【実話】男と女の間にあるもの。バブリーな恋は不能に?携帯か無くても恋の難しさは変わらない
@Tokotoka
第1話 グアムの恋は意外な展開へ
ある、カップルの物語。
「お酒飲んだせいか、無理」
22歳男子で不能?
彼女とエッチがちゃんと出来なくなる。
そんな2人は、どうしてそうなったのか?
京子は26歳。
事務の仕事ではあるけれど、締め切りが重なる時期は、夜遅くまで仕事をするしかない。
康之は22歳。
工業高校を卒業し、四国から出て会社の寮に暮らす、測量士補。
お互いに働き出して丸4年が経つ。
宗一郎は欲しかった車、ワーゲンのビートルも買った。
会社の業績も良く、まだ社員旅行があった、バブルの時期。
社員旅行。初めての海外旅行がグアム。
京子は女友達と、恒例の夏休み旅行に。
北海道、沖縄、3度目はグアムにした。
今とは違って、グアムは安・近・短な場所。
夏休み時期でも、3泊で10万円以内ぐらいで行けた。
京子たちが先に着いた。
グアム便は、現地発着が夜中になる便が、たくさん飛んでいた。
皆んなそんな便を利用していて。
翌朝はゴルフを予約してたから、ゴルフ場に出かけた。
夜中に着いて寝不足の上に、2人とも超初心者🔰。
おまけに前日は大雨でコースは、粘土のぬかるみしかなく、落ちてから転がらない。
芝はほぼハゲていて、落ちたらいわゆる目玉。
ボールが半分はハマっている状態。
アイアンで、掘り出してから、打つしか無いぐらい。
なかなか前進せずに、日焼けもして、疲労困憊でホテルに戻った。
翌日はビーチで、ジェットスキーなどの、マリンスポーツをして、後はのんびりと昼寝した。
夜は名物だった、フルーツを食べるコウモリの料理の店に。
コウモリの姿のまま、出て来た。
グロいと言うとそう。
昆虫より、そのまま感は強かった。
コウモリは、恐る恐る食べてはみたけど、特にフルーツの匂いや、味がする訳でも無く。
食べられる部分は、めちゃくちゃ少ない。固くて身の少ない鶏肉のようだった。
のんびりした1日だったので、夜は泊まっていたホテルの地下のクラブ?ディスコ?へ行った。
友人の雅代も、会社の先輩や同期とも行くらしく。
京子は社会人になっても、踊るのが好きだから、先輩と年に数回行ったりした。
が、忙しい部署に変わってからは、それも出来なくなり、久々に行きたくなった。
雅代も京子は、他の海外のディスコへも行ったこともある。
他の国でもクラブやディスコは、ホテルの中の店は安全なのは、知っていた。
ましてやこのホテルは、日本のホテルチェーンだから、宿泊客はほぼ日本人。
海外に来たと感じた無いぐらい、スタッフ以外は日本人。
日本資本でも、わりとハイクラス。
クラブの中も、ほぼ日本人しかいないし、選曲も日本人にウケそうな曲が鳴っていた。
男性のみのグループが、かなりいた。
グアムに女子だけで来る、猛者はまだ少なかった。
京子はクラブならと、濃いピンクのミニスカートに、黒のチューブトップ。
雅代はバカンスな感じの、サンドレス。
踊っていると、男子の2人組に声をかけられた。
ナンパってやつ。
若そうで、チャラチャラ感は薄め。
ダサくは無いけど、オシャレでも無い。
踊りながら、1人はずっと京子に話してくる。
「どこから来たの?」
「今日は何してた?」とか。
スローナンバーになり、席に戻る時に彼らは付いて来た。
「一緒に良い?」って、両脇に座った。
2人は会社の社員旅行で、来た先輩と後輩。
名前は宗一郎君と和也君。
歳は22歳と24歳。
若っ!て思った。
「幾つ?」と聞かれた。
素直に言いたくないから、「幾つに見える?」と聞き返した。
「僕らと同じぐらいかなぁって思って、声をかけたんだけど」
そんな訳無いだろう!と、2人で突っ込んだ。
京子はともかく、雅代は浪人もしてるから、実年齢は京子の2歳上。
26歳と誕生日の関係で、ギリ27歳。
驚いてはいたけど、怯む様子もなく、宗一郎は京子が気に入ったのか、ずっと色々話しかけてくる。
職場は男性しかいないし、地元は離れているから、女の子と知り合う機会も無いとか。
彼らは仕事の関係で朝は早く、6時過ぎには起きて、7時には会社から先輩たちとグループで、山奥に測量に行く生活。
寮の門限も11時。
が、既婚者の人も6時起き?遠い人は5時代に起きる。
基本翌日仕事だと、皆んな早寝するしか無い。
だから、クラブや飲み屋で夜遊び出来るのも、翌日が休みの土曜か、祝日の前の夜だけ。
女の子と知り合うチャンスがほぼ無いとか。
嘘では無いのは、先輩の和也君の様子からもわかった。
ガツガツしたり、口説き慣れてる様子はなかった。
よく見たら、宗一郎君はイケメン。
声も良いし、落ち着いて見えた。
和也君はは雅代と、普通に会話はしてる。
が、宗一郎君は先輩の前だけど、京子に狙いを定めてることはわかる。
先輩とも話しながら、ずっと目を見てる。
クラブでナンパは、よくある。
社会人になって、一緒にクラブやディスコに行ってた先輩は、無敵だったし。
2人で踊りに行くと、先輩目当てに男がわんさか声を掛けてくる。
25歳過ぎた、既婚者には全く見えないから、ナンパの嵐。
が、ナンパした男たちを、バッサバッサと薙ぎ倒し、ほぼちゃんと会話出来た人たちはいない。
断り方も「踊りたいから、男には興味ないから、ごめんね」ってビシャッと言うから、ひつこく話かけてくる人はおらず。
スローナンバー中、席に戻っても同じ。「お酒奢るよ」には「間に合ってま〜す」とか、「どこから来た?」には、「宇宙から!」と言って大笑いする。
横にいても、痛快だった。
だからクラブでナンパの人と、これだけ話したのは、この時ぐらい。
学生時代は、7人とか5人とか大人数で行って友達と話すから、同じように声をかけられても、皆んなも瞬殺。
同じホテルに泊まってるし、朝食や夕食でまた会う可能性も高いから、普通に世間話はした。
「明日は何する予定?」とか。
私たちは翌日が最後だから、買い物、免税店に行く。
ホテルから免税店にはバスも出てた。
その近くに、グアムには射撃場があり。
アメリカだから。
タクシーで行くほどじゃ無いけど、免税店のついでに行くなら、人生で1度ぐらい銃を撃ってみるのも悪くないね、と言う話になり。
ハワイで行った子は、まあまあ面白かったって言ってたし。
「明日は、銃を撃ちに行く」と言うと、男子2人は盛り上った。
「俺らも行きたい!」って。
「そんな場所あるの?」とか詳しい話になり。
「元々は免税店目当てで、徒歩10分だから、買い物行くついで」と話すと、また盛り上がってた。
「免税店に行きたいけど、何を買ったら良いかわからないから、免税店も一緒に行って貰えたら嬉しい」と。
「海外も初めて。お母さんに化粧品をお土産にしたいけど、サッパリわからない。何が良いか、買い物に付き合ってくれたら、めちゃくちゃ嬉しい」と。
嘘では無さそうだし、本気で困っていそう。
どのみち行くから、一緒でも良いかなぁって話になり。
翌朝は、別行動で昼前に待ち合わせて、バスに乗った。
バスの中は、2人ずつ。
先輩と打ち合わせたか、男子は分かれて座り、宗一郎は京子を呼んだから、隣に座って、前後でも話しながら、射撃場に着いた。
銃は怖いし嫌い。
でも、知らずに怖がってるだけは、駄目な気がして、撃ってみたくなった。
注意事項を聞いて、男子2人、女子2人で交代で打った。
銃口は的以外に向けない。
足元に向けると、自分の脚を打ったりするから。
隣と敷居はあるけど、隣も危険だから。
反動が凄いから、出来れば両手で持ってとか。
打つと反動は想像以上に、大きく強くて、真っ直ぐに銃を持っていられない。
こんなに小さい拳銃でも、こんなに衝撃があるのかと。
狙うために、先に付いている銃星を的に合わせろって言われた。
が、それを覗くには、腕を曲げて首も曲げないと、銃星は見られない。
映画やドラマのような形で、狙いを付けるのは、無理なのはわかった。
至近距離で、広い胸や背中を狙うなら、別だろうけど。
反動は凄まじい。
自分が吹っ飛ぶ、しっかり立っていられないぐらい。
しっかり立てて無いと、銃口が上を向いたりして、的には当たらない。
終わったら、的にどれだけ当たったか、的になった紙を貰った。
射撃場のゴツいおじさんの話では、4人のウチでは、何故か京子は1番上手いと褒められた。
1発以外は、的の紙に当たった跡が残っている。
人の頭を書いた黒い部分へも、しっかり3発は命中、端にも2発。
10のウチ5は命中に近い。
ジョークで、良い射撃手になれると。
反動があれだけあるなら、弾は凄い勢いで飛ぶことは実感した。
やっぱり銃は怖い。
破壊力があるのを体感した。
免税店までは、そんな話して歩き、どんな化粧品が良いかの話になり。
雅代と2人で、アドバイスした。
香水は田舎だと、付ける機会は少なそうだし、好みもわからない。
マニュキアは当時は、水商売のイメージが強く、すぐに剥げるから却下。
基礎化粧品は、肌に合うかわからない。
無難な物として勧めたのは、口紅。
当時は日本のメーカーや、近所でも買えたアメリカのマックスファクターの口紅は、色が限られていたし、塗った時の発色も良くなかった。
前に海外旅行のお土産に、イギリスやフランスの物を買ったら、母や叔母に好評だった。
だから私は、自分のと母に頼まれていた物を物色した。
彼も口紅を見たいと、側にいた。
「ウチの母さんが、どんな色を使ってたか、全く記憶に無い」とか、呟いてた。
まあ、男の子は母親の口紅なんか、見てやいないのは、今も同じ?
お父さんたちには、ウィスキーかブランデー、洋酒は決めていた。
これもどのメーカー?を聞かれた。
彼も先輩もあまり量は飲めないし、普段も飲みに行かないから、「ジョニ黒」すら、知らなかった。
この時代、まだジョニー・ウォーカーは高くて良いお酒扱い。
日本では高いけど、免税店なら2500円ぐらいの、手頃な値段。
ブランデーは、とりあえずヘネシー。
京子と雅代は、接待にも同行したり、部長さんたちと、飲みに行くこともあったから、何となくは知っていた。
自分の父親にも、適当に1本ずつ買った。
飾りに出来る、変わったボトルのブランデーと、ジョニ黒。
口紅は息子から貰うなら、普段よりちょっと派手?女らしく若く見えて、顔が華やかに見える色を勧めた。
当時シャネルの口紅は、少し変な味がして、雅代も京子も避けた。
よって皆んなで、サンローランの口紅を買った。
京子が聞いた
「自分の物は買わないの?」には、
「欲しい物は高いし、今回は買わない」
バブルが始まっていて、男性はブランドのセカンドバックが、何故かずっと人気で。
昔なら闇金の人とかしか、持たないような物だったのに。
芸能人や野球選手も持っていて、一般人も持っていた。
京子たち女子にも、ブランド物のバッグや財布が人気だったけど、2人はヴィトンやグッチには興味は無く。
お互いの金銭感覚も、何となくはわかった。
帰り道は夕食の話になり。
彼らは毎食、ミールクーポンが付いたツアーらしく、ホテルで食べると言う。
私たちも夕食1食だけは、クーポンだからその日に使うつもり。
なら、夕食も一緒にと言う話になり。
メニューから、自由にチョイス出来たし、お酒もワンドリンクは付いていた。
何にする?の話で、4人の中では1番料理名が読めて、話しも聞き取れる京子がオーダー。
素直に「凄いな。英語話せるんだ」と、褒めてくれた。
ウェイターさんも、お世辞で「発音が良いよ!」とか、褒めてくれたせいもある。
年下だからと、卑下したりしない、真っ直ぐな人かなぁと感じた。
4人で楽しくコース料理を食べて、夕焼けの中、ダイニングルームは素敵な雰囲気だった。
雅代と京子は今日帰る。
彼らは明日帰る。
が、女子2人は飛行機は別。
先に雅代が帰った。
4時間後のフライトまで、ちょっと暇。
雅代が出る時間を、彼は先輩から聞いたのか、彼女がロビーに降りてすぐに、部屋のチャイムが鳴った。
雅代が忘れ物でもしたか?とドアを開けると、宗一郎君が立っていた。
夕食の時に、自宅の電話番号は聞かれた。
良い人だし、住む場所も近いから、また会っても良いかと思ったから、素直にナプキンに書いた。
今まで誰かに、嘘の番号を教えられたのか、先輩たちがそんな目に、あったのかはわからないけど、何度もひつこく確認してた。
「本当に番号は間違いない?掛けたら知らない人が出るとか?」
「間違いじゃなく、使われておりませんとか言わない?」とか。
「日本に帰っても、絶対に会ってくれる?約束してすっぽかしたりしない?」
「絶対にまた会ってな。約束して」とも。
彼が本気で言っているのは、よくわかった。
戻ってから会うにも、あんまり洒落た喫茶店も知らないとも話してた。
自分の先輩も雅代もいる前で、ずっとそんなことを言ってる。
信用は出来そうだと。
旅行から帰ったら、お盆休みは地元に帰るから、会えるのは次の日曜日になることも。
だから、今から予定入れないで、空けておいて欲しいとも。
話していて、年齢差はほぼ感じなかった。
前の彼氏は、まあ年上。
年下と付き合ったことは無い。
自分がわからない英語は任せても、待ち合わせ時間や場所も、全部彼が提案してくれた。
自信が無さげだったり、卑屈な感じも無くて、京子は自然でいられた。
彼のほうは背伸びしていたのか、必死だったのかは、わからない。
が、その後も感じさせない言動だったし、安心出来る感じもあった。
彼は、見送りに来たと言った。
扉の隙間から、少し話した。
ずっと開けておくのは、扉を強く握っているしかなく疲れる。
話が続くから、つい「入る?」と聞いた。
入って、並んでベッドに座り話した。
しばらく話していたら、彼が目を見ながら、キスを始めた。
彼氏を作らず、3年以上経った。
何も考えずに、身を委ねた。
彼が今が初めてでは無いのは、何と無くわかった。
ぎこちないところはあっても、ちゃんとリードしてくれた。
その後を考えたら、多分1番何も考えずに、彼がしたいことを、考えたことをしたのか?
1番自然な感じだった?
初めてがグアム。
彼は若い。
女子をナンパして、本来の目的だったことはしたんだろう。
だから、日本に戻っても彼から連絡が来る可能性は、2割?1割ぐらい?
連絡は無いかと、京子は帰りの飛行機の中で、考えた。
まあ、それはそれで良いか…とも。
男と女が出会って、そんな関係になる。
出会ってから、時間だけだと24時間ちょいぐらい。
が、たくさん話したし、良い人なのもわかった。
外見もタイプ。
顔の作りも身体も細身。
身長も高めの175センチぐらい。
声も好き。低めで落ち着く。
部屋を出る時は見送りの言葉通り、私の荷物の大きなダッフルバッグを、彼は持ち、ロビーの集合場所まで来てくれた。
バイバイと手を振って、別れた。
高校生でも無い。
当時言われた、25歳は叩き売りの、その年齢も過ぎた。
どうやっても売れない、26歳。
半年したら、27歳になる。
仕事は大変だけど、怖い先輩女子認定になっても、仕事は好きだった。
少し体調不良は、既にあった。
が、何とかなるとまだ仕事は続けられると考えていた。
この夏には、体調もまあまあ。
まだ楽観的に考えていたし、とりあえず付き合うになるのか、旅先の思い出になるかは、彼次第。
そんな気持ちで、日本へ戻った。
日本に戻って京子も実家に帰り。
お盆休み開けの月曜日の夜、家に帰ると留守番電話が、点滅していた。
メッセージは無言。
しばらくして、電話が鳴った。
「もしもし」宗一郎の声だった。
あれだけ言ってたから、一応電話はして来たんだろうと。
「元気だった?」
「何してた?」
「日曜日、どこで会う?」
とりあえず、普通の会話だし、また会う気ではいるようだ。
京子は彼の寮に近くて、彼女も普段遊びに行く街で、待ち合わせた。
私も知る街に彼がいることは、何だか不思議だった。
2話
3話
4話最終
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