第19話 深夜らーめんは背徳の味
桃太郎容疑者が病院を襲撃し、入院中だった
深夜のらーめん屋で、
世龍乱と三日月は「バリカタ背脂野菜ニンニクマシマシ特盛りすぺしゃる」を大河内の奢りで貪る
「ズルズルズズーーーーッ!!」
「ですから、日ノ本さんの病室に容疑者が現れた際に、当直の刑事が赤い姿の不審者を見掛けているんですよ」
「ズゾゾゾーーーッ、兄ちゃん、替え玉お代わり!」
「あいよ!替え玉一丁!!」
「ふーっふーっ、ズルズル … はふっ」
「ズルズルズルズルーーーーーッッ!!」
「 …… 貴女方が日ノ本さんと接触事故を起こした際にも、不自然な供述をしていたでしょう?ほら、赤い人影がどうとか」
「ズルズルズズーー!兄ちゃん、替え玉お代わり!」
「毎度っ、替え玉一丁!!」
「味変、味変♪」
世龍乱は少なくなったスープにツユを足し、黒胡椒と紅生姜を山盛りトッピングする
「ガツガツガツガツガツ … うんめっ♡」
「ありやとございま〜す!」
「ふー、ふー、チュルチュル、ふはっ」
「ズルズルズズーーー!兄ちゃん、替え玉と叉焼追加!!」
「あいよっ!お待たせ!!しかし良く食べるねぇ、お姉ちゃん♪」
「おうっ、このオッサンの奢りだかんな♪タダ飯は幾らでも入るぜ」
既に5回目の替え玉だ
( 幾ら奢りだからと、どれだけ食べるんだ?まるで馬みたいに大食らいだな …… )
大河内は呆れて世龍乱のスリムな身体の何処にそんなに入るのかと見詰めて、人並み外れて豊かな胸元で視線が止まる
「ズルズルピタッ、 …… テメー何見てやがる」
「ご、ごほんっ!失礼」
「ふぅ~ふぅ~、ツルツル、ぷはっ、ご馳走様♡」
「ズルズルズルズルズゾゾゾーーーー、うしっ、食べた!ごっちゃん旨かったぜ兄ちゃん♡」
「ありやとございました、またどうぞ!!」
世龍乱が5回目のお代わりを食べてる間に、やっと1杯食べ終えた三日月は、酷い猫舌だった
「 …… まるで成長期の運動部みたいな食欲だな」
「おうっ、こないだ背が2cm伸びたからな!まだまだ伸びんじゃね?」
「アンタは食べた分、全部胸に行ってると思ったわ」
「先月Amazonでポチッたブラジャー、もうキツいんだよな … アンダー変わん無えのによ」
「まだ成長期なのか … そんな事より、赤い姿の話しを聞かせてくれませんか」
「あ゛!?」
先を歩く世龍乱と三日月の足が止まる
「事故調査の時は碌に相手にしなかった癖に、手の平返して何の積りだよ!?アタシ等もう警官じゃ無えんだ、関係無えだろ!」
「懲戒免職の処を依願退職に収めて差し上げたでしょう?」
「権力を傘にする積りかよ、気に入ら無えなぁ!顔洗って出直せやタコ助!?テメーはもう上司でも何でも無えんだよっ」
「プフッ、上司って言えばさぁ、署長の謝罪会見見た〜?」
「おう、見た見た♪アイツとうとうテッペンハゲ散らかしてたなっ!ザマぁ見やがれ」
「君達の尻拭いをして下さった署長に対して、それは失礼だろう」
「けっ、何寝言ほざいてやがる。上に立つ人間なら部下のケツ拭くのが筋ってもんだろ、責任取る立場の人間が責任から逃げてどうすんだよ」
「刑事が不審者見たって言うなら、そう言う事なんじゃ、なあい?」
「そう言う事だ、ごっそさん!世話になったな監察官アバヨ♪」
世龍乱と三日月の2人は大河内監察官に背を向けると、2度と振り返らず去って行く
大河内は2人が見えなくなると諦めて車に乗り、帰った
「 …… 行ったみてえだな」
「そうね、どうすんの?」
「決まってんだろ、糞坊主をとっ捕まえて真相を暴いてやる!」
世龍乱はバイクに跨ると、後ろに三日月を乗せる
「世龍乱様を舐めやがって … キッチリ落とし前着けてやるぜ!」
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