第16話 地の国 アース
[138日] カズ、シンの叫び声、キンの苦悶の声が高い空に響き渡る、かれこれ1刻は耐えていた。ラシヨ・ヒロ[そろそろかな]念じるとカズ達が落ちてくる。カ、キ、シ[うおぉぉぉ~]地面に叩きつけられそうになる瞬間ふわりと着地した、カズ達3人はその場で倒れる様に横たわる。ツミト・カズ[地面さん、こんにちは] ミヤト・シン[地面、、大好き]ぐったりするカズとシン、キンは起き上がるとヒロに礼を言う。キアータ・キン[あ、、ありがとう、、ヒロ、慣れるまで、、頼む]足が震えている無理をして立っていたが、やはり膝を付いてしまう。ラシヨ・ヒロ[ごめん、初日からやり過ぎたかな、、]心配そうな顔をする。キ[いや、、これで良い、、徐々に増やしてくれ]そう言うと地面に横たわった、今日は久々の野宿だった。ノエウ・ユリ[皆んな、出来たよ、今日は私1人で作ったんだ] ヒ[もうユリは料理本があれば作れちゃうかも] カ[お〜そうか]笑顔になる。シ[焼き飯か、うん良い匂いだな] キ[、、ユリの初めての手料理、、]キンが感動して止まっている。ヒ[ほらほら、手を洗って、うがいしてきなさい]瓶を渡しカズ達は手洗い、うがいをして戻ってくる。皆で焚き火を中心に座るとユリが焼き飯を皆に配った。皆[いただきます]ユリ以外、一口食べる。ユ[ど、どうかな、、]感想を聞いてみる。カ[旨い]声を大きくして言う。シ[あぁ初めてにしては上出来だ] キ[何でお前は偉そうなんだ]シンを小突く。ヒ[うん、美味しいよユリ、けど、まだまだ初級だからね] ユ[うん、これからも頑張るよ]笑顔で喜ぶユリ。カ、キ[ユリ、おかわりを頼む] ヒ[ちょっとユリはまだ食べてないのよ、自分で入れなさい]ヒロが注意するがユリは笑顔でカズとキンにおかわりを入れるのだった、、、[127日]1つ目の街を抜け山中の開けた場所で、カズ、キン、シンは空中を飛び回っていた。ヒ[ふ〜ん、大分、慣れてきたわね(それなら)]念じるとカズ達は急降下、急上昇、回転したりしたが叫び声など上げなかった、2刻後、、、ヒ[よく頑張ったわね、あんた達] カ[あぁ、お陰で慣れてきた]地面に横たわる。シ[俺は、、まだ行けるぜ]地面に横たわる。キ[すまないな、ヒロ疲れてないか?]キンはカズとシンよりも慣れてきている。ヒ[疲れるけど、私の訓練にもなるし、お互い様だね] キ[そうか]ユリの声が聞こえてきた。ユ[今日はカレーだよ〜]笑顔で呼ぶのだった。[108日]もう明後日には地の王都アースに着くだろう、そこでヒロが言う。ヒ[あんた達、もう5刻も空中に慣れたわ、明後日にはアースに着く、今日で最後だから私の限界まで力を出すわ、覚悟なさい]ヒロは真剣な目でカズ達を見る。カ[あぁ頼む] シ[今の俺なら耐えられる] キ[望む所だ]空中に高く高く浮き最後の修行が始まった、、凄まじい速度で急降下、急上昇、今までのが優しいと感じるくらい最後の修行は激しかった、6刻が過ぎた頃だった。ヒ[(もう降ろさないと、、加護の力が消えかけてる)]よろめくヒロ、視界がぼやける。ヒ[あっ、、、あ、加護が、、ユ、、ユリ〜]ユリの名を叫ぶとヒロは気を失ってしまった、、、ヒ[、、あれ(いつの間に寝たんだろう)] カ[おっ目が覚めたか、お〜いヒロが起きたぜ]キン達を呼ぶ。ヒ[私、、]ばっと起き上がる、気を失う前の事を思い出したのだ。ヒ[カズ、シン、キンちゃん、大丈夫なの?、皆んな無事なの?]大きな声で言う。カ[落ち着けって声が大きい]暗い山中なので響く、直ぐにキン達が来た。キ[あぁ俺達は無事だ] シ[ほんの少し驚いたがな]にこやかに言う、ヒロの目から涙が零れる。ヒ[わた、、し、、私、、ごめんなさい、ごめんなさい]泣きながらカズ達に謝る。カ[おいおい、泣くな、泣くな] ヒ[だって私、皆んなを死なせる所だった、、]涙が止まらない。キ[ヒロ、すまなかった、そして、ありがとう]キンが優しい言葉を言う。カ[ありがとな、ヒロ] シ[キン達に差を付けられずに済んだ、ありがとうヒロ]感謝の言葉を言うカズ達、ヒロの事を全く怒っていなかった。ヒ[あんた達、、]やっと涙が止まる、少し落ち着いたヒロが聞く。ヒ[ユリが助けてくれたの?] ユ[うん、ヒロが私の名前を叫んで倒れたから驚いたわ、直ぐに状況が解って3人、水に包んで降ろしたよ]安心した深い溜息を吐くヒロ。ヒ[ありがと、、ユリ]そっと抱き締める。ユ[ちょっ、、ちょっとヒロ恥ずかしい]わたわたするユリ。ヒ[本当に、ありがとう、、]心から言う。ユ[うん]ユリもそっと抱き締めるのだった。[空中のカズ達] カズ達は凄い速度で飛んでいる。カ[凄い速さも慣れたな〜] キ[そうだな] シ[ヒロには感謝だな]3人共、話を出来るくらい余裕があった、不意にカズ達を包んでいた風が消えた。カ[ん?]そのまま急降下する。シ[これって落ちてるよな] キ[その様だな] カ[ヒロに何かあったのか]落ちながらでも話をする。キ[さて、どうする余り余裕は無いぞ] カ[よしっ地面に衝突する寸前に上段から全力で振り下ろせ] キ[了解] シ[おう] カ[覚悟を決めろよ]カズ達が構えると水の塊に包まれた、そのまま地面に着地する。カ[ぷはっユリか助かったぜ] シ[ありがとよ] キ[すまんユリ] ユ[はぁ〜間に合って良かった] カ[ヒロは?] ユ[あそこに]ユリの後ろの方で倒れている、皆が駆け寄るとカズがヒロを支え起こすと見る。カ[ヒロ、、気を失っているだけだ、、加護を使い過ぎたのだろう] シ[前もそうだったな] キ[くっ、、6刻くらい俺達は飛んでいた、すまんヒロ]太陽の位置から解ったのだろう。ユ[ヒロが私の名を呼んだの直ぐに行くとヒロが倒れていて空を見たらカズちゃん達、落下してたから直ぐ解ったの] カ[そうか、取り敢えずヒロを寝かそう俺、キン、シン寝床をユリは服を着替えさせてくれ] キ、シ[あぁ] ユ[うん]直ぐに準備が終わりユリが運んで寝かす。カ[すまん、気付かなくて、、ゆっくり寝てくれ、俺は座禅でもしながら起きるのを待つよ] キ[あぁ] シ[任せた] ユ[じゃあ、私は晩ご飯を作るね] カ[頼む]各自ヒロが起きるのを待つのだった[終] [106日] 昼頃、地の王都アースの城壁が見えた。カ[ふひ〜1番、遠かったな] シ[あぁ疲れた、、休みた〜い] ユ[どんな所だろう] ヒ[鉄工や鉱石系が有名ね、地の国だけしか採れない鉱石も有るらしいわ、4年前の話だけど、、後は世界樹ね]早速、門番に手紙を見せる、暫く待つと兵が戻って来た。兵[許可が出ました、これを城の門番にお見せ下さい]証明書を貰い礼を言って城を目指す。シ[明日で良いんじゃね〜か、今日は休もうぜ] カ[皆は、どう思う] ヒ[そうね、、後は男共だから、、多分キンちゃんだろうけど] ユ[カズちゃんに従うよ] キ[このまま城に行こう] ヒ[なら、キンちゃん、シン、くじで決めなさいな]くじを用意する。シ[わかった、それでいいか、キン] キ[あぁ]結果、城に行く事になった。シ[くそっ最近、勝ってたから勝てると思ったのに、、]歩きながら愚痴を言う。ヒ[はいはい、文句、言わないの]城を目指して歩く事1刻やっと城に着いた。カ[今、思ったが突然、王に会いに来ましたって会ってくれるのか?]疲れた顔で言う。シ[お前、休めば良かったって思っただろう] ヒ[私とユリは、そうでもないけど歩き詰めだったのも確かね] ユ[加護って凄いね、ありがたいよ] キ[そうか]門番が居るので証明書を見せると、また待たされる。カ[はぁ〜どっこいしょ]その辺の石段に座る。キ[おっさんか、お前は] シ[はぁ~よっこらせ]シンも隣に座る。ヒ[おっさんが、もう1人いたわ] ユ[はぁ~どっこいしょ]恥ずかしそうにカズの隣に座る。ヒ[ちょっユリ、カズの真似しないの、あほになるわよ] ユ[ふふっ1度、言ってみたかったの]微笑みながら言う。カ[何だよ、あほになるって]雑談しながら刻を待つと兵が知らせに来た。兵[女王が、お会いになられるとの事、ご案内します] カズ達[女王?]声を揃えて驚いた。王の間に通され半刻半程、待っただろうか女王が現れた、カズ達は跪き頭を下げる。女王が階段を上がり玉座に座ると早速、聞いてきた。グランディア・アース[風と水の王達の手紙は読ませて貰いました]カズ達を見定める。ア[ラシヨさん、ノエウさん加護の力を見せて下さい]ヒロとユリは立ち上がり加護化すると周りの兵が驚きの声を上げる、女王も立ち上がる。ア[これが、、]ユリは、いつも通り水の塊を出現させ操る、そしてヒロは辺りに風を起こした、すると女王のスカートが捲り上がり下着が見えるが誰も気付いていない、皆ヒロとユリに目を奪われている。キンが気付いてヒロに小声で言う。キ[ヒロ、ヒロ、風を弱めろ女王の下着が見えている] ヒ[えっ女王の下着?]驚いて大きな声で言ってしまった、皆、女王に視線がいく、女王には聞こえなかったらしいヒロは直ぐ風を弱めるとスカートは元に戻ったが一気に気不味い空気になる。カ[ど〜すんだよこれ]隣のシンに聞く。シ[俺が知るかよ] キ[お前ら静かにしろ、ここはヒロとユリに任そう]小声で注意する。ヒ[じょ、、女王様、、空中浮遊なんて如何でしょうか] ア[それはどういったものですか?] ヒ[はい、女王様を空中に浮かせて指示通りに動かします] ア[でわ、お願いします、ラシヨさんの思う通り動かして下さい] ヒ[はい、お任せを]ゆっくり女王を空中に浮かし前へ後ろへ、そして王の間を一回りして降ろす。ア[何とも、、こんな体験が出来るなんて、、]女王は満足した様子、さっきの出来事も兵達は忘れた様だ。シ[何とか誤魔化せたか?] カ[だと良いが]女王が座り話をする。ア[貴方達は何故、加護の力を求めているのですか?]真剣な表情で問うてくる。カ[母の仇でを取る為、加護の力を求めています] ア[母の仇?] カ[はい、その男は闇の加護を授かってます、男は言いました、加護を得て決着を着けようと]こんな大勢の前で言いたくなかったが女王の真剣な顔に言わざるを得なかった、カズを見つめる女王、カズも目を逸らさずにいる。ア[嘘は言っていない様ですが、その様な理由で国宝である地の宝珠、、地の試練を受けさせる訳にはいきません] カ[理由をお聞かせ下さい]納得のいかないカズに女王は理由を話す。ア[宝珠は火の国への抑止力であり、地の民を守ってくれる者でなければなりません、それを個人の復讐になど以ての外、水と風の王は何故、試練を受けさせたのかわかりません]水の国の時は肝心の説明が無かった、罠に嵌められたから、風の国の時は水の王の手紙だけで受けさせて貰えた、しかし地の女王は手紙だけでは納得しなかった、女王の真っ当な説明にカズも納得するしかなかった。ア[わかりましたか、でわ、下がりなさい話は終わりです]カズを見るアース、カズは歯を食い縛り返事をする。カ[はい]そこへキンが顔を上げる。キ[お待ち下さい、女王様]女王はキンの顔を見て驚きの表情をするが平静を装う。ア[ま、まだ何か?] キ[確かに、この者の動機は仇討ちですが、地の試練を我らが受け加護を授かれば必ず、この国の有事の際には駆け付けます]キンは真剣な表情で女王を見る。ア[ならばもし水や風の国と戦争になっても、そこの者達とも地の国の為に戦うと言うのですね] キ[はい、この者達と戦います]即答する。カ[(お前はユリとヒロとは戦えね〜だろ)] シ[(女王様この男、嘘言ってますよ〜)] ヒ[(この者達ってカズとシンの事よね)] ユ[(多分カズちゃんとシンちゃんの事だろうな、、)]ヒロとユリが正解、カズとシンはキンの真意が解らなかった。キ[(もし、そこの者達に女性は含まれますかっと聞かれると不味いが)]しかしキンは表情1つ変えず女王を見つめる。ア[そこの女性達、、いえ、失礼]こほんっと軽く咳払いをして言う。ア[先の言葉、、嘘偽りはございませんね] キ[はい、我が命に誓って] ア[(やはり似ている、あの人に)]一瞬、悲しそうな顔をする女王、少し考え言う。ア[良いでしょう、地の試練を許可しましょう、但し解っていると思いますが命の保証はありませんよ] キ[はい、ありがとうございます]頭を下げるキン、続けてカズとシンも頭を下げ礼を言う。カ、シ[ありがとうございます] ア[試練は明日になさい、、今日は部屋を用意させます、夕食も食べると良いでしょう] キ[いえ、女王様そこまでして頂かなくても、お気持ちだけで]辞退しようとしたがアースが遮る。ア[これは女王命令です受けなさい]キンが皆んなを見ると、カズ達は受けなさいという顔をしていた。キ[わかりました、ありがたく、ご厚意に甘えます]一礼するキン。ア[この者達を最上部屋へ案内して下さい、でわ、閉廷します]威厳ある声で終了を告げると1人の兵が、カズ達を部屋まで案内してくれた。兵[男性はこちら、女性はこちらです、食事の刻になりましたら呼びに参ります]敬礼をして去っていく、兵が見えなくなった後、シンが言う。シ[おいおい、キアータ君、嘘はいけませんな〜] カ[そうですな〜]2人はにやり顔をする。キ[嘘、、何の事だ?]逆に聞いてくる、そこでヒロが盛大な溜息を吐く。ヒ[はぁ~〜やっぱり、あんた達、わかってなかったようね]額に手を当て呆れる。ユ[でも女王様、言いかけたけど止めたよね、、何でだろう]不思議に思うユリ。ヒ[あ〜あれは、やばかったよね、顔が青ざめたよ] キ[全くだ]はははっと笑うキン、ヒロ、ユリ、カズとシンは全く解らなかった。キ[まぁ解らなければ、それでいい、その方がいいんだ] カ、シ[へいへい、そうですか〜]納得してない顔だった、、食事の刻になり女中が呼びに来て案内される、そこには何と女王も居た。カ[(何で女王も居んの)] シ[(気不味い食事になるな〜これ)] ヒ[(気が休まらないわね、カズとシンが馬鹿しなきゃいいけど)] ユ[(カズちゃんの隣がいいな)] キ[、、、]女中に促され女王の右側にキン、カズ、シン、左側にヒロ、ユリと座る、テーブルには豪華な料理が沢山、乗っていた。ア[さぁ皆さん、遠慮せず沢山、食べて下さい] キ[はい、いただきます]キンが先陣を切り皆も続く。カ、シ、ヒ、ユ[いただきます]食べ始める。ヒ[これ、、美味しい]ヒロが感想を言う。ア[ふふっお口に合って何よりです、普段はどうしてるのですか?] ヒ[野宿の時は私とノエウが交代で作ったり、街だと宿か外に食べに行ってます]他愛ない雑談をしながら食事を終える。カ[いやぁ~美味しいかったです、ご馳走様でした] キ、シ、ヒ、ユ[ご馳走様でした]皆、手を合わせ一礼する、出された料理を全て平らげて女王は驚いていた。ア[、、、まさか、あの量を、、いえ、楽しんで満足して頂いたのなら良かったです] ヒ[女王様は厳しい方だと思ってたんですけど優しいんですね] ア[ふふっ今は女王ではありません、政務が終われば只の女ですよ] キ[でわ、我々はこれで部屋に戻り明日に備えます、本日はありがとうございました]皆、席を立ち一礼して帰ろうとすると呼び止められた。ア[キアータさん、、でしたね、今夜、少し刻を頂けないかしら] キ[それは女王命令ですか?]聞き返すキン。シ[(そこは、はい、しかね〜だろう)] ア[いえ、、命令ではありません]目を伏せる、キンは少し考え言う。キ[わかりました、ご連絡お待ちしております] ア[ありがとう、、ごめんなさいね]悲しそうに微笑む。キ[いえ、でわ失礼します]頭を下げ皆、食堂を出る。部屋に戻る途中シンが言う。シ[おいおいおい、このこの]キンを小突く。カ[女王様はキンが好みか、やっぱり夜伽か?] ユ[食事の時、色々話したり聞いたりしたけど結婚はしてないみたいだね] シ[やっぱり夜のお相手か、くぅ~] キ[シン、うるさい]キンがシンの頭に拳骨を入れる。シ[ぐっ]シンが静かになる。カ[いや、、年は離れてるが中々、、あの胸に腰に尻、、持て余しているに違いない]拳を握り力説するカズ。ユ[カズちゃん、、]悲しそうな表情をするユリ。キ[カズもうるさい]シンより強めに拳骨を入れる。カ[ぐぇ]カズも静かになる。ヒ[本当にカズとシンは、あほね、確かに女王様は食事の時もキンちゃんの方を気にしてたけど、、その、、よ、夜伽とか、、そんなんじゃないと思う]顔を赤らめながら言う。キ[確かに結構、見られていたな] ユ[もし夜伽だったら、どうするのキンちゃん]復活するカズとシン。カ、シ[どうするのキンちゃん]ユリの真似をして言う。キ[また拳骨を喰らいたいか?]カズとシンはユリの後ろに隠れる。キ[夜伽の相手なら断る] ユ[そうなんだ] カ、シ[そうなんだ]キンが睨む。ヒ[う〜ん、何て言うか子供を見る母親の様な感じなのかも] カ[何だそれ、女王は結婚してないんだろう] ヒ[只そんな感じがしただけよ] ユ[部屋、豪華だったね、お風呂も付いてたし、これって国賓並みの待遇なんじゃ] シ[部屋もキンのお陰って事か?] キ[俺は初めて、この国に来た、女王に会うのも今日が初めてだ] カ[んじゃ呼ばれた時、色々、聞けたら教えてくれや] キ[ヒロ、ユリには教えるが、お前らには教えん]さっき、からかわれたのを根に持っていた。シ[冗談だよ、冗談、悪かったって] カ[キン、、これを見てくれ]カズが真剣な表情で刀を抜き上段に構える。キ[、、、ど〜いう事だ]場が静かになる。ヒ[全く笑えないわよ] ユ[カズちゃん、、]ヒロとユリは理解した。カ[上段だ、、]気迫、殺気を込め今にも斬りかかると言わんばかりだった、シンとキンは、まだ解っていない。カ[上段だ、、]さっきと同じ事を言うカズ、そこでシンは気付いた。シ[(おいおい、キンの奴まだ、わかんね〜のかよ、まぁつまらんが)]キンは遂に斧を構えた。キ[本気なのか、カズ] ヒ[(本気で解ってないみたいね、、カズ、気合い入れ過ぎなのよ)]ちらっとシンに視線を送る。ユ[(そろそろ説明した方がいいんじゃ)]ちらっとシンに視線を送る。シ[(俺かよ、、しゃあね〜な)]ぱんぱんっと手を叩き間にシンが割って入る。シ[キン、冗談のわからんかった、お前の負けだ] キ[冗談だと、、カズは本気だったみたいだが]カズを見るキン。カ[あぁ本気だった]刀を降ろす。ヒ[さっき、シンが冗談って言ったでしょう冗談と上段を掛けたのよ、笑えなかったけど] ユ[ごめんね、カズちゃん笑えなかったよ] シ[笑う要素がなかったな] カ[何だよ、お前ら笑う心、旅の途中で落としたのかよ] ヒ[あんた、気合い入れ過ぎなのよ]ヒロが怒る。キ[冗談と上段、、、くくくっはははっ解らんかったし見抜けなかった]1人で笑っている。カ[わかってくれたか〜]笑顔になるカズだった。[アース] 浴室で服が落ちる音がする、アースが風呂に入る為、服を脱いでいた、裸になると湯船に入る前に体を洗う。ア[(胸が高鳴りますね)]綺麗に隅々まで洗うと湯船に浸かる。ア[ふぅ~、、あれから18年、、くらいかしら]目を閉じ昔を思い出す。ア[まだ、決まった訳じゃないのに、、]風呂から上がると女中にキンを部屋に呼んでくるよう伝言を頼んだのだった[終] 部屋でくつろぐ男3人、扉を叩く音がした。女中[キアータ様、女王様がお呼びです] キ[わかりました、今、出ます、、じゃあ行ってくる]カズ達に声を掛け出ていこうとする。シ[ごゆっくり〜] カ[頑張れよ~]2人は意味深な言葉で送る。キ[しつこい、帰ったら拳骨だ]そう言って出ていった。カ、シ[言うんじゃなかった]2人は後悔するのだった。女中[此処が女王様の部屋でございます]一礼して去っていく、キンは覚悟を決め扉を叩く。キ[女王様、キアータです、お呼びに参上しました] ア[どうぞ、お入りになって]部屋から声が聞こえた。キ[失礼します]部屋に入ると月光石に照らされたベットの淵に女王は姿勢を正し座っていた。ア[来てくれて、ありがとう]柔らかな微笑みをする。キ[ご用件は何でしょう] ア[ふふっそう警戒しなくても、そこの椅子に座って下さいな、貴方の事を教えて欲しいだけなのです] キ[私の事ですか?]不思議に思いながら座る。キ[答えられる範囲なら、お答えします]キンを見つめるアース。ア[キアータさん、、貴方のご両親は今、何をされていますか?] キ[私に両親はいません、赤子の時、孤児院に預けられました、、私を預けた人は、それっきりだそうです] ア[(やはり、、この子は)そう、、だったのですか、、辛い事を聞いて、ごめんなさいね] キ[いえ、辛くはありませんので気にしないで下さい] ア[預けた両親の事は、、憎んで、恨んでいないのですか?]少し声が大きくなってしまった。キ[赤子の時です、覚えていませんし恨んでもいません] ア[そうですか、、]少し安心した様な悲しい様な気持ちになるアース。ア[それでは貴方が、どう育ち何を学んだか教えてくれませんか] キ[はい]そう答え話をするのだった、、、ア[良き国、良き孤児院の方々、それに良き友との出会い安心しました、立派に育ってくれて]涙ぐんでいる。キ[女王様、、今日、初めて会った私の事など気にするのは少し変かと思われますが]つい聞いてしまったキン。ア[えっ、、あぁ、そっ、、そうですね、ごめんなさい]少し慌てたが落ち着く。キ[でわ、私の事は話したので、これで失礼致します]一礼して振り返り帰ろうとすると呼び止められた。ア[待って下さい、まだ用件は終わってないのです] キ[用件とは?]真剣な顔でアースは言う。ア[キアータ・キン、私の側近として、この国に仕えませんか、最高の待遇を用意します、私の側で学び働きいずれこの国の王と貴方はなるのです] キ[お断りします、でわ失礼します]即答で返事した。ア[待ってお願い、、試練なんて止めて、、(我が子なのかもしれないのに)]懇願する様に縋り付き、キンの胸元で泣くアース。キ[女王様、、何故、私をそこまで評価するのは解りませんが、それだけは出来ません]直立不動で立つキン。ア[何人の強者が試練に挑みましたが誰1人、帰ってきませんでした、そんな危険な事に、、]我が子を行かせたくないと言いたくなるアース。キ[ラシヨもノエウも覚悟が出来ぬまま命懸けで戻って来ました、なら私も必ず戻って来ます、、どうか信じてくれませんか]力強く言うキン、泣き止むアース、キンの胸元から離れ謝罪する。ア[はしたない所をお見せして、ごめんなさい]キンの胸元は涙で濡れていた、後ろを向くアース。ア[話は終わりです、部屋でゆっくり休んで下さい] キ[試練の許可、豪華な食事と部屋、本当に感謝しています]頭を深く下げ部屋を出るのだった、、、扉を開け部屋に戻ったキン。キ[戻ったぞ] カ[お疲れ〜] シ[んで、結局、何の話だったんだ?]キンはどう話して良いのか迷う。キ[、、明日の試練について話をした]嘘は言っていない。カ[ふ〜んってそれなら俺らも呼ばんかい] シ[何だよ女王様もキンだと思ってんのかよ] キ[そ〜いう事だ、試練は俺に任せろ] シ[なら賭けようぜ試練に選ばれた奴に飯を奢る事] カ[よく言った] キ[いいだろう、お前らに奢らせてやる]賭けが成立した所で寝るのだった。
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