【ASMR】夜間献血ルームの癒し時間~ヴァンパイア看護師キキの特別サービス~

世楽 八九郎

小悪魔ナースと個室サービス:初めての夜間献血

 本作は音声作品の台本形式のため特殊な表記を採用しています。

 人間と共存している幻人と呼ばれる者の一人、キキとの夜間献血物語をお楽しみください。


「」……キキの台詞

// ……声色・距離などの補足

  (C)は正面から、(L)は左から、(R)は右から、(T)は頭上のほうから

SE:……音声効果・演出


――――――――――――――――――――


 いつもの献血ルームで受付と問診を終えたあなたが部屋を出ると声をかけられた。


//確信している感じで(R)

「あなた、予約の成分献血のヒト?」


 振り返ると、角と羽に尻尾を生やした女性ヴァンパイアの看護師がいた。

 あなたは頷く。


SE:女性ヴァンパイアの羽がパタパタと揺れる


//得意気に(C)

「キキッ♪ やっぱりね。初めまして、よね?」


 再びあなたは首肯する。知らない顔なので、夜勤の職員のようだ。


「あたしはキキ。初めましてこんばんは」


「いま夜間でヒトが少ないから個室サービス受けられるんだけど、どう?」


 キキが口にした言葉にあなたは首を傾げる。


「もしかして、知らない感じ? へぇ、自体が初めてなんだ」


 あなたの回答にキキは頬に手を当て考えごとを始める。


「それなら、せっかくだし説明も兼ねて個室サービス、受けてみない? もちろん、お金取られたりなんてしないから安心して」


 決められずにいるあなたにキキがずい、と詰め寄る。


//至近距離で

「担当はもちろん、あ・た・し♪ 優しくサービスするよ?」


SE:キキの尻尾が大きく揺れる


 押し切られてあなたは頷く。


「決まりね♪ 採血前チェックも個室で出来るから、こっち来て」


 普段は賑やかな献血ルームもいまは人もまばらで、静寂に二人の足音が響く。


SE:キキの小さな足音とあなたの革靴の音


 先を行くキキの尻尾とハニーブロンドのセミロングヘアが揺れる。


「個室まで使って比重が足りなかったら、申し訳ない? ああ、そこは大丈夫よ」


 大部屋の端にある扉の前にあなたを連れてきたキキは迷わずそれを開ける。


「あなたの血は大丈夫。ヴァンパイアのあたしが言うんだから間違いないわ」


 キキの赤い瞳が怪しく一瞬光る。

 その瞳に誘われ、あなたは部屋に足を踏み入れる。


SE:背後で扉が閉められる


//背後から囁き

「それに、あなた……とっても、美味しそう」


 びくりとしてあなたが振り返ると、キキの瞳の怪光は消えていた。


「それじゃ、初めての夜間献血、初めての個室利用、初めてヴァンパイアサービスいってみましょう♪」


SE:キキの羽がパタパタと揺れる


「キキッ♪」

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