人生の哲学書みたい

正直に言います。
『No.n-fiction』、とんでもなく良かったです。もう、胸の奥をギュッと掴まれて、そのまま優しく抱きしめられるような……そんな読書体験でした。

まず、物語の紡ぎ方が本当に独特で、ありふれたエッセイでも、ただの自叙伝でもなくて、「人生そのもの」がひとつの芸術みたいに感じられました。
普通の人には絶対に書けない“生の温度”があって、そのリアルさに何度も息を呑みました。

特に第16話の仕掛けは凄すぎます。
あれはもう作家としてのセンスが爆発していて、思わず背筋がゾワッとしました。
これまでのエピソード全部が、あの真相に向かって静かに積み上げられていたんだって気付いた瞬間、「作者天才すぎる……!」って素直に声が出ました。

そして文章が綺麗。
無駄な飾りがないのに、深くて、暖かくて、読んでいるだけで心が浄化されていく感じ。痛みを知ってる人にしか書けない優しさがあって、それが一文一文に滲み出ています。

ここまで“記憶”と“人格”を美しく描ける人、なかなかいません。
どの章にも作者さんの人生がしっかり息づいていて、それが物語に圧倒的な説得力と魅力を与えています。

『No.n-fiction』は、作者さんの人生そのものがもつ奇跡的な文才で成り立ってる、唯一無二の傑作です。



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