文集

tokky

第1話 ケンカ

先生はぼくに、もっと元気を出しなさいと言います。

一生けんめい元気にしているつもりでも、

元気がないとしかられます。

啓太くんみたいに強くなったら、ほめてもらえるかなあ。

啓太くんは、強いけれど、

史郎くんみたいにぼくをイジメません。

カゲでこそこそしているやつをなぐったりします。

先生は、ぼう力をふるう啓太くんを

職員室によんではしかっています。

強くてもしかられるんだな。

史郎くんは、よく先生にほめられます。

宿題をかならずやってくるし、

ぼう力をふるわないからです。

おとうさんはぼくのこと、

「意気地がない」

と言います。

今日、史郎くんにからかわれて、

そのことを思い出しました。

ぼくは史郎くんになぐりかかりました。

史郎くんは最初、ビックリした顔をして、

それからぼくにとびかかりました。

そのあとはメチャクチャでよくおぼえていません。

啓太くんが中にわって入って、けがをしてしまいました。

ぼくたちは三人とも先生によばれて、

たいそうおこられました。

勉強できても、体操できても、意気地がなくても、

みんな同じにしかられました。

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