない]その言葉を聞いてシンが激怒した。シ[そうだよ、何故キン達に任せなかったんだ、リアラが死んだんだぞ]カズに近寄り胸ぐらを掴むと壁に叩きつける。ヒ[シン] キ[シン止めろ、もしお前がカズと同じ状況だったら、お前は黙って連れて行かれるのを見ているのか?]キンのその言葉にシンは返す言葉も無かった。シ[カズ、、すまん]手を離し謝る。カ[いや、、いいんだ]場が静まる。キ[王には話をしたんだ、明日は5人で行く、今日は色々あった話も終わったし、もう休もう、、入口は外から開かない様にしておいた、安心して休んでくれ] ユ[、、そうだね] ヒ[えぇ] カ[あぁ、、お休み、皆んな]カズは席を立つと部屋に戻る、そしてヒロ、ユリと部屋に戻る。キ[どうしたシン、お前も休め] シ[キンお前がカズを見つけた時、リアラはもう、、] キ[あぁ、、カズはリアラを抱いて意識が無かった、両足の健を切られ至る所に暴行の痕があった、カズも遅ければ死んでいた] シ[それなのに俺は、、]キンも部屋に戻ろうとする。キ[誰だって頭に血が昇る事はある]そう言うと部屋に入る。シ[、、カズが1番、辛かったのに俺は、、]暫しその場で反省するのだった。[レッド] 泥まみれで城に戻るレッド、伝令を呼び1番、2番隊長を作戦室に来るように伝えると王の部屋に向かうが警備兵が王は英霊碑の所だと告げられた、急ぎ向かうと碑の前にバニングが居た。レ[バニング]声を掛けると振り返らず言った。バ[戻ったかレッド、俺の親衛隊の1人が逝ったのでな、、名を刻んでいた] バニングの親衛隊は、バニングが自ら声を掛け訓練をし育て上げた兵士なのだ。レ[私の逃がす為に犠牲となった6名も刻んでおく]碑に備え付けられている小刀で刻んでいく。バ[ふっ泥だらけではないか] レ[あぁ土の中に半刻程いた] バ[くくくっ土竜になった気分はどうだ]愉快そうに聞いてくる。レ[悪くはなかったぞ]予想外の答えにバニングは大笑いする。バ[わははは、そうか、そうか] レ[さて色々話す事、聞きたい事がある、作戦室まで来てくれ] バ[わかった、このまま向かう、お前は泥くらい落として来い]刻が惜しいが確かに気持ち悪い。レ[すまない、、少し待たせてしまうな] バ[くくくっ構わん]まだ先の返答が受けている様だった、バニングと途中で別れ自室の風呂で泥を落とし着替え急ぎ作戦室に行く、中に入ると1番、2番隊長とバニングが座っていた。レ[遅くなって、すまない]隊長達が立とうとしたがレッドが制す。レ[そのままでいい]バニングの側に行くと黒板を用意する。レ[まず隊長達から大広間の事を教えてくれ] 隊長[はっ、私と2番隊長は指示通り副隊長に任せ加護者の力量を見ておりましたそれから、、]死者は無し、負傷者182名、宝珠の防衛成功、侵入者は逃亡し追撃したが見失ったとの事だった。隊1[加護者は1人だと思われます、その1人に160名は負傷しました以上です] レ[ふむ、(何故、途中で引き上げたのか、、あの娘の事に気付いた、、いや、だったら加護者で来る筈だ、一旦置いておこう)] バ[うむ、良くやった後で報奨を遣わそう] 隊1[はっ、ありがとうございます]敬礼をする。レ[次、バニング王、親衛隊から死者が出たと聞きましたが] バ[うむ、、]バニングが話す、情事中に風と水の加護者が現れた事、驚く事に訪問の理由は火の試練を受けさせて頂くと言いに来ただけとの事、それと1対1なら勝てない事だった。レ[親衛隊4名で加護者の風と水は抑えられたと、、]重要な事を黒板に書いていく。バ[あぁ防戦一方だ、水と風は人を殺した事が無い加護の力を本気で殺すつもりで使った事が無いのだろう戦って解ったわ] レ[(風はもう経験してしまったな、、どうなるか、、おそらく使い物にならぬだろう)] バ[そして地の加護者が現れ親衛隊の2人を瞬殺しおったわ] レ[2人?、先程1人と聞きましたが]改めて聞くと打撃で倒れた親衛は水の加護者に助けられたとの事だった。バ[そして風の加護者が急変し飛び去り水と地も追い掛けて行った、俺の話は終わりだ]そしてレッドは加護者を抑える為に娘を確保しようとしたが失敗、娘が死んだ事、そして部下が身代わりで加護者の目を欺いてくれて助かった事を話す。レッドが今までの話を思案し考え予測を立てる少しの沈黙の後、レッドが話す。レ[今までの話をまとめると、大広間で戦っていた地の加護者は水と風の加護者を助ける為に宝珠より加護者を優先した、そして風の加護者の急変は娘の死を感じたのでしょう] バ[ほぅ、、つまり風の加護者は6人も殺害したと言う事だな]バニングも気付いた様だった。レ[はい、風の加護者は暫くは使い物にならないでしょう、水も同じく実戦不足、警戒すべきは地のみでしょう、火の国の世界統一に加護者は必ず敵になり今ここで討つ必要があります、この本国に居る5万の兵で倒してみせましょう] バ[ほぅ大きく出たな、言い伝えに聞くと加護者1人に10万の兵に値すると言うが] レ[加護者と言えど元は我らと同じ人、腹も減れば眠くもなります、まず1つ、奴らは宝珠を再び狙ってきます、同じく大広間に誘き寄せ逃さぬように兵で囲みます]1番隊長が手を挙げる。隊[大広間は現在、地の加護者が作った土の壁があります] レ[そうか、伝令]大声で伝令を呼ぶと工兵に撤去する様に伝える、追加で入口は左から右へ出れる入口を作る様に命じた。レ[続けて2つ、半刻おきに部隊を投入、半刻、戦って退却、直ぐに入れ替わり部隊を投入の繰り返します] バ[やられる側は、たまらんな]にやりと笑う。レ[奴らに休む間もなく戦い続けさせ疲労させます、野戦では力を出せるかも知れませんが室内だと思う存分発揮、出来ないでしょう、近くに宝珠があるなら尚更] 隊2[素晴らしい作戦です]感嘆する。レ[此処で伝説の加護者を倒したとあらば兵の士気は凄まじく上がり他の国は畏怖するでしょう] バ[やる価値は多いにあると言う事か、今日は良い気分だ高鳴るわ]近くにある王専用の剣を握る。バ[奴らはいつ来る] レ[明日には、、おそらくは朝]バニングは立ち上がる。バ[レッド、後の指揮は任せる、俺は明日に備え寝る、、くくくっ楽しみで仕方ないわ、はははっ]笑いながら作戦室を出る。レ[全伝令]大声で呼ぶと11人の伝令が直ぐに現れた。レ[3から50の隊長達に通達、早朝、大広間から近い第3広場に集合せよっと] 伝令隊長[はっ]伝令隊長が短く指示を出すと去って行った。隊1[でわ、私達も戻り兵達に伝えて参ります] レ[あぁ明日の朝、会おう]敬礼をし作戦室を出る隊長達、1人、残ったレッドは作戦の詰めを考えるのだった[終] まだ陽も昇っていない早朝、カズは起き上がり身支度を済ませ干し肉を食べ刀を腰に差す、静かに扉を開け寝る前に書いた手紙を机に置き地下部屋から出る、空を見上げるとまだ星が見える、少し歩いてリアラが眠っている大きな木に寄ると黙祷すると目を開け決意をリアラに語る。カ[リアラ、、君の笑顔や言葉に俺や皆んなが、どれだけ癒されたか、元気をくれた事か、、君にも目的があったのに俺を助けたせいで本当にすまない、けど君がしたかった事は必ず果たすよ、(母さん、ごめん、、どうしてもやらないといけない事が出来たんだ)]振り返り決意した目で城に向かうのだった、、、城門が見えてきた兵が2人、立っている、門番がカズに気付いて声を掛ける。門番[何者だ、それ以上、近付くと斬る]抜刀する門番2人、カズも刀を抜く。カ[押し通る]一足飛びで斬りかかり門番と戦いを始めるのだった。[シン] いつも起きるのが遅いシンだが何故か目が覚めた、地下部屋なので解らないが、まだ陽も出ていないだろう、2度寝しようとしたが寝付けず素振りでもしようと起き上がり用を済まし部屋を出ると机の手紙に気付いた、皆へ、と言う文字が目に留まる、直ぐに手紙を読む。シ[あの、あほ]急ぎ城へ走るのだった[終] カ[はぁはぁ、、]門番の3人は倒した、当初は2人だったが交代要員が2人やって来たのだった。門[たった1人に3人も、、何故、殺さない、、殺す気で戦っていれば我らは死んでいた筈だ]門番がカズに問う。カ[これは、ある1人の少女の戦いでね、、なるべく死者は出したくない] 門[甘い、、くくくっ甘いわ]そう言った瞬間カズの両足首が握られた、何と倒した1人目が意識を取り戻し地面を這いずりながら、カズに近付いていた、それに気付いた門番はカズの目をこっちに向けさせる為に話し掛けたのだ。門[さらばだ、賊よ]剣を上段に構えた時、背後から空いた胴に渾身の横薙ぎが入って吹っ飛ぶ、そしてそのまま上から振り下ろしカズの両足を掴んでいる兵の頭に一撃を入れ再び気絶させる。シ[おいおい、勇ましく覚悟を決めて出ていったと思ったら、まだ城門かよ、てっきり大広間かと思ったぜ] カ[強いんだよ、ここの兵は、それと助けてくれなくても、あそこから反撃出来てました〜] シ[あ〜そうかよ、邪魔して悪かったな、後、抜け駆けすんな] カ[そりゃあ、、悪かった謝る、すまん]槍をカズに向ける。シ[んじゃ此処から改めて競争だ]槍に刀を合わす。カ[あぁ途中で倒れても、放っておくからな] シ[ふん、お前こそ]2人は城門の横の通路から入り門を抜け昨日の大広間を目指す、暫く走ると大広間に着くが中には大勢の人が居る感じだった、扉を少し開け中を覗くと作業兵が片付けをしていた。シ[さてと、、突撃するのか?] カ[あぁ堂々と正面からな、、王に成ろうってんだ、こそこそしてたら認めてくれないだろ] シ[まぁ、、そりゃそうだな] カ[一応、言っておくが光に包まれた後、全力で逃げろよ、俺は試練だがお前はその場に居るんだからな]真剣な顔で言った、それを笑いながらシンが言う。シ[はははっ俺らじゃなくて作業兵だったら笑い話だな] カ[笑えんぞ、、それは]苦笑いする。シ[行くか] カ[おう]ばんっと扉を開け名乗る。カ[ツミト・カズ] シ[ミヤト・シン] カ、シ[推して参る]カズとシンは一直線に宝珠の所へ走り出す、ざわめく広間、そこは作業兵と言えど火の国の兵、隊長の一声で直ぐに戦闘態勢に入る。隊[敵襲、全員、抜刀、迎え討て]カズとシンは100人は居る作業兵に突撃するのだった、、カズとシンは動き回りながら作業兵を倒しつつ宝珠を目指す。カ[くぅ~(作業兵なのに強い)]それでもカズは40の兵を地に伏せさせている、命懸けの乱戦を経験したお陰で上手く立ち回っていた徐々に兵が倒れていく残り10になった時、作業兵の声が聞こえた。兵[賊1人、討ち取った〜]驚きシンの方を見ると剣がシンの胸から背を貫いていた。カ[シン〜〜]立ち塞がる兵を倒しシンを刺した兵を倒す、残りの兵が一斉にカズに襲いかかるが、カズは目にも止まらぬ速さで討ち倒した、槍を支えに立っているシンの元に急ぐ。カ[シン]息も絶え絶えにシンが言う。シ[ははっ作業兵でも強いな、、油断はして、、なかったぜ、、ふぅ~、、殺さずに戦うのは、、難しい、ぜ、、へへっ]シンも殺さずに兵を倒していた、カズはシンの肩を持ち歩く、シンは歩いている事さえ、わかってない、宝珠の前に着くとカズは直ぐに宝珠に触れ叫ぶ。カ[火の試練を願う者だ、直ぐに連れて行ってくれ〜〜]光が広がっていく。シ[カズ、、後は、頼む、、リアラの願い、、叶えてやって、、くれ]言い終わると光に包まれていく。カ[シン願え、俺よりも強く、お前も一緒に叶えるんだ、リアラの願いを]大声で叫ぶ、カズの声が聞こえたのか、かろうじて意識が少し戻ると、もう光しか見えなかった、、光が収まると宝珠の側にはカズが立っていた。カ[はぁ~シンにも負けたか、、俺も願ったんだがな]しかし少し安心している自分がいる、予測ではあるがシンは命を取り留めている気がするからだ。カ[(後はあいつが試練を乗り越えるだけ、、)ははっ俺もか]カズの背後には作業兵から連絡を受けたのだろう、正規兵が立ち並んでいた。

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